乳癌のしこりの特徴は?原因や症状、治療方法を紹介!

女性がかかる”乳癌”は14人に1人がなると言われていて、年間4万人以上の人が”乳癌”と診断されているそうです。

死亡する割合も年々増えていて発症した人の30%にあたる人が亡くなられているのが現状です。早期発見が鍵となるので初期症状や乳癌について詳しく見ていきましょう。

乳癌とは

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乳房には脂肪と乳腺組織がありますが、乳癌は乳腺から発生する癌になります。大きくわけると「小葉癌」と「乳管癌」に分類され、乳管内や小葉内に留まっているが血管やリンパ管に浸潤していないものは「非浸潤癌」と呼ばれます。

この「非浸潤性乳管癌」の発症は比較的少なく悪性疾患と判断されない為経過観察になりますが、「浸潤癌」は血管などから血液と共に血流にのり全身に転移されるのでとても危険です。

●非湿潤癌

  • 乳癌全体の5~10%を占める
  • リンパ節移転や遠隔移転を起こさないので切除すれば完治する
  • 乳頭から分泌液がありマンモグラフィで発見される

●湿潤癌

  • 基底膜を破り湿潤した状態
  • リンパ節移転を起こすので乳房切除だけで完治は難しい
  • しこりが出る

乳がんの原因

乳癌は細胞の遺伝子異常の蓄積によって発生する事が解明されています。近親者に乳癌がかかった人がいると発症する確率が高くなります。女性ホルモンのエストロゲンが乳癌に関与していて、発癌・増殖・転移に大きな影響を与えているという事もわかっています。

リスク要因としては

  • 妊娠や出産経験が無い
  • 子供が生まれても母乳経験が無い
  • 所産年齢が高い
  • 初経年齢が比較的低い年齢で始まった
  • ホルモン療法を受けている
  • 飲酒や喫煙をしている
  • 食生活が不安定

などの要因があげられます。全てが確実というわけではありませんが、乳癌患者に多く当てはまっているようです。

乳がんの症状

乳癌の90%以上が痛みの症状が出ない「乳房腫瘤」です。ではどうやって早期発見をするのか?という点ですが、自分で腫瘤を確認する事が出来るので触って発見します。

乳房のしこりは固く石ころのような感触と言われていますが、非浸潤性乳管癌の場合はしこりなのかはっきりしない凹凸の様なものもあります。初期の大きさは非常に小さいですが時間が経つにつれて大きくなります。

また、しこりの他には乳頭分泌が見られます。分泌液については癌と全く関係ない物もあるので、分泌液が出たからといって焦らないようにしましょう。癌の可能性が考えられる分泌液は「片方の乳頭からの分泌で1つの孔」になります。血性の分泌は要注意になります。

癌の進行

乳癌の進行は「ステージ」という表現をされていて、しこりの大きさやリンパ節への移転や遠隔移転を総合的に見て分類されます。ステージはⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳに分けられています。

0期

乳癌が発生した乳腺部分に留まった状態


Ⅰ期

しこりの大きさ2cm以下でリンパ節に転移無し


Ⅱ期

Ⅱa期とⅡb期に分かれ、Ⅱa期はしこりの大きさが2cm以下でリンパ節への転移がある場合又はしこりの大きさが2~5cmで脇の下への移転が無い場合、Ⅱb期はしこりの大きさが2~5cmで脇の下のリンパ節への移転がある場合。


Ⅲ期

Ⅲa期とⅢb期とⅢc期に分かれています。

Ⅲa期はしこりの大きさが2cm以下で脇の下のリンパ節に移転があり、リンパ節ががっちり癒着して周囲の組織が固定している場合。又は脇の下新派説への移転が無いが肋骨内側のリンパ節が腫れている場合。又はしこりの大きさが5cm以上で移転がある場合。

Ⅲb期はしこりの大きさや脇の下リンパ節への移転関係無しに、しこりが胸壁に固定されていたり皮膚にしこりが顔を出していたり皮膚が浮腫んでいる場合。

Ⅲc期はしこりの大きさに関わらず脇の下リンパ節と胸骨内側のリンパ節の療法に移転がある場合。


Ⅳ期

臓器に遠隔移転している場合。


ステージに応じて治療法が変わってきます。

乳癌の検査と治療について

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検査方法

●問診・視触診

まずはしこりがあるかを確認しなければいけません。しかし、初期の乳癌はしこりが小さく触ってもわからない事が多いのである程度大きさが無いと判別する事が出来ません。

●超音波検診

視触診では判別出来ない小さなしこりでも発見する事が出来ます。この検診は若い女性向きの検診になっています。

メリットは被爆の心配が少なく自身でリアルタイムで検査結果を見る事が出来るという事です。デメリットとしては石灰化が見つけにくいや全体像を記録する事が出来ないという点です。また、捜査中に判断をする為、検査をしている医師の能力が必要になります。

●マンモグラフィ検診

微細な石灰化の段階(初期)の腫瘤を発見する事が出来ます。ただ、若い女性には乳腺が多くあるので乳腺と癌の区別がしにくい為、若い女性には向かない検診です。

メリットは視触診ではわからないしこりを細かく発見する事が出来て、石灰化だけの段階であればほぼ100%治療が期待できるという事です。デメリットとしては極小ではありますが被爆する可能性があり、妊娠中や授乳をしている人は検査を受ける事が出来ません。

昔は年齢が高い女性に多く乳癌が発見されているので、40代以上から検査を受けると良いとされていましたが、近年は若い女性でも乳癌を発生する人が増えているので、自分は大丈夫と思わず検査を受ける事をオススメします。

治療

乳癌の治療は「外科治療」「抗がん剤治療」「放射線治療」「ホルモン治療」などがあります。基本的には外科治療をメインに行われますが、場合によっては他の治療を補助的に行います。

ステージⅠ~Ⅲ期の乳癌は手術が必要になり、乳房に出来た癌を切除します。

●手術の種類

1.腫瘍核出術

乳房のしこり部分だけを切除する方法で、癌の診断が付かない時に行われます。

2.乳房部分切除術(乳房温存手術)

しこり部分だけでなく乳房の一部も一緒に切除する方法です。癌の広がりによって乳頭を中心に癌の周辺2cmほど余裕をもって切除します。しこりが大きい場合や複数見られる場合はこの手術は出来ません。

3.単純乳房切除術

癌が出来た乳房を全部切除して、脇の下リンパ節の切除は行わない方法です。

4.胸筋合併乳房切除術(ハルステッド法

乳房と脇の下リンパ節だけでなく乳腺の下にある大胸筋と小胸筋も一緒に切除する方法です。昔は乳癌手術の主流でしたが、現在は筋肉に癌が達している場合のみ行われます。

5.胸筋温存乳房切除術

乳房と脇の下リンパ節を切除する方法です。時と場合によっては筋肉の一部を切り離す場合もあります。この手術が現在の一般的な乳癌の手術方法です。

脇の下リンパ節にも問題がある場合「腋窩リンパ節郭清」「センチネルリンパ節生検」が行われます。

●放射線治療

放射線治療は局所治療になるので、照射した部分だけ効果が発揮されます。乳癌を外科手術で切除してからその部分に再発しないように行う事が多く、放射線を照射する範囲と量は場所や範囲によって異なります。

副作用については病巣周辺の正常組織に放射線が当たってしまう事によって起きてしまう事があり、照射された臓器などに発生してしまう場合があります。

●薬物治療

乳癌の時は「ホルモン療法」「抗ガン剤療法」「分子標的療法」で治療されます。乳癌のほとんどがホルモン受容体を持っていて、女性ホルモンのエストロゲンの刺激が癌の増殖に影響を及ぼしています。

・ホルモン療法では、まず外科手術で切除した乳癌の組織中にあるホルモン受容体を検査して、ホルモンに影響されやすい癌かそうでない癌かを調べます。影響されやすい場合はホルモン療法の効果が期待されます。「抗エストロゲン剤」「選択的アロマターゼ阻害剤」「黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤」などが使用されます。

副作用は極めて軽いのが特徴なので心配する事はありませんが、アモキシフェンの長期使用で子宮がんや血栓症、選択的アロマターゼ阻害剤の長期使用で骨粗鬆症などを発生させる可能性が高くなります。

・抗がん剤療法は細胞分裂の段階に働きかけて癌細胞を死滅させる効果が期待されます。注射で摂取する場合や内服薬などがあります。副作用として抗がん剤は強い作用があり、癌細胞以外の骨髄細胞・消化管の粘膜細胞・毛根細胞などにも作用してしまい、白血球や血小板が減少してしまい吐き気や脱毛などがみられます。

しこりを自分でチェック

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●目でチェック

胸元部分が全体的に見える鏡の前に立ち、頭の後ろに両手を組んでください。その状態で胸筋部分を張って観察します。乳房にくぼみやひきつれが見られる場合は注意して下さい。左右の位置が違ったり変色が見られる場合も、乳癌の可能性があります。

●触ってチェック

親指を覗く4本を揃えて乳房全体的に「の」の字を書くように触ってください。乳房だけでなく脇の下も確認しましょう。コリコリとした物がある場合は注意です。

●寝転がってチェック

仰向けになり背中に枕などを入れます。その状態で乳房の外側から内側へ腹の指を使って滑らせます。しこりが無いか確認して下さい。

●摘まんでチェック

乳頭を軽く摘まんで分泌液が出るか確認します。全ての分泌液が乳癌による物とは限らないのであくまで参考程度にチェックしてみて下さい。

まとめ

いかだでしたでしょうか?乳癌は他人事ではありません。早めの検査で早期治療が大切になるので早めに行動を起こすようにして下さい。今は気軽に検査が行えるように病院側も工夫してくれているので、若い女性でも受けやすくなっています。

また、自身でもしこりが無いかチェックする事が出来るので、もし不安な部分があれば病院に受診するようにしましょう。

  
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