汗をかく季節。手のひらや指、足裏がかゆくなることはありませんか?
かゆみといえば水虫やあせもがよく知られていますが、そこに小さな水疱(すいほう)がたくさんできている場合、それは「汗疱(かんぽう)」かもしれません。
これから幾つかご紹介しますが、はっきりとした原因がまだわかっておらず、それと同時に考えられる原因が多岐に渡ります。水虫とよく似ている症状ですが、汗疱は他の人に伝染することはありません。また、食べ物や金属などのアレルギー反応によって発症する場合もあり、それぞれ治療方法は異なります。
今回はその原因と対処法について記事を書いています。自己判断で市販薬を使ってしまうと悪化する場合もありますので、ぜひチェックしてみてください。
汗疱の症状
手のひらや足裏、特に指の側面など汗の溜まりやすい場所に、透明な液体の入ったごま粒大ほどの水疱が多数現れます。時間とともに水疱同士が結合し、大きくなることもあります。多くは強いかゆみを伴い、痛みを感じることもあります。
また、一時的に良くなっても、再発を繰り返すことも多いと言われています。掻くことで水疱が破れ、そこから細菌が入ってしまい他の炎症が併発してしまうこともありますので注意が必要です。
汗疱の原因
では、汗疱の原因について紹介します。
汗
実はまだはっきりとした原因が明らかにされていない汗疱ですが、その名の通り汗のかきやすい場所に現れます。
多汗症の人に発生しやすいという症例報告もあります。良く似た症状として「あせも」がありますが、肌がぶつぶつとする湿疹とは違い、水疱(すいほう)となって現れるのが汗疱の特徴です。あせもについては、あせもの原因と種類について!症状を見極めよう!の記事を参考にしてください。
ただ、汗自体が原因となっている訳ではなく、他の要因が汗をかくことによって影響を受け、引き起こされるようです。
金属アレルギー
金属アレルギーのある人がネックレスなどを身に着けている際、汗をかくことで金属物質が溶けだし、アレルギー反応を起こします。
また、装飾品だけでなく金属製の歯の詰め物が溶けだし胃腸に吸収され、汗として排出される場合があります。その汗に触れることでアレルギー症状が現れ、汗疱となります。
喫煙
喫煙をしていると、軽い炎症であっても悪化しやすくなる傾向があります。また、副鼻腔炎や扁桃炎などの病巣を持っている人は喫煙によって症状が悪化し、汗疱を引き起こす場合があります。
ビオチン欠乏症
ビオチンとは、皮膚の形成に必要なビタミンです。
これが欠乏すると、腸内の悪玉菌が増え代謝が悪くなり、皮膚に異常が起こりやすくなります。肌荒れや髪、爪のトラブルが起こりやすくなる為、汗疱以外にこういった箇所の状態も悪くなっていると感じている方は、サプリメントやビオチンを多く含む食品(魚、ナッツ、卵など)を摂取することを心がけてみて下さい。
ストレス、自律神経失調症
ストレスがたまると自律神経が乱れ、免疫が落ちます。免疫が落ちると炎症の悪化につながり、健康な時は炎症まではいかない汗疱が湿疹を引き起こしやすくなることがあります。
白癬菌症(水虫)
実は、一般的に水虫と呼ばれる白癬菌症が汗疱を引き起こす場合もあります。汗疱性白癬といいますが、水虫は主に足にできるものを呼び、汗疱性白癬は発生する箇所に限らずその症状をいいます。
単なる「汗疱」と症状が非常に似ていますが治療薬は異なりますので、その判断は病院を受診するしかありません。「汗疱」とは違って伝染してしまう病気ですので、同居人がいる場合やジムに通っている人などは菌を拡散させてしまう可能性があります。
その為、足に汗疱が現れた場合はかゆみがあるか無いかに限らず、早めに病院を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。水虫については、水虫の治し方を紹介!症状や感染しやすい環境とは?の記事を参考にしてください。
汗疱の対処方法
では汗疱の対処方法を紹介します。
汗の対策
原因で述べた通り、間接的な原因ではありますが汗疱は汗をかきやすいところに発生します。かといって汗をかくことは体内にたまっている有害物質や老廃物を流す大切な機能であり、また、完全に汗をかかなくすることは不可能です。
そこで、汗をかいたらこまめに清潔なハンカチでふきとったり、可能な場合は汗をかいた箇所を水で洗い流すなど、汗を長時間そのままにしないように心がけましょう。
また、毎日シャワーだけではなく、できるだけ湯船につかることをおすすめします。湯船に入ることで血行が良くなり、また毛穴が開くことで汗腺の詰まりを解消することにも効果があります。
金属アレルギー対策
金属アレルギーと一言でいっても、人によってアレルギー反応を起こす金属は違います。
例えば同じシルバー製のアクセサリーでも、含有されている金属によってアレルギーを起こすものと起こさないものがあります。もし普段身に着けているもので肌が赤くなってしまったり、かゆみを起こしている場合、ネックレスであれば洋服の上から身に着ける等の対応をし、直接肌につけないように注意しましょう。
ピアスや指輪などはどうしても直接肌に触れてしまいますので、短時間でも避けた方が良いです。チタンやステンレスなど、アレルギーが発生しずらい素材を使ったアクセサリーも増えているので、そういったものを選ぶと良いでしょう。
また、歯に金属の詰め物がある場合も、アレルギーの出ない素材に変えましょう。とはいえ、実際につけてみないとアレルギーが起こるか分からない場合、せっかく購入しても勿体ないですよね。自分がどの金属に対してアレルギーを持っているのかは病院で調べることができますので、その結果から素材を選ぶことをおすすめします。
ストレス対策
ストレスを溜めやすい人は、自律神経の乱れを引き起こしたり、喫煙をしている人はやめられない原因となってしまいます。
毎日できるだけ決まった時間に起床就寝する、健康的な食事をとる、エスカレーターではなく階段を使ったり、一駅分歩くなど軽いものでも構いませんので適度な運動を日常に取り入れるなど、生活習慣を見直してみましょう。
ストレスが解消され自律神経が整うと、次第に体の様々な免疫機能が高まり、汗疱の改善だけでなく心身の健康につながります。
長引く場合は病院へ!
単なる汗疱であれば、体力があったり健康的な人の場合、多くは時間とともに水疱が吸収され、かさぶたとなって剥がれ落ちることで自然と治ることが多いのです。
しかし、免疫が落ちていたり汗をかいたままにするなどして悪化させてしまうと、強いかゆみがでて生活に支障が出る場合があります。また、先ほどあげた白癬菌症(水虫)のように、単なる汗疱ではない可能性も考えられます。
その為、症状が長引いたりつらい場合は我慢せず早めに病院を受診しましょう。考えられる原因は多岐に渡りますが、どこの科を受診して良いかわからない場合、まずは「皮膚科」を受診することをおすすめします。
そこでアレルギーのパッチテストを受けたり、白癬菌症の診断などを行うことで原因がはっきりし、それにあった治療を行うことができますので、より早い回復につながるかと思います。
まとめ
汗疱はまだはっきりとした原因がわからず、今回あげたもの以外にも様々な要因が考えられる病気です。
軽いものであれば時間ととも自然治癒する以外にも、殺菌した針などで水疱に穴をあけ、内容物を排出することで簡単に治りますが、原因が分からず悪化してしまったり、再発を繰り返してしまう、特に強いかゆみがある場合は本当につらいものです。
汗疱になってしまったら、その原因を探ることで自分のこれまでの生活習慣や心、健康状態を見直し、より健康的な生活を送ることができるきっかけとなるかも知れません。
関連記事として、
これらの記事も合わせてお読みください!