寒くなってくると、洋服を脱ぐとき、ドアの取っ手を触るときなどに静電気が起こります。
なぜ、静電気は起こるのでしょうか?それは、私たちの身体にはマイナスとプラスの電気をもっているからです。バランスが取れているときはよいのですが、このバランスが崩れたときに、静電気が起こります。
静電気が起こると嫌ですよね。身体から何かをもぎ取られたような感覚に陥ります。静電気について情報を詳しく見てみました。
静電気について
世の中のものすべての物質は、プラス電気とマイナス電気でできている原子です。人間も例外ではありません。
原子のプラスとマイナスがこすりあう摩擦によって電気のバランスを崩します。そのため、バランスを崩した電気が外に出て火花を散らすのです。
静電気の起こる接触時の帯電の移動は帯電量とほとんど変わりません。帯電量そのものは環境によって大きく変化します。
静電気とは
静電気とは、私たちの身体にあるマイナスとプラスの電機のバランスが崩れたときに起こります。マイナス電気は非常に移動しやすく、マイナス電気が足りないと増やし、増えすぎると減らそうとします。
帯電に蓄えられている状態の電気を静電気と言います。帯電とは物体が電気を帯びることです。この帯電している状態の物質同士が触れ合うと、マイナスの電気が移動するため「パチッ」と静電気が起こります。
例えば、人間がプラス電気の帯電を蓄えていて、ドアノブがマイナス電気を蓄えているとします。ドアノブのマイナス電気が人間のプラス電気に流れようとした際に火花を散らし、静電気が発生するのです。
静電気が起きやすい環境
静電気は気温が25度以下、湿度が20%以下の空気の水分が少ない乾燥した時期に起きやすいです。なので乾燥しやすい寒い冬場に起き、湿度も気温も高い夏場には起きにくいのです。
また、大人のほうが子供より健康で肌に水分が少ないため静電気が起こりやすくなっています。ですから、常に保湿を心がけていると静電気は起こりにくくなります。
静電気が起きやすい洋服
下着、シャツ、セーター、コート、マフラーなどが重ね合わさることで、それらがこすれあって静電気を起こします。
冬場は特に空気が乾燥し、湿度が低いと放電がスムーズでなくなるので、電気をため込みやすくなります。それと反対に、夏場は衣服の擦れ合いも少なく放電しやすいので、静電気は起こりにくいのです。
素材によってプラス電気とマイナス電気を帯びやすくなります。ですから、組み合わせで摩擦の強さが変わってきます。プラスだけの電気と、マイナスだけの電気が起こる素材を組み合わせれば静電気が起こりません。
静電気を起こさせないようにするには重ね着をしないことです。寒い冬などは重ね着が多くなるので重ねる素材を選ぶことが大切です。
帯電の素材状況
+イオン
- ウール・羊毛(帯電しやすい+イオン)
- ナイロン
- レイヨン
- 絹
- 皮
- 木綿(帯電しにくい+イオン)
- 麻(帯電しにくい-イオン)
- アセテート
- ポリエステル
- アクリル
- 塩化ビニール(帯電しやすい-イオン)
-イオン
上記は、プラス電気の帯電しやすい素材から木綿の帯電しにくい素材を表しています。また、帯電しやすいプラス電気と帯電しやすい塩化ビニールを組み合わせると、静電気はとても起こりやすくなります。
帯電しにくいもの同士なら静電気は起きにくいですが、例えばポリエステルのブラウスと、ウールのセーターを着ていた場合、静電気が起こりやすくなります。
同じ素材同士なら静電気を起こしにくいし、木綿は静電気を起こしにくいので、木綿を取り入れるとよいでしょう。
また、同じ素材同士でも古くなって毛羽立った素材や凹凸のできている柄などは静電気が起こりやすくなります。
静電気を起こしやすい組み合わせ
- ポリエステルのスカートやパンツにナイロンのストッキング
- アクリルやポリエステルのブラウスの上にウールのセーター
静電気を起こしにくい組み合わせ
- ウールのスカートやパンツにナイロンストッキング
- コットンシャツの上にウールのセーターに皮のコート
- ポリエステルの裏地にはアクリルのタイツ
電気を通さない素材を身に着けていると帯電しやすくなります。例えばゴムやプラスチックなどは電気を通しません。
静電気を起こしやすい体質
体質そのものに電気を起こしやすい体質があります。乾燥肌の人、酸性体質の人などは静電気を起こしやすくなっています。
乾燥肌の人は電気をためやすい
静電気は乾燥が嫌いです。乾燥していると電気が逃げられないのですが、これは肌も同じで肌が乾燥していると、皮膚の表面から放電しにくくなります。
酸性体質も電気をためやすい
人間の身体は本来弱アルカリ性ですが、酸性体質の人は電気をためやすくなります。ストレスや疲労がたまると身体が酸性に傾きます。
また、栄養バランスが偏っている方や規則正しい生活ができていない方も身、体が酸性に傾きやすいので注意が必要です。静電気を除去するには疲労回復が大切です。
ドアノブの静電気の除去方法
静電気を除去する方法は次のような方法があります。
- 空気中に放電する
- 何かに触って放電する
- 静電気をため込みにくい身体にする
電気を通しやすいものに金属と鉛筆の芯などがあります。ドアノブの除電方法は次のような方法をとると静電気を少なくできます。
ドアノブの静電気除去方法
1.手を広げて掌でドアノブを直接触る
掌は指先と違い、神経が少ないためほとんど痛みを感じることはありません。ですから、掌でドアノブを触ると静電気が感じにくくなります。
2.金属や布を使って金属のものを触る
鍵などの金属を先にドアノブに当てたり、ハンカチ(綿や麻・絹は効果薄い)を折り曲げたりしてそれをドアノブに当て身体の帯電を流します。それから、普通にドアノブに触って開けると静電気は起こりません。
ハンカチは極度の静電気が来る人におすすめのやり方です。
3.ドアを開ける前に電気の通しにくいものを触る
金属のドアノブを触るときに、壁を素手で触ってノブを触ると放電できます。例えば、ゆっくり電気を通すコンクリートや、地面、石、アスファルト、レンガ、木、紙、などに触ると放電しやすいです。
4.ドアノブにガムテープを張っておく
いつも使うドアの取っ手などには、ガムテープで作った静電気除去シートを張っておくと静電気が起きにくくなります。
作り方はガムテープを7~8㎝切り取って2~3センチ折り曲げます。それをドアノブに張ります。触るときは2~3センチのガムテープを0.5~1秒触ってドアノブを触ります。
車のドアノブの静電気除去法
車のドアノブなどの鉄でできているものに触るときは、アルミニウムや銅を触ってから車のドアノブを触るとよいです。
アルミニウムは1円玉、銅は10円玉ですので、先に1円玉や10円玉で車のドアノブを触って、普通に触ると静電気が起こりません。
キーホルダーのような鉄でもよいです。
静電気の対策
静電気対策の商品を選ぶには、セーターなどは通販で買うのではなくお店に行って、実際に触ってみて、さらさらした、毛羽立っていないものを選ぶのが大切です。
古くなって毛羽立つセーターには柔軟剤を利用するとよいでしょう。洗いやすいものは洗濯して柔軟剤を入れればよいですが、洗いにくいセーターやスーツなどのものは直接柔軟剤スプレーをします。
衣類の静電気防止対策
衣類に柔軟剤をスプレーする
柔軟剤のスプレーの作り方は、無香料の柔軟剤を100倍に水道水で薄めます。セーターやスーツなどの袖や襟など衣服の摩擦しやすいところに、20センチほど離して振りかけます。
柔軟剤に含まれる界面活性剤が、空気中の水分を吸収し、自然放電を促す働きをします。衣類表面に幕を作って自然放電してくれます。大体3日に1回程度でスプレーするとよいでしょう。
衣類を新しく購入するときは、綿100%を選ぶほうがよいです。放電性のある綿や麻を選ぶと静電気が起こりにくいです。ウールやポリエステルは放電しにくいです。
静電気を防止するのに柔軟剤を使う
柔軟剤は衣服を柔らかくするだけでなく、摩擦を防いで静電気予防ができます。しかし、柔軟剤を使いすぎると衣類の吸水性が悪くなります。服の風合いが変わったと思ったときは、柔軟剤を2~3回使わないでおいたほうがよいです。
セーターなど選ぶときは凹凸がしてないものを選ぶ
綿のセーターを選ぶときにデザインで、表面がつるつるしているものを選びます。凹凸のあるセーター(柄物)などだと静電気を起こしやすくなります。
実験では、つるつるしているセーターだと300ボルトと非常に低い電力でしたが、凹凸柄のあるセーターは2500ボルトまで上昇しました。
新しい綿100のセーターなので静電気まで起こりませんでしたが、古くなると静電気が起こるようになる可能性もあります。綿100%繊維でも乾燥機でパリパリに乾かすと、静電気が起きてきます。
ダウンジャケットの静電気対策
ダウンジャケットの静電気対策は、インナーとの摩擦抵抗を減らすことで解決するのでインナーの選び方で静電気対策ができます。
ダウンジャケットの裏はポリエステルやナイロン素材の割とさらさらしているので、インナーにさらさらした衣類を選ぶと静電気が起きにくいです。
静電気をためない身体作り
静電気を必要以上にためると、肩こり、頑固な冷え症、ドライアイなどの症状が起こってきます。この症状は静電気がたまる人の代表的な症状です。
静電気をためない身体作りが大切です。
湿度を高くすると電気をため込みにくい
部屋が乾燥していると、電気が放電できないので、部屋の湿度を高くすることが必要です。冬になると加湿器など用いて、湿度を50~60%に保つようにすることが大切です。
静電気が起こるのは湿度を25%切ると途端に起こってきます。
肌を保湿する
肌が乾燥しないようにハンドクリームなどを塗ると静電気の起こる割合が違ってきます。保湿するだけで静電気は除去されますので、肌の保湿が大切です。
身体を乾燥させないことが静電気を起こさせないことになりますので、ボディークリームやハンドクリームなどを塗って、いつも、保湿に心がけていると違いが出てきます。
また、加齢になると余計乾燥肌になり、石鹸で毎日身体を洗うより、湯洗で身体を洗うと身体の脂分が落ちないので、保湿効果も出てきます。
髪の毛が静電気を起こすとき
髪の毛が静電気を起こすときは、髪の毛をトリートメントで保湿していると静電気が起こりにくくなります。
シャンプーをし過ぎると静電気を起こしやすくなりますので、湯シャンをして、たまにシャンプーで洗うのもよいかもしれません。
ブラシは天然素材を選ぶ
ブラシは天然素材の動物の毛などがよく、柘植の櫛などは静電気を起こしにくいです。プラスチック製のブラシなどで、髪にブラシをかけると、静電気を身体にため込んでいるような状態になります。
ドライヤーシートによる放電
柔軟剤のドライヤーシートが、髪の毛の静電気で広がった髪に、ドライヤーシートを包むように擦すります。そうすると、放電して髪の毛の静電気が解除されます。
静電気防止商品およびグッズ
静電気を除去する静電気防止商品やグッズはたくさん出ています。どのようなものがあるのか見てみましょう。
静電安全靴
静電安全靴や静電作業靴は作業などの時に、安全靴や静電靴として利用されています。しかし、一般に購入している人もいます。
スニーカーの形を見ていると、作業用の靴と思えないほど良いデザインもあります。これは、地面に静電気を逃してくれるので、非常に効果が高くなっています。
これの仕組みは、導電糸が靴底の爪先とかかとに使用され、導電素材が中底と本底に使われています。そうすることで、人体にたまった静電気を足裏からインソールに放電します。
インソールから中底、表底、地面に電気が逃げる作りになっています。
除電繊維を使用していて、常に電気を放出しているので、静電気が起こらないとても優秀な静電気除去グッズです。普通の靴店には一般安全靴は置いていますが、静電加工されたものは置いてません。アマゾンで購入すると手に入ります。
静電気除去シート
静電気除去シートはゆっくりと静電気を流す導電性繊維で作られています。しかし、これは先にも書きましたがガムテープを使った除去シートで代用できます。
静電気防止スプレー
これも無香料の柔軟剤があれば、先に書きましたように経費を節減できます。
静電気除去ヘアブラシ
普通のブラシでブラッシングすれば、静電気をためる結果になってしまいます。現在は静電気を取り除くため、強導電性繊維を使用して、髪からもブラシからも静電気を取り除くヘアブラシが出ています。
静電気除去ブラシ
スーツのホコリや花粉を除去するのに便利です。静電気除去繊維が毛に使われているので、コロナ放電によりスーツやコートのホコリを除去できます。
静電気対策文具
帯電しやすい文具なども、導電性クリアファイルなどを使用するとクリーンな環境で作業できます。また、塗布や浸漬する帯電防止剤もあり帯電防止効果を発揮します。
車両用塗装などの除電タイプ静電気除去剤
車などの塗装の時に静電気を除く除電タイプ式の静電気除去剤が使用されています。また、塗装作業前に付着した油性系の汚れを除去するための脱脂洗浄剤もあります。
その他に作業で使われる除電商品
アクリルカーボン除電ブラシスタック
お値段は6621円と少し高めですが、静電気除去繊維で、機械に取り付けるタイプで、静電気除去に高い除電性能を備えています。
ゴールド除電ブラシスタック、除電ゴールドブラシスタックなどもあります。
刷毛型除電ブラシ
お値段は1000~4200円まであります。自己放電力を有する極細繊維で除電とホコリ除去が傷をつけないで行えます。
導電性カラーマット
お値段は1000円前後から13万円ぐらいまであり、いろいろな用途に使えますが、工場などのお仕事の立ち仕事や、事務所などの卓上静電気対策に利用できます。
床や棚、机など切って使えます。
静電除去ブラシ(作業用)
静電気除去ブラシは600円前後から5万円前後まであります。静電気除去に除電ブラシいろいろな種類があります。用途により素材も色々です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?静電気対策について詳しく見てきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?まとめてみますと次のようになります。
- 身体にたまった帯電を体外に出すことが必要です。
- そのためには、人間の皮膚はプラスイオンで、マイナスイオンに触るときは、電気を通さないものや、同じプラスイオンに触ります。マイナスイオンの物体に触ると静電気が起こしやすくなります。
- そのために、いつも用意しておくとよいのが、キーホルダーやハンカチです。
- これらを、先にマイナスイオンの物体に触れさせて、マイナスイオンに触ると静電気が起きにくくなります。
- 静電気を起こさない身体にするのは、身体が乾燥しないことです。身体を乾燥させないためには、気温が25度以下、湿度が20%以下にならないようにすることです。
- また、身体を乾燥させないように保湿をすることが大切です。