急性硬膜外血腫に注意!症状や原因、治療方法はなに?

急性硬膜外血腫と言う病名を、皆さんご存知でしょうか?急性硬膜外血腫とは、硬膜と頭蓋骨の間で起こる動脈(中硬膜動脈)または静脈(静脈洞)から出血する、頭部外傷による出血です。

余り私には関係ないと思われているかも知れませんが、日常のちょっとした不注意でこの病気は、起こる事がある事を認識しておかれると、この様な症状が出た時に早期発見でき、予後も良い状態で過ごせる事ができます。

急性硬膜外血腫は致命的な頭部損傷で、5~15%でおこり、全頭部外傷の1~3%でおこります。若い世代の10歳から30歳ぐらいの人に、多い病気と言われてきましたが、近年は60歳代以上の高齢者が増えてきています。

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急性硬膜外血腫とは

脳

急性硬膜外血腫について紹介します。

頭蓋骨と硬膜の関係

頭蓋骨のすぐ内側にあるのが硬膜です。結合識性の強い頭蓋骨で、脳を覆っている膜が硬膜です。この硬膜の近くの内側で、脳の表面に出血が起こった時、硬膜と頭蓋骨の間で血液が溜まってしまって、短時間のうちにジェリー状に固まって、脳を圧迫してしまうのです。

急性硬膜外血腫とは頭部をぶつけたり、殴られたり、頭部を損傷する事で、頭蓋骨が骨折して、中硬膜動脈か静脈洞が傷がついて出血し、硬膜と頭蓋骨の間で血腫ができます。短期間の内に脳が圧迫され、緊急な症状と変化します。

急性硬膜外血腫の静脈洞の損傷

急性硬膜外血腫の中の、静脈洞が損傷する静脈性出血で、後頭蓋窩硬膜外血腫(こうとうがいかこうまくがいけっしょう)は10歳以下の子供に多くみられます。

また同じ静脈洞が損傷する静脈性出血で、遅発性硬膜外出血があります。これは危険域から脱したものの回復が急速でない亜急性~慢性に移行して、出血性ショックや、播種性血管内凝固症候群等の合併症として、発症する事があります。

急性硬膜外血腫は10~20歳の若年層と、40~60歳の壮年層にピークがありますが、2004年には若年層が減少、高齢者が増加傾向にあります。

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急性硬膜外血腫の原因

脳卒中

◆急性硬膜外出血の多くの原因は、頭部を損傷する事で出血し、硬膜と頭蓋骨の間で固まって急性硬膜外血腫に成ります。出血が硬動脈だけでなく、静脈洞の時もあります。

◆原因は交通事故55% 転落・転倒33% その他12%となっています。近年は若年層の減少があげられていますが、これは若年層の車離れから、起こっているのでしょうか?

◆若年層の車離れが交通事故による原因の、急性硬膜外血腫の原因を減少させているのかも知れません。地方ではどうしても車が必要ですが、町に来ると交通網も整備されているので、車は全く必要なくても不便さを感じません。

◆若年層ではスポーツで急性硬膜外血腫になる人も居る様ですので、スポーツをする時はくれぐれも、気をつけて行ってくださいね。

◆高齢者が増加傾向にあるのは、高齢者の転倒によるものだと思います。高齢者になると、目が不自由になり、身体の機能が思う様に行かない時があるので、少しの段差でもつまづく事があります。

高齢化社会になって、急性硬膜外血腫が高齢者にとって、危険になってきています。頭を打撲して表面的に何もなかった様に思えても、頭の内部では急性硬膜外血腫が、起こっているかも解りません。

頭を打って嘔吐や頭痛を訴えたりしたら、放置しないで脳神経内科に行って調べて貰う事が大切に成ります。

◆小児では虐待による頭部外傷が比較的多いそうです。ひどいですね。小さな子供に虐待して、強い物には立ち向かう事の出来ない、大人がいるのですね。

昔は子供の頭は殴っては、いけないと言われていました。お仕置きはお尻を叩くのが、良いと言われていましたが、やはり殴って子供は、真っすぐには育たないですよね。

自分のストレスを、小さな弱い人間に求める事は、大人として恥として感じられる世の中に、なってほしいですね。

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急性硬膜外血腫の症状

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急性硬膜外血腫の症状について紹介します。

初期の症状

急性硬膜外血腫の初期症状は、激しい頭痛と嘔吐から始まります。血腫により脳が圧迫されるので、頭蓋骨の中の圧力が高まります。

頭部を打撲したり、損傷した直後は、全く表面的に症状がないか、あるいは一時的に意識消失がおきても、すぐに回復して何でもなかった様な症状になります。しかし数時間後に意識障害を起こします。

急性硬膜外血腫の場合、この様に一時的にとても元気な様子が、見られるのが特徴です。この様な時期の事を、「意識清明期」と医学用語として呼ばれています。

中期~後期の症状

血腫がだんだんと大きくなれば、意識障害が起こり脳のヘルニアになる場合もあります。脳ヘルニアになると脳幹いわゆる脳の深部にある、生命維持の中枢が障害を起こす事になり、呼吸も困難になって最終的に、死に繋がる事になります。

頭部を損傷して血腫が大きくなるのは、損傷直後の時もありますが、数時間たってから意識がとおのく事もありますので、注意が必要となります。

急性硬膜外血腫の統計とその他

急性硬膜外血腫の統計上の数字は、重傷の急性硬膜が血腫の24%が、意識障害が遅れて出ているとの事で、時間にして3時間以内に意識障害を起こしている人が79%います。

急性硬膜外血腫の手術例の65%が死亡で、日常生活や社会復帰できたのは18%だそうです。社会復帰できた中でも、高次脳機能障害により、殆どの方が苦労されています。

意識障害を起こして、ごく稀に急性硬膜外血腫が縮小したり、自然治癒したりする事があるそうです。手術の準備中や、待機中に改善するので、患者にとってはとても喜ばしい事ですね。しかし殆どの患者は悪化する事が多いそうです。

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急性硬膜外血腫の手術のガイドライン

手術

適応基準

1.厚さ1~2㎝以上の血腫、または20~30㎝以上の血腫(後頭蓋窩は15~20ml以上)や合併血腫の存在時には原則として手術をおこなう。

2.神経症状が進行性に悪化する場合は、緊急手術の適応となる(とくに、受傷後24時間以内の経時的観察とrepeat CTが必要である。)

3.神経症状がない場合は厳重な監視下に保存的治療を行う事も可能である

この様に急性硬膜外血腫が発症した場合、手術を行うかどうかは、ガイドラインが決められてそれによって回復手術が行われます。

傷害が酷く血腫が大きすぎたり、脳幹反応がなくなったり、脳損傷の程度がとても酷く回復を望むことが困難と判断された場合は、積極的治療は行われないそうです。

しかしガイドラインはあくまでも指標で、実際の状況神経症状や、CTやMRIの画像を綿密にチェックして、治療方針は決められていきます。

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急性硬膜外血腫の治療

手術

幾分軽い急性硬膜外血腫の手術

◆血腫の大きさや症状によって、緊急な手術が必要となります。開頭血腫除去手術が緊急に行われることになります。血腫の1~2㎝以上であれば、緊急手術が行われます。

◆症状が軽く頭痛と嘔吐だけで血腫が小さい場合は、入院経過観察がおこなわれます。またグリセオール(脳圧降下薬)の点滴がおこなわれ、数か月以上かかって少量の血腫は自然治癒します。

◆急性硬膜外血腫だけの症状なら血腫除去の手術で、脳の圧迫を取り除き回復期待ができます。しかし脳挫傷やびまん性軸索損傷などを合併していると、回復期待は難しくなります。

◆急性硬膜外血腫のみの場合でも、血腫が急に大きくなったり、症状が進んでから発見されて、脳ヘルニアが進行して、脳幹の機能がなくなり呼吸停止等になった場合は、手術での危険性は高くなります。血腫が手術で取り除かれたとしても、後遺症としての意識障害や、死亡にいたります。

急性硬膜外血腫の症状が酷い場合の手術

◆本来全身麻酔をかけて開頭し、血腫の除去手術をします。しかし急性硬膜外血腫の症状で、意識障害が急速に進んだり、血腫が急に大きくなったりして、全身麻酔をかけている時間がなかったりすると、穿頭(せんとう)や小開頭と言われる局所麻酔で、頭蓋骨に穴をあけて、血腫を取り除く手術をします。

緊急の場合は救急治療室等で、穿頭や小開頭によって血腫を取り除いた後、患者の様子を見ながら、全身麻酔をかけて、本格的な開頭手術が行われる事もあります。

◆また術後の脳の圧力を軽減する為、外減圧術という意識して開頭した骨片を、元の所に戻さず皮下組織と皮膚のみで頭を閉じます。

患者が落ち着いた1~2か月たった頃に、保存していた骨片を元に戻して、元の骨の状態にもどして縫い合わせる事もあります。

◆急性硬膜外血腫の重症手術外傷治療の方法は、細かく規定されたガイドラインがあり、それに沿って行われます。

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転帰の評価法(グラスゴー・アウトカム・スケール)

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GR:正常生活に復帰 MD:日常生活は樹立 SD:介護に依存した生活 VS:植物状態 D:死亡

2004年は GR:正常生活に復帰が35% D:死亡が14%でこれは1998年と比較すると正常復帰が15%増えて、死亡が7%減少しました。

また脳損傷がある場合はGRが20%で、死亡が30%と死亡は非常に多いのに対して、脳損傷が無かった場合は、GRが47%で、死亡が8%と合併症が加わる事で、転帰が可成り変化する事が分かってきています。

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急性硬膜外血腫の予後

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急性硬膜外血腫の予後については、脳損傷を伴うか、どうかで予後が決まってきます。脳損傷が伴わない場合は、早期発見、早期手術で良好な予後が期待できます。

頭部打撲後に頭痛、吐き気、意識障害が進行、運動麻痺がある場合など、早急に脳神経外科を受診する事が非常に大切になります。

脳損傷の場合は早期に救急車で、脳神経外科に搬送される事で、低酸素症、低血圧症等の二次的損傷を最小限に抑える事ができるそうです。そのため予後の経過を良くすることができます。

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まとめ

急性硬膜外血腫をみてまいりましたが、日常私達が油断した交通事故や、転倒、スポーツなどで起こり得る障害であることが、お解り頂けたと思います。

また頭などを殴られたり叩かれたりした場合や、自電車に乗っていて転んだりした場合、その時は余り症状が出なくても、後から急性硬膜外血腫になる事もありますので、くれぐれも頭をカバーしてください。

日常生活のちょっとした油断により、急性硬膜外血腫という、生死にかかわる障害が起こります。その時の症状は、ひどい頭痛と嘔吐から始まります。これは脳の骨髄を損傷する事で、脳の動脈や静脈に傷がついて、骨髄と硬膜の中で出血する為に起こります。

その為にも急性硬膜外血腫の症状を良く理解して、早急に脳神経外科外来を受診されることが、予後の生活において、可成りの差が出てきます。その為にも早期発見、早期治療が大切になります。

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