口元って目元なみにインパクトありますね。その方の第一印象の大きな決め手になる部分です。女性であれば美しく、男性でも特にビジネスパーソンなら爽やかなイメージを与えたいところです。それが、ともすれば唇がポヨンと出てしまって歯が見えたらどうでしょう?
しまりのない感じは、だらしない評価に結び付いてしまいます。あたなの有能性を知らないうちは見た目が全てです。整形手術や歯科矯正までしなくても改善できる方法はたくさんあります。
口元が出てしまう原因とは?
昔から口をボーっと開けている子どもに大人は、虫が入るから閉じなさい!と叱りました。そうして、ポカン口によるトラブルを封じたのでしょう。実際、ハイリスクな習慣です。
気をつけたい、口呼吸
走った後でもないのに口を開けて呼吸されてる方、けっこう見受けられます。本人も自覚していない、これは習慣の一つです。
生活環境とも大きな関わりがあります。車社会を可能にしたのは平たんな道路です。デコボコ道や乗り越える岩などがあれば、歯を食いしばって口元の筋肉も引き締まったことでしょう。坂こそあれ整備された道路を歩くのに、さほど筋力は必要ありません。ただ、歩くという機能だけです。
幼少時から口元の緩んだ生活をしていると、下あごの発育が遅れ、上あごが目立ちます。こうなると下がった下あごを上あご合わせることは困難になります。ついつい、口元が開いてポカンとした表情になってしまうのです。
このポカン口、見た目が悪いだけではありません。実は様々な健康被害をもたらせる悪習慣です。口を閉じないために口腔内が乾燥して唾液の分泌が低下します。唾液の持つ消化力が低下するので胃の負担が大きく、未消化のまま腸に食物を送り込むので胃腸が炎症を起こしやすくなります。唾液のもう一つの大きな役割である殺菌力も低下するので、どうしても虫歯になりやすいのです。
鼻呼吸であれば、鼻毛がフィルターとなってウイルスやアレルゲンを粘膜から守ります。口元がポカンと出ていては口腔内の粘膜に外気が直撃して風邪をひきやすく、アレルギーも悪化しやすくなるのです。
噛まない悪習慣
軟らかい食べ物ばかり食べるようになって、現代人の顎が小さくなったと指摘されています。調理器具やガス、電気の普及で美味しい食べ物が毎日、食べられるようになっているばかりかファストフードやインスタント食品も軟らかいものばかりです。
噛みちぎる、という行為は日常しなくなりました。強く噛みしめるための筋肉は成長する機会なく成人してきました。これは人類の歴史にないことです。口元が出てるのに気が付かない、というもの外敵に対する警戒心の薄れです。
いつ襲われるか分からないジャングルで、全身を使って獲物を仕留めて肉や軟骨をかみ砕いて進化してきた人類にとってはありえないことと言っていいでしょう。消化器官の第一関門である口元が出てることは、文明の産物というより改めるべき種の劣化です。
ストレスがかかると奥歯を噛みしめて精神の安定を求めます。アメリカの野球選手がバッターボックスでガムを噛むのも、そのためです。ストレスで就寝中の歯ぎしりや無意識の食いしばりなどは、ストレス対応と言われています。
野球選手のように強いあごなら問題ありませんが、口元が出てしまうほど脆弱な筋肉の場合、関節が炎症を起こしてしまいます。これが顎関節炎になる大きな理由の一つです。
この理由で顎関節炎になった方への治療法として一般的なのが、マウスピースを使用することです。口腔内粘膜を保護し、衝撃を和らげることが目的ですが、口元が出てしまうくらい筋肉が弱いのですから就寝中も口は開いたままです。
筋力を失うことで関節炎になった場合、マウスピースを口の中で維持するのが難しいのです。就寝中ではなく、起きている間に噛む力を少しづつでもつけないと解決にはなりません。
猫背になっていませんか?
猫背は背中が丸くなってみっともない、これが一般的な猫背のデメリットです。しかし、もう一つ見逃してはいけないのが頸椎から下あごへの影響です。
首には頭蓋骨を正しい重心に維持するために、必要な湾曲を備えています。これが猫背によって重心が前方にズレてしまいます。前方を見るために頸椎は真っすぐになり、下あごは前に突き出す形になります。突き出したからといって大きく発育したわけではありません。下あごを支える筋肉が弱いので前のめりになっているだけです。
その上、口周りの筋肉(口輪筋といいます)が脆弱なので口元は緩んだままです。こうして成長すると、歯の大きさや数に変化がないので歯茎ごと前に押しやられてしまうのです。
歯茎が前方の流れるように位置すると、歯の並びも伴いますので唇を閉じることがますます困難になります。どうしても口元が出てる顔になってしまい、このために矯正歯科や美容形成へ足を運ぶ方も多くなるのです。
現代の生活ではデスクワークが多いので、肩関節が前向きになってしまうことは仕方ありません。それならそれで、猫背にならないようなスポーツや趣味を持つことは重要です。趣味を通じて出会いを増やし、背筋を真っすぐにするような機会を増やす心がけがあなたの口元を守ります。
口元が出ているのを解消する方法
医療の力と巨額なお金でないと解決できないのでしょうか?決してそんなことはありません。習慣によって生まれたデメリットは習慣によって改善できます。
悪い習慣を改めながら、良い習慣を身につけて美しい口元を手に入れましょう。
鼻呼吸が一番
空気の悪い場所に行ってしばらくすると、驚くくらいに鼻クソが出たりしませんか。口をしっかり閉じて鼻だけで呼吸してみると理解できます。かなり空気汚染のひどい場所に半日もいれば、鼻毛自体が長く伸びてしまいます。
鼻の中は線毛上皮といって、鼻毛で外気の異物をキャッチし体外に排泄するシステムがあるのです。ウイルス、花粉、砂や塵などから気道を守ってくれるのです。中には粘膜のありますので適度な湿度も必要です。カラカラに乾いていれば異物のキャッチ機能も低下します。
鼻呼吸が快適にできるためには口元をしっかり締めなくてはなりません。少しでも口元から空気が漏れているようでは、鼻の中に陰圧がかからず吸引力が低下します。また、湿度も失って乾燥してしまうので線毛上皮の機能に支障をきたしてしまいます。
起きている間は意識的に頑張れると思います。しかし、眠ってしまうとコントロールできません。そこで、テープを貼るという工夫が有効です。上唇と下唇に医療用テープを貼ります。慣れれば、この方法がとても素晴らしいのです。
周りの方々は、口元が出てしまった方の大きなイビキに悩まされずにすむでしょう。下あごが下がって口が開いたまま眠ると、舌根が喉に落ちて大きなイビキのもとになります。それが悪化すると睡眠時無呼吸症候群になるのです。防げるのは風邪やアレルギーだけではありません。
口呼吸の治し方は、口呼吸の治し方を紹介!デメリットを知って改善しよう!を参考にしてください。
口輪筋を鍛えましょう
読んで字のごとく、口元に輪のように筋肉があります。古代、中国では宮廷の女性たちが顔面気功という美容法を実践していました。
その中に、口元を引き締めるエクササイズも存在していて、今でもたくさんの女性が取り組んでいます。俳優養成講座でも取り入れられていました。そんなに難しくありません。
「いー えー あー おー うー」と声を出しながら発声します。できるかぎり、大きな動きで「あー」と言ったあと10秒くらいそのままにします。それを他の音それぞれに発声して10秒静止するのです。実際にしてみると、なかなかキツいものです。時々、両手で両頬を包んでさすります。そうしないと筋肉痛が出てしまうからです。
少し筋肉痛が出るくらいを目指して頑張りましょう。そして大きく口を開けて舌を突き出し、横8の字を書きます。右から左から各3回づつ繰り返します。そして口を閉じて歯茎を舌で円状になぞります。これも左右交互に行いましょう。これは口輪筋を内からほぐす目的です。
口元の筋肉をしっかりつければ口元がポカンと開かないようになります。唇が締まれば人相は一新します。楽しみにして実践してみてください。
噛む筋トレ
確かに現代で噛みちぎらなくては食べられないものはなくなりました。しかし長い歴史で培ってきた身体のパーツを変えることはできません。犬歯さえ名残で持っているのですから、歯の数は減らせません。もし、噛まなくていいからと最低限の歯だけ残したとすると、まるで爬虫類のような細顎で奇妙な顔になってしまうことでしょう。
ガムでもいいので、食事以外でも噛む習慣を取り入れてみてください。キシリトールガムなら虫歯予防になりますし、口臭予防にもなります。ゆっくり、しっかり噛んで、顎周りの筋肉を養いましょう。
美容効果抜群のスキル
口元が出てるタレントは少ないと言われています。横から見て映える顔は表情を豊かに表現できるからです。美意識は全てを改善する源、実行あるのみです!
Eラインに近づくために
エステティック ライン、これを世間ではEラインと呼びます。美しく見える基準の一つです。人差し指を鼻先から顎までつけてみてください。人差し指に唇がつきますか?軽くつく、あるいは全くつかないかた、美的に問題ありません。それがEラインです。
人差し指に唇が密着する方、あるいは指が動いてしまった方は要注意です。口輪筋を鍛え、噛む力を養って顎関節の位置をしっかり支えられるように目指してください。
背筋を伸ばして、胸を張り猫背の改善にも取り組んでください。習慣になるまで取り組めば必ずEラインに近づけます。
いつもスマイル!
口元がキリリと引き締まったとして、その口角が下がってしまっては逆効果です。ポカンと出てしまった口元も悪印象ですが、ギリッと頑なに結んだ口元には敵意さえ感じてしまいます。
引き締まった口元の口角が上がっていて、いつもスマイルなら好感度抜群、間違いありません。口元を美しくすることは、健康のため、美容のためだけでなく健全な対人関係の構築にも大きな役割を果たします。
まとめ
戦前の子どものおやつは、ジャコや酢昆布それにカツオブシの欠片などでした。
山野や海辺で木の実や貝などを採って食べたりもしていたのです。その頃の日本人のあごはガッチリしていました。道は舗装されておらず、学校へ行くのも山を越えて通学することが多かったのです。
豊かな自然と治安の良さがあってのことかもしれませんが、私たちが文明の発達と引き換えに失ったものの一つが「美しい口元」です。新しい習慣を取り入れて。美しい口元を取り戻しましょう。
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