反回神経麻痺とは?症状・原因・検査法・治療法を紹介!

反回神経麻痺というのをご存知でしょうか?手術やけがや、神経疾患などが原因で、声が嗄声(させい)したり、声が出なくなったり、食べ物を誤嚥したりする症状が出る事です。

ある日突然声が出なくなったりすることがあります。そのようになった時皆様はどの様にされるでしょうか?声が出なくなることで、精神的苦痛が大きいと感じます。

反回神経麻痺について詳しく見てみました。

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反回神経麻痺(はんかいしんけいまひ)とは

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声帯麻痺とは声帯を動かす筋肉が、様々な原因で声帯の動きが麻痺して症状が出る事です。

これらの声帯麻痺が、手術や怪我、神経疾患、急性感染、原因不明の特発性のものが原因で起こる症状を反回神経麻痺といいます。

反回神経とは

反回神経は声帯を動かす神経です。声帯の横を通り胸郭内に入る反回神経は、脳幹から枝分かれし頭蓋内から下降してきたものです。

胸郭内に入った反回神経は、左側は大動脈弓、右側は鎖骨下動脈の部分で折り返しています。折り返した反回神経は、食道の両脇をたどって上昇しています。

食道の両脇をたどって上昇している反回神経は、甲状腺の裏側を通って、声帯の筋肉を支配する喉頭部に繋がっているのです。

ですからこの反回神経が通っている、どこかの部分で障害が起きる事により、反回神経麻痺が起こる原因となります。またこの反回神経というのは胸郭内に入った神経が折り返してくることから、反回神経と呼ばれています。

声帯の仕組み

私たちが日ごろ声を出している仕組みを見てみますと、中央方向に左右の声帯が近寄る事で、気道が狭くなる為、この中を通る呼気によって振動され、それが声となって出ているのです。

呼気とは空気を吐き出すことです。声帯は軟骨の中にある、大きさは1~1.5cmほどの、のどぼとけと呼ばれる器官です。

声帯は空気を吸うときなどはV字型に開いていて、左声帯と右声帯に1本ずつあり、声を出す時は閉じて、空気がその間を通る事で振動して声となって発せられます。

嚥下時には完全に気道を閉鎖して、左右の声帯が強く接触して、嚥下したものが気管に入らない様になっているのです。

この様な仕組みに声帯はなっていますが、これがどこかで異常を起こすと、息もれするような声がれや、誤嚥やむせたりすることが起こります。

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反回神経麻痺の原因

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反回神経麻痺の原因については、主に手術がありますが、しかし原因不明の物が一番多くこれらについては、自然治癒することもあります。

原因の解っているものについては、原因を究明しての治療が行われます。

反回神経麻痺の原因

反回神経麻痺の原因として

  • 重金属による障害によるものです。
  • 手術後に起こる事が多いです。
  • 交通事故やけがや急性感染などです。
  • 神経疾患によるものです。
  • 薬物による障害などで起こります。
  • 原因不明の特発性の物が一番多いです。
  • 頚部では甲状腺腫瘍や手術後に起こります。
  • 脳幹付近では頸静脈孔腫瘍や手術後に起こります。
  • 胸部では食道がん、肺がん、乳がん、弓部大動脈瘤、縦隔腫瘍などやこれらの手術後に起こります。

などが原因で発症することが多く、手術による反回神経麻痺の症状が良く見られます。反回神経麻痺の場合殆ど片側に、反回神経麻痺が起こる事が多いのですが、稀に両側に反回神経麻痺が起こることがあります。

片側が麻痺する場合「片側声帯麻痺」といって、両側の声帯が動かなくなる場合を「両側声帯麻痺」といっています。

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反回神経麻痺の症状

唇

乳がん、肺がん、頸動脈腫瘍、甲状腺腫瘍などの手術後などに、反回神経麻痺の症状が出ることがあります。

声枯れや、むせる、誤嚥などの症状が、声帯の運動性が障害されるため、症状として出てきます。

嗄声の症状

乳がん、肺がん、甲状腺腫瘍、頸動脈腫瘍などの手術後に、嗄声の声枯れの症状が出る事があります。この原因は手術中に神経の切断や、神経周囲の操作を行うことで起こります。

この場合初期症状として、嗄声、声枯れの症状が起こって、この声枯れの症状は片側性反回神経麻痺の時に多く起こります。

手術を行っている中で必要な処置として、神経を切断しなければならない事があるので、手術を行うとこのような、反回神経麻痺がよく起こります。初期症状は声枯れの症状です。

片側の声帯麻痺の場合は、会話の途中で息切れが起こったり、嗄声(かすれ声)になったりするのは、片側性反回神経麻痺で、左右のどちらかの声帯が動かないために起こります。

呼吸困難

また両方の両側声帯麻痺の場合には、左右の声帯が中央付近で麻痺し、両方の声帯が動かなくなると、呼吸困難を引き起こしたり、全く声を発することができなかったり「ゼーゼー」とした呼吸音の喘鳴が起こったりします。

その他の症状

反回神経麻痺の主な症状は、上にあげた声枯れと呼吸困難が言われていますが、その他にも以下の症状が出る時があります。

鼻に声が漏れる

脳幹付近の手術をすると、鼻に声がもれたりすることや、会話の途中で息切れしたりする症状が出る事があるのは、舌咽神経(ぜついんしんけい)や副神経などの他の神経が通っているため、反回神経が麻痺して症状を起こします。

誤嚥

舌咽神経は喉の運動や味覚を支配しています。舌の運動を支配している舌下神経に近いため、障害が同時に起こる事もあり、食嚥下障害が起こると、嚥下が非常にしにくくなり、嚥下障害が誤嚥などを増やす結果につながります。

嚥下障害になると嚥下時に、食べたものが鼻への逆流として起こる場合もあります。左右の声帯の隙間が開くため、このような嚥下障害になり、むせやすくなったり、唾液や水分などが入りやすくなったりして、誤嚥の原因となっています。

肩の痛みや動作がしにくい

肩の痛みや肩を上げにくい症状が起こるのは、運動神経の副神経などの近くを通る、反回神経が麻痺するために起こります。

肩の痛み、肩を上げにくいの症状が、声枯れやむせるなどの症状の他に、反回神経麻痺になると症状が現われます。

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反回神経麻痺の検査

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ファイバースコープで声帯の動きを観察し、それで原因が分からに時は、頸部、胸部のX線検査やCTによる画像診断、食道造影、上部消化管内視鏡検査などを行う場合があります。

声帯の披裂軟骨が脱臼している場合が、外傷や気管内挿管後に生じた声枯れなどで起こる場合があり、この場合は喉頭ファイバースコープでは、反回神経麻痺の区別がつきにくく、筋電図や発生時のX線透視検査を行って識別します。

喉頭ファイバースコープ検査

喉頭ファイバースコープは一般的な、声帯のある喉頭を検査する方法です。鼻から直径3mmのファイバースコープを挿入し、呼吸や唾液の運動を患者にしてもらって、障害があるかの有無を確かめます。

内視鏡の種類によっては、ビデオ録画ができるものもあり、より細かく観察できる検査です。

喉頭鏡で観察する発声時における声帯位の診断は、健側声帯が正中位まで内転しているので、基準を声帯縁にすれば、患側声帯の位置が容易に分かります。

発声時には喉頭は持ち上げられ、声帯は内転します。発生時に喉頭内腔の位置と形が変化します。

筋電図検査

筋電図検査は筋肉の活動を調べる検査で、この筋電図検査では、筋電図が麻痺の程度や回復の見込みなどを知る事ができる、非常に効果的な検査となります。

この検査は筋力低下や筋委縮などの症状があって、画像検査では判断がつかない場合に、筋肉疾患の筋肉そのものの異常か?また神経疾患の神経から筋肉に情報がうまく伝達できないのか?収縮性の筋肉の働きによるものか?が、よくわかるので、画像検査で診断が確定しない場合に行われます。

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反回神経麻痺の治療法と予防

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原因が全く不明な場合、自然治癒することがあるので、反回神経麻痺の治療としては、6ヶ月ほど経過観察し、自然治癒の有無を見極めます。

もし治癒しない場合は治療へ進みますが、両側性で呼吸困難をきたす場合は、気管切開術や気管開窓術が行われます。

自然治癒

原因が全く分からない場合や、長時間の全身麻酔の際に、麻酔ガスや気管内チューブの挿管によって圧迫されるため、手術による圧迫が原因の場合で、反回神経の麻痺が起こることがありますが、これらは自然治癒することが多いです。

これ以外の場合でも自然治癒することがあるので、6か月間は様子をみて経過観察します。

声帯に問題がある場合、例えば発生時の左右の声帯の隙間が狭い場合などは、音声言語治療士によるもとで、発声訓練を行い、声の出し方を矯正する音声訓練が有効な場合もあります。

声帯内注入術式

声帯内注入術は片側反回神経麻痺の場合に行われます。また声帯内注入術によるコラーゲン注射や、効果がより高い自家脂肪注入などを行うこともあります。

コラーゲンや脂肪の注入

手術治療は声帯を内側に寄せる手術をします。また萎縮した声帯にコラーゲンや脂肪を注入し膨らませます。

コラーゲンや脂肪を注入する方法は、注入した物質が吸収されることがあるため、繰り返し治療を行わないといけない場合があります。

BIOPEX注入術

声帯内注入物質に安全性の高い、バイオペックス(BIOPEX)が平成12年6月に使用されるようになりました。

バイオペックスは注入後ハイドロキシアパタイトに変化して、異物反応がなく、今までに歯科や整形外科で、骨補填剤として使われてきました。

BIOPEX注入術を行う時は、全身麻酔で声帯内注入部位を、咽頭直達鏡を挿入させ、よく声帯が見えるようにして行います。

利点

BIOPEX注入術の利点は、術中の苦痛や患者の負担が少なく、翌日から退院、発声が可能です。効果が長期間期待できて、気管切開の危険性がありません。

欠点

全身麻酔でやる為声を聞きながら、注入量や注入部位を調節することができないため、期待したより良い声が出なかった場合でも、追加注入が中々難しいです。やれない事はありませんが全身麻酔が欠けられない、患者などはできない場合もあります。

外科手術式

声帯を調整する喉頭形成手術は、声帯間の隙間が広いため、麻痺した声帯付近の軟骨の位置を調節します。

また気管切開は声帯が両側麻痺の為に、極端に狭いため呼吸困難を回避するために行います。

両側反回神経麻痺による狭窄に対しては、片側声帯の外方けん引術や気管切開などが行われます。

頸部外切開

この時は頸部を切開し、シリコン版を挿入する手術と、声帯を動かす軟骨や筋肉をけん引する方法とがあります。

頸部外切開の方法は局所麻酔下で、発声をみながらどのくらいまで改善するか確認しながら行われ確実性と安定性があります。

この方法は声帯に直接触れません。その為に手術前より声が悪化することはないし、また悪化した場合でも、人工物質のゴアテックシートを取り除けば、元にもどります。

甲状軟骨形成術

甲状軟骨形成術は局所麻酔で、仰向けに横になって、咽ぼとけの頸部皮膚を数センチ切開しますが、甲状軟骨が咽ぼとけの部分にあって、声帯を前から覆っているので、患者自ら声を出しながら調節して甲状軟骨を手術して、声を出しやすくします。

沈黙療法が1週間ほど必要で、手術後の腫れを防ぐために、1週間ほど声を出さない方法です。

甲状軟骨のI型

声を出すときに隙間ができる、声帯麻痺や、声帯萎縮などの症状の時に行われます。声帯の間の隙間を声帯を、中に移動させることで少なくし、声を出しやすくします。

甲状軟骨Ⅱ型

痙攣性発生障害の症状に対して、効果の期待できる手術です。声を出すのに強く締めすぎる内転型というものが、殆どけいれん性発声障害によるものなので、チタンブリッジを甲状軟骨に装着することで、声帯を広げたまま固定できて、手術でほぼ確実に治癒します。

甲状軟骨Ⅲ型

声の高さを変えるのに適した手術で、声帯を短くして緊張を緩めるため甲状軟骨の一部を切除します。

性同一性障害の男性化の時に行うことがあります。

甲状軟骨Ⅳ型

こちらは声を高くするときに行いますが、加齢などで声がガラガラになった場合、甲状軟骨とその下の環状軟骨とを近づける事で、緊張を高めて、声を高くします。

披裂軟骨内転術

披裂軟骨内転術というのは、人間が声を出すときに、声帯が正中に移動するのは披裂軟骨が移動することで起こります。

声帯はギターやバイオリンの弦と同じだと考えられ、声帯がピンと張った状態で、声は最高の良い声がだせるものと考えられています。

手術をすることで、この緩んだ弦を外側から押して、声帯の張力を気持ちよく再現できる手術で、正常な声にもどる最も理にかなった方法です。

気管切開術

気管切開術は手術手技の基本的な一つです。外科的気管切開術には次のようなものがあります。

気管切開術
  1. 気管と皮膚とを縫合しません。
  2. 気管弁の一部と皮膚とを縫い合します。

比較的短期間の気管孔管理を要するときに行います。上気道狭窄が予想されるときなどに、行われることもあります。呼吸困難が余り強くない場合に行われ局所麻酔で行います。1ヶ月から3ヶ月ぐらいの間で閉鎖できるのが通常です。

気管開窓術
  1. 気管孔周囲と皮膚を縫い合わせます。

長期気管孔管理を要する時や、カニューレ自己抜管などがある場合に行われます。小児の声門下狭窄や脳神経障害による、嚥下・呼吸不全が長期にわたって症状が続いて、痩せている場合は気管と皮膚が接近している場合があります。

多くの場合は気管と皮膚が離れているので、皮膚と気管粘膜を直接縫合するのは、非常に難しく技術がいります。この手術をすることで、軟骨弁・皮弁の長さだけ、気管窓ができる気管と皮膚が離れた状態になります。

カニューレとは、医療器具で気管切開した際の空気の通り道として、体液の排出や薬液の注入などの為に、体内に挿入するパイプ状の管で、カニューレ自己抜管とは、このパイプを患者が自分で抜くことです。

その他の治療法

悪性腫瘍が原因の場合は、反回神経麻痺が改善することがないので、その疾患に即した治療が行われ、対処療法的に、誤嚥予防や発声訓練などを行います。

麻痺が起きて期間も短く、回復の可能性があるのであれば、代謝活薬ビタミンB1を投与したり、末梢血管拡張薬、ステロイド薬投与などを行います。

反回神経麻痺の予防

反回神経麻痺の予防は、手術後が良く見られますので、手術をしない事で予防できます。心臓、縦隔、食道、甲状腺や肺の手術後や、交通事故などの怪我、神経疾患や急性感染薬物などが原因で起こる病気なので、これらを起こらない様にすることが、予防することになりますが、中々難しく思われます。

甲状腺腫瘍や肺がん、乳がん、食道がんなどの各種のがんにならない様、生活習慣を見直すことや、神経疾患や急性感染にかからない様身体に気を付ける事や、薬物は医師の処方を守る事などで予防することが大事になります。

原因不明の突発性のものは、予防は難しくかかってしまったら、無理に声を出さずに、書くことで意思疎通を行うと良いでしょう。

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まとめ

如何でしたでしょうか?

反回神経麻痺について、詳しく見てみました。

突然反回神経麻痺が起こる事がありますので、そのような時の治療法として、参考にして頂ければと考えます。

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