自分を人見知りだと思う人は多いかもしれません。初対面の人とどういった話をすればいいのかわからなかったり、あまり話したことがない人にどんな話題を振ればいいかわからないなんてことがあるでしょう。
人見知りを克服したい、解決したいと心のどこかで思っていても方法がわからない…では、どうやって克服すればいいのでしょうか。その方法についてみていくことにしましょう。
どうして人見知りになる?
その人が人見知りになってしまうのには、様々な原因・特徴があります。それは過去に何かしらの出来事や問題があったり、自己評価が関わっていることもあります。
では、その原因についてみていきましょう。
「他人に良い印象を持ってもらいたい」と強く思っている
人見知りが現れやすいは初対面の人と話すときだと思います。新しい職場であったり学校であったり、人生では様々な「初めて」があり、人との関係がスタートします。
そういったときに思うことは「人から良く思われたい」というのが人間の当たり前の気持ちでしょう。とても当たり前のことで、誰しも考えることだと思います。誰しも人から嫌われたいと思うことはないはずです。
しかし、この気持ちがあるがゆえに自分の本来の姿を出せず、緊張し会話が途切れてしまうなんてことがあります。それが人見知りの1つの原因といえるでしょう。変に構えてしまうと、より話せなくなるものです。特に完璧主義者であるほど、会話に詰まってしまう傾向があるといいます。このタイプはとても多いかもしれませんね。
強い不安がある
良い印象を持ってもらいたいと思って、変に構えてしまうことは誰しもあることです。しかし、このことが行きすぎると、強い不安や恐怖を感じてしまうかもしれません。
人と関わるのが極端に怖くなってしまったり、自分のことを拒否されるのではないかと考え出してしまうこともあるでしょう。より、自分の殻に入ってしまうかもしれませんね。同時に劣等感を感じることもあります。そんな状態では人と話すことは難しいでしょう。
こういった不安感は自分で作り出しているものですが、ぐるぐると不安を考えているうちは、その殻を破ることは難しいでしょう。より人とコミュニケーションが難しくなってしまうのです。
過去にトラウマがある
少し特殊な例ですが、過去にトラウマがあるケースも人見知りの原因として考えられます。それは周囲の人間関係において何かしらの不和が生じ、コミュニケーションが難しくなっているパターンです。
トラウマとは具体的に子供のころのいじめ、いやがらせなどのことが考えられるでしょう。自分の心に大きな負担がかかった経験があるのであれば、なかなかそれを解放したり、自信を取り戻すのは難しいかもしれません。
過去のトラウマから、自分の行動に制限がかかっていたり、強いストレスを感じるケースもあるでしょう。トラウマの大きい小さいはありますが、時に恐怖心などの何かしらの症状が出るようであればカウンセリングを受けたほうがいいかもしれませんね。
人にあまり興味がない
人そのものにあまり興味がないケースも考えられます。これは広く浅い友達・人付き合いを嫌っていたり、自分と話の合わない人とはそもそも話をしないなどの場合です。また、深層心理に根拠のない自信や万能感があって、それが原因で人見知りになるケースもあります。
もちろん、良い悪いというわけではありませんし、こういう人もいるでしょう。自分の興味だけを追求して、余計な人間関係は切ってしまう。人間関係に悩むこともないですから、楽なことかもしれません。
人見知りの克服方法
人との会話が苦手だったり、話が長続きしない…誰しも持っている悩みのタネかもしれませんね。
会話が盛り上がれば問題はないのですが、沈黙が続いたりするとどこか気まずいものです。人見知りの克服方法として以下のことを心がけてみてください。
セルフイメージを変える
人は自分に対して何かしらの評価を持っています。「私は◯◯である」というような評価ですね。人見知りに限って言えば「私は人見知りである」と強い暗示をかけている可能性があります。
こういったセルフイメージは、その時々の行動選択を左右します。自分のことを人見知りだと思っている人は人と話すときは目を見て話せなかったり、人の目線・視線が気になったり、会話が途切れた時に慌ててしまうかもしれません。これらも全てセルフイメージによるものです。苦手意識ともいえるかもしれませんね。
なので、このセルフイメージを変えてみることが、克服法のポイント。そして、具体的にどうすればいいかというと、自分に語りかける言葉を変えてみるのです。それはつまり「自分は人見知りである」を「私は誰とでも気軽に話せる人である」というようにです。
最初はこれまでの癖や生活の習慣が残っていて、人見知りであることは変わりないかもしれません。しかし、続けていくうちに、少しずつ肩の力が抜けて、話せるようになってきます。そして、新たなセルフイメージができ、誰とでも話せるようになるのです。
人と話す機会を増やしてみる
人見知りを克服する方法としてセルフイメージを変えるということをお話ししましたが、実践しなければ意味がありません。いくら頭の中で自分のイメージを変えてみても、実践無くして変化はないでしょう。
なので、人と話す機会を意識的に増やしてみてください。毎週末は何かしらのイベントに参加して友達作りをしてみたり、昔の友人に会ってみるというのもいいでしょう。そうすることで、会話の練習になり、人見知り克服に大きな効果をもたらしてくれるでしょう。
人見知りの原因の1つは、会話量の少なさにあると思います。普段、どれだけ人と話しているか。その量が多ければ多いほど、人見知りはなくなっていくでしょう。ぜひ、実践してみてください。
表情を豊かにしてみる
相手が話しやすい環境を作ってあげることも、会話を弾ませるコツの一つです。その方法として、表情を豊かにリアクションをする話し方をすること。相手は聞いてもらっていると感じると、より会話をしてくれます。
自分から会話するのが苦手であれば、相手に話させてしまえばいいのです。相手は話すことが楽しいと思いますから、より色々なことを話してくれるでしょう。そうすれば、きっと会話が楽しくなるはずです。
笑った顔や体全体を使ったリアクションをするだけで、相手の反応が変わることを実感できるはずです。試しに全く興味がない態度と、すごく興味を持つ態度を違う人でやってみてください。きっと会話の量の違いに驚くことでしょう。
質問を考えておく
これからどんな人に会うかわかる場合は、質問を考えておくといいかもしれませんね。初対面の人であれば、出身地や趣味、家族の構成や興味のあることなどなど。事前準備をするしないでは思考がスムーズになり、心の余裕も変わってきますよ。
人見知りを克服する上での心構え
人見知りを克服する方法を実践していく中で、途中で諦めてしまうことがあるかもしれません。
辛いことがあったり、面倒なことがあったり。そういったときに次のようなことを心に留めておいてください。
話が合う・合わないを気にしない
人と会話をする、コミュニケーションをとるというのは周りとの人間関係・対人関係を形成するのに必要なことです。しかし、そんな中でも話が合う・合わない人というのはいるものです。
話が合わない人は本当に合わないですし、その人と会話を深めようとしても難しいことがあります。そんなときは、すっぱりと会話を断ち切ってしまうのも1つの手だと思います。
全ての人と会話を楽しむのは、よほどコミュニケーション能力を磨いた人でなければ難しいことです。無理に会話をするのであれば、しないようが良いこともあるのです。なので、会話が合わなくても気にしないようにしましょう。
話は途切れてもいい
人見知りの人が会話を怖がる理由として、会話が途切れるということがあると思います。ちょっとした沈黙が、なんとなく気まずい。そう思って、会話が怖くなってしまうのです。
人見知りを克服していくためには、この「会話が途切れる」ことに対して、過度に構えないことが大切です。会話が途切れるのはあくまで自然な流れであって、新しい話題を始めてしまえば、それも気になりません。失敗ではないのです。
途切れたことに意識を集中させすぎてしまうと、余計にそれが気になってしまうものです。そうではなく、相手と会話を楽しむことに集中してみるようにしましょう。
会話に評価しない
人見知りになってしまう原因の1つに、会話に評価をしてしまうことが挙げられます。それは「今日は◯◯さんと話したけど、会話が続かなかった。私はダメな人だ」というようなことです。
この「私はダメ」というのは自分自身の評価であり、会話が続かなかったこととは関係がありません。そういった評価をしないだけでも、会話に対してネガティブな感情を払拭することができます。
誰しも人の評価が気になるかもしれませんが、実は自分が一番自分に評価していることがあります。この評価を変えてあげること、自分を受け入れることが人見知り克服に大切です。
リラックスする
人はリラックスしたときに、もっとも自分本来の姿を表面に出すことができます。会話も同じで、リラックスした気持ちでするのとしないのとでは、会話の弾みに違いが生まれるでしょう。
初対面の人に対して会話をするときは、肩の力を抜いてリラックスするようにしましょう。もし緊張したとしても対処法として深呼吸をしたり、自分らしさを振る舞う。こういったことを意識してみるといいと思いますよ。
こういったリラックスできるかどうかも、人との会話の積み重ねだと思います。なるべく人と会話をして、リラックスできるようにしていく。それを重ねていけば、きっと人見知りを克服することができると思いますよ。表情にも笑顔が増えるはずです。
人見知りの克服は時間がかかる…だけど
人見知りは長年の習慣や行動パターンの積み重ねによって形成されたものです。そのため一朝一夕で改善するというのはなかなか難しいかもしれませんね。地道な努力が求められることがあります。
ただ、1つの行動を変えるだけでも、人と楽しく会話ができることがあります。そういった成功体験が次の努力に繋がります。小さくてもいいから成功体験を積み重ねることが大切です。
自分を受け入れる
人見知りの人はしばし、自己肯定感が低いケースがあるようです。自己肯定感とは自分を受け入れたり、自分を愛するといった気持ちです。自身の欠点ばかり目につくようであれば、自己肯定感が低いかもしれません。
自己肯定感を養うためには、自分に語りかける言葉や自分のした行動を肯定することが必要です。いつも自分にネガティブな言葉をかけていたり、否定しているようであれば注意が必要でしょう。
語りかける言葉はなるべくポジティブなものを。感謝や幸せなどの感情を自分に向けて発してあげることが大切です。自分の行動の肯定も同じことが言えます。自分はこれでいい、と深く受け止めるだけでも心が軽くなります。
日記を書いてみる
セルフイメージや自己肯定感を感じるためには、自分を客観的に見ることが大切です。自分は自分のことをどう思っているのか。どういう感情を今感じているのか。そういったことを探る必要があるのです。
そんなときにおすすめなのが日記です。日記に自分が思っていることや感じたことを書いてみると、自分では気づかなかった思いを見ることができます。そして、それを客観的に考えることもできます。
そうして、日記に気持ちを書いてみたら、そこからどうなりたいのかを考えてみます。人見知りを直したいと思ったのであれば、どうすればいいのか。自分を好きになりたいと思ったのであれば、どうすればいいのか。思い浮かんだ解決策を1つ1つ書いてみます。
すると、解決策が浮かぶのと同時に、心が軽くなるのを感じます。心のもやもやが取れ、気持ちが少し前向きになっているのに気づきます。こういったことを日々続けていくと、セルフイメージに変化が起こるようになります。
会話を楽しむ
人と話すことは本来楽しいものです。誰しもそういった経験があると思います。相手と会話が噛み合ったり、共感が生まれると気分も高揚し、気持ちが良いものです。
全ての会話がそうなるわけではありませんが、そういう会話ができる人に出会えたらとても幸せなことですよね。ついつい人からどう思われているかを考えてしまいますが、楽しむことを考えていれば、人からどう見られているかは気にならなくなります。
自分が楽しいと思う人と会話をしてみましょう。話す内容なども無理をする必要はありません。自分らしく会話をすることの方が大切です。リラックスして、会話を楽しむようにしてみてください。
人見知りが深刻なケース
人見知りにも程度があります。だんだん慣れてくれば人と話せるという人がほとんどだと思いますが、そうではない人もいます。
人見知りが深刻なケースとして、以下が挙げられます。
対人恐怖症
対人恐怖症は人と話すのに恐怖を感じ、震えや緊張が止まらない状態です。最近では社会不安障害とも呼ばれます。様々な症状があり、人と話すことに緊張するほか、赤面症状、電話が怖い、視線恐怖症、発汗などの神経症が見られます。ちょっとしたことで緊張してしまい、心が落ち着きません。
例えば仕事をしていて、誰かの視線が常に気になって、仕事に集中することができない。書類を人の前で書くことに緊張する。こういったことも挙げられます。常に人の目が気になってしまうのです。
対人恐怖症の背景には子供の頃の記憶があるといわれています。対人関係において強いストレスを受けた経験や失敗、親などの大人からの教育などが考えられます。それが長い間解決されず、大人になっても恐怖症となってしまうのです。
症状は心を落ちつけることで心理的に解消することができます。話す練習をしたり、表情を作る練習をするというのも効果的でしょう。しかし、極度の対人恐怖症であれば社会人として、もしくは日常生活に問題が起きる可能性があります。そういった場合はカウンセリングを受けてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
人見知りは誰もが持っている性格の1つかもしれません。人前で話すのはどうしても緊張しますし、どうしていいかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
しかし、人見知りは心構えや行動を変えていけば克服することができるでしょう。それは少しずつ地道なものですが、できないことではないと思います。
人との会話を増やしたり、練習したりすることで人見知りを克服していくようにしましょう。きっと楽しい会話ができると思いますよ。
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