ある程度の年齢を重ねて大人になれば、様々なことを円滑に進めるために愛想が非常に重要であると、多くの人が何となく気付き始めるのではないでしょうか?
若気の至りで性格的に尖がっていた人も、年齢を重ねるごとに段々と丸くなって愛想が良くなるのは、意識的にしろ無意識的にしろ愛想の重要性に気付いているからかもしれません。実際に若くても周囲から好かれる人は、男性女性関係なく基本的に愛想がいいはずです。つまり、愛想がいい人は、愛想が悪い人よりも、人生の様々な場面で得をしていると言えるでしょう。
ところで、そのような愛想がいい態度とは、具体的にどのような態度のことなのでしょうか?そして、愛想を良くする方法は存在するのでしょうか?そこで今回は、愛想がいい態度について確認した上で、愛想がいい人たちに共通する長所・良い特徴と短所・悪い特徴、愛想を良くする方法などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
愛想がいい態度とは?
そもそも愛想がいい態度とは、具体的にどのような態度のことを言うのでしょうか?日常的に「愛想がいい」という表現を使っていても、その意味などを改めて国語辞典などで調べる機会は、そう多くはありません。
そこで、まずは「愛想がいい」という表現・言葉の意味や具体的な愛想のいい態度について、改めて確認しておきたいと思います。
「愛想」の意味
「愛想」という言葉の意味について、複数の国語辞典を当たってみると、基本的に次のような意味を有していることが分かります。
- 人に接する際の応対の仕方、好感をもたれる態度(例:愛想がいい。愛想の無い人)
- 人を喜ばせるために敢えて用いる言葉や敢えてする振舞い(例:愛想を言う)
- 特定の相手に対して抱いている好意(例:愛想が尽きる)
- 客へのもてなしや心遣い(例:何の愛想もなくて申し訳ありません)
- 飲食店での勘定のこと(例:お愛想をお願いします)
ちなみに、「愛想」とは、基本的には「あいそ」と読みますが、「あいそう」と読むこともあるとされています。
愛想がいい態度とは?
このように「愛想」という言葉は、いくつかの意味があり、用いられる文脈によって意味が少しずつ異なることになります。
そして、「愛想がいい」という表現における「愛想」の意味は、人に接する際の応対の仕方あるいは好感をもたれる態度という意味で使われることになります。
ですから、愛想がいい態度とは、人に接したり対応する時に相手から好感を抱かれるような態度のことを言います。このような人に接したり対応する時に相手から好感を抱かれるような態度について、より具体的な態度を示すならば次のような態度が挙げられます。
- 笑顔で、にこやかに応対する態度
- 誰にでも優しく親切に応対する態度
- 人懐っこくて愛嬌のある応対態度
愛想がいい人たちに共通する長所・良い特徴
前述したように愛想がいい態度とは、人に接したり対応する時に、相手から好感を抱かれるような態度のことを言います。
それでは、愛想がいい人たちには何か共通する特徴があるのでしょうか?そこで、愛想がいい人たちに共通する長所や良い特徴などについて、ご紹介したいと思います。
常に笑顔で、にこやかに応対できる
愛想がいい人たちに共通する良い特徴の一つとして、常に笑顔を絶やさず、にこやかに応対できる点が挙げられるでしょう。
愛想がいい人は、笑顔で常にニコニコしている傾向が高いことから、身にまとっている雰囲気も柔らかく温かいものとなります。それゆえ、周りの人も愛想がいい人に対して、いつでも声がかけやすく会話が多くなるので、心理的な距離感を縮めやすくなるのです。
例えば、会社の受付やサービスカウンターなどの案内係に愛想のいい人がいると、お客も訪問や相談をしやすくなりますし、何より訪問者や相談者に良い印象を与えることができます。
このように愛想がいい人たちは、常に笑顔を絶やすことなく、にこやかに応対することができるので、相手から好感を抱かれるのです。
コミュニケーションに長けている
愛想がいい人たちは、基本的にコミュニケーション能力が高い傾向にあり、コミュニケーションに長けていることも特徴の一つと言えるでしょう。
人には物事に対して好き嫌いが生じるのが普通で、人間関係においても好悪が生じがちです。そして、相手のことが嫌いな場合には、どうしても感情が顔に表れてしまい、余計に相手との心理的な距離感が離れてしまいます。
しかしながら、愛想がいい人は、基本的に人と接することを好み、コミュニケーション能力が高いので、自然と笑顔になって人懐っこく振る舞います。また、コミュニケーション能力が高く、相手の気持ちを考えることができるので、より優しく親切丁寧に応対することにも繋がります。ですから、愛想がいい人たちはコミュニケーションに長けていて、その高いコミュニケーション能力によって、相手から好感を抱かれやすいのです。
ちなみに、このような高いコミュニケーション能力は、社会人になると仕事で必要となる能力の一つであり、特にサービス業全般で社員や店員に必要不可欠な能力と言えるでしょう。
誰にでも優しく、気配りができる
愛想がいい人たちに共通する長所の一つとして、気配りができて誰にでも優しく親切丁寧な応対ができる点を、挙げることができます。
愛想がいい態度の本質は、最終的に相手から好感を抱かれるところにあります。そして、相手から好感を抱かれるには常に笑顔でいるだけでは物足りず、周囲の人や相手の表情などを観察していて状況に応じた気遣いができてこそ好印象につながります。
例えば、仕事を一緒にしている同僚が、いつもと異なる服装をしているのを目にしたら、普段のにこやかなあいさつに加えて「今日の服装は、素敵ですね」などと、感じの良い一言を付け加えられるのが、愛想がいい人たちなのです。
このような気配りができて、誰にでも優しく親切な応対ができることは、男子女子関係なく周囲の人から愛され好感を持たれるための必要条件の一つと言えるでしょう。
嫌われたくなくて八方美人なタイプも
愛想がいい人たちの中には、なるべく周囲の人から嫌われたくないという消極的な心理状況から、良い意味で八方美人であり、愛想よく振る舞っている人もいます。
愛想がいい人たちが全て心から笑顔になって積極的に優しく親切な対応をしているわけではなく、中には周りの人から嫌われたくないという消極的な理由で、愛想よく振る舞っているタイプもいるのです。というのも、機嫌が悪そうに思われてしまう仏頂面でいるよりは、はるかに笑顔で愛想よくしていたほうが、周囲の人から嫌われる可能性が低くなるからです。
ちなみに、このような嫌われたくないという理由から、必要に迫られて愛想よく振る舞っているタイプの人の多くは、1人になると物静かで性格的には暗いタイプであったりします。どうしても愛想がいい人は明るい性格だと思われがちですが、実はネアカなタイプだけでなく、ネクラなタイプの人もいるのですね。
このように一口に愛想がいい人と言っても、実はネアカでポジティブに愛想よく振る舞う人もいれば、嫌われたくないという消極的な理由から愛想がいい人を人前で演じている人もいるのです。ですから、逆に言えば、周囲の人から決定的に嫌われないという点も、愛想がいい人たちに共通する良い特徴だと言えるでしょう。
上手に本音を隠すことができる
愛想がいい人たちに共通する良い特徴の一つには、笑顔でにこやかな応対の下に、上手く本音を隠すことができることも挙げられるでしょう。
そもそも人と接する機会が多くなればなるほど、自分自身と相性が良くない人と出会う機会が増えて、嫌な気持ちにさせられることも多くなります。しかしながら、愛想がいい人たちは、前述のように理由はどうあれ笑顔で相手に応対し、結果として相手に嫌われずに、むしろ好感を抱かさせるのです。これは、愛想がいい人たちが笑顔でにこやかな応対の下に、上手く自分自身の本音を隠しているからだと言えるでしょう。
このように愛想がいい人たちは、周囲の人から常に機嫌が良く見えたり、感情が安定していると思われがちですが、実は人間ですから機嫌が悪い時も感情が不安定になる時もありつつ、それを上手く笑顔の下に隠しているのですね。
愛想がいい人たちに共通する短所・悪い特徴
このように愛想がいい人たちの多くに共通する長所や良い特徴は多々存在し、愛想がいい人たちはプラスな側面ばかりが強調されがちです。しかしながら、愛想がいい人たちにも、決してマイナスな側面が存在しないわけではありません。
そこで、愛想がいい人たちに共通する短所や悪い特徴などについて、ご紹介したいと思います。
精神的に疲れる
愛想がいい人たちに共通するマイナスな側面として、精神的に疲れやすい傾向があることが挙げられます。
これは、特に周りの人から嫌われたくないという消極的な理由で、愛想よく振る舞っているタイプに見られがちな傾向です。嫌われたくないという理由で愛想よく振る舞っているタイプの人は、自然な形での愛想の良さではなく、意識的で意図的な愛想の良さだと言えます。それゆえ、笑顔の下に上手く本音を隠していても、気持ちの浮き沈みは存在しており、気持ちが沈んでいる時には無理をして愛想よく振る舞っているわけです。
このように嫌われたくないという理由から愛想よく振る舞っているタイプの人たちは、無理をして愛想よく振る舞っているがゆえに、精神的に疲れやすい傾向があるのです。精神的な疲れが溜まると、うつ病や自律神経失調症などの病気が現れる危険性も高まるので、注意が必要です。
ちなみに、もちろんネアカで無理なく愛想がいい人たちも存在していて、このようなタイプの人たちは精神的に疲れる可能性は非常に低いと言えるでしょう。
人に応じて態度が変わるケースもある
愛想がいい人たちに共通する短所の一つとして、人に好かれたいと思う気持ちが強くなりすぎると、人に応じて態度が変わってしまう可能性の存在を挙げることができます。
前述のように人と接する機会が多くなればなるほど、自分自身と相性が良くない人と出会う機会が増えて、嫌な気持ちにさせられることも多くなります。愛想がいい人たちの多くは、それでも笑顔の下に本音を隠して、誰にでも笑顔で優しく応対します。
しかしながら、愛想がいい人たちも、どうしても嫌いで関わりを持ちたくない相手がいて、そのような相手に対して態度が変わってしまうこともあるでしょう。また、愛想がいい人たちの中には、自分の利益につながる人には愛想がよく、自分の利益につながらない人には愛想が悪い、というように人によって態度を峻別する人もいます。
例えば、会社の上司にはアピール方法の一つとして愛想よく接し、同僚や部下には冷たく接するタイプの人です。また、恋愛の対象となる異性にはモテたいために愛想がいいのに、恋愛の対象にならない異性には冷めた態度をとる人も、よく見かけますよね。
このように誰か特定の人に気に入られたいと思う気持ちが高まりすぎると、愛想がいいと思っていた人が、急に態度を変えてしまうこともあるのです。
相手によっては印象が悪くなることも
いくら愛想がいい人であっても、人によって考え方や価値観は様々ですから、相手の受け止め方によっては印象が悪くなることもあり得ます。
例えば、男性女性関係なく誰に対しても愛想がいい人が女性であった場合、男性の前で愛想よく振る舞っているのは「玉の輿を狙っているからだ」と陰口をたたいて、計算高い女性だと受け止める相手もいるかもしれません。
このように愛想がいい人であっても、相手の受け止め方次第では好感を抱かれることなく、むしろ悪印象を抱かせることになってしまうこともあるのです。
愛想を良くする方法
このように愛想がいいことは、決してプラスの側面ばかりではなく、マイナスの側面もあるのです。しかしながら、そうは言っても愛想がいいことのマイナスの側面よりも、プラスの側面が大きいことは、誰の目にも明らかでしょう。
つまり、愛想がいい人は、愛想が悪い人よりも、人生の様々な場面で得をしていると言えるのです。それでは、愛想を良くするには、どのようにすれば良いのでしょうか?そこで、愛想を良くする方法について、ご紹介したいと思います。
日常から笑顔を意識する
愛想を良くする最も効果的な方法は、普段の日常から笑顔を浮かべられるように心掛けることです。
前述のように愛想がいい人は、笑顔で常にニコニコしている傾向が高いことから、身にまとっている雰囲気も柔らかく温かいものとなります。それゆえ、愛想がいい人は周りの人に好印象を抱かせるのです。
誰でも楽しい時には自然と笑顔になりますが、そうでない時にも自然に近い笑顔を作るには、口角などを上げて笑顔になるように普段から自分自身の表情を意識する必要があります。表情を生み出すのは顔の表情筋ですから、身体を動かすのと同様に意識的に動かすことによって、自分が楽しい時でなくとも周囲の人に好印象を与える笑顔を作ることができるのです。
ですから、普段の日常から笑顔を浮かべるように意識して、それを習慣化していくと、周囲からは常にニコニコとしているように見えて、愛想がいい人だと思われやすくなるでしょう。
気持ちに余裕を持てるように心掛ける
愛想を良くする方法の一つとして、気持ちに余裕を持って感情的にならないように心掛けることも挙げられるでしょう。
人は誰しも気持ちに余裕があって落ち着いていれば、誰が相手であっても優しく親切な応対をすることができます。しかしながら、ひとたび気持ちの余裕が失われて感情的になると、相手への応対どころではなくなってしまいます。
ですから、感情の起伏を緩やかにして、いかなる時も我を忘れず感情的にならないように自分自身をコントロールできるようになると、自然と気持ちにも余裕が持てて、愛想がよくなることでしょう。そして、感情的にならずに気持ちの余裕を持てるようになるには、こちらも普段から意識して習慣化していくより他はありません。
丁寧な言葉遣い
愛想がいいと周囲の人から思われるには、笑顔でにこやかな応対に加えて、言葉遣いも丁寧である必要があると言えるでしょう。
いくら笑顔でにこやかであっても、言葉遣いに物腰の柔らかさがなければ、相手の人は愛想がいいと感じません。つまり、言葉遣いがぞんざいで丁寧さに欠けると、にこやかな表情をしていたとしても、全体の印象として冷たさや横柄さなどが相手に伝わってしまうのです。
ですから、笑顔でにこやかな応対に加えて、丁寧な言葉遣いを意識すると、相手に伝わる印象が良くなり、愛想がいいと思われやすくなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?愛想がいい態度について確認した上で、愛想がいい人たちに共通する長所・良い特徴と短所・悪い特徴、愛想を良くする方法などについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、年齢を重ねて大人になれば、たいていの人は性格も徐々に丸くなって愛想がよくなるでしょう。しかしながら、若くても周囲から好かれている人は、基本的に愛想がいいのですね。つまり、愛想の良し悪しに年齢は関係なく、若くても愛想の良さを身につけることができるのです。
ぜひ本記事などを参考にして愛想の良さを身につけることで、人生の様々な場面をしたたかに切り抜けましょう。
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