子どもが一度はかかる病気として、突発性発疹、おたふくかぜ、水疱瘡(みすぼうそう)などがあります。
その子によって、お熱や湿疹などの症状の出方はさまざまで家庭での判断は難しいものです。いつもと、ちょっと様子が違うな・・・と感じたら全身状態、食欲、機嫌などをよく観察し、お医者さんに診てもらうことをおすすめします。
ここでは、水疱瘡についてや、かかった時の生活の仕方をご紹介します。
水疱瘡ってどんな病気?
まずは水疱瘡について知っておきましょう。
水疱瘡とは?
水疱瘡とは「水痘・帯状疱疹ウィルス」というヘルペスウィルスの仲間によるとても感染力が強い病気です。季節的には毎年12~7月に、年齢的には4~5才ごろをピークに10才までには約9割の子がかかると言われています。保育園などで集団生活をおくる場合、まだ予防接種ができない0才児であっても感染することがありますので注意をしておきましょう。
潜伏期間は2週間程度(10~21日)と言われています。潜伏期間であっても感染力はあります。
一度かかると抗体ができ、二度とかからないと言われていますが、希に一度目がごく軽症で済んだ場合、抗体が弱く二度かかることもあります。
水疱瘡はどうして感染るの?
主に咳やくしゃみなどによる飛沫感染(空気感染)や、発疹のなかの液での接触感染が考えられます。
感染力がとても強いので、流行期の集団生活には十分気をつけて、換気や手洗いうがいに努めましょう。
水疱瘡ではお熱が出るの?
一般的に水疱瘡での発熱はあまり高熱にはならないと言われています。出ても39度前後のお熱が2~3日程度でおさまることが多いようですが、なかには40度を超えるお熱が出る子もいるようです。
水疱瘡ではお熱とほぼ同時期に発疹が出ることが多いので、お熱が出たら全身状態の確認をしてみましょう。
なかには、お熱の出ない子もいますので、まだ一度も水疱瘡にかかっていない子で発疹が見られたときは注意して観察しましょう。
発疹はいつ?どのようにでるの?
水疱瘡の発疹はお熱と同時に出るのが特徴です。
全身に虫さされのような、直径3~5ミリ程度の盛り上がった紅い発疹が出現します。始めは1~2個ですが、短時間で胸やお腹、背中など全身に広がります。
かゆみがとてもつ強く、不機嫌になる子が多いです。
病院へ行くタイミングは?
子どもはよくお熱を出すものです。一日でケロッと元気になることもあれば、お熱があっても食欲もあって元気があることもあります。食欲もなくぐったりしているときは脱水等の心配もあるので、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。
水疱瘡の場合は、感染力が非常に強く、感染の拡大が心配され、登園や登校が禁止になります。発熱だけでは判断は難しいですが、発疹が見られたら水疱瘡の可能性を考え病院受診しましょう。
予防接種はできるの?
以前は任意接種だった水ぼうそうも平成24年10月から無料の定期接種になりました。
1才になったらすぐに接種できます。一回目の接種後3ヶ月以上、間をあけて二回目の接種をして完了となります。
水疱瘡の発疹の経過
はじめは虫刺されのように紅く3~5ミリ程度に盛り上がった発疹です。一日程度で全身に拡がり、症状が出始めてから、数日内にその数は250~500個以上に達します。
赤い発疹は水ぶくれのようになり、やがて水ぶくれの中が白い膿に変わり膿疱に変わります。
その後、3日ほどしてかさぶたになり1週間程度かけて、治癒していきます。続々と現れる発疹の全てがかさぶたになったとき完治とみなします。
水疱瘡になったら気をつけたいこと
水ぼうそうは感染力が非常に強い感染症です。水ぼうそうにかかりやすい年齢の子は保育園・幼稚園・学校など集団生活を送っている子がほとんでです。
また、一緒に生活する兄弟でも感染しないようポイントを抑えておきましょう。感染しないように気をつけるだけでなく、他者にうつさないような気配りも大切ですね。
もし水疱瘡と診断されたら保育園・幼稚園・学校はどうする?
感染力が非常に強い水疱瘡は、集団感染拡大を避けるため登園・登校禁止です。
熱も下がり、発疹がすべてかさぶたになっても自己判断での登園・登校はやめましょう。しっかりお医者さんに診断してもらい完治したことを確認してから登園・登校しましょう。
子どもさんによっては皆勤賞を目指し、欠席したがらない子もいると思います。ですが、水疱瘡でのお休みは医師の診断があった場合、欠席扱いにはならないので、感染予防のためにもしっかり、休養をとり完治させましょう。
兄弟の中に水ぼうそうにかかっていない子がいたらどうする?
完全に隔離できれば良いのですが、水ぼうそうにかかりやすい年齢の子はひとりで寝ておくのは難しいですね。熱やかゆみで、機嫌も悪く、ママがそばにいないと不安になることでしょう。
飛沫感染もするので、可能であれば別々のお部屋で過ごしたいものです。同じお部屋で過ごす場合は、定期的な換気や空気清浄器などの使用や、マスク着用をおすすめします。
発疹のなかの液に触れることで接触感染もしますので、発疹を掻き壊してしまわないように爪を短くし、タオルなどの共用も避けましょう。一緒にお風呂に入ることは絶対にやめましょう。
ただし、すでに水疱瘡にかかっている子は心配いりません。
水疱瘡の時のお風呂は?
水疱瘡にかかったお子さんは、全身がブツブツで、かゆみも強くて見ていて本当にかわいそうです。お風呂で綺麗に洗って、さっぱりさせてあげたいものです。しかし、水疱瘡のときの入浴はおすすめできません。
どうしてお風呂に入ったらいけないの?
水疱瘡はかゆみがとっても強いものです。お熱がさがったらお風呂で清潔にしてあげたいところですが、湯船につかってからだが温まると血行が良くなりかゆみが助長されます。
そうすると、発疹を掻き壊してしまい二次感染を起こしたり、ひどく跡が残っていしまうことがあります。清潔にしてあげたいところですが、入浴はすべての発疹がかさぶたになるまで待ちましょう。
汗ばむ季節はどうしたらいい?
暑くなると、じっとしていても汗をかくものです。特に子どもは汗っかきなので少しでもさっぱりさせてあげたいですね。
そんなときは、蒸しタオルでやさしく体や頭を拭いてあげましょう。強く擦って発疹を潰してしまわないように気をつけてください。
いつになったらお風呂に入れるの?
お医者さんから完治の診断を頂いたら入浴可能になります。発疹の状態としては、すべての発疹がかさぶたになり、軽く触れただけでぽろぽろ落ちるような状態です。
始めは、肌への負担を避けるため、短い時間の入浴にとどめ、シャンプーや石鹸・ボディーソープなどはなるだけ使用しないか、低刺激のものにしましょう。
強く擦って、無理にかさぶたを剥ぐことのないように注意しましょう。
お風呂で感染ることがあるの?
完治していない状態で入浴すると、ウィルスが湯船に残り、接触感染する恐れがあります。感染力が非常に強いので、完全に治るまでは入浴は控えましょう。
まとめ
多くのお子さんがかかったことのある水ぼうそう、もしかかってしまっても、そんなに神経質になることはありませんが、希に重篤化することもあります。
もしも、水ぼうそうかな?と思われる症状があれば、早めにお医者さんに診てもらいましょう。病院を受診する場合は、電話などで事前に水ぼうそうの可能性があることを伝え、他者への感染防止への気配りもしたいものですね。
また、妊娠初期の妊婦がかかった場合、先天性水痘症候群の子どもを出産する可能性が高いといわれています。そういった点も、配慮しておきましょう。
感染しないように気をつけることも大切ですが、他者への感染拡大防止にも努めたいものですね。
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