ピルを服用中、休薬期間なのに生理がこないととても不安に思うものです。生理がこない原因は?こんな時はどうしたらいいの?と、一人で心配してしまう方もきっと多いと思います。ですが、生理がこないからといって自己判断で対処を誤ると体に危険が生じる場合も…。
今回はピルと生理の関係に加えて、服用中に生理がこない場合に考えられる原因についてまとめました。不安になった際の正しい対処法についてもあわせてご紹介します。
自分の体に発生している原因を明らかにして、安心するともに正しく対処していきましょう。
生理がこない!どうして?
ピルには7日間の休薬期間があり、通常はその間に生理がきます。ですがピル服用中の生理は通常のものと異なるため、生理の現れ方にも変化が生じます。
休薬期間なのに生理がこない!と慌てる前に、まずピルと生理の関係について正しく知ることが大切です。生理がこない原因とピルとの関係についてまとめました。
ピルと生理の関係
ピルには、中容量ピル・低容量ピル・超低容量ピルなどさまざまな種類があります。避妊が目的で飲む方もいれば、子宮内膜症や月経困難症などの治療のために服用する方もいます。
服用の目的は違っても飲み方は一緒で、21日間ピルを飲み、7日間休薬期間をとります。休薬期間には服用を休むか何も入っていない偽薬を飲み、通常であればこの間に生理が来ます。
しかし、ピルを服用している際の生理は「消退出血」と呼ばれ、普通の生理とは異なります。
ピルを飲むと妊娠した時と同じ状況が体内に作られ、女性ホルモンの量を調節するため、排卵が抑えられます。そのため服用中には子宮内膜が通常時ほど厚くなりません。そうして経血量が減り、余分な子宮内膜が剥がれる「消退出血」のみとなります。
これらが理由で血の色が薄くなる・出血の量が減る・期間が短くなるなどの現象が起きます。また、出血自体がない場合もあります。
生理がこない原因は?
生理が来なくなってしまう原因は様々です、一般的に考えられる原因にはどの様なものがあるのかを紹介します。
①生理がとんでしまった
ピルの服用中には、排卵を抑える効果が働いているため当然生理が軽くなります。生理期間や出血量などが通常時と異なっていても問題はありません。それに加えて生理自体がこないこともあるのです。これは「生理がとぶ」と呼ばれることがあります。
ピルを正しく服用していれば時々生理がとんだとしても問題はありません。例えば閉経の近い女性の生理は毎月規則正しくこなくなりますが、これも排卵回数が減ったために起こる現象です。こうした自然な現象と同じ原理ですので、安心して大丈夫です。
②すり抜け排卵による妊娠
ピルを正しく服用すれば、排卵日になっても排卵が発生しないのでほぼ確実に避妊することができます。正しく使用している場合の避妊効果は99%を超えています。
これは卵胞ホルモンと黄体ホルモンのホルモンバランスにより排卵が抑えられているためです。
ですが、ピルの服用方法を間違えると排卵が起こってしまうことがあり、これを「すり抜け排卵」と呼びます。これがピル服用中でも妊娠につながる原因とされています。
ではなぜこうした現象が起きてしまうのでしょうか?
・サンデースタートピルによるケース
生理が始まった最初の日曜に服用を開始するピルのことを、サンデースタートピルと呼びます。
月経が週末に重なりにくくなると同時に、毎週期の始まりが常に日曜になるため覚えやすく飲み間違いを防げるというのが利点とされています。ただし、最初の1週間は他の避妊方法と併用しなくてはなりません。
ピルは生理の初日(生理開始から24時間以内)に服用すればほぼ100%排卵を抑制できます。しかし、2日目以降の場合ですとそれも確実とは言えなくなってしまいます。
サンデースタートピルの場合、たった数日違うだけでも卵子が育つのを止めきれず、排卵が起こってしまう可能性があります。
・ピルの飲み忘れによるケース
ピルを飲み忘れた場合、その後の経過時間などによりしっかりとした対処を行えば心配しなくても大丈夫です。しかし24時間以上経過してしまった場合には、体内で排卵の準備が始まっている可能性が高くなります。
飲み忘れた!と気づいた時、24時間以上経っている場合は後から服用することは避けましょう。体内で排卵の準備が始まっていた場合、妊娠する危険性があります。ピルを飲み忘れた時の対処方法は、ピルを飲み忘れた時の対処方法は?効果や副作用も紹介!を読んでおきましょう。
・ピルの効能がうまく体内に吸収されなかったケース
体内にピルが十分吸収されなければ排卵を抑える効果も弱まってしまいます。そうしたことが原因で起こるすり抜け排卵の可能性もあります。
ピルを服用した後、4時間以内に激しい嘔吐が見られたり、下痢になったりした場合はこのケースを疑いましょう。
ピルを服用していてもコンドームを使用したほうが良い?
ピルは、服用することでホルモンバランスが調整され、本来であれば卵巣から排出されるはずの卵子が放出されない状態で生理(月経)を迎えます。
排卵が起こらないということは、もし精子が膣内に存在していても卵子に受精する事が出来ないので受精卵が誕生せずに、着床も起こらず、時間経過とともに精子は膣外に放出されたり死滅してしまうので妊娠は起こりませんし、危険日(妊娠しやすい日)もありません。
実際に正しくピルを使用している場合の避妊効果は99%なので、ほぼ確実に避妊することが出来ます。
しかしコンドームは避妊だけでなく性病の予防にめにも使用すべきな道具でもあります。特に特定のパートナー以外との性行為を行う場合には必ず使用したほうが良いものになります。
生理がこなくて心配…こんな時はどうすればいい?
生理がこないからといって焦って自分の判断に頼ってしまうのはとても危険です。殆どの女性で1週間程度の生理の遅れを1度は感じたことはあることでしょう。しかし、直近に性行為を行ったなどの経緯がある場合は特に緊張感や不安感が高まると思います。
いざという時のために以下を参考にし、正しく対処するようにして下さい。
焦らないことが大事。まずは落ち着こう
休薬期間中に生理がこないと、焦ってしまい過度に不安になる方も多いと思います。
ですが先ほどご紹介したように、ピルを正しく服用していれば生理がとぶことがあったとしても心配はありません。まず落ち着いて状況を確認し、正しく対処しましょう。
絶対に自己判断で飲み方を変えてはダメ
生理がこなくて不安…と勝手にピルの服用を中止したり、飲み方を変えて休薬期間を延ばしたりしてはいけません。
特に避妊目的でピルを飲んでいる方は、正しい服用をしなければ避妊の効果を得られなくなることがあるため注意してください。
不安になりすぎないように注意
過剰に心配をすると脳が女性ホルモンに影響を与えてしまい、もっと生理が遅れてしまう可能性があります。
生理とストレスには大きな関係があるため、あまり不安になりすぎないようにしましょう。どうしても不安だという場合には医師に相談して下さい。
医療機関に相談する
通常1回くらいなら生理がとんでも問題はありません。しかし2回以上続けてこない場合、他に異常が見られる場合などは、ピルを処方してくれている産婦人科やレディースクリニックに行き相談してみましょう。
現在使用しているピルなどを一緒に持参して、服用回数や服用している時間、その他症状や最後に生理を迎えた日などをメモして行くと良いでしょう。
どれくらい生理が遅れてると病院に行くべき?
1週間〜10日程度の生理の遅れであればおそらく殆どの女性が1度は経験する体験だと思います。ホルモンバランスの乱れや、ピルの服用時間のズレなどでこの様な問題が発生する可能性はあります。
しかし2週間ん以上予定日を過ぎても生理が遅れている場合は婦人科を受診し、きちんと専門家の先生に見てもらいましょう。
また3ヶ月以上生理が発生していない状態のことを無月経といい、生理が長期間発生していないと、子宮や卵巣の機能が著しく低下し、萎縮してしまい、不妊症などの問題に繋がってしまう可能性もあります。
大きくホルモンバランスなども乱れてしまい下腹部痛やイライラなどが発生しやすくなります。これらの症状につながってしまわないようにしっかり専門家のもとで検査と治療を行ってください。
妊娠検査薬を使用する
もし仮に妊娠していたとしたら、今後の人生設計などが大きく変わってしまう大きな事象でありしっかり向き合って考えなくてはいけません。
考えることから逃げても何も変わりません。まずは可能性がある場合、妊娠検査薬などを使用して冷静に事態を把握する必要があります。
市販の妊娠検査薬を使用する場合、生理予定日の1週間〜10日後には反応が可能で、商品によっては生理予定日に使用しても判断できる物もあります。
これらの検査薬を使用して妊娠の有無を確認しておきましょう。もし検査薬を使用しなくても1週間後に胸の痛みが発生したり、1ヶ月付近でつわりの症状が出始めます。
一人で抱え込まずにしっかり周囲に相談して対処していきましょう。
生理がこない!と焦らないために
いざという時慌てなくてすむように、服用方法を守り、ピルと正しく付き合うことが大切です。ピルを服用する際に守るべきポイントをまとめました。
生理が来ない問題が発生しないために出来る予防方法でもありますので、以下のことを守って問題につながらないようにしましょう。
ピルはきちんと病院で処方してもらおう
最近ではインターネットや海外からピルを購入し使用する方も増えています。ですが、ピルを誤って使用すると体のホルモンバランスが崩れ、副作用が起こる可能性が高まります。
自分の判断で購入し、誤った服用をすると重大な病気につながることも。いざ生理がこなくて心配になってしまった時のためにも、ピルは医療機関で正しく処方してもらうようにしましょう。
診察料や検査費用などは別途必要ですが、ピル自体の価格はそれほど変わりはありません。子宮内膜症や月経困難症など、治療が目的の場合には保険も適用されます。
もし今現在個人でピルを購入しているという場合であっても、不安に思うことがあればすぐに病院を受診しましょう。
飲み忘れには注意しよう!
ピルは毎日しっかり飲むことで体調を管理できます。使用の際には「飲み忘れないこと」を原則としましょう。
飲み始めの方や、服用に慣れてきて「あれ、今日飲んだっけ?」と曖昧になってしまう方、毎日慌ただしく生活をしている方などは要注意です。
飲み忘れを防止するために、以下の方法を参考にしてみて下さい。
・今までの習慣にプラスする
毎日絶対に行うことに「ピルの服用」をプラスして日々の習慣にしましょう。歯磨きや洗顔、化粧などで洗面所に毎日行くという方は、洗面台にピルを置いておくと忘れにくくなります。
毎日食べるものや飲むものがある場合はそれと一緒に置いておくのも良いですね。サプリメントなどを飲んでいる方は、その横にピルのケースを置くと毎日ピルに目が向きます。飲むための水を用意するタイミングでピルの服用も一緒に済ませることができるのも便利です。
「洗顔が終わったら飲む」「これを食べたら飲む」など、日々の行動に紐付けるようにしてみて下さい。
・ピルを飲んだ記録をつける
ピルを飲んだ後、カレンダーやスケジュール帳などに記録する癖をつけておくのも良いでしょう。簡単に行え、目に見えて記録を確認することができるので「飲み忘れたかも?」と不安に思うことがなくなります。シートに直接飲んだ日の日付を書いても構いません。
・アラームをセットしておく
ピルを飲む時刻にアラームをセットしておくのも飲み忘れ防止に効果的です。スマートフォンなどで同じ時刻に鳴るよう登録しておくと毎日の手間も省けますね。カレンダーのアラーム機能を使用すれば服用スケジュールの管理もできて一石二鳥です。
アラーム音が鳴ると同時に「薬」「ピル」などと表示されるように設定すればハッと思い出させてくれます。
・お気に入りのピルケースを使う
可愛いもの、好きな色のものにピルを入れておくと毎日自然と目が向きます。好きなお店やブランドでお気に入りのピルケースを見つけるのも楽しそうです。
・鞄やポーチの中にも入れておく
急に外泊しなくてはならなくなった、急に家に帰れなくなった…といった場合でも困らないように、鞄の中にもピルを入れておくと便利です。鞄やポーチの内側のポケットなど、決まった場所に入れておくと焦って探す必要もなく安心です。
・休薬期間であっても気を緩めないようにする
休薬期間中にピルへの意識が低くなってしまい、そのまま忘れてしまう方も多いようです。スケジュール管理をしてしっかり服用日を守るようにしましょう。
カレンダーやスケジュール帳を活用したり、アラーム機能を使い服用開始日に知らせてくれるようセットしておくと忘れにくくなります。
・生活習慣を整えよう
生理の遅れはダイエットや過度なストレスなどの影響によるホルモンバランスの乱れでも発生しやすくなります。特に体型を気にしてダイエットを過度に行うことやストレスを感じやすいという項目に当てはまるのが女性でもありますので、注意しなくてはいけません。
睡眠不足、過度なダイエット、食生活、ストレス、過労、などの項目で問題が発生しないようにしっかりバランスを取って体調を崩さないように意識しましょう。
まとめ
いかがでしたか?ピルと生理の関係、生理がこない場合に考えられる原因、その対処法についてご紹介しました。
生理がこないという場合でも、ピルを正しく服用していれば心配はありません。服用中に生理がとぶのは健康な体にも起こることなのであまり心配しすぎないようにして下さいね。2回続けて生理がこない、他に体に異常がある、どうしても不安が拭えない…といった場合は医療機関にかかり、医師に相談するようにして下さい。
日頃からピルの服用方法を正しく守り、毎日の習慣にしましょう。
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