寒くなると喉が痛くなる事が多いという方、風邪を引くといつも喉の痛みが酷く声もしゃがれるという方、あまりそれに危機感を感じていないかもしれませんが、何か大きな原因がある事も少なくありません。
この記事では唾を飲むだけで喉が痛い…という症状の原因、喉の痛みを緩和するための解決策、考えられる疾患について御紹介いたします。
唾を飲むだけで喉が痛い主な原因
唾を飲むだけで喉が痛い、主たる原因としては風邪やインフルエンザなどにより、喉の粘膜を守っている成分の働きが弱くなり、逆に風邪などの菌が体のさまざまな部位を傷つける事にあります。
喉の粘膜もこれによって、傷つけられ炎症を起こし、傷ついた部位が炎症反応となり、痛みを発生させます。この痛みは、水や痰を飲むだけでも激痛となる事があり、食事をするのも辛い状況の時もあるでしょう。
また、風邪をひいて咳をする事にも弊害があり、風邪の菌を体外に出そうと咳をする事で、余計に喉の粘膜を傷つけてしまう事が考えられるのです。
喉の痛みを緩和する方法
ではこれら喉の痛みが発症した場合、少しでも喉に負担をかけないような、喉の痛みを緩和する方法はあるでしょうか?まずは、自分たちにも出来る簡単な方法を御説明いたします。
うがいや歯磨きを念入りにする
うがいや歯磨きをし、口腔内を衛生的に保っておく事に効果があると言われています。何もしなかった場合に比べると、風邪の感染が通常の半分から10分の1程度に減ったという結果まで報告されており、インフルエンザの予防にも少なからず効果があるそうです。
うがいについては、塩うがいが特におすすめです。特に高い塩を買いにいく必要もなく、どこのご家庭にもある塩を、コップ一杯の水にひとつまみ加え、うがいをします。塩には、抗菌作用・脱水作用があるため、塩水でうがいをする事で、口腔内の菌を退治し、洗い流す効果が期待できるのです。これは既にひいてしまった風邪に対しても効果的で、炎症部分にある細菌を退治し、炎症が緩和される効果があるのです。
歯磨きについても、うがいと同様の要領で口の中を清潔に保ちます。口の粘膜は、細菌を簡単に寄せ付けないよう、タンパク質の膜で防御しているのですが、これを正常に働かせるために歯磨きをするのがとても大切だと言われています。歯磨きをする際は、舌の上にも多くの細菌がいるため、歯だけでなく舌まで磨きます。しかし、あまりゴシゴシ磨きすぎるのも良くないため、優しく磨くよう心がけましょう。
マスクをする
風邪をひいてしまった時にするマスクは何でも良い訳ではなく、少々お高くても機能性が良いものを購入する事をおすすめします。なぜならば安いマスクだと、繊維がほつれやすく、口の周りにマスクがくっついて余計なストレスになってしまいます。高いマスクはそれなりで、鼻や口にしっかりフィットするように作られているため、息苦しさなどが目立たないのです。
また、寝る時にマスクをするのも効果的です。喉の保湿以上に、唇や口元や鼻の保湿に繋がるため、さまざまな粘膜を保護する結果に繋がります。市販の商品に、寝る時向けのマスクも売られていますので、是非試してみてください。
水分をしっかり摂る
喉が痛いという事は喉が炎症を起こしているため、乾燥させないようにいつも以上に水分補給をしてあげる事が大切です。飲む水分としては、冷たすぎないものが効果的のようです。冷蔵庫に入っていた飲み物ですと、喉が冷えてしまうため、温かい飲み物か、常温の水をおすすめします。
喉が痛い時に飲まない方が良い飲み物としては、カフェインを多く含むコーヒー、炭酸飲料、アルコールなどです。喉が炎症を起こしているため、更に喉を刺激し、炎症を悪化させる事もあるため、しばらくは控えた方が良さそうです。
喉を温める
これは筆者も実践済みな方法です。冬はマフラーなどで温め、夏でもタオルなどで喉を冷やさないように工夫する事で、風邪をひいても症状が悪化しないようになります。風邪をひいていない時でも、意識して喉を冷やさないようにする事で喉を傷めにくくなります。
夜、タオルを軽く巻いて寝ると、前の晩出ていた咳が治まったり、喉の痛みが緩和される事もあります。喉を冷やさないという点では、理に適っている対策ですので、喉が弱い方には特におすすめしたい方法です。
喉の痛みを緩和する食材
今度は、喉の痛みを緩和すると言われる食材を御紹介いたします。子供のころ、風邪をひいた際にご両親が作ってくれたあの食材…など、見覚えのある食材が登場しています。
生姜
生姜は風邪を引いた際、体を温めるために摂取しますが、それだけではなく、咳を鎮めたり、胃の調子を整える作用も兼ね備えています。生姜湯、スープ、食べ物などに、すりおろした生姜を少し加えるだけで、体がポカポカになります。
ネギ
よく昔の人は「風邪の時は、ネギを首に巻くと早く治る」と言っていましたが、これにはちゃんとした理由があるのです。
それは、ネギに含まれるネギオールという成分が、喉の炎症を抑えてくれるからだと言われています。ネギオールは揮発性の成分であり、喉に巻いたネギから揮発したネギオールが、鼻や口から体内に入り、喉の炎症を鎮めるというメカニズムが成り立っているのです。
大根
大根の固形の状態よりも、大根をすりおろした際に生じる絞り汁に、特に喉の痛みに効く成分が含まれていると言われています。大根をそのまま食べても消炎効果が期待できるため、喉の腫れを抑えてくれるのですが、大根おろしにして汁と共に使用した方が、更に効果的です。
大根おろしはちょっとした薬味にも使用できる優れものなので、喉を労わるために、普段の食生活にも積極的に取り入れたい一品です。
はちみつ
よくスーパーで、はちみつのど飴を目にする事が多いですが、それははちみつに消炎作用があるからだと言われています。
特に寝る前のはちみつは効果的で、快眠を導いてくれたり、胃腸の働きを良くしてくれる作用が含まれています。美容効果も度々取り上げられているため、体調が悪く、免疫力が低下している体には効率的に摂取すると良いでしょう。
考えられる風邪以外の疾患
ただの風邪だと仮定した場合の、喉の痛みの緩和方法について触れてきましたが、喉の痛みをあまく見ない方が良い場合も多く、さまざまな疾患も考えられます。そのため、あまり痛みが酷かったり、症状が長く続くようならば、耳鼻科・小児科を受診し、診察される事をおすすめします。
以下に風邪以外で、痰を飲むだけで喉が痛いという症状が考えられる疾患について、御説明いたします。病院に行く前の、ご自身の症状の確認に役立てば幸いです。
花粉症
喉が痛いのになかなか治らない場合、花粉症による喉の痛みである事が考えられます。何故花粉症によって喉の痛みが発生するのかと言うと、他の症状の影響で口呼吸が多くなり喉が乾燥したり、花粉が喉に入る事によりアレルギー反応を起こし痛みを感じたりするからだと言われています。元々、喉に炎症などがあった場合は、花粉症によって更に悪化する事も考えられますので、十分注意が必要です。
声帯ポリープ
大声を出すなどの一過性の喉の使い過ぎで、炎症性の腫瘤が生じる事を声帯ポリープと呼んでいます。通常、片側に出来る事が多いですが、稀に両側に出来る事もあり、大きさも人によりさまざまです。
喉の使い過ぎにより、声帯の粘膜の血管が内出血を起こす事で形成されるのではないか、と考えられているそうです。
声帯炎
文字通り、声帯が炎症を起こす事を言います。風邪などで一時的に炎症を起こす急性声帯炎と、喫煙や喉の使い過ぎで常に炎症を起こす慢性声帯炎があります。
芸能人なども多く患い、比較的喉を酷使する仕事の方がかかりやすい疾患だと言われています。慢性化してしまうと治療が長引く場合もあるので、何度も同様の症状を繰り返している方は注意が必要です。
喉頭癌
喉頭癌は初期症状があるため、比較的早期発見しやすい癌のようです。喉の痛みの他に、異物感、しこり、血が混ざった痰が出る、声がかすれる等の症状が見られる場合は、一度病院に行かれる事をおすすめします。
症状が悪化すると、物が食べられなくなり、摂食障害、呼吸困難といった命の危険に繋がる場合もあります。
扁桃炎
口を大きく開けた時に、のどの奥に垂れている口蓋垂があり、その両脇にあるのが扁桃腺です。「扁桃腺が腫れた」などの言葉をよく聞くのは、このようにして口を開けただけで状態が分かるからなのです。
喉の入り口付近の触る事も出来る範囲にあるため、もし喉の入り口辺りに違和感を感じて、痛みが酷いようならば注意が必要です。症状が悪化すると、扁桃腺が肥大し呼吸困難や、無呼吸を発する事もあるそうです。
扁桃炎については、扁桃炎はうつるの?症状や種類について!を参考にしてください。
まとめ
痰を飲むと喉が痛い原因と対策は理解できましたでしょうか?特に喉を使う仕事の方は、喉が痛かったり、声が出なかったりするのはとても苦痛な事だと感じます。だからこそ、無理をしすぎて重症化する事にもなりかねないため、早めに病院へ治療へ行く事をおすすめします。そして、炎症が肥大し呼吸が出来なくなる事もある事を、しっかり認識しておくのが大切です。
喉を労わる対策や、喉に良い食べ物については、普段健康な人が予防のために使う場合でも効果があると言われています。ぜひ、風邪を悪化させないために、あなたも喉を大切にあげるようにしましょう。
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