「なぜこんなに厚いんだろう…」
鏡に映った自分の唇を眺めて、ため息まじりにこのように思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。唇は表情を形作る重要な部分ですので、気になるのは当然です。特に美を追求する女性にしてみれば、非常に深刻な問題でしょう。
幼少期に唇のことでいじめられたり、からかわれたりしたという人も少なくなく、心の傷になっている場合もあります。
実は唇の厚さに関する悩み、女性ばかりでなく男性にも多いといわれています。唇の厚さに関するコンプレックスのため、外出時にはマスクをつけて隠している方もいらっしゃるようです。
今回は「できれば唇を薄くしたい!」と思っている方々のコンプレックス軽減につながればと思い、そのヒントをまとめてみました。少しでも皆さんの心の負担を軽減できれば幸いです。
唇と顔の最適のバランスとは
唇の厚さについては、人それぞれの判断基準があると思います。「自分は唇が厚い」と思っている方にも個人差があります。
では、一般的にどの程度の大きさの唇が美しいと思われているのでしょうか。
通常、バランスのいい唇は「唇の横幅が縦幅の3倍程度」「唇の両端が瞳の内側あたりにある」とされています。また、厚さの平均は上唇が8ミリ、下唇が10ミリと言われています。ちなみに、最も美しい上唇と下唇の厚さの比率は「2対3」とされています。
目や鼻、輪郭など、他のパーツとのバランスもありますので一概には言えませんが、判断基準として一応の目安にしていただければと思います。
忘れてはならないのが、大きさや厚さだけでなく唇のコンディションも相手への印象を大きく左右すると言うことです。かさついていたりすると目立ってしまい、マイナスイメージを与えかねません。つやつやと輝くような潤いを与えて健康的な状態をキープしましょう。
唇が厚くなる原因
唇が厚い理由には、先天性(生まれつき)のものと後天性(成長過程でそのようになった)のものがあり、いくつかの原因が考えられます。
歯並びによるもの
歯並びが悪い方にこの傾向がみられます。特に前歯が前方に出ている状態だと、それに伴い唇も前に押し出される形になりますから、唇の内側の部分が外部に露出して厚く見えるようになります。
呼吸方法によるもの
鼻ではなく口で息をする「口呼吸」をしていると、唇は閉じている時より前に突き出す形になります。口呼吸を継続的にしていると、唇を突き出す形が癖になって唇の内側の部分が見えるようになります。
唇自体に変化はないのですが、内側が目につくようになることで唇が厚く見えるようになってしまうのです。
表情筋の衰えによるもの
表情筋とは顔の表情、つまり喜怒哀楽を表す時に使われる筋肉で、目や鼻、口などを動かします。この筋肉の端が皮膚とつながっているため、筋肉の動きに連動して皮膚が動き、感情を現すことができるのです。そのため表情筋が衰えるとしわやたるみを引き起こします。
口の周りにある表情筋を口輪筋(こうりんきん)が衰えると、口の周りがたるんできてしまいます。そのため口角が下がって唇にも張りがなくなり、垂れ下がって厚く見えてしまうのです。
遺伝性のもの
これは自分の両親、祖父母、親戚などから受け継いだものです。「親に似ている」と言われる方は、背格好や顔のパーツなどの形状も当然似ています。隔世遺伝もあるため、両親だけでなく祖父母から唇の形状を引き継ぐケースもあります。また、親戚の唇に似るケースもあります。
唇を薄くするには?
自分がどのタイプに該当するかが分かれば、それに見合った対処法で改善が期待できます。改善方法には次のようなものがあります。
歯科矯正
歯並びの悪さが原因の場合は、歯科矯正が効果的です。歯が前に出ていることで唇も前に押し出されますので、その原因となっている歯を矯正すれば、前に押し出されている唇もより適正な位置に収まります。その結果、矯正前より薄く見えることになるでしょう。
矯正の前には唇の厚さの原因が歯が出ていることによるものなのかどうか、しっかりとしたカウンセリングを行う必要があります。そうしないと費用をかけて矯正をしても、思い通りの結果を得られなくなります。医療機関の担当者と十分な意思疎通を図ってから判断して下さい。
呼吸法を変える
口呼吸から鼻呼吸に変えることで改善が期待できます。呼吸法を変えることは最初のうちには気になると思いますが、唇を薄くするために必要なことだと思って少々我慢していただければと思います。
鼻炎や蓄膿症などで鼻呼吸が難しい場合は口呼吸をせざるを得ませんが、必ず口角を上げて呼吸することが求められます。こうすることで唇を前方に出すことなく口呼吸することができます。鼻炎や蓄膿症を治療してから呼吸法の改善に取り組んでみてもいいかもしれません。
唇を横に伸ばす癖がつくことで、それまで見えていた唇の裏側の部分の露出が減り、厚みが薄くなるはずです。
ただ、止めてしまうと元に戻ってしまう可能性が高いため、根気よく続けることが必要です。ぜひとも唇を横に伸ばす癖をつけて、理想の唇を手にして下さいね。
表情筋を鍛える
表情筋を鍛えることで口の周りのたるみを改善させ、唇を薄くすることを目指します。以下の方法にトライしてみて下さい。
- 口を閉じた状態で上唇と下唇を口の中に軽く巻き込みます。
- 巻き込んだ唇を軽く噛みます。甘噛み程度の軽い圧力で結構です。
- 両方の頬に手のひらをあて、口角を軽く持ち上げるように耳の方向に引っ張ります。
- その状態で笑顔をつくって下さい。
この1~4の動作を1セット10~20秒ほどで行って下さい。1日3回程度で結構です。口の周りの筋肉が良く動いているかどうか、鏡でチェックしながら行うと効果的です。
唇が荒れていると頬を引っ張った時に裂けてしまうこともありますので、リップクリームを塗るなどして潤いを与えてから行なうといいでしょう。
力を加えることより継続的に行なうことの方が必要です。なぜなら、意識的に唇を横に伸ばして薄くしようとしているため、止めてしまうと元に戻ってしまう可能性が高いからです。
簡単な一連のトレーニングでコンプレックスを解消できるのなら安いものです。ぜひとも続けて理想の唇を手に入れて下さいね。
メイクで印象を変える
最近は女優やモデル、タレントの方でも唇の厚い女性が増えています。すぐに何人かの芸能人の方々の顔が頭に浮かんだのではないでしょうか。
彼女たちは唇の厚さに引け目を感じるどころか、自らの個性として魅力のひとつにしていらっしゃいます。そしてその魅力を口紅のコマーシャル獲得やドラマ出演などに結びつけていらっしゃいます。
一般の方の中にも厚いぽってりとした唇に魅力を感じ、ヒアルロン酸を注入している方もいらっしゃるほどです。
見(魅)せ方ひとつで印象も大きく変わりますので、メイクに工夫を凝らしてみるのも効果が期待できます。
代表的な方法は、まず唇にファンデーションをのせた後に自然な色のリップライナーでラインをひきます。それからベージュや薄いピンクなどのルージュやグロスをつけてみてください。アイメイクやチークなど他のパーツのメイクを少し濃いめにすると、そちらに目がいくため全体のバランスがとれて唇が目立たなくなります。
鉄則は唇は自然に、他のパーツは強めにメイクを施すことです。後はご自分で好きな芸能人などのメイクを参考にしてアレンジしていけば、より満足できると思います。表情筋のトレーニングと組み合わせればより効果が期待できます。
ダイエットで薄くする
ダイエットで効果が期待できるのは上唇より下唇です。下唇はもともと上唇より厚いため、ダイエット効果が出やすいとされています。特別なことは必要なく、通常ダイエットの食事制限と運動を組み合わせればいいのです。
ただ、やせるだけではたるみが出てしまいますので、唇を引き締めるためのエクササイズが必要です。具体的には表情筋を鍛える方法を行なっていただければ十分です。
過度なダイエットは禁物です。健康的に少しずつ体重を落とす過程で、唇の厚さも薄くしていくというイメージが必要です。
美容整形
これは最後の手段です。努力を重ねてみても、どうしても納得ができない場合には唇を薄くする手術があります。この手術は唇の内側の組織を切除して、唇を好みの厚さにするものです。
口の中の傷は比較的早く治りますので、個人差はありますが術後のストレスも少なくて済みます。術後の腫れは3日ほどひくようです。
また、外からは見えないため抜糸後の傷跡に悩むこともありません。食事制限もほとんどないため、早急な改善を求める方には適していると言えます。
金額はクリニックにより差はありますが、施術料金は概ね25万円~40万円程度が多いようです。どちらか一方の唇に施術をするのか、上下両方の唇に施術をするかどうかでも変わってきます。
医療機関の担当者と十分なカウンセリングをして、手術をするかどうかの判断を下して下さい。十分なコミュニケーションと満足いく施術で理想の唇を手に入れていただければと思います。
まとめ
世の中には自らの唇の厚さに悩んでいる方が少なくありません。唇は顔の目立つ部分にあるため、気になり出すときりがありません。
しかし、その唇はご自分が思っているほど周囲は気にならない程度なのかもしれません。家族や親しい友人に思い切って聞いてみるのもひとつの方法です。気を遣って正直に答えてくれないかもしれませんが、自分の悩みをきてもらうだけでも少しは気が楽になるのではないでしょうか。
意識しすぎることなく、明るく前向きに過ごすことも必要です。笑顔を心がければ表情が明るくなり、チャーミングにみえるようになるはずです。ここでご紹介した唇を薄くする方法が、皆さんの悩みを軽減する一助になれば幸いです。
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