妊娠初期の頃は、まだ胎盤が安定していなかったり、つわり等の体調不良等で、安静にしている事の方が多くなりがちです。
しかし、出産は体力勝負なので、妊娠中期以降の安定期に入って体調も落ち着いてきたら、少しずつ運動をしたり、出産に向けた身体作りも必用になってきます。
臨月になってくると、医師からも適度な運動をするように指示を受ける事が多くなってきます。そこで、臨月におすすめの運動の一つ「スクワット」について、まとめてみました。
臨月のスクワットの効果とは?
臨月になると、お腹が大きくなって動きにくくなる事もあり、結果として運動量も減って運動不足になりがちです。極端な運動不足は、産道に脂肪がついてしまったり、子宮を支えている骨盤底筋の伸びが悪くなる事にも繋がります。運動不足によって体力も落ちてしまいます。
出産の時に体力が持たなくなってしまうと、出産がスムーズに進まずに、赤ちゃんにとってもママにとっても、辛い出産になってしまいます。スクワットの運動は出産をスムーズにする為に必要な体力、身体作りに適した運動です。
骨盤を開きやすくする
妊娠するとママの体には、骨盤を開きやすくするリラキシンという女性ホルモンが分泌されるようになります。リラキシンには、骨盤を柔らかくして産道を開きやすくする働きがあり、スムーズな出産になるように助けてくれるホルモンです。このホルモンの分泌によって、徐々に骨盤が開きやすい状態になってきます。
スクワットの運動を行うと、骨盤周辺の筋肉が鍛えられて、更に骨盤が開きやすくなります。骨盤の開きがスムーズになる事で出産の時に赤ちゃんが骨盤の中に下りやすくなり、産道を通りやすくなるので、安産の効果も期待できます。
出産に向けての体力作り
個人差はありますが、一般的に初産の場合に出産に掛かる時間は、陣痛が始まってから平均8~10時間位掛かり、もっと長くなると丸1日以上掛かる事もあるといわれています。長時間に及ぶ出産は、体力勝負です。
妊娠後期になってお腹が大きくなってくると、運動不足になりやすく、筋力や体力も衰えている事が多くあります。臨月の体力作りに、スクワットはおすすめの運動ですが、体力や筋力を上手につける為には、少ない回数でも構わないので、体調の良い時に毎日続ける事が大切です。
産道に脂肪が付きにくくなる
妊娠中期以降、つわり等の症状が落ち着いてくると、食欲も増してくる妊婦さんも多くなります。
食欲が増してくる事は、赤ちゃんの栄養の面でも良い事ですが、妊娠後期に入って、お腹が大きくなると共に運動量が減ってくると、体重や脂肪が増え過ぎてしまう事もあります。身体に脂肪が付くという事は、産道にも脂肪が付く事になります。産道に脂肪が付き過ぎると産道が狭くなり、陣痛が起きても赤ちゃんが上手に下りてくる事が出来ません。
その為、出産時間が長くなる原因になる事もあります。回数にこだわらずに毎日スクワットを続ける事で、体重管理や産道に脂肪が付くのを防ぐ効果が期待出来ます。
陣痛を促進する恐れも
スクワットの運動は骨盤が開きやすくなる運動なので、赤ちゃんが下りやすい状態になります。
その為、出産が促進されて、陣痛が起きやすい状態になる事もあります。出産予定日が近くなって来たり、予定日を過ぎている場合を除いた時期や、子宮が柔らかいといわれている妊婦さんは、注意が必要です。
その為、スクワットを始める時には自己診断せずに、子宮や母体の状態等、担当医に確認してから始めるようにしましょう。
臨月のスクワットの注意点は?
臨月になると、スクワットだけではなく、出産に向けていろいろな運動を始めようと思う妊婦さんが多くなります。妊娠前に運動をしていたかどうか、今の母体の状態等によって、運動量や出来る運動も違ってきます。
どんな運動でも、自己判断せずに担当医に相談したうえで、無理のない程度に行うようにしましょう。
破水の危険性
破水の起きる原因は様々ですが、スクワットをする事で骨盤が開きやすくなる為、赤ちゃんが骨盤の中に下りてきやすくなり、子宮口も開きやすくなります。その為、陣痛よりも先に破水が起きる可能性もあります。
横になったり、身体を休める事で治まるようなお腹の張りは心配はありませんが、臨月になってくると更にお腹の張りも起きやすくなります。日常生活でも、お腹の張りやすい妊婦さんは、担当医に相談のうえで行うようにしましょう。
妊娠週数37週以降の正期産の時期を迎えるまでは、スクワットをする場合の回数を少なめにしたり、お腹の張りを感じたら中止して体を休めるようにしたり、慎重に行うようにしましょう。破水については、破水の見分け方を知っておこう!似ている症状や対処方法を紹介!の記事を読んでおきましょう。
身体に負担にならない程度に行う
スクワットは家の中で簡単に出来る運動ですが、お腹が大きくなって妊娠前よりも疲れやすい状態の妊婦さんには、体に掛かる負担も想像以上に大きくなります。回数は、ご自身の体の状態に合わせて負担にならない程度に行うようにしましょう。くれぐれも、頑張り過ぎたり、回数を増やす事を目的にしないように注意してください。
適度な運動量は、人それぞれ違うものです。ご自身が次の日に疲れが残っていると感じる状態は、身体にも負担が掛かっているという事です。少ない回数でも、丁寧に毎日行う事が大切なので、身体の負担にならない程度に行うようにしましょう。
痛みがある時は、無理をしない
お腹が大きくなってくると、腰痛が出てくる事もあります。毎日の積み重ねが大切とはいえ、腰痛等、体調が良くない時に無理をすると、腰や膝等を痛める事にもなりかねません。体調が良くない時は、無理をしないように、身体を休める事を優先にしましょう。
正しいスクワットのやり方は?
身体の調子を整える為の運動でも、間違ったやり方をすると、逆に膝や腰を痛めてしまう事になります。普段の生活とは違った動きをするので、正しいやり方で行う事が大切です。妊娠時の状態や体力は個人差が大きいので、正しいやり方で体調の良い時に、毎日続ける事が大切です。
スクワットのやり方
- 肩幅よりも少し広く両足を広げて、つま先の向きが左右平行になるように注意して立つ
- 背筋をしっかりと伸ばした状態で、両手をまっすぐ前に出して、息を吐きながら無理のない所まで腰をゆっくりと落とす
- ゆっくりと息を吸いながら、最初の状態まで腰を上げていく
◆お腹が大きくてバランスが取りにくいので、ふらついた場合に掴める物がある安全な場所で行うか、腰を落としていく時に安全なように、下に椅子を置いて行うのもおすすめです。
回数の目安は、1セット10回~15回
最初は回数を少なめにして、慣れてきたら少しずつ増やしていくようにします。最終的には、1セット10~15位を目安として、一日に1セットを2回位を目安として行いましょう。
個人差があるので、回数はあくまでも目安として考え、ご自身のペースで毎日続ける事が一番効果的です。
まとめ
出産準備の為の運動は、スクワットに限らず、毎日少しずつでも続けて行う事が大切です。スクワットの運動が、腰痛があったり運動量が負担になるようなら、足を広げてカエルのような形を意識して床を拭く事も、骨盤底筋を柔らかくする運動になります。このように、日常生活の家事の中でも、出産を意識して行う事で効果的になる動きも沢山あるので、運動が負担な場合は日常生活を少し意識してみるだけでも違ってきます。
スクワットは、臨月の妊婦さんにおすすめの運動ですが、担当医に相談のうえご自身の状態や体力にあった運動量を見つけて、スムーズな出産の為の身体づくりの運動として、試してみて下さい。
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