たらこ唇と聞いて、どのような印象を受けるでしょうか?男性と女性では、受け止め方も異なるかもしれませんね。
たらこ唇とは、一般的に厚い唇のことを言いますが、人より厚い唇に悩む女性の方が少なくないようです。つまり、厚い唇がコンプレックスになっているということです。そうなると、コンプレックスを解消したいと考えるのが世の常ですよね。
そこで今回は、厚い唇になってしまう原因、厚い唇を解消して薄くする方法など、たらこ唇の概要についてまとめてみましたので、参考にしていただければ幸いです。
唇の基礎知識
たらこ唇について考察する前に、唇についての基礎知識をおさらいしたいと思います。
そもそも唇とは、何なのでしょうか?生まれた時から顔の一部として存在することが当たり前ですから、考えたことも無いのではないでしょうか。
また、唇の存在意義や役割についても、改めて確認しておきましょう。
唇(くちびる)
唇は、人間を含めた哺乳類の口の回りにある器官のことで、上下に一つずつ存在します(上唇と下唇)。解剖学上では、口唇(こうしん)とも呼びます。
唇は、粘膜部、皮膚部、そして粘膜と皮膚の間の移行部に分類できます。人間においては、移行部が外側に露出することで赤い唇となります。
そして、この移行部には口輪筋と呼ばれる筋肉を中心に、毛細血管・神経・脂肪組織が存在して、毛細血管の色によって唇は赤く見えるのです。また、皮膚部には毛・脂腺・汗腺などが存在し、粘膜部には唾液腺の一種である口唇腺が存在します。
ちなみに、ゴリラなどの類人猿においては、移行部が見られないため粘膜が外側に露出するような赤い唇は存在せず、唇は皮膚部のみしかありません。ですから、赤い唇は、人間特有のものなのです。
唇の役割
このような人間の唇の役割については、代表的なものとして次のような役割が挙げられます。
- 唇には神経が多数分布するため、口に物を入れる際に、物の性質を感知する役割
- 飲食の際に、食物が口からこぼれないようにする役割
- 飲食の際に、唇の形を変えることで口腔内の圧力変更を助けて、物を吸引する役割
- 口唇腺から、唾液(唾液の一種)を分泌する役割
- 発声の際に、唇の形を変えることで空気の通りを調整して音を変える役割
- 唇の形を変えることで、顔の表情を作る役割
- 鼻呼吸の他に、唇を開閉することで口呼吸をする役割
- 唇の開閉を行うことで、口腔内の乾燥を防ぐ役割
- 唇は神経が分布し敏感なため、性行為における性感帯としての役割
たらこ唇について
このような唇の基礎知識を踏まえた上で、たらこ唇とは、どのような唇のことなのでしょうか?
また、たらこ唇をめぐる問題点について考察してみたいと思います。
たらこ唇とは?
たらこ唇とは、唇が厚いことを形容した言葉、つまり厚い唇のことを魚卵のたらこに例えて言い表した言葉のことです。
たらこ唇をめぐる問題点
唇は顔の表情を作る役割を持っていますから、人が他人の表情を読み取ろうとする際には、目と唇(口)の形に自然と注目してしまいますよね。とすると、唇の厚さが人の印象やイメージに大きく影響することは、否定できません。
そして、「人は見た目が9割」という書籍が発売されていることからも、人が容姿という見た目で判断される現実が多かれ少なかれ存在し、唇もその見た目の構成要素となっていると言えるでしょう。
ちなみに、たらこ唇のようなぷっくりと厚い唇は、欧米ではセクシーで魅力的と捉えられています。しかしながら日本では、どちらかと言うと、魅力的というよりはネガティブに捉えられているというのが事実でしょう。そこには、国民的なコメディアンや有名なアニメの影響があったのかもしれません。
何をもって魅力的と考えるかは、その国の文化的背景や、人それぞれの価値観によっても様々です。ただ、日本において、たらこ唇がネガティブに捉えられることで、肉厚な唇であることにコンプレックスを持つ方が存在しているという事実には留意しなければなりません。
ですから本記事では、たらこ唇の生じる原因と唇を薄くする方法について、ご紹介していこうと思います。
たらこ唇になる原因
唇の厚さや形などは、遺伝によるもので生まれつきのものと考える方が多いかもしれません。しかしながら、後天的に唇が厚くなってしまう可能性もあるとされています。
それでは、なぜ唇が厚くなってしまうのでしょうか?たらこ唇になってしまう原因をご紹介します。
たらこ唇の原因
たらこ唇のような厚い唇になる原因については、先天的な原因あるいは後天的な原因を問わず、次のようなものが挙げられます。
- 遺伝
- 歯並びの悪さ
- 呼吸の仕方
- 筋肉の衰え
- 病気
遺伝
たらこ唇の原因として、多くの人の脳裏に最初に浮かぶのが遺伝でしょう。
私達人間は、顔のパーツや身長などに代表される身体的特徴の多くが、親から遺伝されることが多いということを経験的に知っています。自分がたらこ唇の場合で、父親や母親、あるいは祖父母などの親族に唇の厚い人がいれば、遺伝が原因であると考えざるを得ませんよね。
ですから、たらこ唇の原因の一つとして、先天的な遺伝を否定することはできません。
歯並びの悪さ
いわゆる出っ歯と言われるような歯並びの悪さは、唇が厚くなる原因になりうるとされています。
というのも、歯列が前方に突き出るような場合、それに伴って唇も前方に押し出されてしまいますから、唇の粘膜部が露出しやすく皮膚と粘膜の間の移行部が徐々に広く厚くなりやすいのです。
いわゆる出っ歯の人の全てが厚い唇になるわけではありませんが、唇が厚くなりやすい傾向にあることは確かでしょう。
呼吸の仕方
人間が呼吸をする場合、鼻呼吸と口呼吸の二通りの呼吸法があります。そして、口呼吸をしている場合は、たらこ唇になりやすいとされています。
というのも、口呼吸をしている場合は、無意識的に唇を前に突き出すような形になりやすいことから、唇の粘膜部が露出して皮膚と粘膜の間の移行部が徐々に広がりやすいのです。
歯並びの悪さの場合と同様に、口呼吸をしているからといって全ての人が厚い唇になるわけではありません。しかし、鼻炎などによって口呼吸が習慣化しているような場合は、注意をしたほうが良いかもしれませんね。
筋肉の衰え
唇には口輪筋が存在しています。この口輪筋は、表情を作り出す表情筋の一つで、口元の様々な表情を作り出します。
この口輪筋が衰えると、口周りがたるんでしまい、唇の張りも失われかねません。そして口周辺が緩んで唇の張りも失われると、唇や口はだらしなく開くことになり、唇の粘膜部が内側から外側に露出しますから、皮膚と粘膜の間の移行部が徐々に広がることになるのです。
ですから、口輪筋の衰えは、たらこ唇の原因となる可能性があるのです。
病気
何らかの病気によって唇が腫れることで、唇が厚くなってしまうこともあります。病気で
唇が厚くなるのは一時的なことが多く、たらこ唇とは言えないかもしれません。
しかしながら、その病気が慢性化すると、唇が厚く腫れたままとなり、たらこ唇と言える状態になる可能性もあります。
そこで、唇が腫れる病気の代表的なものをご紹介しておきます。
アレルギー
唇が急に厚く腫れた場合は、アレルギーの可能性があります。食べ物が原因だったり、リップクリームが原因だったりすることがあります。
女性の場合は、リップの他にも口紅にアレルギーの原因となる成分が含まれていることもあるでしょう。
口唇炎
口唇炎は、口周りや唇に炎症が発生する病気です。冬場の乾燥、夏場の日焼け、ビタミンの不足や欠乏、アトピー性皮膚炎などが原因で発症します。
また、アレルギーではないもののリップクリームや口紅の成分が刺激となって、唇がかぶれることで口唇炎となることもあります。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスに感染して、身体の免疫や抵抗力が落ちている時に唇が赤く腫れる病気です。身体に抵抗力がある時には、ヘルペスウイルスは神経細胞の中で潜伏しています。
詳しくは、口唇ヘルペスの原因とは?疲労やストレスとの関係についてを参考にしてください。
たらこ唇の改善方法
では、このような原因によって厚くなってしまった唇を、薄くできる改善法はあるのでしょうか?
前述したように日本においては、たらこ唇がネガティブに捉えられる傾向にあるため、自分自身の唇にコンプレックスを持つ方が少なくありません。そのような方達にとっては、少しでも唇を薄く改善できる方法があるのならば、悩みも少なからず解消されて生活も変わってくるでしょう。
たらこ唇の改善方法
たらこ唇のような厚い唇から、少しでも薄い唇に改善する方法には、次のようなものが挙げられます。
- 歯科矯正
- 呼吸方法を鼻呼吸に意識して変える
- 口輪筋(表情筋)を鍛える
- 美容整形手術
歯科矯正
歯並びが原因で唇が厚くなっている可能性があるならば、歯科矯正によって出っ歯を矯正することによって、たらこ唇の改善が期待できるかもしれません。
ただし、前述したように歯並びと唇の厚さに完全な因果関係があるわけではなく、あくまでも出っ歯の場合に唇が厚くなりやすい傾向があるにすぎません。
ですから、歯科矯正を行ったからといって、必ず唇が薄くなるわけではないことに留意しておく必要があります。
ちなみに、歯科矯正には金銭的負担もかかりますし、なによりも矯正治療が完了するまでに長い時間がかかりますので、まずは近くの矯正歯科医院に相談をしてみましょう。
呼吸方法を鼻呼吸に意識して変える
たらこ唇の人で、口呼吸が習慣化してしまっている人は、意識して鼻呼吸に変えることで唇を薄く改善できるかもしれません。
呼吸は無意識的に行っているのが通常ですから、口を閉じることから意識して、徐々に鼻で呼吸するように心掛けましょう。口呼吸は習慣化しやすいですから、根気よく鼻呼吸を続けることが肝要です。
口を閉じて鼻呼吸をすることが強く意識しない程度にまで達すれば、常に唇を閉じているわけですから、唇の移行部が狭くなって唇が薄くなったという印象を周囲の人にも与えられるのではないでしょうか。
口輪筋(表情筋)を鍛える
口輪筋が衰えて、口をだらしなく開いている方は、口輪筋を意識して動かしてトレーニングすることで、たらこ唇の改善効果を期待できるかもしれません。
具体的なトレーニング方法は、まず上下の唇の半分程度を口の中に巻き込んで甘噛みしましょう。そして、左右両方の頬に手のひらを添えて、そのまま口角を上方に引き上げるように動かします。最後に、口角を上げた状態をキープして、軽く笑ってみましょう。このような一連の動きを、鏡を見ながら1日に何度か繰り返し行います。
口輪筋を鍛えれば、口をだらしなく開くことは無くなり、唇を常に閉じることで唇の移行部が狭くなる可能性もあるでしょう。
美容外科手術
ここまでご紹介してきた改善法は、いずれも効果が現れるまでに時間がかかり、即効性のある方法ではありません。そこで、美容外科クリニックにおいて美容整形手術を行うことも改善法の一つとして考えられます。
唇を薄くする美容整形手術は、局所麻酔をした上で、唇の内側の粘膜部分を切除します。一般的に入院の必要はありませんが、手術後しばらくは唇に腫れが生じます。唇の腫れがおさまるまでには個人差がありますが、概ね1週間から2週間程度とされています。手術後3ヶ月程度の間は、クリニックに経過確認のために何回か通うことになります。
しかしながら、手術の傷痕は口の中ですから目立ちませんし、傷が回復してしまえば唇を薄くするという効果が明確に実感できるでしょう。
たらこ唇に対する考え方を変えてみる
たらこ唇のようなぷっくりと厚い唇が、日本ではネガティブに捉えられることで、肉厚な唇であることにコンプレックスを持つ方が存在すると前述しました。
それでは、欧米の国のように、たらこ唇のようなぷっくりと厚い唇がポジティブに受け止められるように考え方を変えてみることはできないでしょうか?
意識の改善をしてみる
前述したように、欧米の国では厚い唇をセクシーで魅力的と受け止める考え方があります。欧米を真似して考え方を変えようとしても、私達は日本人ですから難しいかもしれません。
しかしながら、日本でも最近になって、ぷっくりとした厚い唇の女優さん・タレントさん・モデルさんが増えてきていますよね。SNSの普及などにより、日本人の価値観も多様化してきているのでしょう。ということは、日本においても厚い唇を魅力的と受け入れる土壌が形成されつつあると言えるのではないでしょうか。
人は誰でもコンプレックスを一つや二つは持っているものです。また、自分がコンプレックスと思っていることでも、他人の目には悩むほどの事ではない、むしろ長所だと映っていることもあります。
したがって、発想転換・意識改善にチャレンジすることを検討しても良いかもしれませんよ。
ただし、たらこ唇であることに劣等感を持つあまり、他人と会うのが怖い、あるいは引きこもりがちだという方は、精神障害(社交不安障害)の疑いもありますので、まずは精神科の医師に相談してみましょう。社交不安障害の症状の一つである醜形恐怖症(対人恐怖症)の可能性があります。
メイクアップしてみる
意識改善で厚い唇をポジティブに受け止めるとともに、メイクで唇を魅力的に見せることにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
コンプレックスからリップメイクを控えていた方も、少し冒険して華やかな色使いをしてみると、唇がチャームポイントになるかもしれませんよ。女優さんやモデルさんのメイク法を参考にしてみましょう。
たしかに最初は勇気が必要かもしれませんが、そこを乗り越えれば、案外メイクの効果で気持ちが解放されるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?たらこ唇の原因や改善法について、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、日本においては、厚い唇はネガティブに受け止められてきました。しかしながら、日本人の価値観も多様化し、厚い唇(あるいは厚い唇のメイク)をした女優さんやモデルさんが増えてきています。
とするならば、たらこ唇の改善法を実施するまでもなく、発想転換・意識改善やメイク方法によって、たらこ唇はコンプレックスからチャームポイントに生まれ変わります。それでも厚い唇が気になる場合は、今回ご紹介した改善法を試してみましょう。
最終手段には美容整形手術という選択肢がありますから、意識改善あるいは唇を薄くする改善法に気軽に向き合ってみると良いのではないでしょうか。あなたの生活がコンプレックスに囚われることの無い、幸せなものになることを願ってやみません。
関連記事として、
これらを読んでおきましょう。