お迎え棒って何?やり方や効果、注意点を知っておこう!

お迎え棒という言葉をご存知でしょうか?もしかして、妊婦さんや、その旦那様は知っているかもしれませんね。

お迎え棒とは、臨月の性行為のことを指します。性行為をすることで、陣痛を促すのだとか。

でも…ちょっと待って。妊娠中の性行為って、大丈夫なの?おなかの赤ちゃんに影響はないのかしら?ちょっと心配…という方に。

今回は、お迎え棒についてはもちろん、妊娠中の性行為の是非についても、まとめてみました!

まずは、妊娠のメカニズムから

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女性が妊娠するには、卵子が精子を受け入れ、受精卵になる必要があります。では、どうしたら受精卵になるのでしょう。それは、基本的には性行為を行うことで可能になります。

男性が、女性の膣に陰茎を挿入し、膣内で射精します。射精とは精液を放出すること。精液の成分は精子と、精漿と呼ばれる液体です。精子は1mmに4000万以上とされ、一度の射精は2~6mmといわれているので、24000万以上の精子が放出されていることになります。

精子はおたまじゃくしのような形状をしています。その体の、尻尾のようなところを振って子宮内をすすみ、卵子と合体します。合体したものを受精卵といい、受精卵は細胞分裂をしながら、卵管をすすみます。そして、時期をみて着床します。着床が完了すると、胎盤や胎児の形成が始まります。

詳しく掘り下げれば、もっと様々な要素が絡んでくるのですが、大まかな妊娠のメカニズムはこのようなものです。

このようにして、受精をし、女性の胎内で赤ちゃんが育っていくわけですね。

妊娠してからの性行為はいいの?悪いの?

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おなかに赤ちゃんがいる、とわかると性行為をすることで流産してしまったら…など、消極的に考えてしまうかもしれません。

もちろん、どんどんしてください!と奨励するものではありませんが、きちんと母体を労って行う分には害はありません。ただし、妊娠してからどれぐらいの時期か、によって注意すべきポイントはかわります。

初期、中期、後期の3つに期間をわけて見てみましょう。

●妊娠初期(~15週)

つわりなどがあり、女性にとって負担が大きい時期です。性行為自体できないわけではありませんが、可能な限り避けたほうが良いでしょう。

もし性行為をするのであれば、まず胎児の経過が順調であること、異常を感じたらすぐにやめること、が絶対条件です。そして、体を冷やさないようにすること、感染症の予防のために避妊具を使用することが大切です。

●妊娠中期(16~27週)

安定期に入り、女性自身の性的欲求も増してくる(元通りになる)時期です。でも、気分が乗っているからといって無理は禁物。お腹の中に赤ちゃんがいることを忘れずに。

おなかは大きく見えなくても、子宮は大きくなってきています。おなかを圧迫するような行為はしないようにします。また、膣の中は妊娠したことで敏感になっていますので、激しく動くと膣内を傷つけてしまいます。様子を見ながら、ゆっくり行う必要があります。

また、妊娠中の性行為に避妊具は必須。男性からするとなんで?と思うかもしれませんが、男性の射精時に放出する精液には、プラスタグランジンという早産の原因となる物質が含まれているそうです。この物質は、子宮収縮作用もあるそうで、お腹の張りや痛みを引き起こすこともあるそう。

母体にも胎児にも負担をかけないということでも、避妊具は欠かせないアイテムです。

●妊娠後期(28~40週)

できるだけ短時間で行うのがポイントです。長時間になると体の冷えからお腹の張りを引き起こしてしまうためです。また、乳首への刺激によってもお腹が張るそうです。お腹が張って辛くなってきたり、その他の異常がみられたときには中止してください。

また、妊娠後期の母体は様々なトラブルを抱えているもの。夫婦で相談して、無理のかからない頻度で行うことが重要です。

行う場合は、お腹の圧迫や子宮口を直接刺激しないことが重要。体位などを意識して、負担にならない体勢で行いましょう。

どの時期においても、最優先は母体である女性の体調。無理な性行為は胎内の胎児にも影響を及ぼすかもしれません。お互いに相談して、性行為の途中でも中断することが必要なのです。

臨月とは?

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さて、今回のテーマである『お迎え棒』は、臨月時の性行為をさす、ということは、先にお話ししました。でも臨月ってなに?という方のために、まずは臨月についてご説明します。

臨月とは、週数36~40週のことをいいます。最後の生理が始まった日を0週0日として、40週0日を出産予定日といいます。その最後の4週間、1か月間をさして臨月というのです。

赤ちゃんを産むのに適した期間に出産することを正期産といい、これは37週〜41週6日までの期間を指します。臨月と若干ずれるというのがポイント。

この期間より早いと早産、遅いと過期産といい、母体や赤ちゃんに影響が出るといわれています。

特に、過期産になると赤ちゃんがお腹の中で育ちすぎて難産になるといわれていて(実際は違う場合もあります)それを避けるため、お迎え棒で陣痛を促進しようということのようです。

ただし、お迎え棒自体に医学的根拠はなく、一種のジンクスであるといわれています。

お迎え棒の方法

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ほぼ、妊娠後期の性行為と同じです。

避妊具が必須なのは共通です。中には、精液に含まれるプラスタグランジンが陣痛を促すから避妊具はつけないほうがいい!という情報があるようですが、必ず避妊具はつけましょう。

先にお伝えしたように、お腹の張りなどを引き起こすこともそうですが(これが効果的だという人もいるようですが)、これも同じく精液に含まれる細菌に感染する可能性があります。

妊娠中の子宮内は抵抗力が落ちていて、感染しやすい状態です。感染してしまうと、陣痛より先に破水が起きてしまい、赤ちゃんへの感染も懸念されます。避妊具は絶対することです。

また、抵抗力の低下ということで、入浴は必須です。これも、細菌から身を守るため、お互いに身体を清潔にして行うのが大切です。シーツなどの寝具も、清潔なものを使用してください。

挿入は浅く、優しく。女性の体調を最優先して、途中でお腹が張ったり気分が悪くなってきたらやめてください。

こんなときはしちゃダメ!

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女性がこんな状態のときには、お迎え棒を控えてください。

●37週を迎える前にお迎え棒をする

先にお伝えしたように、臨月と正期産の期間には若干ずれがあります。臨月に入って、すぐにお迎え棒で陣痛を促し、出産してしまうと早産となります。

胎内の赤ちゃんの成長過程では、最後に呼吸器系が発達してくるそう。早産になると、その発達が充分にされていない可能性があります。

あわてず騒がず、正期産の時期にするようにしましょう。

●出血がある

出血には、様々な原因が考えられますので、なるべく早く病院で診てもらいましょう。

問題ない出血といわれた場合でも、出血のあるときは行為を控えるようにしてください。

●破水している場合

そもそも破水とはなにかというと、胎児を包んでいる羊膜が破れて羊水が出てくることをいいます。

胎児は、羊膜に守られて無菌状態になっているのですが、膜が破けることで細菌に感染するリスクが上がりますので、行為をすべきではありません。

●妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の場合

妊娠中に高血圧や尿蛋白が見られる病気です。ひどくなると早産や新生児仮死、低出生体重児などが起こります。

妊娠高血圧症候群の人は、安静時でも血圧が高いので、性行為をするとさらに血圧が上がってしまいます。医師から了承が出たら行うようにしましょう。

●体調不良の場合

出産は体力勝負です。出産に関連することでなく、風邪などでも、体の調子が悪いと思ったら、性行為よりも体調を整えることを優先してください。

●医師から止められている場合

帝王切開の予定をしている人の場合など、陣痛が起こると困る場合もあります。

そのようなときは、お迎え棒をしてはいけません。その他の理由でも、医師から止められているときは、指示に従いましょう。

こんなときどうする?

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お迎え棒をした後、からだに異変が…。これって大丈夫?という症状についてまとめました。

●出血がある

おしるしの場合もありますが、初産では異常なのかどうか、判断がつかないと思います。

出血量も個人差があり、生理時のようにたくさん出る方もいれば、下着にちょっとつく程度という方もいます。

不安に思ったら、すぐに病院へ行きましょう。

●お腹が張る、痛みがある

張ること自体は臨月期にはよくあることですが、痛みを伴う場合には、陣痛と前駆陣痛が考えられます。前駆陣痛の場合はすぐさま出産、とはなりません。

前駆陣痛は痛みや間隔が不規則であるのに対して、陣痛は規則的な間隔で、徐々に痛みが増してきます。

まずは、前駆陣痛か陣痛か、様子を見てみてください。

●胎動を感じない

1時間以上、胎動を感じない場合は病院へ相談に行きましょう。

お腹の中で寝ていたり、大きくなって動きにくいということはありますが、全く胎動が無くなるわけではありません。お迎え棒のあとは、胎内の赤ちゃんの様子を気にしてみてください。

まとめ

どうだったでしょうか?妊娠中の性行為、臨月期のお迎え棒について、まとめてみました。

夫婦の愛の結晶、赤ちゃん。生まれてくるのが待ち遠しいですよね。

でも、何事もやりすぎは禁物。一番は母体と胎内の赤ちゃんのことを考えることが大切です。決して男性本位の性行為をしてはいけません。

夫婦で性コミュニケーションについて理解を深め、約10ヶ月間、赤ちゃんに会えるのを心待ちにしてくださいね。

  

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