にんにく料理がお好きな方は多いと思います。私もその一人です。ですが、にんにくのにおいが気になって、仕事に行く前や恋人とデートをする前ににんにく料理を控えたり、注文した料理に、大量のにんにくが使われていることに気づかないで、結局にんにくの臭いを漂わせてしまったりしていないでしょうか。
にんにくを食べた後は必ずと行っていい程口臭予防や口臭対策が必須といえます。にんにくの臭いは強力なので幾つもの口臭対策を重ねて行い、有事の際などは出来る限り匂いを抑えたいですよね。
本日は、そもそもにんにくのにおいの原因が何で、食べた際にどのような対策をとれば臭いを消すことができるのかを説明したいと思います。
にんにくの臭いの原因
まずは、ニンニクの臭いがどのような原因で生じてしまうのかをお伝えします。
アリシン
にんにくには、アリインという物質が含まれています。アリインそのものは臭いを有していないのですが、ニンニクを切ったりつぶしたりすると、アリインと、ニンニクに含まれる酵素であるアリナーゼが反応して、アリシンがつくられます。
このアリシンは硫黄化合物です。そのため、アリシンは硫黄独特の臭いを発します。さらに、アリシンが体内で分解される際、体内にはアンモニアやピルビン酸という物質がつくられます。
アンモニアは理科の実験などでも使われた方もいると思いますが、強烈な刺激臭を放ちます。ピルビン酸は、酢酸に似た物質で、文字通り酸っぱい匂いを放ちます。
そのため、にんにくの臭いは、硫黄とアンモニアとピルビン酸の臭いが合わさった臭いとなりますので、あの独特で強烈な臭いを発します。
にんにくの臭いの継続時間
ちなみに、ニンニクの臭いは、口臭によるものと、体臭によるものがあり、それぞれ臭いの継続時間が異なります。
口臭については、口の中のにんにくが唾液等によって分解されれば臭いがなくなるので、おおよそ2時間から3時間で口臭はなくなります。しかし、体臭によるにんにくの臭いは、体内に含まれたにんにくが分解、排出されるまで臭いが皮膚を通して発せられるので、継続時間が長く、食べる量が多ければ多いほど臭いのが継続します。
また、にんにくは、消化吸収されて、血液によって体全体に運ばれます。そのため、にんにくの臭いはなかなか取れないのです。また、胃や腸ににんにくが残っている場合は、胃や腸から口を介して臭いを発するので、口臭が消えないと錯覚してしまうのです。
にんにくは、体で完全に分解、排出がなされるまで臭いが継続するので、個人の代謝能力によって継続時間が異なります。しかし、おおよそ平均すると、半日以上は臭いが残り、完全ににんにくが分解されるには2日ほどかかるといわれています。
にんにくの臭いの対策
では、どのような対策をすれば、頑固なニンニクのにおいを消すことができるのかを紹介します。
食後に歯磨きを徹底する
まず、にんにくの臭いは体臭に比べ、口臭の方が消える時間が早いので、それをさらに早めるため、食後の歯磨きをお勧めします。
口臭の大きな原因が、食べ物の残りかすが口に付着して、口の中にとどまり続けることが挙げられます。ですから、口の中の残りかすを除去すれば、口の中をきれいにすることができ、結果として口臭を改善できます。
歯の表面は、見やすいですから磨き残しは少ないと思いますが、歯の間は、なかなか歯ブラシが届かず、綺麗に磨けません。ですから、デンタルフロスを使用したり、マウスウォッシュを使用すると、口臭をより早く消すことができます。
食後にリンゴを食べる
みなさんも一度は耳にしたことがあると思いますが、にんにくを食べた際の臭いを消すために、リンゴを食べるのも効果的です。
リンゴにはポリフェノールが含まれていますが、このポリフェノールには、臭いを消す作用があります。また、リンゴには様々な酵素が含まれており、体内に摂取されたにんにくの分解・排出する時間を早めてくれます。さらに、リンゴがもつ爽やかな匂いそのものも、にんにくの臭いを相殺する力がありますので、リンゴを食べることで、にんにくの臭いを抑えることができます。
リンゴを食べるタイミングですが、にんにくの分解・排出を早めたいのであれば、ニンニク料理とともに食べるのが一番効果的です。その理由は、リンゴとにんにくが同時に摂取されることによって、リンゴの消臭作用と分解作用が強く働くためです。
しかし、リンゴとにんにくを合わせた料理もなかなかないと思いますので、食後、なるべく間隔をあけることなく、リンゴを食べることやリンゴジュースを飲むことなどをお勧めします。
食事中に緑茶を積極的に飲む
リンゴをにんにくと一緒に食べることは難しくても、お茶を飲みながらニンニク料理を食べることは簡単ではないでしょうか。
緑茶には、カテキンやフラボノイドという物質が含まれています。カテキンには腸内に存在する菌を殺菌する効果があります。そのため、にんにくの下になる成分であるアンモニア等を分解して、にんにくのにおいを抑える効果があります。また、カテキンには便秘予防の効果もあり、腸内の悪玉菌を減らすことが期待できます。腸内の悪玉菌が少なくなると、腸の動きがカ発となります。そのため、体内に摂取したにんにくを便として排出しやすくなって、体臭予防に効果的です。
また、カテキンは脂肪の代謝を促進し、体の基礎代謝を高めてくれるので、にんにくの分解・排出を迅速にする手助けをしてくれます。
緑茶でしたら、飲食店でも簡単に飲むことができますし、お手軽ですので、ぜひ試してみてください。
乳製品を摂取する
意外かもしれませんが、にんにくを食べた後、ヨーグルトやチーズ、牛乳といった乳製品を摂取すると、にんにくの臭いを消すことが可能です。
にんにくの臭いの原因であるアリシンは、タンパク質と結びつきやすい性質があります。そのため、にんにくの排出を促すため、食後にタンパク質が豊富に含まれる乳製品を摂取することでにんにくを抑えることができます。
にんにくを加熱してから調理する
にんにくの臭いの原因は、にんにくが切られたり、つぶされたりすることで、にんにくに含まれるアリインと、酵素であるアリナーゼが反応して、アリシンがつくられることにあります。
そして、にんにくの酵素であるアリナーゼは熱に弱い性質を有しています。そのため、生のにんにくを調理する前に、電子レンジで加熱したり、ゆでたりしてから使用することで、アリナーゼの働きが弱まります。そして、アリインがアリシンに変化することを防ぐことができるので、にんにくの臭いを消すことができます。
ただ、にんにくは香りづけで用いられることが多い食材ですが、にんにく調理の前に加熱すると、にんにくの香りが弱まってしまうので、にんにくの香りを料理に生かせなくなってしまうのが難点ではあります。
体の代謝を良くする
にんにくの臭いが長時間継続してしまうのは、体内に分解・排出されていないにんにくの成分が残留しているからです。ですから、体の代謝をあげ、にんにくの成分を分解・排出のスピードを上げれば、結果としてにんにくの体臭を消すことができます。
代謝をあげる一番の方法は、運動をして汗を流すことです。汗を流せば、体内に存在するにんにくの成分を一緒に排出してくれるので、体臭を早く消したい方は食後にウォーキングといった運動をすることを心がけてください。
また、普段の生活から、代謝を促進できる体作りをすることも大切です。まずは、食事を良く噛んで食べることです。良く噛むことによって、食べ物が細かくなって吸収されますから、あまり噛まずに食べる場合と比べて、消化スピードが速くなります。ですので、積極的に噛む習慣を付けることは重要なのです。
また、筋肉量の多い方は少ない方に比べて基礎代謝が高い傾向にあります。ですから、筋力トレーニング等を行い、積極的にたんぱく質を摂取して、全身の筋肉量を増加させましょう。
食べた翌日に、シャワーやサウナに入る
にんにくの臭いの持続時間は、約半日以上、完全に消えるまで約2日間を要します。そのため、今晩にんにく料理を食べた場合、明日の午前中までは、にんにくの臭いが周りに漂ってしまう恐れがあります。
ですから、にんにく料理を食べた翌日は、可能であればサウナに入りましょう。サウナで汗を流せば、体の中に存在しているにんにくを排出してくれます。また、サウナに入れない場合は、シャワーを浴びることで、体表にあるにんにくの臭いのもとを洗い流すことができるので、効果的ににおいを消すことができます。
ブレスケアを試してみる
食後には、市販されているブレスケアを使用してにおい対策をしてみてはいかがでしょうか。
口臭の場合は、口の中を歯磨き等で清潔にすればにんにくの臭いを消すことができます。しかし、胃腸で分解しきれていないにんにくの臭いが、胃腸から口を介して発せられる恐れがあります。
ブレスケアの、カプセルタイプのものであれば、胃腸の中でカプセルがはじけますので、胃腸に残っているにんにくの臭いをミントの香りで消し去ってくれます。ただ、口臭用の噛むタイプのものだと、胃腸の中の臭いに対抗出来ないので、カプセルタイプを選びましょう。
朝食を食べる
前日に食べたにんにくの臭いは、まだ胃に残っているにんにくから臭いが登ってきて口から排出されます。
前日の夜からまだ一度も食事を行っていない人は、昨日のにんにくの臭いが胃に溜まって臭いを発生させている可能性があります。朝食や昼食をしっかり取ることで、この臭いが外に出るのを軽減することが出来ます。
上記で触れたようなリンゴやヨーグルトなどを朝食で摂ればさらに効果を上げることが出来るでしょう。しっかりとした量の朝食を摂り、匂いの発生源に蓋をしてしまいましょう。
手についたにんにくの臭いを消す方法
にんにくの臭いが料理をする時に手についてしまい、なかなか落ちないと言う場合もあると思います。特に主婦の人なんかは、食材の臭いが手について落ちないことを経験することは多いのではないでしょうか?
臭いを落とそうと何度も手を洗うことや洗剤を使ってごしごし手を洗うと手荒れの原因にもなりますよね。そうならないように、豆知識としてにんにくの匂いを消す方法を紹介します。
ステンレスソープ
100均にも売られている、ステンレスで出来たシャンプーです。石鹸と聞いて想像するのは泡の出るものですが、このステンレス石鹸はただの石鹸の形をしたステンレスです。
玉ねぎやにんにくなどの臭いの原因であるスルフィド類の臭気成分は難水溶性なので石鹸や水洗いでは落ちにくい特徴があります。
ステンレスには微弱にプラスの電気を纏っており、この電気がマイナスの電子を持ったにんにくの臭いと反応しこの電子を吸い取り、分解してくれます。
綺麗であればステンレスソープをいちいち買わなくてもシンクやボールなどのステンレスの部分に触れることでも同じ効果を得ることが出来ます。
この方法で他の気になる魚の匂いや玉ねぎなどの臭いも取ることが出来ます。ホントに簡単に臭いが取れるのでおすすめです。他の人もこの方法で効果が得られた人は多いようです。
酢で洗う
ボールなどに水を張り、そこに酢を少し垂らし手を付けておく方法や、少量の酢を手に取りその酢で手を洗う方法などがあります。そうやって手を洗うことで臭いがスッキリ落とすことが出来ます。
この効果は、ニオイのもとであるにんにくがアルカリ性の性質を持っているために酸性の性質を持つ酢によって中和されることによって臭いが落とせるというわけです。酢は基本どの家庭にもありますし、そんなに料理で大量に使うものでもないので、余らせる可能性もありますし余ってしまうような場合は酢で手を洗うのも良いのではないでしょうか?
同じような原理でやはり、魚の臭いやハーブ臭なども取ることが出来ます。
レモンで洗う
レモンなどの柑橘系も芳香効果が強いため臭いを打ち消すことが出来ます。酢と同様レモンも酸性の性質を持っているのでその効果により、にんにくの臭いを落とすことが出来ます。
余ったレモンの皮などを曲げてレモンの汁を出し、その汁を手に塗ることで臭いを落とすことが出来ます。この時付け過ぎや傷口に付けることには注意しなければなりません。付けすぎてしまった場合は時間が経ったらヒリヒリしてくる場合があります。特に皮膚が弱い人は手が荒れてしまう可能性がありますので注意しましょう。
さらにレモンにはクエン酸が含まれておりこれには、殺菌する効果もあるため二つの効果を得ることも出来ます。
歯磨き粉で洗う
上記に上げたようなにんにくを取るために有効な道具がない場合は、歯磨き粉を使うという方法もあります。歯磨き粉には石鹸よりも多量の香料や消臭効果の成分が含まれているため、にんにくの臭いを軽減することが出来ます。
少量のは歯磨き粉を手に取り、臭いのある部分に擦りつけましょう。顆粒が入っているのであまり強く擦りすぎると皮膚が傷ついてしまうので注意が必要ですが、これで大分臭いが落ちるでしょう。
ビニール手袋を使う
一番確実な方法で、匂いの原因である物質に直接触らないことで臭いをつけない方法です。香味野菜は料理の最初に手袋をつけた状態で先に全部切ってしまえば臭いがつかなくていいでしょう。
50枚入りや100枚入りのビニール手袋がホームセンターや稀に薬局に売ってありますのでそれを購入すればいいでしょう。
冷凍して調理する
あらかじめにんにくを冷凍しておくことでニオイ成分であるにんにくの汁を出すこと無くにんにくを切ることが出来ます。さらににんにくを凍らせておくことで、保存期間を伸ばすことが出来ます。この方法でおよそ2ヶ月は冷凍庫で保存することが出来るでしょう。
このとき冷凍庫ににんにくを入れる場合はラップをすることや、ジップロックに入れるなどの対策をしないと、冷凍庫の中がにんにく臭くなってしまうので注意しましょう。
皮付きのまま冷凍したほうが、酸化しにくく長期間の保存が可能です。
まとめ
にんにくの臭いの原因は、にんにくに含まれるアリインという物質が、ニンニクを切ったりつぶしたりすることで、アリインと、ニンニクに含まれる酵素であるアリナーゼが反応して、アリシンによるものです。
にんにくの臭いの継続時間は、約半日で、にんにくの臭いの成分が体に排出されるまでは、約2日間を要します。
にんにく料理の臭いを消すための対策としては、食後の丁寧な歯磨き、食事の際に緑茶をとったり、リンゴや乳製品を食べることがあります。また、体内のにんにくの成分が排出されるよう、日ごろから代謝を促進する生活を心がけたり、にんにくを熱してから調理したり、ブレスケアを使用する等があります。
みなさんも、周りを気にせずにんにく料理が食べられるよう、日ごろから上記のことを心がけてみてください。
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