暖房の適温はどのくらい?理想の温度を知っておこう!

暖房の適温は、かなり難しいテーマです。

というのも、そこには「暖房器具は何がベストなのか」「省エネや節電も考えたい」「乾燥による体調不良は避けたい」「年齢層によって適温は異なるのでは?」などなど、さまざまな問題がからんでくるからです。

環境省の「適温」

環境省は「ウォームビズ」というキャンペーンを展開していて、そこでは冬の暖房時の室温は20度を目安にするよう訴えています。

地球

ウォームビズとは

しかし「室温20度」は、言葉で聞くと「ぬくい」ような気がしますが、真冬に「室温20度」の部屋に入ると寒く感じるでしょう。特に0度前後の外気に長時間さらされた後に建物中に入ろうとすると、人は「あそこのドアの向こうに暖かさがある」と期待しますので、さらに寒く感じます。期待が裏切られることで、体感温度が下がってしまうのです。

それでも環境省が「室温は20度で」と訴えるのは、地球温暖化を防止する目的があるからです。でも「地球のために国民に寒さを我慢しろ」というのはいかがなものでしょうか。環境省はそうした批判を想定して、次のように提案しています。

  • ①政府と地方公共団体は率先する立場なので「室温19度」でいく
  • ②「室温20度」でも快適なアイデアを提案する

ぽかぽかアイデア

環境省の「室温20度でもぽかぽかアイデア」は、マフラー、手袋、レッグウォーマーを着用することだそうです。また、風呂上りは1枚多く羽織ることも推奨しています。

さらに、食事は鍋を勧めています。鍋料理は湯気が出るので、室温が上がると同時に過失効果も期待できると強調しています。

さらに、温度計を室内に設置するよう呼びかけています。これは良いアイデアだと思います。「暖かい」の「見える化」ですね。ダイエットの最初の一歩も体重計測といいます。

そのほか、扇風機を使う、湯たんぽの活用、ふかふかのスリッパの使用など、細かいアドバイスもしています。

暖房メーカーの「適温」

湿度

では、暖房メーカーの適温はどうなのでしょうか?

22度までOK

暖房メーカーのダイキン工業は、環境省より少し優しいです。もちろん国の方針を否定するわけにはいきませんので「20度が目安」としつつも、「厚着ができないときは22度まで上げるとちょうど良い」と言ってくれています。ホッとしますね。

湿度が重要

ダイキン工業も「ぽかぽかアイデア」を提案してくれています。それは湿度です。湿度が上がると、体感温度がアップするというのです。しかしこれはよく聞く話ですよね。例えば「この国は湿度が低いから夏場は40度に達することがあっても、日本の30度より涼しく感じる」といったような表現を耳にしたことはありませんか。これが「湿度アップ=体感温度アップ」ということなのです。

そこでダイキン工業では、暖房を付けるのと同時に、加湿器での加湿を勧めています。また最近は空気清浄機に加湿機能が付いている製品も販売されています。

住環境で快適とされる湿度は40%から60%です。40%未満だと、体感温度が低くなるだけでなく、インフルエンザウイルスなどのウイルスが繁殖しやすい環境になってしまいます。また逆に61%以上だと、結露やカビが発生しやすくなります。

湿度を上げるには、なにも機械に頼らなくても大丈夫です。濡れた洗濯物を部屋の中に干しておくだけで湿度が上がります。

生活シーン別の「適温」

地球環境を考えた適温は「20度」でした。暖房メーカーが考える適温は「22度」でした。これらはいずれも、「日中」「健康な人が」「室内で」過ごすときの室温です。しかし室温の適温は、生活シーンによって異なります。

ちなみに、ダイキン工業の調査によると、国内の平均的な設定室温は「23度」だったそうです。ここからも「20度」は少々厳しい模様です。ましてや政府機関の「19度」は相当寒いのではないでしょうか。

睡眠時は15度でも

それでは、眠っているときの快適な室温はどれくらいでしょうか。布団に入るので、室温はそれほど高くなくていいはずです。専門家は15度から21度が適温といっています。

これはまさに「頭寒足熱」の考え方です。睡眠時は、頭はむしろ「少し寒い」くらいが良くて、足先に向かって暖かくしていくことが理想です。

ヒートショック

冬場の室温で気を付けなければならないのは、お年寄りへの配慮です。ヒートショックという言葉をご存知でしょうか。急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓に負担がかかるのです。失神や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こします。国内での死亡者数はなんと年間1万人といわれています。交通事故死の2倍に相当します。

しかし医師によっては、その1万人という数字も「実際はもっと多いはず」と指摘します。それは、仮に冬場に心筋梗塞で突然死した場合、死亡原因を「心筋梗塞」としてしまうと、ヒートショックによる事故とはカウントされないからです。

温度より温度差

そこで、お年寄りが暮らしている家では「温度」より「温度差」に注意してほしいのです。暖房の効率化から、部屋のドアを閉めるのはやむを得ませんが、その際、廊下や普段使っていない部屋、そしてトイレや風呂場の温度が、居間の室温とかけ離れないようにしなければなりません。

理想の暖房器具

たき火

暖房器具選びは簡単ではありません。そもそも種類が増えすぎていて、何を選んだらよいのか一般消費者を悩ませます。価格もまちまちで、性能が良ければ当然値段も良いのです。

さらにメーカーの開発がすさまじく、以前は欠点が多くて敬遠されていた暖房器具が、その欠点を克服して評判を上げていることもあるのです。

石油ストーブ

コストと暖かさのWメリットで、石油ストーブは不動のトップです。ただ、人気者の性(さが)として、不満点も多いのです。石油ストーブの4大欠点は「結露、室間温度差、朝晩の冷え込み、空気の汚れ」です。

石油ストーブは室温を上げるときに水蒸気を発生させてしまうので、結露が現れるのです。室間温度差も、石油ストーブの泣き所です。石油ストーブは「1点から放射状に暖める」タイプの暖房器具だからです。

そして、石油ストーブは直接火を使って暖めるので、火事のリスクが伴います。

電気ストーブ

電気ストーブのメリットは、なんといっても「速さ」です。電源を入れれば数秒でマックスに達します。デメリットはコスト高と狭さです。

コスト高は、電気料金の値上がりの影響をもろに受けています。しかしよくよく考えてみれば当然ですよね。火力発電の場合、天然ガスや石炭や石油を燃やして、熱から電気を作るわけです。それを送電線を使って各家庭に送り、その電気を熱に戻すのです。電気ストーブのコスト高は、「熱→電気→熱」の過程で発するロスの大きさを示しているといえるでしょう。

エアコン

かつて、エアコンによる暖房は「緊急避難的」に使われていました。コストが高い、足元が暖まらない、クーラーのおまけ――そんな悪評が付いて回っていました。

しかし改良が進み、暖かさをコントロールできるようになりました。つまり1つの部屋であっても、すみと中央では温度差があります。それをエアコンのセンサーで読み取り、温度と風量を調整して、室内のどこに居ても適温を体感できるようになったのです。

またコスト高の原因となっているロスを極力減らす工夫も進んでいます。

オイルヒーター

おしゃれな暖房器具として注目を集めているのがオイルヒーターです。オイルヒーターは、機械の中にオイルを密閉しておき、そのオイルを暖めて、オイルの放熱によって部屋を暖める仕組みです。オイルを暖めるのは電力ですので、広い意味では電気ストーブとなりますが、認知度が進みオイルヒーター単独で評価されています。

空気が汚れない、静か、無振動、コスト高ではない、というメリットがあります。デメリットは暖かくなるまでに時間がかかることです。部屋を暖める前にまずオイルを暖めなければならないので、そのタイムラグを嫌がる人は多いです。

まとめ

暖房器具も室温の適温も、好みとライフスタイルと財布の中身によって異なります。「私の暖房」選びを楽しんでください。

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