頭痛薬が効かない頭痛は?対処方法や予防方法について

日本全国で3000万人以上が「頭痛」で悩んでいるという昨今。もはや国民的慢性疾患と言えるわけですが、たかが頭痛で仕事を休むわけにもいかず、手近な鎮痛薬を服用してしのぐという人が大半でしょう。

でも頭痛には「薬がほとんど効かない頭痛」があるのをご存じでしたか? 「飲めば効くんじゃないの?」「じゃあ市販の頭痛薬はイミないじゃん」と思うのも無理はありません。頭痛には種類があり、正しい「つきあい方」が必要なのです。

頭痛のタイプは2種類

頭痛1

頭痛には2つのタイプがあると言われています。

1つはよく耳にする「片頭痛」です。これは脳の血管が拡張して起こる頭痛で、最もポピュラーな頭痛と言えます。もう1つは「緊張型頭痛です」。頭の側面や首、肩の緊張が原因の頭痛です。

後者は軽いストレッチや運動、マッサージなどでコリをほぐすことでほぼ解消するのですが、厄介なのは頭がガンガンと波打ち、ときに吐き気までも催す「片頭痛」のほうです。「片頭痛」とは言うものの、頭の片側に限らず全体がズキンズキンと痛むこともあり、まさに「頭痛持ち」の人を悩ませています。

片頭痛に市販の頭痛薬は効かない?

あまりの頭の痛さに、市販の頭痛薬を服用するわけですが、人によっては「全然、効かなかった」「最初は効いたが徐々に効かなくなってきた」ということもあります。そもそも片頭痛の原因は脳の血管の拡張にあります。軽い痛みなら鎮痛剤で緩和することができても、拡張した血管を収縮させる作用はないので、根本的な解決策にはならないのです。

気をつけたいのは薬の飲み過ぎによる症状の悪化です。市販薬にはその主成分により、効き目に個人差が出やすく、この薬は効かないからこっちを飲む、など薬の過剰摂取がしばしば問題になります。かなり頻繁に頭痛がある場合、月に10回以上頭痛薬を飲む、または何を飲んでもあまり効かないという人は要注意です。

また痛くなる前に飲むという行為も、逆に頭痛を引き起こす原因にもなります。痛みを予防したいという気持ちはわかりますが、かえって「頭痛薬の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」を引き起こす可能性もあるのです。

週末ほど片頭痛がひどくなるのはなぜ?

頭痛2

脳の血管が拡張して起こる「片頭痛」。意外にも休みの日などに起こりやすいと言われています。仕事のない週末は、心身ともに解放されるときです。その際、緊張から解放されるため、急に血管が拡張して頭痛が起こることがあるのです。休みの前日に夜更かしをして寝不足だったり、逆にここぞとばかりに寝だめをしたため、頭痛が起こることもあります。

また、月曜から金曜までは仕事があるため比較的規則正しく生活している人が、土日になると一挙に生活が乱れるため、空腹や疲労の蓄積から頭痛が起こるとも言われています。

片頭痛の知られざる症状って?

片頭痛が厄介な点は、無理に体を動かそうと、頭の位置を変えると痛みが増幅することです。

また頭痛以外に吐き気を感じたり、実際に嘔吐してしまったり。ときには下痢などの症状を伴うこともあります。このほか光や音、ニオイ、気圧や温度変化などに敏感に反応することもわかっています。片頭痛はいったん痛み出すと2~3日続くこともあります。

また1ヶ月に1~2度、多い人では1週間に1回など、周期的に頭痛をくり返すこともあります。これはその人のライフスタイルで、「何らかの緊張から放たれたときに片頭痛が起こっている」という証拠とも言えます。

脳の病気の可能性も

緊張型頭痛であれば頭痛薬が効果的であり、偏頭痛には効果がない場合が多くあります。

しかし、一番気をつけなければいならないのが、脳の病気により頭痛が起きている場合です。この場合は、もちろん頭痛薬が効くこともないでし、早期発見しないと大事に至ることもあり注意が必要です。

  • くも膜下出血
  • 脳炎
  • 髄膜炎

などが挙げられます。これらは頭痛以外にも様々な症状が挙げられ、頭痛が発生した時点では手遅れの場合もあります。頭痛意外に、違和感を感じたらすぐに病院へ行きましょう。

片頭痛を起こさせない最善の方法とは?

片頭痛は緊張から放たれたときに起こりやすいと言われています。

週末によくあると言う人は、金、土、日曜日の過ごし方を見直してみましょう。またウィークデーにも起こるというなら、それがいつ起こったか?重大な仕事の案件や会議での発表の後など、自分に何らかのプレッシャーを与えている「要因」を探ることが肝心です。

仕事中だけでなく、アフター5の時間帯でも、人ごみの中を長時間歩いた、得意先の宴会につき合わされたなど、本来自分が苦手とすることに身を投じていなかったか、改めてチェックしましょう。やみくもに片頭痛を起こさせないためには、どのような事象が重なったときに片頭痛が起きるのか、チェックすることが最大のポイントになります。

日常生活で気をつける5つのポイント

1.睡眠時間をコントロールする

いくら疲れているからと言って、週末に寝だめをしたり、二度寝をするのはリズムが乱れます。ウィークデーが規則正しい人ほど、週末のそうした無茶が頭痛の引き金にもなります。疲れているからと休日にダラダラ過ごしたりせず、無理のない範囲で予定を入れ、実行してみることも片頭痛克服におすすめです。

2.チョコレート、チーズ、ハム、赤ワインなどを摂り過ぎない

とくに金曜日の夜、深酒をしたり、普段食べ慣れないものを度を越して食べるのはNGです。血管拡張作用が高いと言われるこれらの食品の過剰摂取は特に注意が必要です。

週末ほど豪勢なディナーを食べるという人は、和食にシフトしたり、これらの食品を摂る場合も量を調節するなど、工夫してみましょう。

3.長風呂、マッサージは逆効果にも

片頭痛は脳の血管の拡張が原因なので、温めるのはNG。まずは冷たいタオルなどで痛い部分を冷やしましょう。

熱めの風呂に長時間つかったり、マッサージは逆効果になることも。週末を利用しての温泉旅行などでは、湯あたりするほど何回もお湯につかったり、お酒を大量に飲んでからお湯に長時間つかったりというような行為は慎みましょう。

4.光や音をシャットアウトして休息を

休みの前日など、暗闇でテレビをつけながら寝てしまったりすることありますよね。電気をつけっぱなしで寝てしまう、うたた寝も実は良質な睡眠を阻害する原因と言われています。

このほかベッドでの無理な姿勢が頭痛を増長することになります。テレビや明かりは消して、静かな環境での就寝を心がけましょう。

5.カフェイン摂取は痛みの早期ならOK

コーヒーや紅茶、日本茶に含まれるカフェインは血管を収縮させる効果があると言われます。頭痛の出始めなどに適量を飲むのはよいですが、水代わりにたくさん飲むのは控えましょう。

また薬を服用するときもお茶などで代用せずに、たっぷりとコップ1杯の水で飲むことも大切です。余分なカフェインがかえって頭痛を増長させることもあるので、注意しましょう。

詳しくは、偏頭痛の治し方を紹介!原因を知って正しい対処方法を知ろう!の記事を読んでおきましょう。

自分の頭痛のクセを知って、早めの受診を

頭痛3

上記のことを実践してみてもなかなか片頭痛がなくならない、というときは早めに専門医を受診することをおすすめします。受診する際は内科が一般的ですが、頭痛の裏側に隠れている重大な病気への懸念から、脳神経外科、神経内科、麻酔科(ペインクリニック)などを受診するのもよい方法です。

より身近にわかりやすく「頭痛外来」と呼ぶ場合もあるので、最寄りの病院を検索してみましょう。

また受診する際には、以下の項目をチェックしておきましょう。

■最初の頭痛はいつ頃から始まったか

(発症のきっかけ、痛む場所、痛み方、何日くらい続いたかなど)

■現在の頭痛について

(痛む場所、痛み方、前兆や付随する症状の有無、頭痛の頻度など)

■温めるのと冷やすのでは、どちらがラクに感じるか

■寝込んでしまうほど、重症かどうか(体を動かすと痛みが増すなど)

■家族や身近な親類に頭痛持ちがいるかどうか

まとめ

休日ほど頭痛がひどくなるという人は、生活のリズムの乱れが原因かもしれません。まずそうした生活態度を改めることから始めてみましょう。

また自分の頭痛のクセを知り、担当医に伝えることで、頭痛の原因と対処法がより早く見つかるでしょう。適切な治療法と処方箋、ときには漢方薬による治療で自然治癒力を高めることで、根本的に頭痛を改善することもできます。まずはこうした頭痛のクセを確かめて、早めの受診を心がけましょう。

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