初めて赤ちゃんを育てるお母さんにとって、抱っこのしかたにも少し戸惑うかもしれません。
赤ちゃんが安心できるように抱っこすることが、親御さんと信頼関係を作る最初の一歩です。とくに新生児ではまだ首が座っておらず、骨が成長段階にあるため関節が柔らかいので、抱っこにも注意点がいくつかあります。正しい抱っこで赤ちゃんの安心できる場所を作ってあげましょう。
また、スリングや抱っこひもを使用するお母さんも多くなっているので、ご紹介していきます。
この記事の目次
赤ちゃんの抱き方は横抱きと縦抱きのどちらがいい?
お母さんが慣れていない場合は、抱きやすく安定しやすい横抱きが良いでしょう。お母さんが不安を感じていると、その不安が赤ちゃんにも伝わってしまうからです。
しかし、ゲップを出すときは縦抱きの方がやりやすいので、育児をするお母さんたちは縦抱きをする方が多いようです。
縦抱きの方法と注意点を紹介
新生児は抱っこしようとするとふにゃふにゃしてしまって難しいと感じるかもしれません。生まれたばかりでは特にデリケートなので、戸惑いを感じるのは特別なことではありません。
まずは正しいやり方を体で覚えましょう。たくさん抱っこをすれば余裕が出てきて、お母さんも赤ちゃんに愛情や元気をもらえるようになりますよ。
縦抱きの方法
まず、お母さんの片手を寝ている赤ちゃんの頭から首の後ろに入れ、もう片方の手は股の間に入れます。赤ちゃんを持ち上げたら、お母さんの体に引き寄せます。
お母さんは上半身を少し前に傾け、赤ちゃんの頭をくっつけます。息をしやすいように、赤ちゃんの顔は横に向かせるようにしましょう。
赤ちゃんの頭をくっつけたまま、お母さんは傾けた上半身を元に戻します。体全体で赤ちゃんをしっかりと支えるようにしてください。右手でお尻を支え、左手で背中を支えます。利き手が左手のお母さんは、左手でお尻を支え、右手で背中を支えると良いでしょう。
縦抱きをするときの注意点
必ず赤ちゃんの足が開くようにしましょう。股関節が閉じた状態を長時間続けると、先天性股関節脱臼を引き起こしやすくなります。
・先天性股関節脱臼とは
股関節は球とソケットを組み合わせたような形になっています。赤ちゃんの関節は柔らかく外れやすいので、しっかりと関節が適合した状態でないと、成長する段階で関節が外れてきてしまうのです。
股関節が脱臼した場合、血流が途絶えて骨が上手く成長できなくなるのを防ぐために、病院での治療とリハビリが必要となります。
寒い時期に生まれた赤ちゃんは、たくさん着こむために先天性股関節脱臼が起こりやすいと言われているので、とくに注意が必要でしょう。
縦抱きを嫌がる時の原因と対処法
抱っこをしたら泣き出してしまって、赤ちゃんが抱っこを嫌がっていると感じると、お母さんも不安になってしまいますよね。
しかし、お母さんが悪いわけではなく、赤ちゃんによって刺激の感じ方に個人差があるためなので、赤ちゃんが好む抱っこの方法を探していきましょう。
なぜ縦抱きを嫌がるのか
人が感じる感覚は、五感の他に、バランス感覚や関節を動かす感覚(固有覚)があります。大人でもこれらの感覚には個人差がありますが、生まれたばかりの赤ちゃんの中には、刺激を過敏に受け取ってしまう子もいます。
刺激をちょうどよい強さに調節すると、赤ちゃんが安心できることがあります。
縦抱きを嫌がる時の対処法を原因別に紹介
・触覚が過敏な赤ちゃんの場合
触覚が過敏というのは、少し触れただけでくすぐったいと感じてしまう状態です。大人でも、くすぐったがりの方とそうではない方がいるように、赤ちゃんにも触覚に対する感じ方が異なるのです。
どんな抱っこの仕方でも嫌がってしまう場合は、触覚が過敏である場合があります。赤ちゃんの体をお母さんにぎゅっと密着させ、少し強めに抱っこすると安心するでしょう。
・バランス感覚(前庭覚)が過敏な赤ちゃんの場合
バランス感覚が過敏な赤ちゃんは、少しの揺れに対しても不安や不快感を覚えてしまいます。なだめようとして体を揺らすともっと泣いてしまうという場合は、揺れが怖いのかもしれません。赤ちゃんを抱っこした後動かずにじっとしてみましょう。
・体が緊張してこわばってしまう場合
赤ちゃんは、生まれる前は羊水の中でふわふわと浮いているので、重力を感じません。生まれたばかりの赤ちゃんは重力を受ける感覚が分からないので、自分の体が地についているという感覚が最初の主要な感覚になります。
抱っこされると体が地面から離れてしまうため、不安を感じて体が緊張してしまうことがあります。抱っこをする際、赤ちゃんの体重がお母さんにかかっているかどうか確かめましょう。また、手で背中をしっかりと支えてあげるようにすると良いでしょう。
縦抱きには肩や腰に負担の少ないスリングがおすすめ
赤ちゃんを抱っこするスリングや抱っこひもが話題になっています。お母さんの肩や腰に負担が少なく、おしゃれを楽しむこともできるため、人気があるようです。
購入して良かったものとしてスリングを挙げるお母さんもいます。
新生児にも使える便利な縦巻き
首が座っていない赤ちゃんにもスリングが使えるのです。今回は、縦抱きするときに使える巻き方を簡単にご紹介します。
・スリングの巻き方
まず、スリングの左右が同じ長さになるようにお腹に当て、背中で交叉させます。スリングを肩にかけ、端を前に垂らします。スリングがねじれないように気をつけましょう。
赤ちゃんを持ち上げ、スリングの前帯(お腹にかかっている部分)に赤ちゃんの足を通します。スリングを下から引き上げ、赤ちゃんの背中を覆います。肩から前に垂らしたスリングを引っ張りながら、赤ちゃんが安定するようにしっかり引き締めます。
スリングを赤ちゃんのお尻の下で交差させ、足の下に通します。必ず赤ちゃんの足が開いているようにしましょう。背中でスリングの端を結びます。
最後に、脇にかかったスリングを伸ばし、赤ちゃんの首を覆ったら完成です。
スリングや抱っこひもを使用するときの注意点
装着時に赤ちゃんの首や手足を圧迫していないか確認するようにしましょう。赤ちゃんの様子をよく観察し、見えないところは鏡を使って確認すると良いでしょう。
また、赤ちゃん用のスリングや抱っこひもとして売られている製品を使用してください。布を丈夫にするよう特殊な織り方がされているので安心です。
抱っこは赤ちゃんの成長に必要な愛情表現
新生児の赤ちゃんも、将来的にはハイハイをしたり、つかまり立ちで移動できるようになったりと、体の成長につれて身体的にお母さんから離れられるようになります。しかし、これは安心できる唯一の存在であるお母さんがそばにいるからこそなのです。
新生児の頃にお母さんにたくさん抱っこしてもらい、愛情を受けた子どもは精神的にも自立できるようになっていきます。また、お母さんも子どもに信頼してもらうことが、大変な育児をやり遂げる力の源になるのではないでしょうか。
まとめ
新生児の赤ちゃんを縦抱きするには慣れが必要です。まずはお母さんご自身が安心するために、たくさん抱っこをしていきましょう。
また、新生児の頃の抱っこは将来の成長にも良い影響があると考えられているので、育児ではとても重要な内容です。抱っこで赤ちゃんにたくさん愛情をあげて、お母さんも赤ちゃんに元気をもらってくださいね。
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