口の中が痛いと、食べる飲むはもちろん、しゃべるのも苦痛で嫌になります。
口の中の痛みは細菌が原因のことが多いので、健康状態などが悪化するといち早く影響が及んで、何かしらの症状が発生することが多い症状になります。
口内炎や虫歯などが発生して痛みが発生する事で、痛みを感じることは多いですが、その痛みの原因はもしかしたら上顎洞炎という炎症や細胞ががん化してしまった事による問題が発生しているかもしれません。
口の中に痛みが発生している場合に考えられる病気や、痛みの症状への対処法、普段の生活で気をつけたいこと、毎日の健康管理などについてまとめて紹介します。
ぜひ参考にして、問題の症状の原因を早期に発見して対処し、慢性症状に発展することを防ぎましょう。
口について
口は消化器官の入り口で、胃や腸などとつながっています。
舌は味覚や触覚を感じると同時に言葉を話したり食べ物を噛む、飲み込むなどの働きがあります。
口の構造を簡単に説明します。口腔内のどこの部位に痛みを感じているかについて明らかにしましょう。
口腔内の部位について
口腔内で痛みを感じることが多い部位について紹介します。
舌
舌は味蕾で味を感じたり、食べたものを食道に送るために運動したり、言葉を発音するために働くなど、非常に重要な働きを担っている部位になります。
この下は非常に傷つきやすく、食べ物や尖った歯や治療中の歯や器具などに接触してその刺激から口内炎や炎症などを発生させやすい部分でもあります。
歯ぐき(歯肉)
歯が植え込まれている部分で、歯の根元を菌から守る働きや、クッションとしての役割や、歯がなくなってしまった場合には歯の代わりとなる働きもある部位になります。
虫歯になってしまった時に痛みが発生したり、歯ぐきに口内炎が出来ることもあります。有名な歯周病や歯肉炎を始め、がんになってしまう事もあります。
硬口蓋(こうこうがい)
硬口蓋は一般的には上顎と呼ばれている部分になります。薄い骨を挟んで鼻に隣接している部分になります。
この部分に発生する痛みとしては口内炎、カンジダ症、歯性上顎洞炎、上顎癌などの病気の可能性がある部位になります。
頬粘膜
口の中の頬の粘膜にあたる部位です。顎が狭かったり歯並びが悪いと噛みやすく、1度噛んだら噛み癖がついてしまって、治癒中の皮膚の隆起などで何度も繰り返し噛んでしまいやすい部分です。
この部位も、口内炎などの炎症やがんの発生が確認されている部位になります。
口の中が痛いときの病気
口の中が痛いときには、様々な原因が潜んでいるかもしれません。何の症状や病気が発生しているのかについて痛みの症状や見た目から判断していきましょう。
早く病院での検査や治療が必要な症状もありますので、放置してしまわないように注意しましょう。
虫歯
虫歯の痛みは、脳にまで響いてくるようなズキズキとしたとても強い痛みが続きます。夜中などに痛みが出てしまった場合は鎮痛剤を飲んで、翌日などに歯科に行って診察してもらいましょう。
虫歯は放置してしまいがちな症状になりますが、何もしていないのに痛みが発生している場合には、かなり症状の進行が確認される状態です。
麻酔が必須な治療を行う必要がありますので、虫歯の菌が神経や歯ぐきに到達して潰瘍させない内に治療していきましょう。
腕のいい歯科にいくとかなり痛みや苦痛は軽減されますので、家の周辺で腕の良い医師のいる病院を見つけておくと良いでしょう。
アフタ性口内炎
いわゆる「口内炎」のことをアフタ性口内炎といいます。他にも口内炎にはカンジダ菌が原因のカンジダ性口内炎やヘルペスウイルスが原因のヘルペス性口内炎、刺激が主な原因のカタル性口内炎などがあります。
歯茎やほっぺの内側、口角、唇などにできる炎症で強い痛みを伴います。子供から大人までごく一般的にみられますすが、ピーク時の痛みはとても強いので、食欲が落ちたり、飲み物が飲めなかったり、集中力が欠けるなど日常生活への影響が悩みどころです。
まだ分からないことが多いようですが、細菌やウイルスの感染、ストレス、偏食によるビタミン不足などが原因と言われています。
うがいや歯磨きなどで、口の中を清潔にしましょう。病院で出される軟膏は食事や会話をしていると流れてしまうので、寝る直前に塗ると効果的です。
口内炎については、口内炎は地味に痛い!舌にできものが出来る原因は!?の記事を読んでおきましょう。
手足口病
手の平、足の裏、口内に小さな水泡ができることから手足口病という名前がついたウイルス感染症です。水泡には痛みを伴います。熱が出ないことも多く、出ても高熱が長くは続きません。
主に夏に流行し、飛沫感染や接触感染で広がります。発熱やのどの痛みといった風邪のような症状を伴う場合は、解熱鎮痛などの対処療法がとられます。
うがい手洗いをしっかりとすることが大切です。家庭内ではタオルを共用しないようにしましょう。乳幼児がいるご家庭ではオムツ替えをした後はきちんと処理し、手洗いを徹底しましょう。
まれに大人も感染するケースがあり、激しい痛みや高熱が出るなど、重症化するといわれています。
みずぼうそう、水痘
症状は手足口病と似ています。一番の違いは原因となるウイルスの種類です。
手足口病は複数の「エンテロウイルス」が原因で手と足と口に症状があらわれます。みずぼうそうは「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因となって発疹や水疱が頭の先から口の中、お腹、背中、足の先まで全身にできます。5~6日ほどでかさぶたになったら治ったと判断します。
感染力は非常に強く、空気感染、飛沫感染、接触感染が確認されています。治った後もウイルスは一生体内に潜伏を続け、帯状疱疹のきっかけになります。シャワーで優しく洗い体を清潔にし、水疱をつぶさないようにしましょう。
みずぼうそうも大人がかかると重症化するといわれています。高熱や激しい痛みのほか、合併症を発症しやすいため、念のために入院することもあります。
ヘルパンギーナ
夏風邪によくみられる症状の一つで、発熱と口にできる発疹が特徴の急性のウイルス性咽頭炎です。乳幼児を中心に流行します。発熱、喉の痛み、特に上あごに水泡ができます。水泡が痛むので、食事や水分補給を嫌がることがあります。脱水症状が出てしまった場合はすぐに病院で処置してもらいましょう。
2~5日ほどで症状は落ち着いてきますが、その後も2~3週間は排泄物からウイルスが検出されることがあるので、しばらくはタオルを使いまわさないようにするなどの注意が必要です。
一番の予防法はウイルスに感染しないことです。うがい手洗いを徹底し、流行中はマスクをすることも有効です。
舌痛症(ぜっつうしょう)
見た目に異常がないのに、舌がヒリヒリするような痛みがあります。中高年の女性に発症することが多い疾患です。痛みが消えたり、思い出したら痛くなる、というように心理的な影響が大きいと考えられています。
心身症の一つといわれ、原因は精神的ストレス、ビタミンB12や鉄分不足、ドライマウスなどといわれています。はっきりとした治療法はまだありませんが、抗うつ薬の服用が効果を発揮しているようです。
ドライマウス
口の中が乾燥し唾液が減ると、殺菌・自浄作用が落ちて細菌が繁殖しやすくなります。すると舌の上がピリピリと焼けるような痛みが出ることがあります。
口で呼吸をしていたりストレスを抱えている子供が増えていて、最近は子供でもドライマウスになると言われています。喉の渇きを訴えられない乳幼児の口臭が気になる場合も注意が必要です。
口が乾燥していると虫歯や歯周病、風邪やウイルスに感染しやすいです。マスクをする、鼻呼吸をする、よく噛む、よく歯みがきをするなどを心がけてください。ドライマウスについては、唾液が少ないドライマウスになる5つ原因とは!病気の可能性も!の記事を参考にしてください。
上顎洞炎
上顎洞炎は奥歯と鼻の間に存在している空洞に菌が侵入して炎症を起こしてしまう症状で、歯や鼻などの部分に思い鈍痛を感じます。
副鼻腔炎とも呼ばれる症状で、鼻性の症状の場合は副鼻腔炎や上顎洞炎、虫歯などの菌が原因で発生している症状は歯性上顎洞炎と分けて呼ばれます。
奥歯の虫歯が進行したことが原因となって、歯ぐきを貫通して菌が上顎洞に到達してしまうことで炎症が発生します。
目の奥の痛みや頭痛、など口内よりも顔面痛のほうが感じやすいかもしれません。上顎洞内の洗浄や抗生物質、消炎症剤などの投与で治療を行います。
耳鼻科もしくは歯科あるいは口腔外科で治療を行ってください。
がんの可能性も
口の中はがんが発生しやすい部分でもあります。
舌がん、上顎癌、頬粘膜がん、歯肉癌などのがんが発生する可能性があります。口腔がんを発見するうえで最も初期症状として感じやすいのが痛みになります。
初期の痛みはかすかな痛みで放置してしまいがちですが、かなり痛みが出てくるようになった場合は症状が大分進行している場合がほとんどです。
痛みの種類としては、チクチクするような表面ではなく神経に感じる痛み、口内の運動に違和感を及ぼす痛みなどの表現がされます。
1月に1回は鏡でチェックをして癌になっている兆候は無いかを確認しながら、痛みを観察するようにしましょう。
癌のセルフチェック方法について
癌の可能性がある場合に確認する方法を紹介します。
まず観察に適した条件を整えてください。
- 可能な範囲で口内の清掃を行う
- 口内を明るく照らせる環境
- 大きな鏡がある場所
上記の条件を満たしたら以下の部位を入念に観察してください。
- 上下の唇、唇の裏側、歯ぐき、歯の根元
- 手で大きく口を開口して頬の内側
- 歯ぐきの裏側(他者に観察してもらっても良い)
- 上顎からのどちんこにかけて
- 舌、舌の裏側、側面などまんべんなく観察
- 痛みや違和感を感じている場所は入念に
これらの場所に以下の状態が確認される場合や症状が確認される場合は癌の可能性があります。
- 粘膜の腫れやしこり、腫瘍が発生している
- 粘膜が乾燥している
- 粘膜が白もしくは黒、赤に変色している
- 口腔内に麻痺、しびれ、運動機能の低下などの症状が確認できる
- 食物の飲み込みづらさを感じている
痛みが発生している場合は毎日確認して、痛みがない場合も定期的に確認して以上が確認できた場合は病院へ検査を受けに行くことをおすすめします。
口の中の痛みの予防法・対処法
口の中の痛みそのものは、その原因となる症状と共におさまっていけば、それほど心配するはありません。ウィルスの感染や風邪の予防を日頃から心がけていることが大切です。しっかりとホームケアをして風邪やインフルエンザに備えましょう!
手洗い、うがい、歯みがき
風邪やウイルス系の病気に対する基本的な予防策です。外から帰ったらうがいと手洗いは必ずして、家の中にウイルスを持ち込まないようにします。鼻の粘膜にもウイルスは付着するので鼻うがいをしてみるのもいいかもしれません。歯磨きは虫歯予防だけでなく、口内を清潔に保つ効果もあります。毎日欠かさず行いましょう。
自律神経を整えて免疫力を上げる
自律神経は血液を作ったり、食べたものを消化したり、私たちが意識しないところで働いている体の機能をコントロールしている神経です。主に昼間に働いている交感神経と、安静時や寝ている時に働く副交感神経があります。
このバランスが狂いはじめると、体にさまざまな不調があらわれます。情緒不安定、体温調節、免疫力の低下で風邪をひきやすくなるなどです。子供でも自律神経のバランスが崩れてしまうことがあります。36度以下の低体温、立ちくらみ、貧血、寝つきが悪い、体が硬い、胃腸が弱いなどの症状はありませんか。
・規則正しい生活
自律神経は不規則な生活や食事にとても影響されます。夜更かしや朝寝坊で生活のリズムが狂うと、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいきません。ストレスや偏った食事、お菓子やスナック、ジュースなどは交感神経を緊張させます。
交感神経ばかりを優位にさせる生活を続けていると、副交感神経の働きもおかしくなってしまうのです。生活のリズムを整え、バランスの良い食事、適度な運動、ストレスを解消して二つの神経のバランスを整えることが必要です。
・温める、冷やさない
過度にエアコンを使わないようにして、体の体温調節機能を鍛えます。冷たいものをたくさん飲んだり、お菓子やスイーツばかりをお腹いっぱい食べるのはよくありません。
寒いときは靴下や下着を重ねばきしたり、お腹を冷やさないように腹巻をすることはとてもいい方法です。温かいお味噌汁やスープで体の中から温めることも大切です。体を温める方法は、体を温める方法とは?食べ物や入浴方法を紹介!の記事を参考にして下さい。
・運動する
しっかりと汗をかいて、体を動かして体温を上げる、筋肉をつけることが大切です。激しい運動である必要はありません。こまめに体を動かし、自分のペースで続けていきましょう。
ストレスを溜めない
今の時代は子供も大人もストレスを抱えています。「ストレスは万病のもと」ともいわれ、体のあちこちに不調をきたします。ストレスを発散させて身も心も健康でいたいものです。
・睡眠
早寝早起きの習慣をつけましょう。いつも決まった時間に寝て、決まった時間に起きます。起きたら朝日を浴びるともっといいです。
・運動
体がぽかぽかと温まってくると、筋肉がほぐれて全身の血行がよくなり、心臓や胃腸なども活発に働き始めます。
・お風呂
シャワーだけじゃなく、ちゃんとお風呂につかって体をよく温めます。心も体もリラックスできるちょうどいい温度でゆったりしましょう。寝る1時間前に入るとよい睡眠が得られるといわれています。
・マッサージ
人にマッサージをしてもらっていると、気持ちよくてつい眠くなってしまいます。緊張がほぐれて副交感神経が優位になっている証拠です。
足の先や手などをほぐして体の末端の血を巡りをよくし、リラックスすることがストレス発散の近道です。痛くする必要はないので、触って気持ちがいい程度にマッサージしてみてください。
・読書
有効なストレス発散法として読書が最も効果が高かったとの実験結果がイギリスの大学の研究機関から報告されています。
なんと6分間の読書によって平均60%程度のストレスの軽減が確認されたという報告があります。内容に関しては漫画であっても、小説でも、物語でもなんでも構いません。
集中して物語に没頭することで最も効果が高くなるといいます。
このとき出来るだけ紙媒体で読むことが有効とされていますので、文庫本などを購入して読むとストレス発散効果は高いでしょう。
口の中の痛みは何科を受診する?
内科または歯科に行って症状を診察してもらいましょう。そこでお薬をもらうのがいいのか、より詳しい専門科に移るのか、医師と相談するといいでしょう。
歯科や内科の他には、口腔外科、胃腸科などが有効です。もしくは更年期障害から口腔内の問題を発生させやすいこともありますので、更年期障害の可能性がある女性は婦人科に行きましょう。
15歳以下の子供の場合は小児科でも診察が出来ます。
まとめ
口の中が痛い場合は内科か歯科を受診する。子供は小児科へ。
口の中が痛い原因は主にウイルス感染が疑われる。
予防法としては、うがい手洗いをして風邪予防をする。免疫力を上げて風邪をひかないようにする。早寝早起き、規則正しい食生活を心がける。運動をして体力をつけ、体を温める。
口内炎が2つ、3つとできてしまうと何もやる気が起きないくらいつらいですよね。そうならないためにも、まずは口の中を清潔に保つことが重要です。日頃の体調管理や規則正しい生活をして、ストレスを抱えすぎないように体と向き合っていきましょう。
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