自分らしさを主張することが当たり前になりつつある時代ですが、そもそも「自分らしさ」とは何でしょうか?
身勝手な行動を取ることや、主張を曲げないことが自分らしさ、というわけではありませんよね。本当の自分らしさを見つけるには、一体何が必要なのか?自分らしさと身勝手さをはき違えないためにも、正しい認識を理解することが大切です。
それでは、これからの人生を自分らしく過ごしていくために必要なことについて、見ていきましょう。
自分らしさを見つけるコツ
自分らしさというのは、普段なかなか意識していないものかも知れません。特に日本人は、人と合わせ、他人と同じようにすることに価値観を見出してきました。最近は、自分の主義主張を誇示する人が社会全体でも増えてきたように感じますが、それでも、多くの場面では、大半の人が人と足並みを揃えることを常識だと感じていますよね。
また、多くの人がブログやSNSで自分の考えを主張していますが、時に行きすぎた主張は炎上騒ぎにつながったり、SNSで問題になったりしています。昔よりもインターネット環境が整い、立場に関わらず、誰でも気軽に自分の意見を言えるようになりました。
顔が見えないという、匿名性の高いネット上だからこそ、主義主張が過激になってしまうということもあるでしょうが、そもそも、自分らしさを表現することと身勝手であることの区別が曖昧になっていることも、問題の一つでしょう。
今や生活の一部にもなっているSNSなどのインターネット社会は、人と人との関係性が希薄になりやすく、生身の人間関係を結べないために、問題点も多いのが現状です。もちろん、自分の考えや気持ちを相手に伝えることは大切ですが、それと常識、考えるべき最低限のルールを守らないこととは別です。それでは、自分らしさとは一体何なのでしょうか?
主観的「らしさ」と客観的「らしさ」
自分らしさを考える時に重要なことは、主観的な「らしさ」と客観的な「らしさ」です。どちらがかけても、自分らしさをきちんと知ることにはなりません。
ポイントは、自分で思う「らしさ」と、他人が思う「らしさ」は異なる、という点です。たとえば、自分では「内気で人見知り」だと思っていても、他人からは「社交的で人なつこい」と思われているかも知れないのです。芸能人でも、話し上手で明るいと思っていた人が実は人見知りだった、というようなことがありますよね。人は見た目によりませんし、必ずしも自分が思っている通りに周囲が見ているとは限らないのです。
もちろん、そうしたズレが悩みの元になることもありますが、仕事の上では上手く活かすことで武器にもなります。自分は内向的だと思っている人が、「社交的で世渡り上手」だという理由で仕事を振られとします。こうした時は、自分に合わない仕事が来たと悩むのではなく、望まれたキャラクターを演じてしまうのも方法の1つですよ。少なくとも、あなたに仕事を振ってきた人からは、そのようなキャラクターとして映っているわけですから。
仕事をする上では、それが本来の自分と違っていたとしても、ある程度は演じてしまった方が上手く行くことがあります。むしろ、求められているキャラクターを演じることを楽しんでしまった方が、物事が上手く行きますし、仕事も任せてもらえるしと、よいこと尽くめなのではないでしょうか?
思いがけない仕事を任された時は、身を引くのではなく、なぜ自分が選ばれたのか、その理由を探ってみると、自分らしさを発見するヒントがあるかも知れません。自分では向いていないと思っていることも、他人から見たら向いていることもあります。主観だけに頼っていると、実はあなたが持っている隠れた魅力や能力を見落としてしまうかも知れません。時には人の意見にも耳を傾けて、知られざる自分を発見してみるのも楽しいものです。
短所から長所を見つける
短所は長所と言いますが、自分にとっての短所と向き合うことで、気付いていなかった長所を見つけることができるかも知れません。たとえば、人見知りな性格が短所だと思っている人は、初対面の人に対してすぐに自分を出すことができず、相手の表情を観察したり、機嫌を見たり、言葉の端々に注目したりと、洞察力の高さがうかがえます。
また、人見知りな人は自分からぐいぐい行けないので、誠実なイメージを持たれることもあるでしょう。自分では人見知りで上手く話せず、嫌だと感じていても、周りから見れば、意外と長所であることもあるのです。自分の短所と向き合い、これまで気付かなかった長所を発掘してみましょう。
見た目で自分らしさを演出
また、自分らしさは意図的に作ることもできます。
ファッション編
たとえば、奇抜なファッションで有名なレディー・ガガは、派手なパフォーマンスはもちろんのこと、常識という枠に捕らわれない独創的なファッションで世の中を沸かせてきました。
プロとして大きな成功を収めたガガだからこそ心に響く数々の言葉を残していますが、彼女自身、子供の頃は拒食症と過食症を患ったり、その創造性や感覚のズレからイジメに遭ったりと、壮絶な人生を送ってきたようです。しかし、それでも自分のやりたいことを貫き通し、自分の夢を叶えた彼女の生き方には、かっこよさを感じますよね。
もちろん、誰もが彼女のような人生を歩めるわけではありませんし、奇抜なファッションをする必要性はないと言えるでしょう。しかし、メイクやファッションなど、見た目でぱっと分かる個性を出しておくことも、自分らしさを出す方法の1つです。
新しい服を買ったり、髪を染めたり、メイクを変えたりする時、ついつい周りの人たちの反応や評価を気にしていませんか?友達や気になっている人、会社の同僚などから変に思われないか・・・気になる気持ちは分かります。しかし、誰かの目を気にしたファッションでは、自分らしさは発揮できません。思い切って、自分の好きな色や好きなものに素直になりましょう。今まで違う自分を出せた時、新たな魅力が開花するかも知れません。
口調編
口調というのも、その人らしさが現れる部分ですよね。大きな声で話すのか、小さな声で話すのか、ぼそぼそ話すのか、はきはき話すのか、これだけでも印象が大きく変わります。実際のところ、伝えたいことがきちんと相手に伝わる割合は50%だと言われています。人間というのは、意外と人の話を聞いていないものですし、きちんと聞いてもらうためには、聞き手の注意を引く工夫も必要です。
優しい口調で話せば、相手に柔らかい印象を与えつつ、大切な情報を丁寧に伝えることができますし、声が小さくてもゆっくり丁寧に話せば、内容は伝わりますし誠実な印象を与えます。声が大きな人は、場所にもよりますが、大きな声ではきはき話せば、自分らしさが十分に伝わることでしょう。
何より、相手に伝えたいメッセージがきちんと届きます。自分らしさのアピールと情報伝達という、2つのポイントを押さえることができますよ。
なりたい自分を想像する
自分らしさというと、今の状態、ありのままの自分を出すことだと勘違いしている人もいるでしょう。しかし自分らしさというのは、ありのままの自分だけではありません。
もしも尊敬できる人がいたり、理想像などがあったりするのなら、なりたい自分を目指すことで、自分らしさを見つけられることもあります。人からどう思われたいか?そんなことを考えてみることも大切です。
他人と比べない
多くの人が自分らしさを見失ってしまう原因に、他人との比較があります。人と比べることは、成長するために必要なことではありますが、人のマネをしても、それは自分らしさではありませんし、それによって幸せになれるとも思えません。
むしろ、自分がしたいことや自分にしかできないことを探さないまま人生を生きてしまう人が幸せになれる可能性は、決して高くはないのではないでしょうか?大切なのは、自分にとって何が大切かを知ることです。
趣味から自分らしさを見つける
無趣味の人もいますが、多くの人は、何かしら趣味を持っていることが多いですよね。ギターなどの楽器や歌うこと、映画鑑賞や小説を書く、絵を描くなど、その内容は人によって様々です。
趣味は仕事ではないので制約も少ないですし、その人が好きでやっていることですから、らしさを表しやすいものでもあります。
自分の好きなものを大切にする
自分らしさが分からなくても、食べ物やファッション、音楽などの好みはあるでしょう。
そうした好みも、立派な自分らしさです。好きな作家やアーティストは誰ですか?好きな映画は何でしょうか?自分の好きなもの、関心の高いものから自分らしさを見つけることも、とても大切な方法です。
「自分らしさ」というものを深く考えすぎてしまうと、非常に難しいものに感じられるかも知れません。しかし、自分らしさとは、生まれ持った個性から引き出される自然なものなのです。もっとシンプルに考えて、好き、嫌いから、自分らしさを探してみてくださいね。
四角大輔さんの考える「自分らしさ」
日本とニュージーランドを行き来しながら仕事をしている四角大輔さんも、自分らしさについて興味深い話をされていました。レコード会社に15年務めたのち、念願だったニュージーランドへの移住を決めた四角さんは、ノマド的な生き方の先駆者のように言われていますが、本人としては単純に、いつかニュージーランドで森の生活をしたかっただけ、ということでした。
金銭面や社会的な問題により、移住を果たすまでに長い歳月を要しましたが、そんな四角さんの考える自分らしさは非常にシンプルです。彼曰く、「言語化不可能な衝動」こそ自分らしさなのです。つまり、心の叫びとも言える衝動に素直になることで、自分らしさに気付くことができる、ということですね。確かに、心からやりたいことをやっている時は、その人らしさが前面に現れ、無我夢中で向き合うことができますよね。
しかし、心の叫びに気付くためには、日常生活のノイズを消す必要がある、とも言っています。ノイズとは、いらないものやことです。物理的にいらないものは処分し、好きな音楽を聞いて、テレビやスマートフォンなど、外部からの余計な情報を入れないようにすることこそが、自分らしさを見つけるためには大切なのですね。
就活で言う「自分らしさ」とは?
就活では、面接やエントリーシートが欠かせませんよね。会社に所属してもらう以上、企業としても、その人がどんな人なのか、人間性を知る必要があります。
そして、面接やエントリーシートで必ず聞かれるのが、自分らしさです。大人になっても普段はあまり気にすることのない自分らしさですから、ましてや就活生は、いきなり聞かれても困ってしまいますよね。
自分らしさを知るには自己分析が欠かせない
自分らしさを聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。だからこそ、自己分析をして、自分というものを知っておく必要があるのです。自己分析によって自分らしさというものを知るポイントは、以下の3つです。
- 長所、得意なこと
- 短所、苦手なこと
- 人と違っている点
これらのポイントをそれぞれ10個ずつ挙げてみましょう。これによって自分を棚卸しして、客観的に分析することができるのです。なかなか見つからないと思っても、頑張って10個探してくださいね。
次に、家族や仲のよい友達に、以下の3つを聞いてみましょう。一緒にいる時間が長い人だからこそ、自分以上に知っていることもありますよ。
- 長所、よいところ
- 短所、嫌いなところ
- 面白いと思うところ
こちらは2つずつ挙げてもらいます。そう思った理由まで聞くと、より具体的に自分を棚卸しすることができますよ。
こうして、自分で見つけたことと、他人から教えてもらったことを突き合わせ、メモなどに書いてリスト化します。同じような内容のものは1つにまとめ、そうでないものは別にしておきましょう。自分で考えていたことと違ったものほど、自己分析に役立ちます。自分自身では気付いていなかった、新たな一面だからです。
リスト化したら、自分がそのような行動を取っている理由を考えてみましょう。そして、各項目に対するエピソードや経験を書き込んでいくと、自分だけの自己分析シートができます。これを元に話せば、他人と似たり寄ったりな内容にならず、オリジナルな自己PRができますよ。
自分らしさは経験ではない
ここで、よくある自分らしさのNG例をご紹介しましょう。失敗例から、企業が知りたがっている「自分らしさ」について見ていきます。とある学生は、自分らしさを聞かれて、これまで好きで取り組んできた音楽関連のことを書いたら、落とされたという話があります。
さて、これは何がいけなかったのでしょうか?この学生は、自分らしさとはなんぞやと考え、自分の棚卸しをしました。その結果、学生時代は音楽に関する活動に力を入れていたので、自分らしさだと思い、そのことを書いたのです。ここで気を付けなければいけないのは、「自分らしさ=経験」ではない、ということです。多くの就活生が自分らしさと聞かれて、自分の経験から「らしさ」を語ってしまうようですが、企業が求めている答えは経験ではありません。
企業は、毎日多くの就活生を相手にしていますから、エピソードはどうしても似たり寄ったりになりますよね。相手も人間ですから、どうしても似たような話では心に残りません。そこで、企業が聞きたいのは経験ではなく、その経験から何を学び、思い、感じたか、ということなのです。同じ経験をしていても、それを体験した人の数だけ、心模様があります。それは、その人だけのオリジナルで、大きな強みになりますよね。
ですから、もしも面接やエントリーシートで自分らしさを聞かれたら、間違っても経験は書かないようにしましょう。その経験を通した成長過程や、だから自分はこう感じた、こうしたい、という意思表示をしっかりすることが、採用への近道です。
企業は就活生1人ひとりのことをよく知りません。だからこそ、自発的に情報発信をして、自分を売り込んで行くことで、内定を引き寄せ、就活できちんと結果を残すことができるのです。成功を掴むためには、漠然と自分に向き合うのではなく、どうやって自分を掘り下げ、どんな風に売り込みたいのか、目標を明確にすることが欠かせません。
自分らしさ診断
ここで、自分には一体どんな「自分らしさ」があるのか診断するサイトがありましたので、ご紹介します。
自分がどんなタイプの人間なのか知ることで、新たな道が開けるかも知れません。簡単な診断ですから、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?自分らしさについてと、その磨き方について紹介してきましたが、自分らしさというものは非常にあいまいで、日常生活の中で埋もれてしまうことも多い物です。
対人関係や友達の関係など、関係性が少し変化するだけでも揺らいでしまうものかも知れません。しかし、自分らしさというものは確かにあって、それは好みだったり大切なものだったり、普段気がついていない無意識の中に隠れています。
人に合わせることも大切ですが、自分らしさをきちんと見つめ直して、もっと輝く自分に出会いたいものですね。
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