疲れやすい病気はどんなものがあるか心配していますね。体が重い、すぐ疲れる、不安になる、など人によって症状も原因もさまざまです。
このようなやや漠然とした疲労感や悩みなどを不定愁訴と呼びます。不定愁訴は女性に多く、二人に一人は悩みを抱えていると考えられています。快適な毎日を送るために、疲れやすい症状があらわれた時の対応や予防法などを見ていきましょう。
疲れとは
疲れ・疲労は、「なんかだるい」「やる気が出ない」「休みたい」などの欲求、身体的な疲労感や集中力が切れて作業がはかどらないなどの状態のことで、体からの危険信号といえます。
日頃感じる疲れは大きく分けて4つのタイプがあります。
・身体的な疲労・・体や筋肉が疲れている
・精神的な疲労・・心が疲れている
・神経的な疲労・・脳や頭を使った後に疲れる
・生理的な疲労・・発熱や多忙な時など、いつもよりも活動量が多く、エネルギーを使い切ってしまった状態である
また、気分がいいときは疲れを感じにくいように、そのときの気分や心理状態が疲労に大きく影響します。
疲れやすい症状
疲れやすいと感じる症状は多岐にわたります。
体の変化
体がだるい、動けない、体力が一日持たない、起きれない、眠い、眠れない、肩こりなど体にあらわれる症状です。
気持ちの変化
無気力、動きたくない、なにもしたくない、めんどくさい、無気力、前向きになれない、イライラする、集中力が欠ける、ネガティブ思考、不安、パニックなど心理的な症状です。
体調の変化
胃腸の調子が悪い、風邪を引きやすい、頭痛、吐き気、冷え性、むくみ、貧血、頻脈など体調が優れないときも疲労を感じます。
行動の変化
過食、拒食、自傷、怒りっぽいなど、普段はしないようなことも疲れによって引き起こされることがあります。
不定愁訴(ふていしゅうそ)とは?
検査や診察をしても異常はないのに、なんとなく体調が優れない状態が続きます。このような症状は特に更年期の女性に多く、更年期にあらわれるこれらの症状をまとめて更年期障害と呼びます。
疲れやすい病気
倦怠感をともなう代表的な疾患をご紹介します。
慢性疲労症候群
原因は判明していない強度の疲労や、不定愁訴が長い間(6カ月以上)持続している状態をまとめて慢性疲労症候群といいます。
下記の症状とは明確な分類ができず、オーバーラップする部分もあります。
精神的な病気
・うつ病
判断力や集中力が欠け、無気力、不眠、疲労を感じます。気分が落ち込み、食欲がわかないこともあります。
・摂食障害
食事に対して恐怖や罪悪感を感じてしまい、普通に食べることができなくなってしまう症状です。拒食症と過食症、その両方を伴うこともあります。
・適応障害
何かに対して不安を感じ、社会生活や日常生活に支障をきたします。学校に行けない、人前に出られないなど、社会に適応できなくなってしまう症状です。適応障害については、適応障害は甘えなの?症状や治療方法を紹介!の記事を参考にして下さい!
内分泌系(ホルモン)の病気
内分泌系に分類される器官に関わる症状です。
・自律神経失調症
自律神経は交感神経と副交感神経の二つのバランスで成り立っています。ストレスが増えると交感神経が優位になり、緊張や覚醒、興奮した状態になります。副交感神経は体をリラックスさせて疲労回復や休息を促します。この二つがうまく機能しないと、さまざまな不調があらわれてきます。
・甲状腺の異常
甲状腺機能低下症(橋本病)
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺の機能が活発すぎても低下しすぎても不安や疲労、倦怠感などの症状を引き起こします。
・更年期障害
45~55歳くらいの間を更年期と呼んでいて、卵巣機能が低下することで女性ホルモンが急激に減ります。ホルモンの変化によって自律神経もバランスを崩し、体に不調があらわれます。
・性腺の異常
卵巣、精巣に関わる性ホルモンの異常や病気も倦怠感を伴います。
自己免疫疾患
体に侵入した異物に対して攻撃をするのが本来の免疫の仕事ですが、なにかの異常で自分の体の細胞を攻撃してしまう病気です。
・膠原病、リウマチ、全身性エリテマトーデス、ギランバレー症候群、シェーグレン症候群など
その他
・糖尿病
・脳梗塞
・血液の症状
貧血、血行不良、冷え性、低ナトリウム血症(脱水症状)
・睡眠障害
不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群
・扁平足(へんぺいそく)、太もものこり
つちふまずのない足の形を偏平足といい、体重を支えるための足裏のアーチがないせいで、少し歩いただけで足が疲れてしまいます。
太ももには大きな筋肉があり、こりのせいで足が重い、だるいと感じることがあります。
疲れやすい原因と対策
疲れやすい症状を引き起こす原因と対策を見ていきましょう。
ストレス
ストレスは体を緊張させ、脳を活性化させます。いわゆる「アドレナリン」が出ている状態で、仕事やスポーツなどには欠かせません。
その一方で、睡眠や消化、休息を同時に取ることはできないので、緊張している時間が長くなると疲労が溜まっていきます。ストレスは心にも体にも影響があります。
・対策
ヨガや体操、ストレッチなどの軽い運動、お風呂やマッサージ、アロマなどでゆっくり過ごす、趣味に没頭する、など自分の好きな方法でリラックスしましょう。
睡眠不足
睡眠は脳や心と体の休息、回復を促します。寝ることは癒しそのものです。睡眠が足りなければ、疲れが溜まるのも当然です。人生の三分の一は寝ているといわれるほど睡眠は大切です。
・対策
夜更かしをやめましょう。寝る1時間前から照明を落とし、リラックスして寝る準備をします。寝起きする時間を一定にして、休日もリズムを崩さないようにしましょう。仕事の昼休み中に10~15分程度の仮眠を取ることは午前中の疲れを取り、気分をリフレッシュできます。
運動不足
運動不足で体力や筋力が低下していれば、疲れやすくなります。普段から運動に慣れておくことが大切です。疲れやこりをほぐすのにも最適です。血行を良くし、体温を上げることで、脳や内臓の活動も活発になります。
・対策
ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を定期的に行います。まとまった時間が取れない場合は、なるべく階段を使う、電車では座らないなど普段の生活の中で運動量を上げる工夫をしましょう。
栄養、エネルギー不足
活動に必要なエネルギーが不足すると、力が入らない、だるい、動けない、ひどい場合は貧血やめまいなどの症状があらわれます。偏食で食事の栄養が偏ったり、食事制限によるダイエットをしている女性は特に注意が必要です。
・対策
体の回復を優先させるために、体や消化の負担になるものは控えます。「量より質」で十分な栄養を補給して、体に休養と栄養を与えてあげましょう。
バランスのポイントは「まごわやさしい」です。
ま 豆類(タンパク質)
ご ゴマ、アーモンドなどのナッツ系(ビタミンE)
わ わかめ、のりなどの海藻(カルシウム)
や 野菜(ビタミンC)
さ 魚(オメガ3、亜鉛)
し しいたけなどのきのこ類(食物繊維)
い イモ類(炭水化物)
カフェイン・アルコール・おかし類を控えましょう。
病気
ストレスによって、すぐに影響を受けやすいのが胃腸や甲状腺です。
甲状腺は摂取した栄養を体のエネルギーに変える働きがあるので、それが機能しないとすぐに気力や体力の低下につながります。肝臓は排泄や代謝を担当していて、体の中で不要となったものを外に出す働きがあります。老廃物が体に溜まると疲れやすくなります。
・対策
かかりつけのお医者さんと相談しましょう。特に病気がないのに体調がよくない、疲れやすいときは、かかりつけのお医者さんに相談するといいでしょう。普段の体調を知っている先生がいると、いざとなったときにとても役に立つことがあります。
また、東洋医学や漢方では「未病」といい、治療の対象の分野です。内科の先生で東洋医学や漢方にも理解があると、話しがしやすいです。
まとめ
疲れやすい病気についてのまとめです。
疲れは、心や体の調子のバロメーターです。
疲れやすい原因は体調や体力、気力に深く関わっています。
疲れやすい病気や不安で悩んでいる人は多いです。
疲労回復は睡眠が一番のサプリメントです。
規則正しい生活や体力維持を心がける。
タバコを吸う人は禁煙も考えましょう。イライラを解消したり、休憩中に一服したいかもしれませんが、喫煙によって疲れの原因となる活性酸素を大量に取り込むことで、ビタミンCを破壊し、血中は酸欠状態になります。
恐ろしいスピードで肌を老化させるといわれる「スモーカーズフェイス」が話題になっていますが、それが体内でも起こらないはずがありません。ストレスは健康的に解消し、日常生活を見直して、疲れと上手く付き合っていきましょう!
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