ナッツクラッカー症候群とは?症状・原因・治療法・検査法を知ろう!血尿に注意!

元気に毎日を過ごしているはずなのに、お手洗いに入って血尿がでたら驚いてしまいますね。

今日は、そんな血尿が出てしまう病気の一つであるナッツクラッカー症候群(ナットクラッカー症候群)について、お伝えいたします。

では、どんな病気なのか一緒に見ていきましょう。

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ナッツクラッカー症候群とは?

腎臓病 原因

この病気は、別名くるみ割り現象とも呼ばれています。ナッツクラッカー症候群とは、左側の腎臓から出血することによって、肉眼でも見える血尿が出る症状のことをいいます。

多くの場合には、子どもの頃~思春期前後に発症して、大人の場合には痩せている人によく見られます。

まず、左側の腎臓の静脈が上腸間膜動脈と腹部大動脈の間に挟まれることで、静脈の中の圧力が上昇してしまい血流が悪くなります。そして静脈の血流が悪くなるため、左側の腎臓の毛細血管にうっ血や出血を生じ、排尿時に赤い尿が出ます。

しかし、多くの場合は、ナッツクラッカー症候群は自然に治るといわれています。ここで、腎臓の構造について少し触れておきますね。

腎臓の血管の構造

右側の腎臓にある静脈は、下大静脈にすぐに合流するようになっていますが、左側の腎臓にある静脈は、下大静脈に合流するまでに上腸間膜動脈と腹部大動脈の間を通り抜けていくような構造になっています。

このため、左の腎臓に繋がっていく左腎静脈は、腹部大動脈と上腸間膜動脈に挟まれることがあり、このため静脈の内圧に異常が起こってしまい血尿がでてしまうのがナッツクラッカー症候群なのです。

血尿について

血尿とは、尿の中に赤血球が混ざった状態のことをいいます。

腎臓から作られる尿中に混ざった赤血球の度合いによって、多い時には目で見て分かるように赤い尿(肉眼的血尿といいます)となります。また反対に、少ないと見た目は正常の尿の色に見えますが実は、血液が混ざっているという尿潜血陽性(または顕微鏡的血尿)の状態になるのです。

肉眼的血尿になる割合としては、100mlの尿に対して0.1ml以上の血液が混入すると見た目が赤くなり、肉眼的血尿というようになります。

血尿については、血尿の原因は?ストレスや病気の可能性について!を参考にしてください!

遊走腎(ゆうそうじん)と腎下垂(じんかすい)

腎臓は動きやすい臓器なので、筋肉や脂肪が減ると下がりやすくなり、その結果、ナッツクラッカー症候群になることがあるようです。

特に女性は痩せていたり、妊娠出産等で筋肉が減ってしまうことがあので、予防の意味でも、普段から腹筋や背筋、腰回り等の筋肉を鍛えるようにすると良いでしょう。

遊走腎については、遊走腎とは?症状・原因・治療法・診断方法を紹介!を読んでおきましょう。

では、ナッツクラッカー症候群について、症状からご説明いたします。

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ナッツクラッカーの症状とは

くるみアレルギー

ナッツクラッカー症候群は、左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈の間に挟まれることで起こりますが、その様子を身体の横から見た時に「腎静脈がくるみのように挟まれて見える」ことから、ナッツクラッカーとの名前が付いているようです。

ナッツクラッカー症候群の症状

ピンク色~鮮血、またはコーラの様に色の濃い血尿が肉眼的な状態で出るので誰でも初めは驚くようです。

ナッツクラッカー症候群の場合には、たとえ発症しても、全身に痛みもなく、たいていの場合は無症状なのに血尿が出てしまうのですが、排尿痛もないことが特徴となります。

この病気は、特に痩せた人が発症しやすいとされているので、体重が増えると症状が治まるという考え方が主流のようです。(患者の割合でいうと、子ども~思春期前後の発症が多く、大人では痩せた人に多いようです)

しかし、症状が重くなってしまうと、腰痛や貧血、起立性蛋白尿、精巣静脈瘤、卵巣静脈瘤といったような血尿以外の症状が出るようになります。

ナッツクラッカー症候群が重症化した場合

ナッツクラッカーの症状が重症化してしまうと、次の病気を併発してしまうことがあります。

腰痛

腰痛といっても強さは千差万別ですが、人によっては起き上がれないほど激しい痛みに襲われることがあるようです。

起き上がれないほどの腰痛はつらいものですが、そのひどい腰痛の痛みに耐えていたり、腰や他の病気に対して不安になりすぎると、ストレスが増大してしまうので、腰痛が慢性化してしまうこともあります。

片腹部痛が起こる人もあります。

貧血

腎臓の毛細血管から起こっている出血のために、ひどくなると、貧血になることもあるのです。

赤血球には、酸素を体内の隅々まで送り届ける役割があるので、貧血が進むとしんどくなったり、立ちくらみがしたり、様々な不調が出てきてしまいます。

精巣または卵巣静脈瘤

静脈瘤は、血液が逆流して膨れたりするのですが、ナッツクラッカー症候群の場合にも精巣や卵巣に起こることがあります。

精巣静脈は、左腎静脈に流れ込んでいるので構造からいうと、男性だけでなく女性にも起こったりします。

心配なことは、精巣または卵巣静脈瘤が発症すると不妊になってしまう可能性があるということなのです。それを考えると、重症化させないことが何より大切になります。

起立性たんぱく尿

起立性たんぱく尿とは、長時間経ち続けたり、腰を曲げるなど運動した時などにたんぱく尿が出る病気のことです。

起立性のたんぱく尿は、子どものころに見られる症状ですが、ほとんどの場合は、大人になると自然に治ることが多いようです。

大量出血

泌尿器科の治療をする必要があり、逆行性に内視鏡を入れてよく見てから、硝酸銀や電気焼灼をして止血することがあります。

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ナッツクラッカー症候群の検査と診断

検査 レントゲン X線

ナッツクラッカー症候群の原因としては、左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈の間に挟まれてしまい血流が悪くなることですが、その時の位置関係がくるみ割りのようになって、左腎内圧が上昇することが原因となります。

このときの動脈圧は高いのに静脈圧が低くなってしまうので、腎静脈が押しつぶされていき、静脈内圧が上がるので左腎の毛細血管が損傷してしまい、血尿が起こります。

病院に行くときには、泌尿器科へ行きますがもし、手術が必要になると腎臓内科等に紹介されることがあります。

このようなナッツクラッカー症候群の検査としては、いくつかありますのでご紹介していきます。

腹部エコー

超音波では、副腎や腎静脈などを詳しく観察することで、血管や組織の広がりや腫れ、圧迫や狭窄など腎臓周辺の問題を詳細に調べることが出来ます。

長所としては、痛みもなく、迅速に症状の有無を診断することが出来ることになります。

内視鏡検査

内視鏡カメラでは直接、腎臓の動脈や静脈の状態についてエコーより詳細に確認することが出来ます。

また、腎臓がうっ血や出血する場合があるので、血管や組織などの損傷はないか等の全体的なチェックをすることも出来ます。

腎生検

腎生検には、超音波ガイドのもとで行う針生検と開放腎生検の2種類あります。

針生検

入院して病棟で行います。

  1. 超音波で腎臓に針を刺す一を決定します。
  2. 局所麻酔を皮膚の表面から腎臓の表面まで念入りに行います。
  3. 麻酔したところに生検針を刺して、腎臓の表面まで進めていきます。
  4. 息を吸って止めているうちに、腎組織を採取して針を抜きます。
  5. 圧迫止血を10分程度してから6~12時間の安静を必要とします。

開放腎生検

こちらは、手術室で全身麻酔の上、後腹膜腔にある腎臓を直接見ながら腎組織を採取する方法です。

腎臓の形態や、状態により、針生検が困難な場合に行われます。腎生検を受けるとナッツクラッカー症候群の症状や血尿に関する詳細の有無を診断することが出来ます。

どの検査も短い時間で出来るということもあり、このような検査を取り入れる医療機関も多くなっています。では、検査でナッツクラッカー症候群と診断された場合には、どのように治療をしていくのでしょうか。

次は、治療方法について見ていきますね。

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ナッツクラッカー症候群の治療方法

手術

基本的には、ナッツクラッカーの場合は治療をする必要がないとされています。

しかし、経過観察となっても、血尿がひどい場合には先に述べたように、泌尿器科にて内視鏡下での観察をしたり、硝酸銀や電気焼灼によって、止血しますが、それでも貧血がひどい場合には、貧血治療として手術をする必要も出てくるようです。

根本的な治療法としては、血管造影下での左腎静脈狭窄部に対して、ステント留置術をすることになります。

ステントというのは、拡張することができる網目状にできた小さな筒のことです。小さなバルーン(風船)に取り付けたステントを血管内に挿入して広げることで悪くなっていた血流を回復させるのです。

血尿が出る病気

ナッツクラッカー症候群の他に血尿が出てしまう病気には、次のようなものがあります。

  • 膀胱炎(膀胱が細菌感染して炎症を起こしています)
  • 膀胱がん(尿がたまる部分の癌です)
  • 尿道炎(尿の通り道の部分が炎症を起こしています)
  • 尿管がん(尿が通る管の部分の癌です)
  • 腎がん(腎臓の癌です)
  • 尿路結石(尿の通り道である管に石灰化した物が出来ています)
  • 遊走腎(痩せている人に多く、腎臓がしたに下がっています)

血尿というのは、眼で見て明らかにわかる「肉眼的血尿」と精密な検査などでわかる「顕微鏡的血尿」の2つがあります。

男性の場合には、特に年齢を重ねていくほど癌の可能性が高くなってきますので注意をしていきましょう。

どんな病気にしても、血尿が出るということは、身体が何らかの異常を知らせているサインだと受け止めて、血尿が続く場合には出来るだけ早く病院に受診するようにしましょう。

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まとめ

トイレ2

では、今日のまとめです。

  • ナッツクラッカー症候群は、自然と治ることが多い
  • 出血がひどい時には、貧血になることがある
  • 左側の腎臓の静脈が挟まれて出血するので血尿が出る
  • 精巣または卵巣静脈瘤になると不妊になってしまうことがある
  • 泌尿器科で検査をしてもらう
  • 貧血がひどくなると手術をすることがある

血尿を見てしまうと怖くなってしまいますが、落ち着いて様子をみるか、心配な時には、早めに検査を受けることが大切です。

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