ビデの使い方を正しく理解しよう!海外との違いは?

最近の日本のトイレにはほとんど付いているビデ機能。日本で広まったのは1980年代以降からで、便利な機能だと使っているけど、正しい使い方はよく知らない・・・という人も多いのではないでしょうか。

ビデの使い方はあまり教えてもらう機会がありません。親から教えてもらったり、自己流で使って覚えていく人が多いと思いますが、間違った使い方をしていると感染症などの病気の原因になることもあります。

ここでは、ビデとは何か、ビデの正しい使い方、海外で見かけるビデの使い方をご紹介します。

「ビデ」とは何か

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もともとの「ビデ」という言葉は、「足を含めた下半身、特に肛門や性器を洗浄する器具」を指します。まだ風呂や水道が普及する前に、スイスやフランスなどの西ヨーロッパで、肛門や性器を清潔に保つために使われる器具として生まれました。

海外でのビデは便器とは別に設置されていて、男性も女性も日常的に使います。しかし、現在の日本での「ビデ」は、洗浄機能つきの便座の中の「ビデ機能」を指します。この日本でのビデ機能は女性器を洗浄する機能で、男性は使いませんし、排便後に肛門を洗う「おしり洗浄」とは別のものです。

ビデの正しい使い方

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日本式のビデの正しい使い方をご紹介します。

どんな時に使うのか

日本でのビデは、排尿後に局部を清潔に保ちたいときや、生理の時に経血を洗い流して不快感を減らしたいとき、おりものを洗ってさっぱりしたいときなどに使います。排便後にはビデ機能ではなくおしり洗浄機能を使います。

生理中や性交後などに性器の外部ではなく膣内を洗浄するのにトイレのビデ機能を使うという人もいますが、温水洗浄便座のメーカーは、ビデはあくまで性器外部を洗浄するためのもので、性器内部を洗浄することは推奨できないとしています。膣内を洗浄したいときには、後からご紹介する携帯ビデを使いましょう。

正しいビデの使い方

正しいビデの使い方をご紹介します。

  1. まず、ビデを使う前にトイレットペーパーを使って軽く拭いておきます。
  2. 水圧は弱めのシャワーにして周辺を優しく洗い流します。強い水圧を使ったり、周辺ではなくデリケートゾーンの中心に向かってシャワーを当ててはいけません。
  3. トイレットペーパーで押さえるように拭きます。温風乾燥機能がついている場合も、軽くトイレットペーパーで拭いてから温風を当てて乾燥させます。

注意してほしいのは、強い水圧でデリケートゾーンの中心にシャワーを当ててはいけないということです。こうやって洗ってしまうと、水の勢いで周囲の雑菌が尿道に入ってしまう可能性が高く、膀胱炎などの原因になってしまうこともあるのです。排尿後にビデ機能ではなくおしり洗浄機能を使うのも、高い水圧のシャワーを当てることになり、膀胱炎の原因になります。

また、膣内はいつも弱酸性に保たれていて、外部からの雑菌や病原菌の侵入・繁殖を防いでいます。強い水圧でデリケートゾーンを洗ってしまうと、この雑菌や病原菌を防いでいる粘膜も水圧で洗い流されてしまい、病気にかかってしまうこともあるのです。

「必ずビデ機能で洗う」「弱めの水圧で周辺を優しく洗い流す」「デリケートゾーンの中心だけを目がけてシャワーを当てない」ことに注意しましょう。

誤った使い方

ビデのシャワーやおしり洗浄のシャワーを高圧で当てて排泄を促す、という使い方をしている人がいますが、これは間違った使い方です。いつもそうやって排泄をしていると、常習化してしまい、シャワーを当てなければ排泄ができなくなってしまいます。

また、ビデもおしり洗浄も、強すぎるシャワーは洗いすぎになり、かゆみの原因になることもあります。

携帯ビデとは?

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薬局などで「使い捨てビデ」「携帯ビデ」などが売られています。どんな時に使うのかをご紹介します。

どんな時に使うのか

ビデの機能が付いていないトイレを使ったときや、衛生環境があまりよくないトイレで衛生面に不安があるときなどには、携帯ビデが便利です。薬局などで「使い捨てビデ」「携帯ビデ」などの名前で売られています。

そのほか、携帯ビデには膣内を洗浄するという使い方もあります。膣の洗浄は頻繁に行うことはおすすめできませんが、おりものや経血で不快感を感じているときに膣洗浄をすると膣内が清潔になり、不快感がなくなったり生理痛が緩和されることもあります。また、性交後に膣内を洗浄したいという人も、トイレのビデ機能ではなく、携帯ビデを使いましょう。

携帯ビデでの膣内洗浄の方法

携帯ビデには使い方の説明書がついていますので、よく読んで使用してください。ここでは携帯ビデを使った膣内洗浄の方法を簡単にご説明します。膣内を洗浄した後は洗浄した液体を流しますので、トイレやシャワーのあるところで使います。

  1. まず、手と指をよく洗い、清潔な状態にします。
  2. 片膝をついてしゃがんだり、便座に座ったり、中腰状態になるなど、膣に携帯ビデを入れやすい体勢をとります。
  3. 片手で膣の入り口を開き、ビデのノズル部分を膣内に入れます。
  4. ゆっくりと挿入し、ビデのボトル部分を押して中の液体を膣内に流し込み、洗浄します。
  5. 膣内を洗浄した液体が外に流れ出てくるので、トイレやシャワーで流します。

膣内洗浄で気をつけたい点

頻繁に膣洗浄をしない

前述の通り、膣内は外部からの雑菌や病原菌を防ぐために常に弱酸性に保たれています。弱酸性に保たれているのは、膣内の常在菌の働きによるものです。膣洗浄を頻繁に行うと、この常在菌も洗い流されてしまい、膣の自己防御機能が低下してしまいます。

膣の常在菌を洗い流してしまうと、膣炎を引き起こしやすくなったり、性感染症などの感染症にかかりやすくなったりしてしまうのです。また、不妊症の原因になったり、早産の危険が高まったりする原因にもなります。膣洗浄は多くても月に2〜3回に留めておきましょう。

精製水を使う

携帯ビデを膣洗浄の目的で使う場合は、精製水を使います。精製水は、蒸留、ろ過、イオン交換などで比較的純粋な状態にされた水です。紫外線などで減菌されたり殺菌されているものもあります。

携帯ビデ用の液体には、銀イオンを配合したものなどもありますが、膣内を洗浄するときにはできるだけ純粋な水を使います。いろいろな成分が含まれているものを使ったり、水道水を使ったりすると、刺激を受けすぎてしまったり、アレルギーを引き起こす原因になったりすることもあります。

使い回しをしない

膣洗浄をするときは、使い捨ての携帯ビデを使い、使い回しは絶対にしないようにしましょう。一度でも使ったものは、様々な雑菌が含まれていたり、綺麗に洗ったつもりでも菌が残っていることもあります。衛生的な面から、使い回しはしてはいけません。

海外のビデの使い方

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海外のビデの使い方をご紹介します。日本のものとはかなり違います。

海外のビデはどんなもの?

便座と一体になっている日本のビデとは違い、海外のビデは、便器の隣に別に設置されていることがほとんどです。蛇口がついていて、一見して洗面台のようにも見えます。海外のツアーに参加する時には、必ずと言っていいほど添乗員の方から海外式のビデの使い方を説明されます。それほど、日本式のビデと海外のビデは違っているのです。

日本式のビデもアジアの一部で広がっていきつつありますが、海外ではビデといえばほとんどが日本人には洗面台に見えるビデです。イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、マルタ、クロアチア、キプロス、アルバニアなどの国では、ホテルだけではなく一般家庭のバスルームにも必ずと言っていいほどビデが設置されているそうです。

海外のビデの使い方

間違いやすい使い方

日本式のビデに慣れている日本人には、知識がなければ海外のビデは何をするものなのかも分からないかもしれません。蛇口がついていてお湯や水が出る、水を溜める部分がある、バスルームに置いてある、タオルが近くにかかっている、便器に似ている、などから、ビデで排泄をしてしまったり、顔や手を洗うものだと思ってしまったり、洗面台と勘違いをして蛇口からの水を飲んでしまったりする人もいます。

海外式のビデも、基本的には日本式ビデと同様、主に肛門や性器などの下半身を洗うものです。日本のものと違うのは、必ずしも排泄の後だけに使うものではないことと、女性だけではなく男性も使うものであることです。海外ではシャワーを浴びる代わりにビデを使って簡単にさっぱりしたり、足を洗うときにビデを使ったりもします。

海外のビデの近くには専用のタオルがかけてあることがほとんどです。バスルームには手や顔を拭くタオルも別にかけてあることが多く、どちらを使ったらいいのか迷った場合は、タオルを使わない方がいいかもしれません。ビデで排泄をしてはいけないのはもちろん、衛生面から見ればビデの蛇口からの水を本来の目的以外に使うことはやめた方がいいでしょう。また、海外では一般家庭にビデがあることが普通でも、よそのお宅のビデは基本的には使わないそうです。

海外式ビデの使い方

海外でも、ビデの使い方は親から教わって使い始めたりするそうなので、家庭によって使い方が違っていることもあり、必ずしも「こう使わなければいけない」という方法が決まっているわけではないそうです。しかし、基本的な使い方はあるので、ここでは海外のビデの基本的な使い方をご紹介します。

  1. ビデはトイレの便器に座るように、またがって使います。前を向いてまたがるか後ろを向いてまたがるかは、洗う場所や人によって違うそうです。
  2. 蛇口から水をシャワーのように出しながら洗う方法と、ビデに水を溜めて洗う方法があります。
  3. ビデのそばには専用のソープが置いてあることが多いので、ソープを使って手で洗います。普通のソープでは刺激が強すぎるため、専用のソープはデリケート部分用の低刺激のものです。
  4. ビデ専用のタオルで拭きます。

日本式のビデに慣れていると、抵抗がある使い方かもしれません。海外のビデはこんなにも日本のものと違っているのです。

まとめ

温水洗浄便座はとても便利なもので、慣れてしまうと洗浄機能のないトイレは使えなくなってしまうという人もいます。しかし、洗浄機能の使い方を正しく知っている人は案外少ないのではないでしょうか。正しく使わないと病気の原因になってしまうこともあります。

トイレのビデを膣内の洗浄に使うという人もいますが、トイレメーカーには推奨されていない使い方です。膣内を洗浄したいときは携帯ビデ(使い捨てビデ)を使いましょう。薬局などで簡単に手に入れることができます。使い方の説明書をよく読んで使いましょう。

ビデはもともと海外で生まれたもので、日本式のビデは独自の発展を遂げたものです。海外に行ったときにビデの使い方が分からないという人も多いでしょう。使い方に迷ったら、「使わない」という選択も良いのかもしれません。

  
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