痰が絡むのは病気なの?原因や咳が続く時の対処方法を紹介!

痰が絡む、という症状は高齢の人によく見られる症状ですが若い人にも十分に起こりえます。呼吸器はいつも外気にさらされており、その外気も汚れていたりほこりが多かったりという要因も重なってかなりのダメージを受けている可能性があります。

呼吸器の病気にはすこしずつ症状が進むものもあり、そうでなくとも慢性的なダメージがやがて大きな病気につながる事もあるため注意しなくてはなりません。痰は気管支や肺の状態を知らせるためにも役立っているので、どのような病気の可能性があるのか把握しておきましょう。

痰が絡む病気の可能性や、痰が絡んでしまう原因や対処法、予防法について紹介していきます。

痰の正体

喉

は肺や気管支から分泌される粘液で、人間のもともともっている防御反応にかかわるものです。人間は呼吸するときに空気と一緒にほこりやウイルス、細菌などをどうしても吸い込んでしまいます。外部から異物が入って来た時に、それが肺まで到達しないようにするために粘液が異物をつつみこみ、外に排出しやすい形にしたものが痰です。

健康な人でも、呼吸をしている限り痰は出ているといわれており、1日に10回くらいは出しているので痰が出るからといって病気であるとは限らないですが、何か異物が入った場合や、気道や気管支などで炎症を起こしている可能性もあります。痰は呼吸器の健康に関わるもので、非常に重要なサインです。普段と違う点がある場合は注意しましょう。

痰の回数や色などを確認し、異常が感じられたら呼吸器内科での診断を受診しましょう。

痰が絡む原因

具合が悪い女の子

通常、健康な状態であれば痰はからむ感じがする事はあまりありません。ごみが入っては出し、入っては出しとしているうちはスムーズに排出されるか無意識に飲み込んでしまってそれで終わりなのですが、痰が絡む感じがある場合、何か病気などの原因がある事が予測されます。

喉に引っかかる程量が多かったり、飲み込めないくらい粘度が高いという場合、細菌やウイルスが入って来た量が非常に多い可能性などが考えられるのです。

粘液だけであれば透明なはずなのですが、病原菌との戦いの後白血球の細胞が含まれる場合や、血が混じるなどの原因により色がついて見える事があり、これを病気の判断の目安とする事ができます。

白っぽいまたは黄色い痰の原因

外気中のウィルスを体内に取り込んでしまうことで発病し白っぽいあるいは黄色い痰が出てし合う場合があります。可能性のある病気としてはかぜやインフルエンザなどのウィルス性や感染性のものや気管支炎、急性肺炎、急性咽頭炎、びまん性汎細気管支炎、副鼻腔炎などの病気の可能性があります。

これらの病気を引き起こす細菌や微生物などのウィルスによって粘膜が傷つき炎症を起こすことでそれを治癒しようと白血球や菌の死骸がまじり白っぽかったり黄色い粘り気の強いものになります、また副鼻腔炎での鼻からの膿が流れ込んできてしまうことも原因の一つです。

緑色の痰が出る原因

この様な緑色に近い色の痰が出る場合は、上記でも挙げたびまん性汎細気管支炎や副鼻腔炎の場合や慢性的に続いてしまっている慢性気管支炎や気管支拡張症や逆流性食道炎や肺結核や緑膿菌などの病気が起こっている時に発生する傾向があります。

関係するウィルスや菌や鼻水などが原因で起こります。またそれらの菌などが原因になって炎症を引き起こすことでより痰が絡みやすくなります。

透明や白色の痰が出る原因

花粉やダニやハウスダストなどが原因で発症するアレルギー性気管支炎や細菌が原因でない非細菌性感染症や気管支が狭くなってしまうことで発症する気管支喘息などの症状が発症する場合に確認されることの多いのが透明または白い痰の絡む場合のケースです。

これらの比較的軽い症状のものもあれば、その他にも高齢の喫煙者に多く発症者の確認される慢性閉塞性肺疾患や肺胞上皮癌等の場合もあります。

その他にも咽喉頭異常感症という自律神経の乱れなどが原因になって起こる病気で常に喉に違和感を感じてしまう症状の病気があります。なかなか上手く吐くことが出来ず吐いた痰も色がついてないことが多いです。この病気は漢方での治療が可能な比較的治癒が行いやすい病気になります。

赤い、茶色い痰が出る原因

痰の色が赤い原因は痰の中に血が混ざっているからです。痰が部分的に赤く色づいている時は喉で出血が起こっている可能性があります。喉の痛みや違和感がないか確認してみましょう。痰全体が赤く色づいている場合は喉よりも奥で出血が起こっている可能性が考えられます。

血の混ざった痰は血痰と言います。比較的新しい血の場合は色が赤く、新しい色をしています。古い血の場合は茶色に酸化し色が変色します。さらに血が古くなった場合は黒に近づき、新しい血と混ざり赤黒くなる場合もあります。

具体的な病気の可能性としては気管支拡張症や肺がんや肺結核や非結核性抗酸菌症や肺真菌症や肺梗塞症や グッドパスチャー症候群などの病気の可能性があります。

基本的に色の付いた痰が長期間出る場合は早めに呼吸器科や耳鼻科での診断を受けるようにしましょう。

痰が絡む病気

けむり

痰が絡みやすい病気について紹介します。

気管支の病気

まず考えられるのは、気管支に病気がある状態です。気管支は喉から伸びて肺に到達する部分です。

外気から入って来たウイルスなどが粘膜にくっついて感染する事があり、風邪から気管支の炎症を引き起こす事もあります。

急性気管支炎

ウイルスによる感染や、微生物、喫煙、大気汚染などによって気管支の粘膜に炎症が起こるものです。インフルエンザによる気管支炎は急性気管支炎の代表的なものといえます。

ウイルス感染の場合は痰は透明に近い色ですが、細菌に感染した場合は黄色い痰が見られる事があります。

慢性気管支炎

原因不明のせきと痰が慢性的に続く状態にこの病名が付きます。長期的な喫煙が原因となる事が多く、肺気腫を伴う事があります。

咳と痰が3ヶ月以上続く場合に疑われるものです。細菌感染を起こすと痰の色が黄色っぽくなります。

気管支炎については、気管支炎はうつるの?症状や原因を知っておこう!を参考にしてください!

びまん性汎細気管支炎

「びまん性」とは、病変がはっきりと特定できずに広範囲に症状が広がっている状態を指します。びまん性細気管支炎は、細気管支(気管支が枝分かれして肺胞に到達する手前の細い部分)の慢性的な炎症をいいます。環境や遺伝が関わっているといわれていますが、原因がはっきりしない病気です。

痰の色は黄色く、非常に量が多いのが特徴で、症状が進行すると呼吸不全の恐れがあるので抗生剤などで治療を行います。

気管支拡張症

気管支が広がって元に戻らなくなる病気です。風邪ににた症状を示すので気が付きづらいですが、放置していると感染症に罹るリスクが高まります。生まれつきの場合や、別の病気から起こっている事もあるので注意が必要です。

黄色〜緑色っぽい痰が特徴で、血が出る事もあります。また、痰の量が一日100ml程度に増える事があります。

気管支喘息

喘息は、気道が炎症を起こして狭くなり、息苦しさを感じるなどの症状が現れる病気です。喘息になってしまうと、ちょっとしたほこりやストレスによって痰が増えたり気道が狭くなり、呼吸がしづらくなります。

呼吸音が特徴的で、痰は透明なものが出ます。

アレルギー性気管支炎

ダニやハウスダストなどによりアレルギー反応を起こすものです。風邪などで気管支が弱っている状態の所にアレルゲンが入り込むと発症しやすい病気です。

痰の量はあまり多くなく、咳もひどくないのですが、アレルゲンを取り除かない限り治らないので、血液検査で調べた方がよいでしょう。

肺の病気

次に肺から来る病気の可能性があります。肺にまでウィルスなどの病原菌が入ってきてしまうことで炎症を引き起こし肺炎などの肺の疾患の可能性が考えられます。詳しい病気を見ていきましょう。

肺結核

結核菌による感染症です。結核菌は感染した人の体内で増殖して肺に炎症を起こします。放っておくと肺が破壊されて呼吸が出来なくなる恐ろしい病気であり、肺以外に感染した場合、特に脳にできる結核性髄膜炎は大変危険です。

結核の症状は、2週間以上と長期間続く咳や微熱で、痰には血が混ざる事がよく見られます。また、声が出づらいという症状が現れます。早期に治療すれば治る病気なので、早めに医療機関で見てもらいましょう。

慢性閉塞性肺疾患

COPDとも呼ばれる、慢性気管支炎、肺気腫などを総称したもので、煙草の煙を主とする有害物質の吸入で起きた肺の炎症を指します。

長期間の喫煙歴があり、動いた時に息切れを感じる、慢性的な咳や痰の症状がある場合に疑われます。黄色、緑色、血の混じった痰が出た場合に注意が必要です。

肺梗塞

肺の血管の中に血栓が詰まり、呼吸困難などにつながる病気です。足や腹部の静脈で血液が固まって血栓ができ、それが飛んできて詰まってしまう事が多いと言われています。血痰が出やすい病気です。

肺真菌症

真菌(カビ)を吸い込んでしまって起こる病気をまとめて肺真菌症と呼びます。空気中に存在している真菌を口から吸い込んだ場合、健康な人であれば肺真菌症になる事はまずないといえますが、抵抗力が落ちている場合には可能性があります。

抗がん剤、ステロイド剤、免疫抑制剤で治療を行っている方は注意して下さい。血の混ざった痰と咳、発熱が特徴です。

グッドパスチャー症候群

自己免疫疾患で、肺や腎臓を脅かす病気です。若い男性に多く、遺伝的な要因を持つ人が煙草や溶媒などに触れた場合に起こりやすいといわれています。放っておくと死に至る病気なので、化学療法などで肺や腎臓の損傷を防ぐ治療が行われます。喀血や血の混ざった痰、倦怠感などが初期の症状です。

肺がん

ここまで様々な病気がありましたが、やはり不安になってしまうといえば肺がんについてではないでしょうか。初期症状が分かりづらい事や転移を起こしやすい事から大変恐れられている病気です。

肺がんを早期に見つけられるかどうかは、「血痰」に気が付くかどうかにかかっているといえます。血痰自体は他の病気でも見られるものですが、他に肺がんの初期症状といえるものがないのです。

他の病気であったにせよ早く見つかるにこした事はないので、気になったらすぐに病院に行くようにしましょう。

詳しくは、肺がんの初期症状をチェック!咳や背中の痛みに要注意!を読んでおきましょう。

肺水腫

血液の液体成分が滲み出し、肺の中に水分がたまってしまう病気です。空気の交換が阻害されるので低酸素血症、呼吸困難を引き起こします。心臓病や心筋梗塞など、心臓の病気がそもそもの原因である場合があるので、そちらの病気の治療が必要です。

詳しくは、肺に水がたまる原因は?症状や病気の可能性についてを参考にしてください!

その他

その他に痰が発生すると考えられる病気を紹介していきます。

副鼻腔炎

蓄膿症とも呼ばれるもので、この場合痰として出て来るものは喉の分泌液ではなく鼻から来ているものです。細菌感染して炎症が起こり副鼻腔に膿がたまった状態になり、それが流れて来て喉に入り、咳を伴う痰が出るのです。

この場合、出て来るのは膿みなので黄色っぽい痰になります。また、寝ている間に喉にたまりやすいので、痰がからむ感じは朝起きた時が一番大きくなります。

逆流性食道炎

これも呼吸器の病気ではないのに痰が出る病気の一つです。様々な要因により胃散が逆流し食道が炎症を起こすもので、痰として出て来るのは逆流した胃酸です。そのため通常の痰が出る時と異なり苦みが感じられるという特徴があります。

だるさや背中の痛み、咳など症状が多岐に渡るため風邪と間違えやすいですが、風邪薬が逆に悪化を招く事があるため注意が必要です。

喉を健康に保つには

呼吸

日常生活から喉や気管支、肺の健康を保つ工夫があります。痰が絡みやすいなどの症状がある人はこれらの対処法を参考にして呼吸器の正常化を図っていきましょう。

乾燥を防ぐ

咳や気管支のトラブルなど呼吸器の問題は、空気が乾燥する事で起こりやすくなります。冬場は特に空気が乾燥しやすくなるため細菌性の病気にかかりやすくなり、呼吸器にダメージとなるので注意して下さい。

寒い日やエアコンが効いた室内などではマスクをするようにしたり、加湿器を使うなどの工夫をしましょう。濡れたタオルを掛けておくだけでもだいぶ違います。

食材

咳や痰はウイルスや細菌などの侵入によって起こるものが多くあります。そのため、抗菌作用のある食材を取ることが有効です。たとえば、大根やプロポリス、ニンニク、緑茶などがこれにあたります。また、蜂蜜には免疫力を上げて炎症を押さえる働きがあるので、蜂蜜に大根を付けておき、その汁を飲む事で咳や喉の健康に役立つというレシピがあります。

また、食材ではありませんが水分補給により喉を保湿することができるので、できるだけ水を飲むようにしましょう。できれば暖かいものの方が血行促進にも役立つのでおすすめです。

喫煙本数を減らす

黒い痰や茶色い痰が出る場合の一つの原因に喫煙によるヤニが原因になっている場合があります。タバコを吸うことで肺や気管支がダメージを受けることでも病気のリスクが上がったり、それが原因で痰が生成されやすくなっていまったり、痰が絡む病気にかかる可能性が高くなります。

喫煙回数を減らすことや、禁煙をすることで呼吸器の問題の改善効果が生まれ、痰の絡みを軽減することが出来るでしょう。基本的に痰というのは呼吸器官からの異常を感知した時の反応なので、痰が常に絡むような状態は好ましくありません。

しかも喫煙によって呼吸器の異物などを捕まえる役割で気管支を正常に保つ働きのある線毛の細胞を壊してしまう場合もあります。さらに線毛を正常に働かせるための気道液の分泌も喫煙によって低下してしまうのでさらに気管の機能が低下してしまいます。その為肺に菌やウィルスなどが入り込みやすくなり病気のリスクが高まります。

痰が気になる場合は可能であれば、喫煙の本数を減らしていくことが望ましいでしょう。

まとめ

痰は悪いものを体外に排出するために出ているので、出て来ること自体に問題はありません。呼吸器の病気は長年の喫煙などが原因となっている場合もあり、若いうちはなかなか気が付かない場合もありそうです。ただ、血の混ざった痰は肺がんの初期症状としても挙げられているので、血が混じった場合はすぐに医療機関にかかるようにしましょう。

呼吸器を日頃から健康に保つためには、禁煙する事と乾燥を防ぐ事が大切です。適切に水分を採ることも必要とされています。また、ダメージを感じた際には大事をとり、大声を出したりカラオケをするなど喉を酷使することを避けるようにしましょう。

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