赤ちゃんをお腹の中に授かることは、人間なら誰しも喜ばしいことです。しかし女性にとっては来るべき出産のスタート地点、体力・気力ともに大変な時期へのスタートだともいえます。
その最初の難関が「つわり」です。妊娠後2ヶ月くらいから始まるつらい時期です。軽い人は安定期と呼ばれる5ヶ月あたりで落ち着きますが、ひどい人は入院をしたり出産まで続く人もいます。
家族となって、授かった大切な命を、出来るなら家族や赤ちゃんとともに幸せに過ごしたい。みんなで食べる食事を自分もみんなと楽しく食べたい!そんな人のために「つわり」の時期をできるだけ快適に乗り切るための食事の対応策を考えてみました!
「つわり」とは?
「つわり」とは妊娠初期から始まる、妊娠期特有の生理的現象です。
- なんだかムカムカする
- 気持ち悪くなって吐く
- 何か食べていないと気持ち悪い
- 日常生活の中でのニオイに敏感になる
- だるい
- 四六時中眠い
など、症状は様々です。
原因ははっきりわかっていないのですが、大まかに3つの原因からくるのではないかといわれています。
①妊娠のために大量に分泌されるhCGというホルモン
hCGホルモンは後に胎盤となるホルモンです。この状況に身体がついていけずに拒否反応を起こすために症状が出てきます。妊娠10週あたりに分泌量が多くなり、その後少なくなるためこのホルモンと「つわり」は関係あるといわれます。
②もともと人間の体にある、異物を取り除こうとする働き
つわりの時期にはまだ胎盤が未完成なので、女性の体が赤ちゃんそのものを異物と認識してしまい、拒否反応が起こり「つわり」が起こるといわれています。
③自律神経のバランス
赤ちゃんを身体の中に宿し環境を整えるための急激な体の変化に、自律神経のバランスが崩れてしまうために「つわり」が起こります。
自律神経に影響が出ると、全身の不調につながります。頭痛・だるさ・肩こり・腰痛・便秘なども起こりやすくなります。
「つわり」の種類と対処法
「つわり」の症状は人それぞれです。どのような「つわり」があるのか、見てみましょう。
匂いづわり
代表的なつわりの症状です。
日常生活の様々な匂いに敏感になり、時には今まで好きだった食べ物の匂いでさえも吐き気を催してしまいます。そのため食欲がなくなり、偏った食事になりがちです。こういった状態がずっと続く人もいれば、ある特定の時間帯にだけ敏感になる人もいて症状にはかなり個人差があります。
まったく食事が取れないようであれば、我慢せずに担当のお医者様に相談してみましょう。
食べづわり
常に何か口にしていないと、胃がムカムカするなどの症状が出ます。
症状にはかなり個人差があり、ちょっとお腹がすいた時に気分が悪くなる方や、常に食べないと気分が悪くなるので食べているがその後に吐いてしまう。など、吐きづわりと食べづわり両方が現れる人もいます。
食べづわりの人は、食事を行っているので栄養面での心配はありませんが、体重が思ったよりも増えてしまう可能性があるので、注意してください。
吐きづわり
食べづわりの人のように、食事は取れるのですがその後に吐いてしまう。また匂いづわりのように、そもそも食べ物の匂いを嗅いだりすることで気分が悪くなり吐いてしまう。などの症状があります。
栄養がきちんと取れていれば大丈夫ですが、栄養が取れないような症状ならば、担当のお医者様に相談しましょう。ひどいときは入院しなければいけないときもあります。
眠りづわり
ずっと寝ていても、まだ眠たいというのが眠りづわりの症状です。
常にダルくて眠くなる軽い症状から、我慢出来ないほどの眠気がつづき、気が付けば仕事中にも関わらず寝てしまっている・・という、日常生活に影響を及ぼすほどの強烈な眠気に襲われる人もいます。
眠りづわりで注意してほしいことは、常に眠い状態なので判断力が鈍ります。強烈な眠気に襲われて無意識の内に眠ってしまうという事もあります。車の運転や火を連続して使う料理などが最も危険です。仮眠が取れるようであれば、無理せずしっかりと仮眠を取るようにしましょう。
つわりの時の食事のポイント
お腹の赤ちゃんのために無理してでも食べなくちゃ。とか、食べられないのがつらい。など思っていませんか?実はそのように考えたり、思うこと自体が身体に対して負担になっています。知らず知らずのうちにストレスをためているのです。
ストレスは、妊婦自身の身体にも影響がありますし、お腹の赤ちゃんにも良い影響は与えません。この時期の赤ちゃんは小さいので、栄養をたくさん摂る必要はありません。
「つわり」で食事が思うように取れないことは自然なことで、あまり神経質にならないでください。この時期は少しぐらいの体重の減少は自然なことと考えるようにしてください。あまり食べられないことに、神経質になってストレスをためないことが重要です。
しかし体重が何キロも減少したり、水分補給もままならない場合は入院の必要も出てくるので、お医者様に相談してください。
空腹をさける
何かを食べていないと辛いという「食べづわり」向けの方法です。
常に何かをガッツリと食べるのではなく、空腹を感じてしまうと気分が悪くなるので、一回の食事量を少なくしてみましょう。一日に何度かに分けて食べることや、クッキーやクラッカーなどを空腹を感じる前に少量つまむ程度でもいいので、口に入れておくと不快な気分を避けられます。
常に食べることで体重の増加が気になることと思いますが、この時期の体重の増加はさほど気にしなくてよいでしょう。
冷やして食べる
食べ物の匂いに気分を悪くする「匂いづわり」や「吐きづわり」向けの方法です。
食べ物をいったん冷やすと匂いをあまり感じなくなるので、この「つわり」の人には良い方法です。
家族に協力してもらう
「つわり」中は料理を作るのが苦痛に感じることがあります。匂いと直接かかわる調理時間は最も嫌な時間の一つです。作ってみたはいいものの、自分は食べられなくなることもあり辛いところです。
料理はなるべく家族に替わってもらえればいいのですが、家族間でなかなか上手く連携が取れないのが現状でしょう。しかし食事は家族の理解や協力が大きく関係します。協力してくれる両親との同居や、兄弟の食事、夫の理解度などこれを機会に話し合ってみるのもよいと思います。
「つわり」はこれからの育児のスタート地点でもあります。家族みんなが気持ちよく赤ちゃんを迎えられるようにお互い努力が必要です。
氷の活用
「匂いづわり」や「吐きづわり」の人にとって氷は必須アイテムです。
冷たくて感触もよく、匂いも無い、また食感もカリカリと噛めることで、気分転換に氷を食べる人が多いです。栄養の面では特にメリット無いのですが、症状のつらいときや水分補給が上手く出来ない人には良いでしょう。ただ、食べすぎは身体を冷やすことになります。量に注意しましょう。
市販品の活用
食事の支度はこの期間は本当につらいのです。だから遠慮せずに市販品に頼ることも大切です。
本当は家族の協力で乗り越えたいところですが、出来ない場合は「赤ちゃんのために」と割り切って考えましょう。
食べ方の工夫
「つわり」の時期は普通の生活習慣のように、3食きちんと食べなければならないと思わなくても大丈夫です。食べたいと思ったときに少しずつ食べてください。
少量ならたとえ気持ち悪くなっても負担が軽くすみます。ただし脂分には気をつけてください。脂分は消化も良くないので、胃に負担がかかります。食べるものはなるべく消化のよいものにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
妊娠して最初の難関「つわり」。妊婦さんにとっては身体的にも精神的にも大変な時期ですが、家族となって授かった大切な命のために是非家族みんなで協力して乗り切りましょう。
食事もあまり神経質にならずに、食べれるものを食べれる時に少量づつ摂りましょう。
また妊婦さんの精神的な健康も大切な要素です。心身ともに健康でいることが赤ちゃんにとっての一番の栄養になると思って、この時期を健やかに過ごしてくださいね。
関連記事として、
・生理前の眠気の5つの対策方法を紹介!眠い体をなんとかしよう!
これらの記事も合わせてお読みください!
また、妊娠した後の食事については、
・妊娠初期の食べ物は何が良いかを紹介!注意するべき食べ物は?
これらの記事を参考にしましょう。