当事者意識がないデメリットを知ろう!当事者意識を持つにはどうする?

当事者意識を持つことはとても大切なことです。例えば仕事に対して当事者意識を持てば、積極的に物事を解決することができるでしょう。自分ごととして捉える力はそれほど効果があるものです。

一方で当事者意識が欠けている人もいます。そういった人は仕事に対してネガティブで、行動を起こさない人かもしれませんね。では、この当事者意識について詳しくみていくことにしましょう。

当事者意識とは?

当事者意識

当事者意識の意味は「物事に直接関わっているとわかっている」です。関係者であることを自覚し、物事を自分事として捉え、主体的に行動・活動し、課題があれば解決するという姿勢や思いともいえるでしょう。

冒頭でも述べたように当事者意識を持つことは、物事をスムーズに勧める上でとても重要です。自分で解決しようという主体的な姿勢が見られ、壁を乗り越えていく力が備わるからです。それ以外にも具体的に以下のメリットがあります。

疑問を持つようになる

例えば仕事で当たり前のように行われている業務があるとします。しかし、その仕事はルーティンワークでこなすことが目的になっており、効率化といった考えが浮かぶことはありません。

しかし、一度当事者意識を持つと、些細な問題・対象に疑問を持つようになります。ルーティーンワークに無駄な部分はないだろうか。もっと早くできる部分はないだろうか。そういったことを考え始めるようになるのです。

当事者意識を持つだけで、改善しようという思いが生まれるようになります。仕事を効率化するということは、楽をする方法を探すことでもありますから、そのために頭が働くようになるのです。

問題解決能力が上がる

当事者意識を持つと何か問題が起きた時、それを解決しようという思いが真っ先に起こります。自分のことを守るというような保守的な姿勢は見られず、壁を乗り越えようという意識が見られます。

問題解決の能力は仕事に限らず、あらゆる場面で発揮されます。家庭で起こる問題や人間関係の問題。日常生活で起こりうるあらゆる問題の解決のヒントは当事者意識にあるでしょう。

当事者意識を持たず生活していると、大きな問題が起こっても気づくことがないかもしれません。問題が解決できないほど大きくなったときに初めて気づいて、慌ててしまうことになるでしょう。

周囲との結束力が強まる

当事者意識を持ったもの同士が繋がると、それはとても大きな力を生み出します。共通の問題を抱えて、それに向かって共に行動していく。それは1足す1が2ではないパワーを秘めているのです。

反対に結束力を持ったチームのメンバーの中に、当事者意識が欠けている人がいれば、その人は足を引っ張る存在になってしまうでしょう。進捗が遅くなり、他の人たちに迷惑をかけてしまうかもしれませんね。

当事者意識の有無で結果が大きく変わる。それは仕事においても、その他の事においても同じです。当事者意識を持つだけで、結束力も変わり、変化が起こるのです。

できる理由を考える

当事者意識を持つというのは、物事に対して責任感を持つということです。責任を背負っている以上、言い訳は通じません。物事から逃げることもできませんから、できる理由・やる理由を考えるようになります。

問題解決能力とも言い換えることができますが、逃げ癖がついてしまっている人を前向きにさせるという意味で、当事者意識を持つというのは非常に効果があるものです。

また、習慣として当事者意識を持っていれば、解決策を考える癖がついていきます。問題解決のスピードは上がっていき、仕事や生活が楽しくなるという効果が現れます。

当事者意識がないことのデメリット

当事者意識の欠如

当事者意識のメリットについてご紹介しましたが、では反対にそれがないことで起こるデメリットにはどういったものがあるのでしょうか。

時として深刻な問題を招くこともあるため、日々注意したいものです。

他人事に思うようになる

当事者意識がないと問題が起きた時、他人ごととして捉えるようになります。これは解決策を考えないことにつながり、時間が経つほど問題を大きくしてしまう原因になります。

例えばイジメなんかも当事者意識の欠如によって放置され、問題が大きくなることがあります。あの子はイジメられているけど、私には関係がない…それがゆくゆくは大事になってしまうこともあるのです。

当事者意識の欠如は思いやりの欠如を招くことがあるのですね。もちろん、悪影響はそれだけではありません。日々生きて行く中で、人として大切なことを失う可能性もあるのです。

受動的になる

主体的の対義語として受動的という言葉がありますが、当事者意識の欠如はこの受動的になるという影響があります。もちろん、良い悪いではないのですが、物事を進めていく上ではしばし障害になることがあります。

受動的であると疑問を持ったり、行動しないようになります。問題が起きても誰かがやってくれるだろうと思ったり、他人に影響されやすい姿勢が生まれてしまいます。

受動的というのは人に流されやすいともいえます。人の意見を飲み込み、それを自分の意見として吸収してしまう。しかし、吸収した意見が間違っていたとき、被害を受けるのは自分で、誰も責任は取ってくれないのです。

言い訳を言うようになる

当事者意識がないものですから、失敗をすることが多くなります。明確な目的な行動意識が欠如し、自分自身に甘い。それでいて、解決策を提示せず、誰かの力を頼ります。

しかし、いざ自分が責められると言い訳を言うようになります。起こった事故を誰かのせいにしたり、自分とは関係ない物事のせいにし、責任逃れをしようとします。常に傍観者でありつづけ、自分は被害者であるという意識が働いてしまうのですね。当事者意識が欠如するだけでそうなってしまうのです。

当事者意識があれば問題点に気づくことができますし、それを解決しようと行動するものです。しかし、それが欠如してしまうと言い訳を考えるようになり、楽をしようと思ってしまうのです。

最後までやり遂げようとしない

当事者意識の欠如は常に諦めの気持ちを伴います。努力をする気がありませんから、どこかで線引きをし、ここまでできればいいだろうという気持ちがあります。

そして、問題が起きれば諦める思考になり、途中で投げ出そうとしてしまいます。また愚痴の数が増えます。最後までやり遂げようとはせず、そこで良しとしてしまうのです。しかし、現実はそう甘くありませんよね。

例えば事業・仕事のプロジェクトでも問題の渦中には困っている人がいるわけです。そういった人たちの気持ちを考えた時、解決しなければならないものがあります。当事者意識を持っていればそういうことに気づくはずですよね。その意識を持つかどうかで仕事の進捗が大きく変わってくるのです。

当事者意識を持たせるためにできること

自覚

周囲に当事者意識が欠けている人がいたとき、その人に意識を持たせるためにはどういったことができるでしょうか。その方法についてみていくことにしましょう。

言葉で伝えてみる

例えばビジネスシーンで部下の当事者意識が低く、悩んでいたとします。こういったとき、上司はきちんと言葉で伝えてみるということを試してみてください。言葉でなければ伝わらないこともあります。

日本人の会話の特徴として、非常に曖昧な表現があります。その曖昧な表現ゆえ、相手と自分たちに意識の格差が起こることがあります。その格差が多ければ大きいほど、互いの関係性は悪くなってしまうでしょう。

上司の立場というものを良い意味で使い、相手に責任感を持たせる。これが相手に当事者意識を持たせる第一歩の方法でしょう。伝え方も工夫して、相手のやる気をあげるようにしてみてください。

相手の必要性を伝える

言葉で伝えると言う部分に共通しますが、相手自身に必要であるという意思を伝えてみるのも効果的です。つまり、相手がいないと仕事ができないというような重要性を伝えるのです。

そう言われた人は悪い気分がしないもの。自尊心が高まり、物事に対して積極的になり、当事者意識を持つようになります。ほめる・おだてるとも言い換えることができるでしょう。

反対に相手を否定するようなことばかり言ってしまうと、誰かのせいにしたり、逃げるようになるかもしれませんね。自分を守る自然な反応ですが、仕事が上手くいかないようになるので注意が必要です。

適材適所で人を配置する

人にはそれぞれ得意・不得意な分野があります。人と話すことが好きな営業のタイプの人もいれば、事務が得意な人がいます。そういった適材適所をきちんと考慮することも、当事者意識を持たせるために大切です。

例えば不得意なことを仕事にしている人は、何か失敗した時「私はこの仕事が不得意である」と考えるかもしれませんよね。そう考えてしまうと原因を考えることなく、同じミスを繰り返してしまうでしょう。

しかし、得意な仕事をさせれば、本人は仕事そのものが楽しくなります。主体的に行動するようになり、細かい部分にも気づきます。自然と当事者意識が身につき、仕事をスムーズに進めることができるのです。

フィードバックをする

相手のしてきた仕事に対して、正確なフィードバックをする。それは否定的なことばかりではなく、よくできた部分に関してもフィードバックする。これはとても大切なことです。

仕事ではついつい失敗やミスばかりを責めてしまうかもしれません。しかし、それは自尊心ややりがいというものを削いでしまう行為です。当事者意識は薄れ、仕事にも消極的になります。

相手のしてきたことを公正に評価する。相手は怒られているばかりでは仕事もつまらなくなってしまいますから、上げることもしてあげないといけないのです。

当事者意識と仕事

仕事

仕事をする上で当事者意識を持つことは大切。そのことをお伝えしてきました。ただ、そうは言ってもなかなか自分自身がそれを自覚するのは難しいですよね。また、他の誰かにその意識を持たせることも大変です。

よく「経営者の視点で仕事をしてみろ」と言われることがあります。自分が経営側だったらどういう経営をするだろうか…そう考えるようになると、今まで見えなかったものが見えるようになってきます。

例えば、販売員がお客の立場で物事を考えるようになると、商品について色々なことがわかるようになります。改善した方がいいところや直したほうがいいところ。こういったものは売り上げを上げることに繋がりますよね。

働いている人はみんな、当事者意識を持って仕事をする。たったそれだけで、全体の売り上げを上げることができるのです。

人物相関図を共有する

会社に入りたての新入社員は、会社の組織図がわからないことがあります。自分はどこに所属していて、どんな仕事をすればいいのか。このことを早く自覚させることは当事者意識を育む1つのポイントになります。

担当者やリーダーが誰で、どういった情報があるのか。そういった人事を共有することで、少しずつ組織人として自覚が生まれるようになるのです。

また、自身で目標設定や方向性を決めるのにも役立ちます。自分のやりたいこと、すべきことを自発的に見つける手助けとなるのですね。

自分の位置や状況を把握することは簡単なことではありません。ですが、担当がきちんと責任感を持たせることができれば、その人物を伸ばすことにつながるのです。こういったことはわかりやすく紙媒体で共有するのがいいでしょう。

柔軟性のある対応をする

組織にはルールがありますが、そのルールを保ちつつある程度の柔軟性を持つ必要があります。ガチガチに固められたルールの中では人は息苦しさを感じてしまうものです。

目標を作るにも本人に作らせるほうが主体性が湧くというものです。組織はある程度の許容を持って、その人に接することが大切でしょう。

当事者意識と人間関係

人間関係

当事者意識を持たせることはとても重要ですが、それを持っている人はそう多くないのかもしれません。例えば上司から見れば、会社・企業の組織に入りたての新入社員は、学生の気分が抜けないと感じることがあるかと思います。

当事者意識を持ち、社会人として自覚を持つというのは時間がかかるものです。それは仕方のないことかもしれませんね。色々な失敗をして、相手の立場がわかってきて、初めて自身の中で理解できるものなのだと思います。

ですから、例えば上司であれば、当事者意識を持つように仕向けつつ、急がない意識が大切です。相手に期待しすぎてしまうと、かえってプレッシャーとなってしまうことがあるでしょう。それが相手を潰してしまうこともあります。

当事者意識は当人が何かのきっかけで自分を変えようと思った時に、持てるものです。周りの人はそのきっかけを与えることしかできないでしょう。当事者意識をなかなか持たないからといって、イライラせず、気長に待つことも必要です。

自分が当事者意識を持つために

一方で自分自身に当事者意識が持てないと思う人もいるかもしれません。仕事や物事がどうしても他人事にしか思えない。それが元となって逃げ癖がついてしまった。そんなことで悩んでいる人もいるでしょう。

当事者意識を持てるかどうかは、自分が目の前のことに時間を割き、集中できるかどうかだと思います。また、周囲の付き合う人間や、現場に足を運んで経験するなどのことも必要です。

悩んでいる時間があるということは、時間が余っているということです。当事者意識を持つためには、決意し行動することが求められるでしょう。悩んでいる時間はないのです。

変化していくことの重要性

世の中の変化は目まぐるしく、今の常識が数年後の非常識になることがあります。その変化に対応し、適応していくためにはやはり当事者意識というものが求められるでしょう。

例えばある社会問題があったとき、それをどこか遠い国の物事のように思うのか。それとも身近な人、もしくは自分ごととして捉えるのか。その意識の違いだけでも行動が変わってきますよね。

そして、後者の場合、社会をうまく乗り切り、行動していくことができるのです。反対に前者の場合は時代に取り残されてしまう可能性があるでしょう。変化の波に乗るためには、当事者意識が欠かせないのです。

どうせ自分には関係ない。自分は大丈夫。そう思っていると、ふとしたとき一気に問題が噴出するかもしれません。常に当事者意識をもって行動すること。それが今の時代に求められる要素なのです。

まとめ

当事者意識を持つことは変化に対応し、生きていく力の原動力になるものです。自分ごととして捉えるだけで、頭が回転し始め、解決策を探るよう行動し始めます。これがかけてしまうと社会では生き辛くなるかもしれません。

目の前の仕事に対して当事者意識を持っているか。これを日頃考えるだけでも、仕事の成果が変わってきます。誰かがやってくれるだろうと思っている限りは、進歩はないでしょう。

周囲の人にそういう人がいれば、指摘してみてください。また、自分に当事者意識が欠けていると思ったら今から変えてみましょう。きっと現実の人生・結果が変わり始めると思います。

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