ハント症候群とは?症状や原因、治療方法を知っておこう!

「ラムゼイハント症候群」はあまり聞きなれない病気だと思います。略して「ハント症候群」と呼ばれることもありますが、それでもあまりなじみがありません。

では「水ぼうそうに関連した顔面神経麻痺」と聞いたらいかがでしょうか。途端に身近に感じられると思います。きちんと対処しておかないと、顔のゆがみが一生涯続くことになる恐い病気なのです。

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ハント症候群の症状

顔、歪み

ハント症候群の症状の特徴は、顔がゆがむことです。治療が遅れて症状が固定してしまうと、改善が見込めないこともあります。

顔の半分に現れる

顔の歪みは右側または左側の片側に生じます。笑っているつもりがないのに口角が持ちあがったり、頬が引きつったりします。

また、顔の各部位が奇妙な動きをします。それを「病的共同運動」といいます。まぶただけを閉じようと思っているのに、実際にまぶたを閉じると口が無意識に開いたりします。逆に、口だけを動かしているつもりなのに、目をつむってしまったりします。

顔の歪みが悪化すると、拘縮(こうしゅく)が起きます。拘縮とは縮まって固まってしまうことです。ハント症候群の顔の拘縮の特徴は「ひょっとこ顔」です。両頬から唇にかけての部位が、顔の前に突き出すような表情を作ってしまうのです。

治りにくい

ハント症候群の治療を適切に行わないと、70%の人に顔の障害が残ります。また、初期の段階で病気を発見できて治療を開始した場合でも、治癒率は60%です。とても治りが悪い病気なのです。

脳に進行

ハント症候群は「神経」に異変が起きることから、顔面に起きた症状が、神経に沿って進行します。そのため、耳が真っ赤になったり、耳の周辺に水ぶくれができたりします。耳が激しく痛むこともあります。聞こえが悪くなったり、めまいを起こすこともあります。

神経に出発地点は脳ですから、ハント症候群が悪化すると、脳の奥まで障害されるようになり、脳が炎症します。「脳炎」です。

脳炎になると、発熱、意識障害、けいれんが起きます。突然奇声を発したり、徘徊を始めるといった異常行動が引き起こされることもあります。

肝臓や肺

糖尿病やがんなど免疫が落ちる病気を持っている人は、内臓にも被害が及びます。まず脾臓がやられます。脾臓は肝臓の下、膵臓の先端部分に位置している、握りこぶし大の小さな臓器です。血液を貯えたり、蓄えた血液をリフレッシュさせる機能を持っています。

ハント症候群はさらに、肝臓や肺、食道、卵巣、清掃、またまれに心臓も傷つけます。まさに全身病といえます。

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ハント症候群の原因

ウイルス

ハント症候群は「水痘帯状疱疹ウイルス」に感染することで発症します。「水痘(すいとう)」とは「水ぼうそう」のことです。「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」も、皮膚に発疹ができて痛みが生じる病気であることをご存じの方は多いと思います。

水ぼうそうと、帯状疱疹と、ハント症候群の関係についてみてみましょう。

水ぼうそうとは

水ぼうそうは、「水痘帯状疱疹ウイルス」に感染したときの初期症状という位置づけです。生涯で初めてこのウイルスに感染すると、ウイルスはすぐにはあばれずに「脊髄後根神経節」という神経に住みつきます。

そして感染者が弱ったときにウイルスは猛威を振るい、水ぼうそう独特の水ぶくれなどの皮膚症状や発熱を起こすのです。ただ、このウイルスに感染しながら、無症状に過ごす人もいます。

詳しくは、水疱瘡が大人に現れたらどんな症状?予防方法を紹介!を読んでおきましょう。

帯状疱疹とは

「水ぼうそうは1度発症すると2度と発症しない」と聞いたことがあると思います。それは正しいのですが、水ぼうそうが再発しないことと、水痘帯状疱疹ウイルスが体内からいなくなることは、イコールではありません。

大人になって生じる帯状疱疹は、子供ものころに感染した水痘帯状疱疹ウイルスが、再び暴れはじめたものです。

詳しくは、帯状疱疹はうつるの?治療するには薬が効果的?を参考にしてください。

安心できない

水ぼうそうを発症した人も、帯状疱疹を発症した人も、ハント症候群を発症することがあるのです。最悪、3つの病気を発症することもあるのです。水ぼうそうを発症してから数十年後にハント症候群や帯状疱疹を発症することがあるので、同じウイルスが原因であるとは気が付きにくいのですが、3つの病気の原因は共通なのです。

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ハント症候群の治療

脳

ハント症候群による顔の神経の障害は、発症から10日以内で症状が固定してしまいます。ですので異常を感じたらすぐに医者にかかる必要があります。

神経科に受診を

繰り返しますが、ハント症候群を放置した場合の治癒率は60%、初期で治療に取り掛かった場合の治癒率は70%です。いずれにしても治りにくい病気なのですが、それでも初期治療によって「10ポイントの望み」があるわけです。

しかし、この病気について医者がすぐに判別できないことがあります。最悪なのは「ストレスでは? しばらく様子を見ましょう」と言われることです。顔の痛みは、ストレスで片づけられることが多いのです。また、最初に眼科や耳鼻科に行ってしまった場合、別の病気を疑われることがあります。

しかし「10ポイントの望み」が期待できるのは「初期治療」であり、発症から10日しかありません。ハント症候群が疑われたときに受診する科は、神経科や脳神経外科となります。

ステロイド

診断が下ったら、薬物療法が始まります。ステロイドが処方されることが多いでしょう。薬品名は「プレドニゾロン」といいます。ステロイドは強い薬ですので、医師は症状を見極めながら量を調整します。

ここで注意したいのは、医師の指示を忠実に守ることです。ステロイドは情報が氾濫していて、「できるなら使いたくない」と思っている人も多いでしょう。それで医師が指示した量より減らして服用したり、患者の判断で服用を中断したりします。

多くの医師は「ステロイドはガーッと使ってきっちり治す」と考えています。不安があったら、必ず医師に相談してください。遠慮なく「こんなに大量のステロイドを体内に入れるのは不安だ」とか「いつになったらステロイドをやめられるのか」と聞いてください。

自分の判断でステロイドを止めてしまうと、医師がステロイドを適切にコントロールができなくなってしまいます。

抗ヘルペスウイルス薬

ハント症候群には、水痘帯状疱疹ウイルスを直接殺す「抗ヘルペスウイルス薬」も使われます。薬品名は「アシクロビル」と「バラシクロビル」です。「殺す」といっても、ウイルスを退治するだけで、この薬を使ったとしてもハント症候群による顔面の症状が生涯残る人も多く存在します。

また、抗ヘルペスウイルス薬は副作用が強い薬です。人工透析を受けている人や腎臓の機能が弱くなっている人には劇薬になってしまいます。そういった人の場合、ハント症候群の治療はとても難しくなってしまいます。

鎮痛薬

ハント症候群による顔面の痛みが強烈な場合、消炎鎮痛薬が処方されます。この薬で痛みが治まらない場合は、痛んでいる場所に直接麻酔を注射する「神経ブロック」治療を行うこともあります。

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ハント症候群の予防

予防接種

ハント症候群の最善の治療は、水痘帯状疱疹ウイルスに感染しないことです。つまり予防です。そのために幼少期に水痘ワクチンを打つことがとても重要です。

大人もワクチン接種を

既にこのウイルスに感染して、子供のころに水ぼうそうを発症した人でも、大人になってから水痘ワクチンを接種すると、ハント症候群を予防できるという研究結果も出ています。これは水痘ワクチンの接種によって、ハント症候群の発症を抑える免疫機能が強化されるからです。

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まとめ

これだけテレビやネットで病気の話が氾濫していると、耳慣れない病気はどこか他人事のように感じてしまいます。しかしハント症候群はかなり身近な病気です。後遺症も深く残るので注意したい病気のひとつです。

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