鱗屑ってなに?症状や原因となる病気を紹介!治療法や対策法は?

鱗屑とはなんなのでしょうか。全く聞いたことがない方がほとんどでしょう。知っているとすればその症状にかかった方かもしくは医療関係者くらいだと思います。

今回はこの「鱗屑」とは何か、症状は何か、治療法など、詳しく触れていきたいと思います。

鱗屑とは何か?

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では、まず鱗屑(りんせつ)とは何なのかというところから入ろうと思います。

一言で言えば皮膚病で見られる症状のことを指す

鱗屑とは一言で言えば皮膚病で見られる、乾癬などによって紅班の上に付いている銀白色のフケのようなもののことを指します。この病気は乾癬が元となって起こった皮膚病に見られる症状の一種といえるでしょう。通常の皮膚病ではなく、乾癬が元となっていることが一番の要因であると言えます。

ただこの病気は乾癬が原因で発症するわけではありません。元となる病原があり、それによりこの鱗屑が起こるということで、この鱗屑を治すというよりは元の病気を治すことによって鱗屑も回復するという認識をしておいてください。

乾癬(かんせん)とは、皮膚が赤くなり盛り上がったような状態へと移行し、その赤くなった部分い白い垢のようなものが付着して、それがポロポロと剥がれ落ちる病気のことを言います。この乾癬が元となって起こった皮膚病に見られる症状が鱗屑なのです。

言ってしまえば、皮膚が赤く変色し、盛り上がり、垢のようなものが厚めに付着してポロポロと剥がれ落ちる病気である、というとわかりやすいでしょうか。

この乾癬なのですが、発病すると表皮の再生スピードが以上に早くなり、通常の状態、つまり健康な状態の表皮に比べて約10倍以上のスピードで再生します。角層の生産が過剰状態となり、鱗屑となって剥がれ落ちてしまうというのが経緯です。そしてこの鱗屑が剥がれ落ちる状態のことを落屑と言います。

落屑の主な原因となっているものは皮膚の乾燥や角質などの固着力低下が原因と言われています。また、角質の大量形成にもるものも多いようです。

鱗屑の主な原因とは?

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では、ここで主な原因をあげてみましょう。

アトピー性皮膚炎によるもの

鱗屑という病気は様々な皮膚病に見られる病気の一つです。その一つ、大きな要因となっている病気がアトピー性皮膚炎による鱗屑です。鱗屑は色々な皮膚病が元でなる病気ですのでその元の病気を治療することが不可欠となっています。

アトピー性皮膚炎の特徴としては年齢によってその症状が変わることが言えます。乳児期からの発症が見られる場合は、膿んだような発疹がみられます。その後1歳から15歳までには皮膚全体が乾燥します。これは一気にそうなるわけではなく年齢を重ねるごとに症状は増していくと考えて頂いた方がいいかと思います。

その後、16歳以降になると苔癬化(たいせんか)が悪化の一途を辿り手足の外側にも痒疹(ようしん)ができるようになり、丘疹が生じるまでに至るケースもあります。

その他にも皮膚だけでなく、目の疾患などや、ヘルペス感染症などの合併症を起こす場合もあります。アトピー性皮膚炎とは歳を重ねるごとに悪化し、そして症状も前へと広がっていくようになるということです。

この症状が原因により鱗屑が起こるということですね。

ではここで少し専門用語の解説をします。

・苔癬化(たいせん)とは、炎症を繰り返すことによって起こる症状を指しています。具体的に言うと皮膚がただれたようになったり、汁が出たりするようになることを言います。これは長年炎症、つまり乳児期にじくじくとした発疹を起こし、それが乾燥し鱗屑し、そしてまた炎症を起こす、これを繰り返すことを言います。何度も同じ症状を繰り返すことによって起こる症状の総称を苔癬化と言うということですね。

・痒疹(ようしん)とは、蚊に噛まれたような虫刺されのことを言います。赤いポツポツがお腹や皮膚に現れます。アトピー性皮膚炎ではよく見られる症状であり、また妊婦さんにも多く見られます。俗にこれは虫刺されなどの時に使う言葉です。

・丘疹(きゅうしん)とは、1センチ程度の皮膚から隆起した発疹のことを指します。中心に米粒のような水疱ができることからそう呼ばれるようになったそうです。これもアトピー性皮膚炎の主な症状の一つに挙げられます。

乾癬について

上記でも述べましたが、詳しく乾癬を説明すると、表皮細胞が増殖することが原因の一つとされている症状です。特徴としては皮膚が盛り上がります。また炎症を伴うことも特徴的で炎症性角化症の一種とされています。この乾癬という病気は感染することはありません。理由はウイルス性乾癬によるものではないからです。なので人から人へと感染る心配はありません。

原因については今の医学では解明されていないのが現状です。何が原因でそうなっているのかまだわかっていないのです。ですが、現在の医学界の見解としては、免疫異常や腎機能の低下によるもの、また表皮歳病の異常増殖によるものであると考えられているそうです。

これはまだ研究段階のもので確実性はありませんが、一番近い答えであるといえるでしょう。

乾癬の症状にはまだ秘密が眠っています。異常性乾癬という皮膚が赤く腫れ、鱗屑を伴う症状が現れる他にも関節などに晴れや痛みなどが生じる「関節症乾癬」や、倦怠感や発熱などを伴う汎発性膿疱乾癬があります。この汎発性膿疱乾癬はごく稀な病気であり、そして早急な治療が必要なため難病指定の非常に危険な病気でもあります。

紅皮症について

紅皮症とは全身の皮膚が真っ赤になり落屑を伴う症状を指します。これは一般的に40歳以上の男性に発症しやすいとされており、皮膚炎でも珍しい部類になっています。紅皮症では、水疱や皮膚炎などの別の皮膚症状や内臓の病気、疾患によって伴い生じる病気であることもわかっています。

これの主な発症原因は内臓疾患で症状は全身の皮膚の9割以上に至ります。重症化すると皮膚の本来の役割を果たせなくなり外部、つまり皮膚から病原体であるウイルスや細菌が入りやすくなる傾向にあり、体内の水分やたんぱく質などが奪われてしまう可能性もあります。

この病気は発症例が少なくごく稀な病気であることがわかっています。しかし一度発症し、慢性化すると重大な症状へと変わるので早期の治療が必要となります。

鱗屑の治療法や対策法はある?

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では、ここで具体的な鱗屑の治療法や対策法などを紹介しようと思います。

鱗屑の元を治療することが大前提

上記で何度か申し上げた通り、この鱗屑という病気は元の皮膚の病気が原因となって起こるものですのでその元となる病気の治療が鱗屑の治療に繋がるというわけです。なので元の病気を知るところからまずは始まります。

しかしながら、この鱗屑という病気は様々とは言ったものの、ある程度は限定されてきます。一番多く挙げられるのはやはりアトピー性皮膚炎です。

他にも色々な病気がありますので下記の治療法を参考にしてみてください。

アトピー性皮膚炎による鱗屑の治療法

アトピー性皮膚炎の治療法なのですが、原因となる要素が遺伝的なものから外的内的要因が様々あるため、現在ではアトピー性皮膚炎の根本を治療する治療法は確立されていません。つまり退治治療法というものがないということになります。なのでこの場合、退治治療法ではなく対処療法というものが取られます。現在のところはそれが最善の治療法であるということになっています。

アトピー性皮膚炎の場合で用いられるもの、つまり治療に使われる薬剤なのですが、主に3つほど存在します。

一つ目にステロイド外用薬です。アトピー性皮膚炎の主な治療薬として用いられおり、炎症を抑える、つまり鎮静させる効果が認められています。ちなみにこのステロイド外用薬は安全性の面でも科学的に認めらており、薬剤としては一番良い薬であることがいえるでしょう。ただ一つ注意点を挙げるなら長期間使い続けると効果が減少するという報告が出ています。つまり薬の効果が薄くなるということですね。それ以外の副作用なども一応ありますが、現段階では心配するほどのものはありません。

二つ目にカルシニューリン阻害外用薬というものがあります。別名タクロリムス軟膏と言われいます。1999年に発売されたアトピー性皮膚炎に有効な効果が期待できる薬剤で、即効性の効果も認められています。使用から数日で症状の緩和が見られるのが特徴の治療薬です。主に顔に使用されることが多いですが、他の部位にも使用されます。

詳しく効果を述べるのであれば、皮膚の免疫を低下させる効果があります。これにより皮膚の炎症を抑えることが可能となります。免疫抑制外用薬とも言われていて、アトピー性皮膚炎の対症治療法として活躍してくれる薬剤の一つです。

三つ目に内服薬として抗ヒスタミン剤が用いられることもあります。別名抗アレルギー剤とも言われているこの内服薬は体質改善が主な目的であり、漢方やビタミン剤が治療に使用されます。主な役割はヒスタミンの作用を抑えることにあります。アトピー性皮膚炎だけでなくアレルギー症状の緩和に用いられることが多い薬品で、酔い止めなどにも含まれていることがあります。直接的に作用する薬というよりは、体質的に改善するのを目的としているので、症状を緩和させる補助的な薬でもあります。

漢方治療そのものが体質改善や予防的な意味合いが大きいので新薬というよりは漢方治療に近いという認識をしていただければと思います。

乾癬による鱗屑の治療法

乾癬の治療法は、症状などや生活のスタイルなどに合わせて幾つかの方法を組み合わせることが一般的な治療法として行われています。

まず始めに行われるものとしては塗り薬の治療スタイルです。これは外用療法であり、使用される薬は炎症を抑えるものとなっており、主に上記でも挙げたステロイド外用薬です。これにより皮膚の炎症の緩和が可能となります。他にも表皮細胞の炎症を抑えるビタミン剤、主にビタミンD3外用薬を使用する治療法です。主にこの二つが塗り薬の治療法として確立されています。

両方の薬剤に関しては、クリーム系、軟膏系、ローション系などさまざまなものがあります。これは各部位に応じて使い分けるために用意されているものですので、各使用部位に応じて使い分けが必要です。逆に言うのであれば各部位ごとに選ぶことができますので選択肢の幅が広がるという意味では良い治療薬であるといえるでしょう。

外用薬だけだと効果が出ない場合もあります。発疹の面積などその発疹の部位などが広がっている場合などについては別の治療手段が用いられることもあります。

光線治療といって、乾癬が見られる部分に紫外線を当てる治療法です。これは乾癬に治療効果が認められている紫外線に限る治療法ですが、これも有効的な治療法であるといえるでしょう。これにより治療効果が期待可能となっており、軟膏などの外用薬だけでは効果が薄い場合はこのような光線治療などを行って症状の緩和を試みます。太陽光にも紫外線が含まれていますので、直射的に日光を浴びるという手段も一種の手であると言われています。これは乾燥治療において有効であることが認められている治療法ですので、適度の浴びることで症状の緩和が見られる場合があります。

また、他にも治療法は存在しており、内服薬治療もあります。これは異常増殖をしている皮膚細胞に効果を現すもので、その増殖を抑えるビタミンA誘導体、別名レチノイドという薬品や免疫反応を抑制する薬剤である免疫抑制薬、別名シクロスポリンが使用される場合もあります。内服薬治療も有効な症状緩和治療法となっていまして、これを服用することによって症状が緩和されることが認められています。外用薬以外にもさまざまな治療法があるので各々の症状によって使い分けや使う量などを考えて使用するのが適切であると思います。

また、上記で述べた治療法で症状緩和の効果が見られない場合もあります。ごく稀にですがそういう方もおられますその場合は、生物学的製剤が用いられることもあるでしょう。これは点滴や注射などを指しておりまして、直接的に体内に薬をいれて治療するという方法です。これによりほとんどの場合の炎症でも効果が期待できます。これも治療法としては認められている治療法のひとつで上記の治療で緩和が見られなかった場合に行われる治療法といえるでしょう。

紅皮症による鱗屑の治療法

紅皮症が原因によって起こる鱗屑の治療法は、皮膚疾患において発症するため、まず最初に行うことはどの病気が原因でこの紅皮症を発症したのかを特定することから始まります。

検査方法として、皮膚の検査や血液の検査などが挙げられます。そしてその原因が湿疹や皮膚炎であった場合には、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬が使用されます。これがこの治療法の主なものとなっており、他の薬剤はほぼ使用されないでしょう。

また、乾癬が原因であった場合に関しては、エトチレナート、別名チガソンという内服薬を使用する場合もあり、光線治療や高濃度ビタミンD3含有軟膏などが使用されることもあります。乾癬の場合はさまざまな治療法を使用して治療が行われます。その重症度によっても治療法を変えたり服用量を調節するなどして症状の緩和の傾向を見ます。

もし万が一、薬疹が見られた場合、原因となっている薬剤の使用を即座に中止します。症状によって、ステロイド外用薬、内服薬が処方され発疹の原因を除去します。薬疹による紅皮症はあまりありませんが、稀に存在ます。もし内臓障害を併発しているケースの場合は薬剤過敏症候群の可能性が挙げられます。その場合に関しては入院となるでしょう。

入院し、経過を見つつ、ステロイド薬の内服治療と全身管理が必要であるといえるでしょう。これも稀な場合ですが、入院するほどの薬剤過敏症である場合は必ず入院し、治療が必要になります。通院であると経過の兆候などが窺えないからです。

他にも原因は存在します。皮膚悪性リンパ腫の場合、最も良い治療法は光線治療となります。また、先天性の場合は治療法が現在のところ確立されていないため、ワセリンや保湿剤による症状の緩和を試みます。先天性に関してはわかっていないことが多いほか、新生児期に発症した場合の対処法に保存的治療と、レチノイド全身投与治療が行われることもしばしばあります。

このように、さまざまな原因が元となり鱗屑は起こりますので、元の原因を治療することによって鱗屑の症状が緩和れるということに繋がるというわけです。何科の治療かと言いますと、これは一般的に皮膚科の治療になります。皮膚による症状は沢山存在しており、特に先天性の場合はまだ治療法が確立されいない分症状の緩和があまり見られないこともあります。

元の症状を最優先に発見し、元の症状を抑えることによって鱗屑は次第に治まっていくと考えてください。

まとめ

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では、総括に入ります。

何と言っても治療法は元の病気をいち早く発見し早めの治療が鍵となります。元の病気が何なのかというのを皮膚科の検査でいち早く知り、その部分を対症療法によって緩和させることが鱗屑の治療に繋がっていくということです。

上記の症状が出た場合はすぐに病院へとかかり検査を受けるよう心がけましょう。

  
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