お腹が空いて空腹になると胃に痛みが発生してしまうという症状のある人はいませんか?
食べ過ぎてお腹が痛くなる場合は時間が経てば症状が改善されますが、空腹時に痛みを感じる場合は、何か病気の症状ではないかと心配してしまいますよね。違和感を感じるだけでなく、痛みを感じだした場合は腹部でどういったことが起きているのでしょうか!
今回は空腹時の胃痛についての記事を書いています。痛みを感じている人や改善したいと考えている人はぜひ読んでみてください!
空腹時胃痛を感じる原因について
では、さっそく空腹時に痛みを感じるのはどういった原因が考えられるか紹介します!
胃酸過多症
こちらは文字通り胃酸が過剰に分泌されるという症状のある病気です。胃酸過多症の人は、空腹時に痛みを感じやすくなってしまいます。
普通の人は、胃に何か食べ物が入った時に胃酸の分泌が促されます。そして食物を消化して排便するというのが通常の状態ですが、胃酸過多症の人は胃に食物が無くても胃酸が分泌されてしまう場合があります。
◆症状
空腹の時に胃酸が分泌されてしまうと、胃痛・胃もたれ・胸焼け・違和感・吐き気といった症状が現れてしまいます。さらに、ゲップが頻繁に発生したり、胃酸の臭いが逆流してしまい口臭が悪化するといったことも挙げられます。
さらに、胃に大きな負担がかかってしまうことになるので、他の胃のトラブルが発生しやすい状態になってしまいます。
◆原因
胃酸過多症になる原因としては、
- ストレス
- カフェインやアルコールの過剰摂取
- ガストリンの過剰分泌
- 病気の症状
- 食べ過ぎ
などが挙げられます。日常の生活でイライラたり、過剰にコーヒーを摂取している人は注意しましょう。また、ガストリンは胃酸を分泌するのを活発にするホルモンですが、ピロリ菌などにより過剰に分泌されてしまうことがあります。
また、人は毎日の食事のリズムで決まった時間に食事を行っている人は、その時間に胃酸が出るようになっています。なので、胃酸過多でなくともその時間帯に胃の中が空っぽの状態であれば多少の違和感や胃痛を感じることは考えられます。
胃痛の症状がそこまで切迫していなく、食事を行うことで解消される程度なら何ら問題ないでしょう。
◆治療方法
胃酸過多症の治療には、薬を服用する必要があります。病院へ行って診察を受けて薬を処方してもらいましょう。
しかし、薬で一時的に治っても生活習慣や食生活の改善を行わなければ、再発してしまう恐れがあります。胃酸が過剰に分泌される刺激物は控えて、カルシウムやマグネシウムなどの栄養素をなるべく摂取することで、胃酸の分泌をコントロール出来るようになります。
さらにストレスを感じやすい人は、上手く発散する方法を考えなければなりません。自分の時間を見つけてリラックスする方法を考えて、自律神経が乱れないようにしましょう。
対処法として、もし胃酸過多の症状が出たときのために、すぐに食べられる簡単な食事を用意しておくと良いかもしれません。
十二指腸潰瘍
食事を行うと痛みが治まり、空腹時にだけ痛みを感じるという場合は十二指腸潰瘍である可能性があります。この場合は、胃に痛みを感じるのではなく、みぞおちの部分に痛みを感じるのが特徴です。十二指腸にある粘膜がただれてしまい潰瘍が出来てしまうという病気です。
◆症状
空腹になるとみぞおちの部分に痛みを感じ、特に夜の間に痛みを感じやすいのが特徴です。しかし、痛みを感じないまま症状が進行してしまう場合もあるので注意が必要です。その他の症状として、むねやけ・吐き気・胃の不快感などを感じますが、この段階ではなかなか自覚症状が少なく気づくのが難しいでしょう。
症状が悪化すると、吐血や下血が現れます。この段階で初めて病院へ行くという人も少なくありません。血が発生しだすと、かなり症状が悪化しているので早く病院へ行く必要があります。
◆原因
十二指腸潰瘍になる原因として
- 疲労の蓄積
- 過度のストレス
- 喫煙
- アルコールの過剰摂取
- 細菌の感染
などが挙げられます。生活習慣が乱れている人は発生しやすいの気をつけてください。また、細菌の感染により十二指腸潰瘍担ってしまう人が多くいます。夏場などの時期は食べ物から感染してしまうこともあるので、衛生面に注意して食事を行いましょう。
空腹時だけ痛みが発生するのは、胃に消化するものがないため胃液が潰瘍部分に刺激を加えてしまうためです。そのため、食事を行うと胃液が薄くなるので痛みが発生しなくなるのです。
◆治療方法
症状によって治療方法が変わってきます。出血がある場合は、止血剤を使用したり、レーザー治療で血管を焼いたりするといった治療方法になります。さらに症状がひどい場合は、手術を行う場合もあります。
出血の症状が無い場合は、薬を使用して治療を行います。こちらも原因によって使用する薬が変わってくる場合があります。
どちらにせよ、病院へ早く行くことで治療時間を短くすることが出来るので、空腹時に痛みを感じる場合は一度病院へ行きましょう。
急性胃炎
急性胃炎になった時も、空腹時に痛みを感じる場合があります。
◆症状
急性胃炎の症状として、
- いきなりの腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 吐血
- 食欲不振
などが挙げられます。特に症状に個人差があり、血を伴う場合はかなり症状が進行している状態です。基本気には、違和感や吐き気などが最初の症状として現れてきます。
◆原因
急性胃炎になる場合は様々な原因があり、
- 刺激の強い食事
- 薬の服用
- ストレス
- 飲酒
- 外傷
- 手術
- 細菌の感染
などが挙げられます。空腹時に痛みが強くなるのは、患部に直接胃液が刺激を加えてしまうことが考えられます。
◆治療方法
基本的には薬を使っての治療になります。出血がある場合は止血を行う必要がありますが、痛みが激しくなるので出血の前に診察を受ける人が多いといえます。
また、生活習慣が原因の場合は、生活を改善する必要があります。タバコや飲酒、暴飲暴食は控えて、胃に負担がかからないようにして再発するのを防ぎましょう。
ピロリ菌
胃痛の原因がピロリ菌の初期症状の可能性があります。国民の半数がピロリ菌に感染していると言われていますのでピロリ菌に感染したときの詳しい症状や感染経路について知っておきましょう。
◆症状
菌を持っているという状態では、何かしらの症状が出るわけではありません。菌を持っている人全てに症状が出るわけではないのです。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染者の殆どには症状は見られなくて、無自覚であることが多い事が特徴です。
しかし、一旦ピロリ菌が騒ぎ出すと胃痛や、胃もたれ、などの症状が長期間続きます。胃潰瘍や慢性胃炎などの症状を引き起こします。よく患者の多くが訴える痛みは胃がしくしく痛む、ずっと胃もたれが続き胃炎が起きているような気がすると言った症状が現れます。
またピロリ菌は胃がんの最大の原因にもなります。胃がんのほとんどが慢性胃炎から派生するものです。胃がんの患者の99%はピロリ菌に感染していて、感染していない人の胃がんの発症確率は非常に低くなります。
なので1度検査しておくと良いでしょう。
◆原因
ピロリ菌の感染経路はまだはっきりわかっていないのですが、口から口に感染が行われたり、水の中に潜んでいるピロリ菌を飲むことで感染してしまう可能性や、幼児期にいろんなものを口に入れてしまうことで感染しているのではないかと言われています。
特に人間は幼児期に感染する可能性が最も高いと言われていて、胃酸の量や酸性具合が低いことでピロリ菌が生き延びやすいため、感染しやすいのではないかと言われています。
家庭内感染や母子感染など、母親が子供に口移しで食べ物を食べさせることが大きな感染経路だろうと見られています。結果日本人の2人に1人という高い確率での感染が認められています。
◆治療法
口移しや、キスなどによる経口感染が最も有力な説となっていますが、まだはっきりとは感染経路が特定されているわけでなく、予防方法については効果的な方法は確立されていません。
現段階では糞を媒介にするゴキブリの駆除や、井戸水を飲まないことなど環境から感染しないようにすることが最も有効で一般的な予防法となっています。
治療法や検査方法については便からピロリ菌の有無を確認する方法や、血液検査、胃カメラ検査や内視鏡検査での細胞の採取などの方法でピロリ菌検査で存在を確認しピロリ菌除菌治療を行います。
抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)と胃酸分泌抑制剤(ランソプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤)の薬を服用しピロリ菌を除去します。
1ヶ月程の服用で70%の人でピロリ菌の駆除が確認されています。さらに薬を増やすことで90%以上で駆除が成功します。
ピロリ菌に関する詳しい記述は
・ピロリ菌の症状って?悪化すると発生する病気や改善方法も紹介!
・ピロリ菌に効くヨーグルトとは?効果や、その他に抑制する食べ物を紹介!
こちらの記事を御覧ください。
逆流性食道炎
逆流性食道炎によって胃から食道にかけて炎症が起きて胸焼けや胃痛に近い様な痛みやむかつきを感じている可能性があります。詳しい症状を見ていきましょう。
◆症状
基本的には口から肛門までの器官は一方通行になっています。しかし、胃から食道までの間で食べたものや胃酸の逆流が起こり食道が炎症を起こす症状です。
夜に眠れなくなることや、口の中が酸っぱい感じがする、横になると吐きそうになる、気分が冴えない、食欲が無くなる、ゲップがよく出る、胸焼けがする、胃痛があるなどの症状が代表的です。
食道の粘膜が胃酸によって傷つけられ、食道の粘膜がただれたり、潰瘍が出来ることもあります。
◆原因
食道と胃は一方通行になっていて基本的には胃の上部に当たる墳門という食道からの門が閉まることで逆流を防いでいます。この噴門を締めている筋肉が下部食道括約筋という筋肉なのですが、この筋肉の働きが弱まることで逆流が起きやすくなると考えられています。
この筋力機能の低下は主にストレスや加齢が原因になって発生します。また、ベルトや締め付けが強い服装など、外部からの圧が掛かることで腹圧が強くなり、胃の中に圧力がかかり逆流が起きやすくなることも関係しています。
食道の粘膜は胃のように酸性に強い性質がなく強い酸に対する防御機能がないことも炎症になる原因です。この様な事が繰り返されると、食道がストレスにより知覚過敏になり症状が出やすくなります。
◆治療法
基本的には薬での対処治療、保存治療を行っていきます。胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬やヒスタミン受容体拮抗薬とアルギン酸塩で食道粘膜を保護することで炎症を食い止めます。
しかし、逆流性食道炎は再発が起きやすい症状でもあります。6ヶ月以内での再発率は90%と殆どの人が症状を繰り返します。症状が治まっても小さな症状は続いていたりするので、薬の服用を続けることや他の対策法、予防法を行う必要があるでしょう。
運動や食生活の改善で括約筋を鍛えたり、消化の良い物を食べることで改善することが出来ます。
空腹時の胃痛の対策
胃で炎症が起きた場合は、すぐに病院へ行く必要がありますが、少しでも痛みを緩和する方法を紹介します!
空腹状態を作らない
空腹になると痛みが現れる症状があるので、なるべく空腹の時間を作らないようにしましょう。そうすることで胃酸が直接患部を刺激するのを防ぐことができます。
しっかりと食事の時間を決めることで、空腹の時間帯を短くすることが出来ます。どうしても、食事間が長くなってしまうという人は、間で牛乳を飲みましょう。胃を保護する役割があるので、胃痛が起きるのを和らげてくれます。ただし、冷たい牛乳を一気に飲むと刺激になるのでゆっくり飲むか、ホットにして少しづつ飲みましょう。
食事の量を減らす
お腹いっぱいまで食事を行うと、胃酸の分泌が過剰になります。一度に食べる量を少し減らして腹八分目を目安にしましょう。それでもお腹がすく人は、間食を行って足りない分を補いましょう。そうすることで、空腹時間を短くすることも出来ます。
もしくは、一度の食事量をおにぎり一つほどに減らして、その食事を5回や〜8回に分けて行うことで胃痛や空腹感を抑えることが出来ます。
野菜を中心とした食事
空腹時に痛みを感じている人は、食事を野菜中心に変えて、負担を負った胃壁を修復しましょう。
そのために必要な成分は「ビタミンA」や「ビタミンC」になります。
(ビタミンA) ぱせり・青じそ・ニンジン・パプリカetc
(ビタミンC) ピーマン・キャベツ・じゃがいも・ほうれん草etc
などがオススメです。この中でも、キャベツやほうれん草、ニンジンは食物繊維が豊富なので胃に負担をかけずに摂取することが出来ます。その他には、大根・かぶ・カリフラワーなどがオススメの食材です。胃に負担のかかる肉や揚げ物は控えめにして、野菜中心の食生活にしましょう。
また辛いものなどの刺激が強い食べ物は胃に負担を強くかけてしまいます。もし、症状が出ている場合はなるべく刺激の強い食べ物は避けて食事を行うようにしましょう。
薬を使用する
どうしても痛みに耐えれないが、病院へ行く時間が無いという人は市販薬を使用しましょう。
胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜を保護する効果のある薬を使用することで、症状を緩和することが出来ます。しかし、一時的に症状を抑えているだけであり、薬の効果が切れると痛みが発生してしまいます。原因を取り除く必要があるので、症状を一時的に抑えて病院へ行く必要があります。
また繰り返しの服用で薬の効果が薄れてきてしまうこともありますので、早めに対策を行っていきましょう。
まとめ
空腹時胃痛を感じる原因
・胃酸過多症
・十二指腸潰瘍
・急性胃炎
空腹時の胃痛の対策方法
・空腹状態を作らない
・食事の量を減らす
・野菜を食べる
・薬を使用する
以上が今回の記事のまとめになります。
空腹時に胃痛を感じるときは、胃でトラブルが起きている可能性が高くなります。自分の症状を把握して病院へ行くようにしましょう。特に胃酸過多症は、放置しておくと他の胃のトラブルを引き起こしてしまう恐れがあるので注意しましょう。
空腹時に痛みを感じているときは、あまり空腹状態を作らないように工夫して痛みを抑えて、病院へ行くようにするのが正しい処置です。
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