完全無欠な人などいませんから、何をするにしても失敗やミスは発生します。社会人として仕事を進めていく中でも、失敗やミスをしてしまうことがあるでしょう。
とはいえ、そこで誰でも失敗やミスをするものと開き直ってしまっては、人としての信用や信頼は得られません。失敗やミスをしたときの対応や対処にこそ、ビジネスパーソンとしての引いては人としての本質的な信用力が問われます。
近年のビジネスシーンでは、仕事をする上で社内においても社外の取引先ともメールのやりとりが必要不可欠になっています。そのため、ビジネスメールにおける謝罪文やお詫びの書き方が非常に重要になってきます。しかし、ビジネスシーンにおいて、メールだけで謝罪やお詫びを済ますことは基本的にあり得ません。
そこで今回は、ビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本を説明した上で、謝罪メールやお詫びメールの書き方について、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
ビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本
ビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本的な方法について、自信を持って把握していると言えるでしょうか?
そこで、まずはビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本的な方法について、ご紹介したいと思います。
相手に直接口頭で謝るのが基本
ビジネスシーンだけに限りませんが、トラブルの謝罪やお詫びをする場合は基本的に相手に対して面と向かって直接口頭で行う必要があります。
というのも、顔と顔を合わせることで、言葉だけでなく表情や態度によっても謝罪やお詫びの気持ちや誠意が伝わるからです。コミュニケーションは言葉で行うものと思いがちですが、実はコミュニケーションにおける非言語的手段(表情・態度・身振り手振り・声音など)が占める割合は約70%にものぼるとされています。
ですから、信頼関係が特に重要視されるビジネスシーンにおいて謝罪やお詫びをする場合は、相手に対して面と向かって直接口頭で行うのが大原則となります。直接謝罪できないケースでは、少なくとも電話で謝罪やお詫びの気持ちを伝える必要があるでしょう。
口頭で謝った後に、メールで改めてお詫びする
このように直接あるいは電話で謝罪やお詫びをした上で、重ねてメールによる謝罪やお詫びをすることがビジネスシーンにおける一般的な謝罪方法だと言えるでしょう。
この点、直接または電話で謝罪やお詫びを伝えることなくメールだけで済まそうとしたり、直接または電話による口頭での謝罪とメールによる謝罪の順番が入れ替わることは、避けなければなりません。
その理由は、前述のように非言語的コミュニケーションを欠くとお詫びの気持ちや誠意が伝わりにくくなるからです。また、ビジネスメールは言葉だけのコミュニケーション手段ですから、どうしてもメールの受け手は冷たい印象を受けがちです。そして、その冷たい印象によって、謝罪メールの受け手の感情を逆撫でしてしまう可能性もあるからです。
ですから、ビジネスシーンにおいて謝罪やお詫びをする時は、口頭での謝罪の後に重ねてメールによる謝罪をする、という手順を守る必要があるのです。加えて、メールにおける謝罪やお詫びでは、お詫びの気持ちや誠意をしっかりと伝え、かつ、誤解や感情のもつれが生じないように文章表現には細心の注意を払う必要があるのです。
誠意ある対応かつスピード感のある対応
このような一連の口頭とメールによる謝罪やお詫びと並行して、あるいは謝罪やお詫びの後に、自分側の失敗やミスによって発生したトラブルをリカバリーする必要もあります。
例えば、納品した商品が不良品だったり運送中に商品破損していたケースでは、相手先からのクレーム連絡を受けた後にすぐ出向いて直接謝罪し、その際に代替商品を一緒に持参できればベストでしょう。そして、会社に戻り次第、改めてお詫びメールを送ります。
また、社内会議が予定されていた日時に間違ってお客様への訪問アポイントメントを入れてしまったケースでは、基本的にお客様の都合を優先しなければなりません。時間的余裕があれば上司や関係部署の参加メンバーに直接お詫びし、時間的余裕が無ければ電話で上司などに謝罪と報告をしてから客先を訪問し、帰社後に改めて口頭ないしメールでお詫びします。
いずれにしても、このような一連の口頭とメールによる謝罪やお詫びはスピード感と誠意のある対応が必要です。
謝罪メールやお詫びメールの書き方のポイント
それでは、このようなビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本的な方法を踏まえた上で、どのようなポイントに配慮して謝罪メールやお詫びメールを書けば良いのでしょうか?
そこで、謝罪メールやお詫びメールの書き方のポイントについて、ご紹介したいと思います。
トラブルの原因や経緯の説明
謝罪メールやお詫びメールにおいては、まずトラブルの原因や経緯について端的に説明することが求められます。
トラブルや問題が起こった経緯について簡単に説明することによって、相手方の高ぶった気持ちを少しでも静めます。また、トラブルや問題の原因や理由について触れることにより、相手方の疑問にも答えます。
ですから、謝罪メールやお詫びメールにおいては、自分側の失敗やミスであることを示すためにも、失敗やミスの原因や経緯を確認して説明する必要があるのです。
言い訳をしてはいけない
謝罪メールやお詫びメールにおいては、素直に自分側の非を認めて謝る姿勢が重要であり、言い訳をしないことが大切です。
もちろん、トラブルの原因が自分の失敗やミスだけでなく、不可抗力が加わったケースもあるでしょう。あるいは、トラブルの発生に関して相手方に多少の落ち度や過失があるケースもあるかもしれません。
しかしながら、トラブルの主たる原因が自分側の失敗やミスであるならば、潔く非を認めて謝る姿勢が必要です。というのも、トラブルが発生すれば、多くのケースで相手方は怒って感情的になっていますので、その状況で言い訳をすると火に油を注ぐことになりかねないからです。
ですから、謝罪メールやお詫びメールにおいては、無駄な言い訳をすることなく自分側の非を認めて反省の意をみせる必要があるのです。
トラブルへの対応策や改善策を示す
ビジネスシーンにおける謝罪やお詫びにおいては、同じようなトラブルが繰り返されることのないように対応策や改善策を示すことも非常に重要なポイントとなります。
トラブルが発生すれば、当然相手方は再びトラブルが発生するのではないかと疑心暗鬼になります。それゆえ、そのような相手方の疑念を早期に晴らしておかなければ、その後の取引や業務にも大きく影響を及ぼすでしょう。
ですから、謝罪メールやお詫びメールにおいては、トラブルの再発防止策などを示す必要があるのです。
メールの件名は謝罪・お詫びと分かるように
謝罪メールやお詫びメールを送る際は、そのメールの件名にも注意する必要があるでしょう。
そもそもビジネスメールでは、プロジェクト名などの簡潔で分かりやすい件名をつけるのがマナーです。これは謝罪メールやお詫びメールでも同様です。
ですから、相手方に一目で内容が分かるように、具体的な件名を付ける必要があるのです。
謝罪メール・お詫びメールの具体的な例文
それでは、このような謝罪メールやお詫びメールの書き方のポイントを踏まえて、いくつか謝罪メール・お詫びメールの具体的な例文を示してみたいと思います。
取引先に対する商品の納期が遅れたケース
・【件名】弊社商品△△の納期遅延のお詫び
・【本文】
〇〇株式会社〇〇部〇〇課〇〇様
平素より大変お世話になっております。
〇月〇日にご注文をいただきました商品△△につきまして、
納期が遅れることとなり誠に申し訳ございませんでした。
今回の遅れの原因は、当社の商品発送部署による手違いと確認不足でございました。
納期遅延により貴社業務に多大なご迷惑をかけてしまいましたことを
心よりお詫び申し上げます。
今後このようなことの無いように、社内での管理体制を見直し、
納期管理を徹底していく所存でございます。
何卒、ご容赦を賜りますようお願い申し上げます。
この度は、誠に申し訳ございませんでした。
・【署名】
株式会社□□
営業部営業1課□□
社内の上司から仕事上のミスを指摘されたケース
・【件名】見積書記載ミス修正の報告とお詫び
・【本文】
〇〇課長
先ほど電話にて簡単にお伝えしましたが、改めてメールにてご報告申し上げます。
昨日ご指摘いただいた見積書の記載ミスの件、大変申し訳ございませんでした。
商品単価と商品数に誤りがあったのが原因で、確認も不足していました。
誤った記載は全て修正済みで、再確認もいたしました。
今後同じようなミスの無いように、数値入力の確認と見直しを徹底いたします。
この度は大変申し訳ございませんでした。
・【署名】
営業部営業1課□□
まとめ
いかがでしたか?ビジネスシーンにおける謝罪やお詫びの基本を説明した上で、謝罪メールやお詫びメールの書き方について説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、近年のビジネスシーンでは仕事をする上で、社内においても社外の取引先ともメールのやりとりが必要不可欠になっており、ビジネスメールにおける謝罪文やお詫びの書き方が非常に重要になってきます。
しかし、ビジネスシーンにおいて、メールだけで謝罪やお詫びを済ますことは基本的にあり得ません。どれだけテクノロジーが発達しても、ビジネスは人と人が行うものです。それゆえ、トラブルが発生すれば直接謝罪して、改めてメールでお詫びをすべきなのです。トラブルの対応や対処にこそ、ビジネスパーソンとしての引いては人としての本質的な信用力が問われるのです。
本記事が謝罪の基本とお詫びメールの書き方について、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。
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