直腸炎とは?症状・原因・治療法・予防法を知ろう!ウイルスが原因であることが多い?

皆様直腸炎をご存知でしょうか?日頃生活する中での様々な原因によって、大腸の最終部にあたる直腸が炎症を起こし、色々な症状を出している病気です。

年々食の欧米化に伴って、大腸の病気が増えています。直腸炎もその中の一つになります。直腸炎について詳しく見てみました。

直腸炎とは

直腸がん 症状

直腸炎とは発生頻度が高く、大腸の最終部にあたる、直腸の粘膜に炎症が起きた、炎症性腸疾患の一つです。

潰瘍性大腸炎の中でも軽症の部類に入りますが、直腸の粘膜に何らかの原因で炎症が起きたものです。直腸に限局し潰瘍性大腸炎の一つの型として、直腸炎型として位置づけられています。

また免疫機能の落ちている人は、直腸炎になり易いので、注意が必要です。仕事でストレスが溜まり、免疫機能が落ちている時に、発症する可能性があります。

虚血性直腸炎は直腸の血流障害により起こります。原因となるものが膠原病や、腹部大動脈手術、血管炎、骨盤内手術、動静脈瘻などにより、発症することがあります。

直腸炎の診察は軽い場合は胃腸科でも良いですが、下痢や粘血便が出ている場合などは、大腸肛門病の専門的な病院や、消化器系の消化器科、または消化器外科、肛門科などで診てもらう方が、詳細な事が分かり、治療も進んだ治療が受けられるでしょう。

直腸炎の原因

感染

直腸炎の原因は、様々な原因が考えられますが、クローン病や、潰瘍性大腸炎などが原因となって起こる事もあり、直腸炎の原因については、日常生活の見直しも必要となることがあります。直腸炎は次の基礎疾患により引き起こされます。

原因が感染症

性感染

淋菌感染症、クラミジア、単純ヘルペス感染症、梅毒、トラコマチス感染症、サイトロメガロウイルス感染症、HIVなど、赤痢アメーバ性腸炎などの性交渉で感染することが多いので、注意が必要となります。

特に同性愛者の人たちに起こる事が多く、この人たちが異性との接触で感染する場合もありますので、十分な注意が必要となるでしょう。

性感染で異性との性交渉で、肛門性交換を行う場合に、直腸炎の形として、感染することが良くあります。

サイトメガロウイルス感染症

日本人の殆どの人は、母体間で周産期を中心に、初めてサイトメガロウイルスに感染し、感染して体内に保有したまま出生します。

サイトメガロウイルスを保持したまま、人と人との接触で感染します。感染源は母乳、涙、血液、尿、精液、子宮頸管粘液、唾液、鼻汁、膣分泌液、移植臓器などから感染することが、言われています。

症状の現れ方は発熱、肝臓、リンパ節の腫れなどがあります。胎児が感染した場合は重い症状が現われ水頭症や小頭症などや死亡する場合もあり、難聴や知能障害、眼の異常なども起こる場合があります。

単純ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルスは感染性の力が強く、症状が出ている時期などは、大量にウイルスを排出しています。この時に免疫力があっても、抵抗力が弱っている人や、また初感染の人に感染します。

感染原因は接触感染が殆どで、口唇ヘルペスの場合は患部を触った手から移るので、口唇ヘルプスの人と接触したり、性器ヘルペスの場合は性交渉で感染します。

感染しやすいのは症状が出ている時だけでなく、ウイルスが粘膜や唾液、精液などの体液に出てきている時もありますので、キスや性交渉によって、知らないうちに感染させている場合があるのです。

また直接的な感染だけでなく、感染したタオル、洋式トイレの便座、ウイルスが付いたグラスなどから、感染することもあります。

侵入したウイルスはウイルス分子を複製して、増殖していき神経系に抵抗力が落ちた時に、ウイルスが活性化して、水ぶくれの神経症状としてあらわれてきます。

淋菌感染症

淋菌感染症は頻度が高く性感染症の尿道炎や、精巣上体炎など男性に起こります。女性の場合は、子宮頸管炎を発症します。

1960年前後ペニシリン系の抗菌薬により、治療が容易になったのですが、現代では抗菌薬が効かない菌が次々に出て、スペクチノマイシンの筋肉注射、セフォジジムの静脈注射、セフトリアキソンの静脈注射など数種類しか効きません。

一般的腸感染

また赤痢、カンピロバクター腸炎、サルモネラ、偽膜性腸炎、結核などの感染症もあります。外傷性としては直腸脱、孤立性潰瘍、器具などのものもあります。

サルモネラやカンピロバクター腸炎は直腸炎を現していますが、主な病変は結腸や回腸が主となります。

孤立性潰瘍

孤立性潰瘍とは、直腸の非特異性潰瘍の一つで、様々な説の病因が言われていますが、いきみや粘膜脱出、腹圧及び排便によって、直腸の粘膜が虚血状態になる事により、潰瘍ができる事で発症します。

症状としては粘血便がでたり、疼痛、残便感などの症状がでます。原因としては虚弱な骨盤底や、会陰下垂症(えいんかすいしょう)、便秘症、排便習慣などが原因となって、孤立性潰瘍が起こるとされています。

肛門外傷

肛門外傷とは、硬い便など力んだ時に、肛門が裂肛します。女性に多く見られ出血はわずかにあり、痛みを伴います。

原因が特発性炎症性腸疾患

特発性炎症性腸疾患の原因不明な潰瘍性大腸炎は、30歳以下の成人に多く発症しています。

クローン病

クローン病は比較的若い方でもなる、難治性の原因不明の病気です。クローン病は炎症性腸疾患の一つです。

日本をはじめ先進国で、増加傾向にあり、その原因が今だ解明されていません。新しい治療方法が開発されていますが、高額なものです。でも日本においては、申請をすればある一定額だけ払うだけで、後は国が支払ってくれます。

クローン病と診断されたら、難病の申請を行ってください。1976年には126人でしたが2013年には39799人に増加しています。

クローン病は腸管すべての層に炎症が起き、口から肛門までのすべての消化管に起こります。また消化管以外の皮膚や関節などにも、症状を起こす特徴を持っています。

自己免疫疾患

私たちの体は身体に異物が侵入すると、それを攻撃して排除する仕組みが備わっています。その仕組みの防衛を免疫といい、防衛反応を免疫反応といいます。

自己免疫疾患とは、この免疫機能が異常を起こして、自分の体の味方の細胞を異物と間違えて、攻撃する病気です。

自己免疫疾患には全身の臓器にあらわれるのと、一定の臓器だけに現れる自己免疫疾患の2つがあり、膠原病などで知られるのは全身の臓器に現れるもので、悪性貧血や慢性甲状腺炎は一定の臓器に現れる、自己免疫疾患です。

クローン病や潰瘍性大腸炎の症状の重さは、病気の重症度の違いにより、症状と病気の重さの相関関係があると考えられています。

原因がその他の疾患

性感染以外では、薬剤や、直腸粘膜脱の刺激、サルモネラ属の細菌によるものもあります。

また子宮がんや、前立腺がん、直腸癌などの治療で放射線治療に、よるもので発症することもあり、免疫力が低下しているときに、サイトロメガロウイルスや単純ヘルペスウイルスに感染することで、発症するリスクが高くなってきます。

大腸がん

大腸の長さは1.8mで、肛門側に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と連なっていて、食べ物の最終処理をする消化器官です。

ここに悪性の腫瘍ができた時に大腸がんといいます。大腸がんは食の欧米化によって年々増えています。2015年大腸がんが死因のトップになっています。

検査をするときは大腸内視鏡検査で、大腸の中を内視鏡を使って観察していきます。早期発見すれば大腸がんは100%完治すると言われています。

大腸がんは症状が出た時は遅く、腫瘍ががん化する前に見つける事が大切です。内科、消化器科、消化器外科、消化器内科が専門です。

直腸に発生した癌などの場合、放射線治療で手術前に、癌を縮小させることがあります。また放射線治療が終了して、直腸炎などの副作用を起こすことがあります。

直腸炎の症状

大腸2

貧血や栄養障害などが起こって、命に関わるようなことは無く、潰瘍性大腸炎の1つの型ですが、潰瘍性大腸炎のような症状は軽く、下痢が続いたとしても1日に2~5回程度です。

潰瘍性大腸炎の型の中には、1日に数十回も下痢や腹痛を伴うものもあります。主な症状としては、下痢、粘血便が主で、直腸からの粘液が流出することから、痛みを伴うこともありません。

性感染症の症状

しかし単純ヘルペスウイルスや、サイトメガロウイルス感染症、淋菌感染症などによる感染症の場合は、痛みが肛門と直腸に強烈に出る事もあります。

赤痢アメーバ腸炎

赤痢アメーバ腸炎の場合は、肛門に痛みを訴える事は少ないですが、粘血便と残便感が主な症状として、出てきて症状が進と悪臭の強い便となります。

男性同性愛者で粘液便、血便が見られる場合は、この赤痢アメーバ腸炎を第一に疑って、渡航歴のない場合は、男性同性愛者の可能性と、HIV感染まで疑うことが必要です。

この赤痢アメーバ腸炎は女性にも、男性との性交渉で広がっており注意が必要です。

梅毒

梅毒の場合第一感染では、菌が侵入することで、外陰部に無痛性の潰瘍ができます。しかし直腸に伝染病の潰瘍の下疳が生じると、二次感染を起こして有痛性の病変となり、痛みを伴う症状が出ます。

サイトロメガロウイルス感染症

サイトロメガロウイルス感染症の直腸炎はHIV疾患の、関連疾患で進行期のHIVで見られます。

多量の下血がみられ、急性HIV感染では、侵入部位に一致して潰瘍が見られる場合があり、肛門性交で感染した場合、直腸部位への潰瘍を形成して、直腸炎を発症します。

一般的感染の症状

赤痢は日本国内では余り見られないですが、アジアからの輸入例として、流行地域からの帰国後に腹痛、発熱、強い便意などの症状で疑うことが必要です。特徴として膿血便を排泄します。

サルモネラは食中毒として発症することが多く、水様性の下痢症状がでます。

カンピロバクターは便の異常は多彩で、下痢を主症状としますが、水様便、粘血便、粘液便まで症状が出てきます。

特発性炎症性腸疾患の症状

潰瘍性大腸炎は感染症の炎症を除外して考えなければいけなくて、原因不明の病気で慢性的な粘血便の症状が出ます。

クローン病も原因不明で、若年男性に多く発症しています。口腔から肛門まであらゆる部分で、発症する非連続性病変を特徴として、病変の一部に難治性の潰瘍を、直腸や肛門に発症します。

粘血便や体重減少食欲不振や、貧血などの全身性倦怠感による、全身症状も出ることがあり、症状の強さと病気の重症度に、関連性が認められる症状は、クローン病や潰瘍性大腸炎の原因によるものが殆どです。

直腸炎の検査

検査

直腸の検査はS状結腸までの検査で大体診断は付きますが、下痢や粘血便が見られた場合は、大腸の精密検査が必要となります。

また診断を確定するために、全大腸内視鏡検査、腹部のX線検査、糞便の検査、バリュウムを肛門から注入してエックス線撮影する注腸検査、組織の一部を採取して調べる直腸の生検などの検査をおこなうことが必要になってきます。

性感染の検査

性感染の場合は問診が必要不可欠となり、渡航歴がある若年層が感染している場合、肛門性交の有無の確認が必要となります。

内視鏡で直腸からS状結腸まで観察し、病変部位の性状の確認と、検体を採取してグラム染色などの、多核好中球があるかないかを調べて、菌の検出と性状の病変の範囲を、きちんと確認して確定します。

普通は性感染の場合の直腸炎は、赤痢アメーバ腸炎を除いては、炎症が直腸のみに起こっていて、それ以外に炎症を起こしている場合は、性感染症などではなくて、カンピロバクター腸炎などの、一般腸管感染症の可能性が、高くなっていることを示しています。

同性愛者の検査においては、一番に赤痢アメーバ腸炎を疑います。赤痢アメーバ腸炎の場合は、カバーグラスをかけて検鏡します。直腸鏡、大腸カメラ、X線を使った注腸造影検査、肛門鏡などを使って検査します。

直腸炎の治療

治療3

直腸炎の治療としては、軽症の場合も重症の場合も、まず保存的治療から行い、免疫力の向上の治療を行っていきます。

日本大腸肛門病学会という学会があり、大腸肛門病専門医の医師が、全国に1269件の病院に在籍されておられます。

この様な病院は大腸肛門に関する専門な病院なので、最新の治療が受けられ、クローン病や潰瘍性大腸炎のような、原因の解らない病気は専門の医師のおられるところで、診察を受けると良いのでは無いでしょうか?

この疾患は通常日常生活の生活習慣の調整により、治療が行われることがあります。

抗炎薬を使った治療法

抗炎薬を使った治療では、副腎皮質ホルモン薬、サラゾピリン、ペンタサ、レミケードなどを使用します。

原因が放射線療法や不明な場合に、ヒドロコルチゾン、メサラジンを注腸やまた座薬などを投入する治療などもあります。注腸と併用して、メサラジンとスルファラジン、オルサラジンなどの別の抗炎薬を投与していきます。

コルチコステロイド薬は副腎皮質ホルモン薬ともいわれ、免疫系の抑制や、ホルモン補充療法、がんおよび副作用の治療、リンパ腫とリンパ性白血病の治療など、様々な状態の治療に用いられています。

感染性の細菌感染症が原因の場合は、抗生物質の抗生剤の投与が一番よい治療法です。

対処療法

止痢薬、ロペミンなどを使用します。対処療法は原因を治すのではなく、症状を和らげる療法で、自然治癒力を高めていきます。

補充療法

鉄剤、ビタミンB12、葉酸などを利用します。補充療法は足りない成分を補う療法です。

食事療法

乳製品をさけて、低脂肪食を摂取します。

リンゴ、味噌、豆腐、ヨーグルトに、人参、番茶などが直腸炎の効果的な食材です。さけた方が良い食べ物は、食物繊維の多く入っている、ゴボウ、レンコン、きのこや刺激物の多い、コーヒーやカレーなどは炎症を起こしている時は、食べないほうが良いでしょう。

感染症に対しては、原因菌による薬物療法で、治療を行い、潰瘍性大腸炎の約80%は保存的治療で、クローン病の約半数以上は、何らかの手術療法が必要となってきます。

直腸炎の予防

食事

質の良い睡眠を心がけ、体を冷やさない様にして、十分な休養を取ってストレスを溜めない生活習慣が必要です。

日常生活の注意として、飲酒や喫煙を控えて、適度な運動や栄養バランスのとれた食生活も大切で、免疫力の向上や免疫力の強化が必要となります。免疫機能が低下した時に、この病気は発病しやすいです。

また性交渉でも危険な性交渉をさけて、性感染の蔓延を防ぐことが必要で、性感染症からの保身が大切になってきます。

まとめ

如何でしたでしょうか?直腸炎について調べてみました。年々大腸の病気が増えているのは、食の欧米化に伴うもので、和食中心の以前の日本では考えられなかったことが、世界のグローバル化によって、引き起こされています。

直腸炎はまだ軽症の方ですが、それに関連する病気がいくつか存在します。直腸炎を起こしたら一度精密検査を受け、大事にならない様予防することが大切です。

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