脱ステロイドの方法を知ろう!アトピー性皮膚炎のステロイドとの関係、代替治療についてを紹介!

アトピー性皮膚炎は皮膚の特定部分が炎症を起こし発疹を伴う病気です。症状は湿疹と痒みで良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。

そんなアトピー性皮膚炎の改善薬として最も有名なのがストロイド外用薬ですが、その使用に関しては時として大きな副作用があると問題になりました。

ステロイドの副作用(と思われる)のケースに対し、一方でステロイドの善悪について人はどこまで知っているかと言えば、大いなる疑問が残ります。できることなら薬を使わない「脱ステロイド」治療を目指したいと考えることも必要ですが、果してステロイドだけが“悪”なのでしょうか。

本稿ではアトピー性皮膚炎とこうした薬の関係性について検証し、脱ステロイドの可能性を探ると共に皮膚の病気との上手な付き合い方について迫ってみます。

最後までお読みいただければアトピー性皮膚炎に対する考え方や行動に有効なヒントを見つけ出すことが可能かもしれません。

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アトピーの特徴

アトピー

正式にはアトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis)は皮膚の炎症(腫れ・痛み・熱・痒み)を伴う慢性湿疹で、皮膚過敏症の一種とされています。

アトピーはどんな人がかかりやすく、その症状は正常皮膚と比べてどう違うのでしょうか。

特性を知ろう

発疹や発赤が体中にできて痒くなる、ネットでアトピー体験記等を見るとこういった言葉が並んでいます。アトピー性皮膚では皮膚の脂分が極端に減っていて、角質層の保水力が低下している状態、いわゆるドライスキンと言われます。

角質の保水力がなければ皮膚は乾燥し、網のように皮膚下への透過性が拡大してばい菌等外からの刺激が侵入しやすくなってしまいます。皮膚は外部からの刺激を入れないための一種のバリアとしての役割があり、その機能が果たせなくなっている状態です。

外からの刺激に弱く、抵抗力を失った皮膚(肌)ではちょっとした刺激にも過敏に反応してしまい炎症が起きます。アトピー体質の患者を調査した結果によれば、元々アレルギー反応に弱い肌特性をもっているとの報告もあります。

症状を知ろう

アトピー性皮膚の症状を見るとその皮膚炎の特徴がつかめるでしょう。主に7つある症状について記述されています。

  • 乾燥…かさかさと皮膚の水分が少ない乾燥した状態。
  • 鱗屑(りんせつ)…フケのようなかさかさしたものが落ちる。
  • 紅斑(こうはん)…赤い腫れ。
  • 丘疹(きゅうしん)…ぶつぶつした小さなドームの形の盛り上がり。
  • 痂皮(かひ)…掻きむしった後にできるかさぶた。
  • びらん…皮膚の浅い部分がはがれて、じくじくとただれた状態。
  • 苔癬化(たいせんか)…掻きむしることをくりかえして、ごわごわと皮膚が厚く硬くなってしまった状態。

アトピー性皮膚炎の症状・原因・治療法とは

成人型アトピー性皮膚炎の場合、顔・首・背中等に症状が現れます。

小児型は首肩周りや四肢屈曲部と言われる肘の内側、膝の裏側に発疹ができやすく、しかも蒸れる場所でもあるため繰り返して引っ掻いた上に滲出液やリンパ液がでてしまいさらに悪化する原因とも言われます。

原因は?

正直なところ明確な原因は未だ特定できていません。先天的・遺伝的という報告もあるものの、他にも生活習慣であったり食生活や、現在特に注目されている環境因子(ダニ・ハウスダスト・真菌等)等も挙げられています。

元々あるアレルギー体質に対し合わない洋服等によって摩擦が発生する物理的な刺激等も要因とされるため患者の生活環境全般を含めて調べることでしか原因を特定するのは難しいのです。

治療法は?

アトピーの標準治療のメインは薬による外用療法及び内服療法です。症状によって使用する薬も違いますが、炎症/アレルギー反応の抑制と皮膚のケアを中心に行います。

外用療法で使われる薬がステロイドと非ステロイド消炎薬です。ステロイド外用薬はその強さがⅠ~Ⅴ群にまで分かれていて悪化難治性アトピー等ではI群のストロンゲスト(SG)を使用することもありますが、中等度であればⅢ群のストロング(S)等が多く使われます。

またドライスキンを抑えるため保湿を目的とした外用薬(軟膏)も使われます。尿素系・白色ワセリン系・亜鉛華系などが中心となります。

内服薬では痒みを抑える抗ヒスタミン薬と、アレルギー反応を抑制する抗アレルギー薬が使われます。炎症に対する薬物療法としてこうした治療方針が確立されていますが、さらに「悪化原因の抑制」も含め3つの大きな柱で治療効果を高める方法が一般的です。

同様な発疹で結節性痒疹(けっせつせいようしん)という病症もあり間違えやすいため注意が必要です。後者は結節という硬いしこりが左右非対称に出現するという特徴があります。アトピーと同様に強い痒みを伴う難治性皮膚炎です。

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ステロイドを知る

ステロイド外用薬

アトピー症状の治療として使われるステロイド外用剤ですが、良くも悪くもその薬について誤解を生んでいることが多いのも実情です。

脱ステロイドを目指すのであれば薬の特徴やその作用も含めしっかり把握することで病気との上手な付き合い方や予防法もできるでしょう。

ステロイドとは?

ステロイドについて質問をするとアトピーの薬、副作用があるので怖い、痒みを抑える等といった答えが返ってきます。

例えば腎臓の上にちょこんと乗っかっている副腎皮質という器官から分泌されるのが副腎皮質ホルモンです。副腎皮質ホルモンには炎症作用を抑制し、体の免疫機能を整える働きがあります。ホルモンとは生体のホメオスタシス(恒常性)を維持するための化学物質です。

この副腎皮質ホルモンと男性ホルモン・女性ホルモンがステロイドに属します。ステロイドとはその構造にステロイド環と呼ばれる特殊な化学構造を持つ物質の総称なのです。つまり上記の3種は構造的に似ていてそれはステロイドの性質を有しているということです。

ステロイドの役割

例えば副腎皮質から分泌されるコルチゾール、これはステロイド(ホルモン)の一種であり過大なストレスや低血糖時にたくさん分泌されます。本来分泌量が程々であれば何も問題ないのですが、慢性的に高くなったり低くなったりすると人体に悪影響を及ぼすわけです。

ストレスがいつも続く状態だとコルチゾールが大量に分泌されてしまい、高血糖状態から血流が悪化したり動脈硬化や糖尿病の要因となるわけです。逆に分泌量が低下すれば低血糖症をもたらし、細胞がエネルギー不足となり不安・緊張を司る交感神経が亢進し、さらに続けば無気力感は判断力低下も懸念されます。

コルチゾールは炎症を抑えたり緩和する働きがあり、湿疹・発疹・皮膚炎などへの薬の成分として皮膚科等で処方されます。コルチゾール成分を含んだステロイド薬により免疫力が低下して皮膚の炎症が収まるという仕組みです。

ステロイドの重要性

炎症とは『腫れ・痛み・熱・機能低下』の4つであり、体内に侵入してきた細菌やウイルスを除去するため免疫機能が熱や腫れを意図的に作り出している状態です。

つまりステロイドを過度に使うと炎症が緩和する変わりに免疫機能が低下するため、ウイルス感染等の感染症や皮膚のかき傷などが中々治りにくくなってしまうといったケースが多発してくるのです。

ステロイドを使用することで外的環境の変化から身を守る術がなくなると思い込んでしまう人もいるようですが、それこそが大きな誤解です。化学的検証によってしっかりと導き出された適用量を守れば免疫機能の低下も抑えられて皮膚の症状を改善できるのです。

アトピー治療に対するステロイドの使用には特に慎重な考え方や姿勢が望まれ、研究成果や過去の例から導き出された必要量等の判断がとても重要な要素となっているといっていいでしょう。

副作用

過去に起こったステロイドバッシングや脱ステロイド運動は慢性湿疹に対し使われたステロイド外用薬に副作用の恐れがあるというものでした。その副作用は「顔がまるくなる」「骨が脆くなる」といったもので主に全身性の症状です。

さらに薬剤療法を長期間にわたって行った際の「皮膚が薄くなる」「ニキビや発疹ができやすい」という局所レベルも副作用と考えられました。

適切な使い方(使用量・期間)をすれば副作用はないとするのが専門家の意見です。一般的にはよく効くとされる薬程副作用の可能性はありますが、その使い方をコントロールして症状を緩和したり改善するのが専門医の役割です。

副作用について問題となるのは、薬物療法以前に医師との信頼関係が崩れ、患者側が本来の使い方を誤って薬を使う等の誤使用がその主な要因とも言われます。

大切なことは両者が共に良い関係性を構築することでしょう。少しでも疑問に思うようなら患者はどんどん質問し、胸の中のつっかえを取り去って治療すべきでしょうし、医師もどんな質問対しても誠意を持って答える義務があるのです。

日本皮膚科学会ではステロイドの副作用を否定しているものの、一部の医師の間では肯定されていて意見の相違があります。しかし内服薬の服用を除けば、つまり外用薬程度なら副作用は起こりえないという意見が多数を占めています。

厚生労働省は医薬品に何らかの副作用がある場合、医薬品安全情報を出して注意喚起を促しますが、ステロイド外用薬に関してのそうした情報発信は過去に例がありません。

リバウンド

長期的に使用していたステロイド外用剤をやめたら使用前よりも患部が悪化することをリバウンドといいます。

湿疹・皮膚炎といった自分で症状を改善できる急性湿疹は、その原因が把握されているのでその因子を断ち切れば改善も可能です。治療過程で外用剤は使いますが、症状が改善した後は薬をやめても症状が悪化することもありません。

アトピーでは多くの場合ステロイド外用薬が使われますが、治療途中で薬をやめたら病気が治らなないどころか、症状が一層悪化してしまう場合もあります。一時的にせよ薬で症状(湿疹・痒み等)を抑えていたわけで、薬をやめればその“防波堤”の役割が消失するのは当然でしょう。

体内由来のステロイド成分が減ることで従来身体が持っていた抗炎症作用の能力が低下した状態に陥っている状態でステロイドを止めるとどうなるでしょう?炎症が拡大し症状の悪化が懸念されます。

こうしたケースを想定し皮膚科医は薬物治療の調整を行います。最初はステロイド外用薬で抗炎症作用を促し、その後炎症が治まり症状が軽減すれば抗ヒスタミン薬や保湿薬を一定期間だけ処方するといった方法もあります。もしくはステロイドの使用回数やその量を調整していき、副腎機能に影響のない薬の使い方を計画するのです。

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ステロイドの代替医療について

skin care

アトピー性皮膚炎における脱ステロイド、つまりステロイド外用薬を止めることは基本的には自己責任です。しかしそれもかかりつけ医や専門医と相談し慎重に検討を進めた上での最終決断とならなければ意味がありません。

ここでは脱ステロイド後の代替医療(Alternative Medicine)について検証しましょう。

専門医に相談する

ステロイドはもし使う場合、医師から指定されたその用法や用量を守って使うべきであり、使用法を誤らないことが肝心です。

ステロイドが効かない、または局所的副作用がでている場合入院を進める医師もいます。入院期間は3~4週間とも言われます。規則正しい生活への改善と正しい栄養摂取、そして症状が出た場合にすぐに対処してもらえるという利点があります。

ステロイドの良し悪しというよりは使う側、使わせる側がしっかりと薬と人を理解した上で選択すべきことで、それはステロイドに限らずどんな薬でも一緒なのですが、過去にあったステロイドバッシングや誤解を生む考え方に問題があるのかもしれません。

薬には作用・副作用が必ずあるため、その使用方法を間違えれば重大な結果を招くというのは当然のことです。脱ステロイドはそのことをわかった上で止めるやめないの検討をすることが大切でしょう。

ステロイドに関して関心と十分な知識があり、尚且つ患者への負担を考えてくれる病院、または皮膚科医が最適ですが、それは直接話てみないと中々わからないものです。しかしその先生や病院の考え方はネットや評判にも現れるものなので、普段から関連情報をチェックしておくと良いでしょう。

プロトピック軟膏

脱ステロイドを謳う医療施設でも中心となるのはやはり外用か服用療法となります。多くの場合免疫抑制剤が使われます。プロトピック外用薬はその最たるもので皮膚科でも多く処方されており、(ステロイド外用薬と同じく)用法・容量を間違わない適切な使い方であれば問題とはならず、その有効性も高まっています。

免疫抑制効果のあるタクロリムスが含まれ、ステロイド外用薬とほぼ同じような効果をもたらしますが、ステロイドとは違い毛細血管が拡張して“赤ら顔”になったり、皮膚萎縮が起こることはありません。

炎症箇所に塗ると非常にしみます。強い刺激があるため最初は辛いかもしれません。これは炎症によって皮膚が荒れてしまっているためよく吸収されるからですが、表皮が改善され丈夫になれば吸収されにくくなりそうした痛みにも次第に慣れていきます。

吸収されやすいかされにくいかは成分の分子量の大きさに比例します。プロトピック軟膏の場合、ステロイド外用薬に比べ分子量が大きいため普通の皮膚では吸収されません。分子量の小さいステロイドを通常の皮膚に塗ると毛細管拡張、ニキビや多毛になるのはこの吸収率にも影響されるためです。

プロトピック外用薬は主に乾燥肌・赤み・痒みのある顔面や頸部に1日1~2回を目安に使用します。ジュクジュク皮膚へは本来ステロイド外用薬を使用し、症状が改善した後にプロトピック外用薬を使用するというのが一般的な使い方となります。

バチルス入浴療法

バチルス粉末剤という植物のマコモを原料とした成分が含まれるお風呂に入る入浴法で、民間療法のひとつとして現在脚光を浴びています。

土壌菌の一種であるバチルス菌は正式にはバチルス属有効菌と呼ばれ、それをバスタブ内でマコモの発酵過程を利用して大量に培養しています。

バチルス成分が含まれたお湯に入ることで有効バクテリアが皮膚の病原菌を低下させアレルギー反応を低下させる効果があります。

重症アトピー性皮膚炎患者300人以上がこの療法を試した結果、その約9割において皮膚炎症を示すデータ値が90%改善したとの報告もあり、ステロイド外用薬が体質的に合わない場合には特に有効かもしれません。

生活改善

病気は医者に行ったから、薬を使ったから治るのではありません。入院治療でとか自然療法や温泉療法をしたお蔭で治ったというのも然りです。病気が治るのは自分の身体にある自然治癒力が高まったからです。医者も薬も入院も単なる手段に過ぎないのです。

慢性アトピー性皮膚炎に関しても自分に合う良い医師に巡り合えることは重要な要素のひとつかもしれません。しかしそうした経緯を経て生活の乱れに気付き十分な睡眠をとったりストレスを軽減する等の生活改善をしていく過程で自然治癒力が高まり免疫機能が病気を排除すると考えた方が自然ではないでしょうか。

アトピー悪化原因のひとつとされるハウスダストやアレルギー過敏症は生活習慣の乱れとは切り離せない要素です。日頃から保湿やスキンケアに心掛け日常生活をしっかり充実したものにすることこそが病気を治す基本だということを認識すると良いでしょう。

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まとめ:脱ステロイド

頸部きれい

アトピー改善のために使われるステロイド外用薬については長らく様々な誤解が報道がなされきましたが、徐々にその真相が明らかになってきています。

病気を改善したり緩和するための薬にはその作用・副作用があるため用法や用量をしっかりと守ることが重要です。また担当医師との信頼関係も不可欠であり意思を選ぶのは患者側の責任でもあることを認識しておきましょう。

脱ステロイドの代替療法としてプロトピック等の免疫抑制剤の使用やバチルス入浴法等がありますが、アトピー患者の症状悪化要因とされるストレスの軽減や日常生活改善にも目を向けることが大切です。

脱ステ、つまりステロイドを使わないアトピー治療に関して選択するのは患者本人であり、アドバイスをもらえる専門家の存在は強い味方になるため日頃からの情報収集や関係構築がを心がけましょう。

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