「ちやほやされたい」ってどういうことでしょう。「ちやほや」という言葉は辞書には「相手の機嫌をとったり、甘えさせたりすること」とあります。
ということは、ちやほやされたいというのは「相手から機嫌を取ってもらったり、甘えさせてもらったりしたい」ということになります。何かのきっかけで周りの人にほめられ、賞賛され、注目の的になる、そんな立場になれば誰でもうれしいもの。
ですが「ちやほやされたい」「モテたい」と思い続け、それが目的となって行動するようになってはちょっと問題ですよね。
ちやほやされたがる人は近くにもいるでしょうし、もしかしたら自分自身の中にもあるかもしれません。そこでちやほやされたい気持ちについて、調べてみました。
そしてそういう人への対応方法、さらに自分にちやほやされたいという気持ちがあったときどうしたらいいか、についてもご紹介しますね。
ちやほやされたい人の特徴
話していると、「この人はどうもちやほやされたがっている?」と思ってしまう人、いますよね。どちらかというと女性に多い傾向にありますが、もちろん男性にもちやほやされたい人はいます。
また年齢も関係なく、ちやほやされたがる人はいるのです。ではちやほやされたい人の特徴をみてみましょう。
自分の話ばかりする
ちやほやされたい欲求が強い人はみんなで話しているときも、「私が私が」と「自分の話ばかりする」という特徴があります。
2人で話している時も、相手の話が終わるのを待たずに自分の話に持っていってしまうことがあります。例えば旅行の話をしていると、いきなり「そこに行ったことがある!その時はこんなことがあった」と自分の話を始めてしまいます。
おいしいご飯を食べに行ったと話せば、そういえば「自分の友達もそこに行った、その友達はね」などと、とにかく自分のかかわりのあることに話を進めてしまうのです。
次第に一緒にいる人はストレスがたまり、うんざりされていくことが多くなります。
ちやほやされている人を嫌う
また、他にちやほやされている人がいるとライバル視してしまいます。一方で知らないうちに、大変な不安を覚えてしまうこともあります。他にちやほやされている人がいることは、自分の存在価値が揺らぐと思ってしまうのです。
その人に対してあからさまに無視をすることもありますが、たいていは周りの目を気にして表立ってはしません。ちやほやされている人を見て、嫉妬するなんてと自分で落ち込むこともあります。
しかし内心は穏やかではなく、ちやほやされている人を見てしまうとイライラしたり腹を立てたりしてしまうのです。
注目されるのが好き
ちやほやされたい人は、自分に注目が集まることに快感を覚えています。注目されることを口では嫌だと言いながら、実は結構喜んでいる時もあります。注目されることで、自分が人に認められていると安心するのです。
さらに他の人に注目が集まるのは、その人にとってあまり好ましい状態ではありません。自分も注目されたい、みんなにすごいと言ってもらいたい、という欲求が深くなっていきます。
自分が一番に見られたい、誰よりも注目されていたいという欲求が多くなっています。女性の場合、男性から人気がある、モテるということに価値をおいてしまっている人もいます。
結婚してもちやほやされたい?
めでたく結婚しても、ちやほやされたいという人がいます。どちらかというと女性に多いのですが男性にももちろんいます。
実家でもともと家族にちやほやされて育っていた場合、夫や妻が自分にちやほやするのが当たり前、と思っています。専業主婦でも仕事をしている主婦でも、ちやほやしてほしいと夫への欲求が増えてしまいます。夫は夫で、仕事から疲れて帰ってきて妻がちやほやしてくれないと不機嫌になってしまい、結婚生活にも支障がでてしまう可能性もあります。
ちやほやされたい心理
なぜちやほやされたくなるのでしょう。ちやほやされなくても全く平気な人もいるなか、みんなにちやほやされたい、と切実に願っている人、無意識のうちにちやほやされたくてそういう言動や振る舞いをしてしまう人がいます。
ちやほやされたい心理のいくつか原因と思われることを紹介します。
子供のころの愛情不足?
小さいころ、両親が厳しかったあるいは忙しくて放置気味だったという場合、周囲の人にちやほやされたくなる人が多いようです。
厳しすぎる親
いつも怒られないように、顔色を窺って生活してしまいます。「怒られないようにする」ということが目的となっていて。その行動や考えには本当に自分のやりたいことや思いが入っていません。
そのため自分の行動や考えはこれでいいのか、正しいのかよくわからないまま大人になってしまうこともあります。そこで周りの人にちやほやされると、「ああ自分の行動や考えはみんなに認められている」と安心するのです。ちやほやされないと自分が間違っているのかも?認められていないのかもと不安になってしまうのです。
放置気味の親
また親が子供達を放置気味だった場合は、親の注目をあびたい、自分の方をみてほしい、かまってほしいという気持ちでいっぱいになってしまっています。
こういった思いが満たされないまま大人になってしまうことも、原因のひとつと思われます。
愛情過多もある?
両親が厳しかった、放置気味だったというわけではなくむしろ甘く、家族にとにかくちやほやされて育った場合、大人になってもみんながちやほやしてくれないと機嫌が悪くなる人がいます。
自分がちやほやされて当たり前、ということなのですが、これも裏返せば自分のことをいつも褒めてもらわないと自信が持てないということなのです。
認められたい
人に認められたいという欲求は誰にでもあります。しかし「人に認められたい」という気持ちが強すぎてしまうことも「ちやほやされたい」ことにつながります。ちやほやされることは、自分のことを認めてもらうことに等しいのです。
子供のころから周りの人に認められずに来た人はちやほやされることで自分の価値を確認することがあります。自分の価値観ではなく人からの価値観を重視してしまいます。
結婚してちやほやされたいという願望は消えず、妻や夫にその役割を求めることもあります。「旦那は愛してくれない」「嫁は構ってくれない」という感じになり。ちやほやされないと自分が認められていない、愛されていないとまで思ってしまうのです。
寂しい
ちやほやされたい人は実は「寂しい」ということがあります。誰かがちやほやしてくれれば、その瞬間は1人ではないのですから寂しさは癒されますよね。一時的な満足感が得られるのです。
誰かとコミュニケーションを取りたい、たくさん関わりたいという欲求が過度になり、ちやほやされることで寂しさを満たそうとするのです。
好きな人の本命女子になかなか選ばれない「セカンド女子」の場合は、その寂しさもあってちやほやされたいという思いも強くなります。
自信がない
人からちやほやされることで、自分の価値を見出そうとするのです。自分に自信がなく、他人からの評価が自分への物差しとなってしまっています。
例えば夫婦関係でも、夫に認めてもらうことで自信を持つ主婦もいます。夫が褒めたり、ちやほやしてくれなかったりするとたちまち不安になり不機嫌になってしまうこともあるのです。
夫は夫で、ただ妻が生活費をもらうだけで何も言わないと「感謝の気持ちがない、自分を大事にしてくれていない」と自信を持つことができなくなってしまうのです。
愛されたい気持ちが強すぎる
アドラー心理学では「愛されたい」という気持ちが強すぎると恋愛もうまくいかないと言われています。愛されたい、という思いが強すぎるとどうしても自分らしさをだすことができず結局うまくいかないということになりかねません。
ちやほやされて愛されたい、みんなに好かれたいという思いを持ちすぎると却って人間関係がうまくいかなくなってしまいます。
ちやほやされたいという人への対応
友達や、同僚、あるいはお子さんのいる主婦の場合でも「ちやほやされたがる」人がいると対応に困ってしまいますよね。
ちやほやされたい人いたらどう対応したらいいか、2点ご紹介しますね。
ちやほやしてあげる
面倒くさいかもしれませんが、ちやほやしてあげるのもいいでしょう。きっとご機嫌になりますよね。もし、仲の良い大切な人がちやほやされたがったり、ちやほやされなくて落ち込んでいたりしたら、十分魅力的で自信をもっていいことを伝えてもいいかもしれません。
スルーする
あまりにも「ちやほやされたい」欲求が露骨な相手には、スルーしてもいいかもしれません。常に自分が一番でいたい、注目されていたいというタイプには特に有効です。それで落ち込んだり不機嫌になられたりしたとしても、相手にしないことです。相手の機嫌の良しあしは本人が決めることで、周りの人は無関係なのです。
何もしなくてもちやほやされる人
特に何もしていなくても周囲の人からちやほやされる人がいます。そういった人たちの一番の特徴は「ちやほやされたがっているわけではない」というところにあります。どんな人がちやほやされているのか見てみましょう。
いつも笑顔の人
いつでも笑顔で機嫌が悪いときがない、という人は誰からも好かれちやほやされていることが多いようです。しかし当の本人はちやほやされたくて笑顔でいるわけではなく、自然にふるまっているのでますます周りに人が集まるということになります。
媚びるわけではないけれど、人に対して笑顔で愛想よく接している人は好かれてちやほやされるということになります。
誰にでも優しい人
相手が誰でも優しく対応する人は、結果的にちやほやされます。ただしその優しさが、計算されたものではなく、本当に心から優しくなければちやほやはされません。
信頼されている人は、周囲の人からちやほやされることが多いのです。
相手や周囲を気遣っている人
ちやほやされる人は、その人自身も相手や周囲の人を気遣える人なのです。気配りできる人の周りには自然と人が集まります。
すぐに「ありがとう」「ごめんね」が言える、困っている人をさりげなく助けられる、こんな人はみんなから好かれてちやほやされますよね。
容姿の整っている人
美人、かわいい、イケメン、こういった人たちはどうしてもちやほやされてしまいます。ついいい印象を持ってしまうのです。
もしこれで性格もよければ、ずっとちやほやされますが、万が一傲慢な人だったりすると、そのちやほやは一時的なものかもしれません。
何か才能に秀でている人
何かの才能に秀でている人は、みんなにうらやましがられたり注目を浴びたりしてちやほやされることが多くなります。
歌が上手い人、ダンスが上手い人などステージで輝くようなは目標とされることもあってちやほやされるでしょう。
天然なところがある人
一生懸命なのに、どこか抜けている、そんな人はちやほやされることが多いようです。わざとらしい天然は嫌われますが、本当に一生懸命な人なら「かわいい!」と思われてしまうのです。
自分がちやほやされたい時があったら
ほめられたい、認めてほしい、ちやほやされたい!こんな気持ちがどこかにあったら自分の心の中をのぞいてみましょう。もしかしたら何か深層心理があるのかもしれません。
ちやほやされたがっている?と思う時
たとえば、職場にあとから入ってきた若い女子社員が周囲の男性社員にちやほやされているのをみたら、なんとなくおもしろくない気持ちになってしまった時。そういう自分に落ち込みますが、ちやほやされているのを見ていると、気持ちがざわざわしてしまうのです。
また友達や仲間と話している時に自分に注目してもらいたい、とふと気づくときがあるかもしれません、例えばつい「私が私が」と話しをしてしまったときなどです。もしかしたら実は自分も「ちやほやされたい」と思っているのかもしれません。
自分に自信がない?
自分に自信がない、自分の価値がよくわからない、そういうときはちやほやされることで自分の存在価値を確認したくなるもの。なぜ自信がないのか、思い返してみましょう。
子供のころ親が厳しかった
子供の時、親があまりにも厳しくてなかなか自分のことを認めてくれなかったり、話を聞いてくれなかったりというまま大人になってしまうと自分に自信がもてないということが多くなります。
子供らしく行動できなかったり甘えたりできなかったという「ありのままの自分」を出せず、認められなかった経験が大人になってからの自信のなさにつながるのです。
厳しい親であっても愛情をもってきちんと話を聞く、リラックスできる家庭であるという場合は、自信をもつことができているはずです。
子供のころの経験は、いつまでも影響を与えるものですが、ここから抜け出していくことで、ちやほやされなくても平気な自分になれます。
自分がどうしたいか考える
自分のことをほめてもらったり、ちやほやされたりすれば誰でも嬉しいものです。しかし、評価されずちやほやされることもなかったら、落ち込んでがっかりしますよね。
そのあとまた褒められてちやほやされたくて行動するということになると「褒められるためにやっている」ことになりかねません。
本当に自分でやりたいことなら、ちやほやされることが目的ではないはずです。「自分がどうしたいか」をじっくり考えてみましょう。そうすると人の評価は全く関係ないことに気付いてくるはずです。自分の人生ですから、自分で考えることが大切なのです。
まずは自分を大切に
自分の価値は人の評価できめるものではないと気づきましたよね。自分の価値は、他人が決めるのではなく自分自身が決めること。まずはありのままの自分を自分で受け入れましょう。
そして何より自分を大切にすることです、欠点がたくさんあってもできないことがたくさんあっても、それが今の自分であることを認めるのです。そしてその自分自身を大切にすることです。自分を大切にしていない人が、他の人から大切にされるでしょうか?
努力をする!
何もしないで、「自分はダメだ」「存在価値がない」と思ってしまうのはやめましょう。まずは何事も一生懸命やること。うまくいかなくても一生懸命努力した過程が、自分の自信につながっていきます。自分の努力は自分が認める、これが大切です。ダイエットでもいい、仕事でもいい、なんでも努力してみましょう。
自分から愛する
チヤホヤされたい、と思ったら自分から周りを愛することから始めます。こちらから愛さないと向こうも愛してくれません。声をかけてくれるのを待つのではなく、こちらから声をかけるのです。
たとえ返事が今一つだったとしても「自分に価値がないから相手にされなかった」のではなく、向こうがたまたまそういう気分ではなかっただけです。相手の反応に一喜一憂しないようにしましょう。
まとめ
「ちやほやされたい」という心理、なかなか複雑なものがあるのかもしれませんね。育った環境や、ストレスや欲求不満も原因かもしれません。
ちやほやされて褒められるのは、誰でも嬉しいものです。いいなと思う人には褒めたくなるのも当たり前ですよね。
ただちやほやされたいという気持ちがあまりにも強すぎて、他の人に嫉妬したり、感情が抑えられなかったりなどの悩みがある場合は心理カウンセラーなどに相談してみるのも手かもしれません。
なにより大切なのは自分の評価は自分で決めること、自分の価値を決めるのは他人ではないということです。ちやほやされるかされないかは関係ないということが大切なのです。
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