ビダール苔癬について!発症しやすい人や部位は?症状・原因、治療法を知ろう!

厚くて汗をかく季節にも、寒くて肌が乾燥している季節にも、何らかの湿疹に悩んでいる人は多いですね。

今日は、少し難しい呼び方のビダール苔癬(たいせん)という湿疹のお悩みを解決して頂けるように調べてみました。

「ビダール」という意味は、今回の湿疹についてを皮膚病として、初めて報告したフランスの皮膚科のお医者さまのお名前だそうです。

では、さっそくビダール苔癬について、お伝えいたします。

ビダール苔癬(たいせん)とは

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ビダール苔癬(たいせん)というのは、神経皮膚炎とも呼ばれていて、主に首の後ろや太もも、または陰部などに好発する慢性の皮膚炎のことです。

お医者さまの考えによっては、ビダール苔癬(たいせん)の場合には「苔癬化」であるとして、「一般的に言われるような苔癬(たいせん)ではない」という考えもあるようです。

それを踏まえると、「皮膚が苔癬化(たいせんか)することで、ビダール苔癬(たいせん)を発症する」ということになります。

ちなみに、苔癬(たいせん)とは、「一定の範囲内での丘疹(きゅうしん)の集簇(しゅうぞく)を意味する」と辞書には掲載されています。丘疹(きゅうしん)は、盛り上がった湿疹のことで、集簇(群がりあっている)という意味なのです。丘疹については、

このことからも分かるように、ビダール苔癬(たいせん)とは、「盛り上がった湿疹が群がり集まっている様子」を表している慢性の皮膚炎の病名なのですね。

では、どんな時にこのようなことが起こるのか見ていきましょう。

どんな時に起こる?

入浴中や飲酒など、身体が温まって血行がよくなっている時などに、すごく強いかゆみを感じたりすることが多いようです。

その反面、何か別のことで気を取られているとか、その時の心のコンディションによっては、かゆみを感じないということがあります。

どんな人が発症する?

ビダール苔癬(たいせん)は、「40代以上の女性に多くて、東洋人に多い」とされていますが、次のような人にも症状が見られることがあります。

  • 若い女性でも発症が認められているので注意が必要
  • 比較的には女性だが、男性でも発症することがある
  • ビダール苔癬かどうかは不明な湿疹の中には、受験生の母親や仕事を持つ女性がいることから、ストレスの多い人が何らかの「痒み(かゆみ)」を抱えている

心身の疲労も、少なからず関与しているような気がしますね。

では、具体的な症状を見ていきましょう。

ビダール苔癬(たいせん)の症状

入浴

ビダール苔癬の症状としては、肌が厚くなり、肌の肌理(きめ)も荒くなってしまうことや、見た目のイメージから等で「たむし」と間違えられることもあるのです。

皮膚が肥厚(ひこう)している発疹が特徴なのですが、症状の進み方によっては色素沈着や色素脱失を起こしてしまうために、皮膚が灰白色になる場合もあります。また、自覚症状としては強い痒み(かゆみ)が代表的な症状となります。

このような症状を以前は、慢性単純性苔癬(まんせいたんじゅんせいたいせん)とか、限局性神経皮膚炎(きょくげんせいひふえん)という病名で呼んでいたこともありました。

形は、均一性のある大きさの赤い丘疹(きゅうしん)が出現して強い痒みが出てきますが、掻いてはくっつき、また掻いてはくっつきするうちに、集簇(しゅうぞく)という状態になり悪循環を起こすことが多いようです。

次第に、楕円形だったものが集簇していくことで帯状に形が変化していくのです。

好発部位

ビダール苔癬(たいせん)は、慢性の湿疹として主に首の横~後ろ側によく発症するようです。

好発部位の首以外では、瞼や前腕、下腿に現れたり、陰嚢などの陰部にも発症することがあります。

そんなビダール苔癬(たいせん)は、何が原因で発症するのかを今度は見てみましょう。

ビダール苔癬(たいせん)の原因

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実は、ビダール苔癬(たいせん)の原因は分かっていないことの方が多いのです。

そんな中でも、患者さんの共通点から原因を見つけていくことは本当に大切ですね。

それでは、原因として可能性のあるものを少し挙げてみましょう。

  • 金属アレルギー(身体とアクセサリーなどの金属との摩擦や、金属の元素を含む食品等)
  • ヘアカラー剤、パーマ液等(強い薬剤の肌への直接刺激)
  • 衣類(ワイシャツ等)
  • シャンプー等のすすぎ残し(肌に良くない成分の肌への浸透)
  • 紫外線(肌の奥までダメージが掛かりすぎる)
  • 毛髪(髪の毛の長さによっては、誇り等を含んだ毛先が首に付く)
  • 乾燥(肌への摩擦等の刺激やダメージが、より強くなる)
  • ストレス(生活習慣や、身体の休息の取り方が良くないため肌細胞の回復が遅れる)

このような「原因物質ではないかと思われるものに、なにかしらの形で刺激が加わること」で発症するのではないかと言われています。

また、限局性神経性皮膚炎と呼ばれていたように、精神的なストレスや、生活習慣、胃腸の状態なども、ビダール苔癬(たいせん)の発症に対する要因になるのではないかと見られています。

胃腸に関しては、東洋医学的な観点から血液循環や、皮膚等の栄養状態からの改善を勧める働きもあるようです。

確かに最近は、皮膚を痒がっている人をよく見かけますが、冷暖房などの環境からくる生活習慣も、深夜の飲酒、食事等からくる生活習慣に、睡眠の質が低下しているなど様々な生活習慣が大きく影響しているかもしれないですね。

では、このようになってしまった場合には、どうしたらいいのでしょうか?

次は、検査や治療法などの今後について、お伝えいたしますね。

ビダール苔癬の検査と治療法

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重要なことは、まず一番に「原因となっている物質を特定する」ことなのです。

原因さえ特定できたら、出来る限り原因物質を生活環境から取り除くことで、症状の軽減が期待できます。もしも、特定できなかったとしても、一般的に知られているような「肌によくないもの」を遠ざけることで、同じような効果を期待をすることが出来ます。

病院での治療としては、外用薬としてステロイド薬が用いられることが多いのですが、外用薬のテープが使われることもあります。

ビダール苔癬(たいせん)の強い痒みに対しては、痒みで患部の広がりを防ぐために、抗ヒスタミンや抗アレルギー薬が使われたりします。強い痒みを伴うことで、ストレスも増大しますので、痒みを誘因する刺激を見つけ出すことが必要になってきます。

身に着けるアクセサリーや衣類などが、刺激に繋がっていないか考えると共に、もしそうであれば素材の違うものに替えるようにします。

また、診断にはパッチテストや皮膚の生検が行われることがありますが、これは類似の症状を示すとされるアトピー性皮膚炎や、尋常性感染などの疾患の可能性があるためです。診断については、ビダール苔癬(たいせん)の場合、首や腕等の特定される場所に痒みを伴った赤い丘疹が認められるために、皮膚科では簡単に診断がつきます。

その他に気を付けた方が良いものや、生活習慣を次にあげてみましたので参考にしてくださいね。

その他の治療と対策

ビダール苔癬(たいせん)の治療は、対症療法がメインとなっていくため様々な治療や工夫がありますので、少し紹介をしておきますね。

衣類の素材を変える

直接的な刺激や摩擦といった原因を避ける工夫が、すぐに取り入れやすい予防法となってきます。

衣類では、「毛羽立って肌に刺激を与える毛織物」や、「化学繊維のナイロン系生地の洋服等」は避けた方が安心です。

漢方療法

1.清熱涼血法で炎症を抑える。

発熱や炎症を抑える働きのある、生地黄(しょうじおう)という漢方薬を煎じて使うのですね。

血液循環を促して良くしようという治療方法です。

2.気血双補法

文字の通り、「気と血の両方を補う」お薬で、栄養改善作用の働きがあるので身体の中から、免疫力を上げて自然治癒力に期待する治療方法です。

このように中国から来た伝統的な漢方は、「体力を根本から回復させようとする治療方法」として、副作用の少ない形で生活や治療に取り入れていこうとすることを目標としている東洋医学なのです。

糖尿病と透析

ビダール苔癬(たいせん)は皮膚病ですが、糖尿病の人等にも見られていることから、生活習慣病である糖尿病の治療や、予防が大切です。

具体的には、食事の時間を規則正しくして甘いものばかり摂り過ぎず、栄養を偏らないようにするとか、しっかりと身体を動かす時間を作りましょう。

肌の管理

先ほどの原因でも少し触れましたが、直接的な刺激を避けるためにも引っ掻き傷を避けるために「爪を短くしておく」方が安心です。

また、アクセサリーも出来るだけ金属を避けるために、外すようにしましょう。

特に、ピアスは直接、肌に穴を開けるという肌ストレスをかけてしまい、感染症も防ぎたいという意味からも気を付けたいですね。

では、ピアスのように直接肌に負担をかけてしまう金属アレルギーについて次は、お伝えいたします。

金属アレルギーとは

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人間の身体は、60兆個の細胞で出来ていますが、同時に多数の元素で作られています。その元素は、骨を作るカルシウムを始め、カリウムやナトリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など「欠乏してしまうと身体に良くない影響を与える」という性質を持っています。

このような元素は、人体に必要不可欠な金属であるにも関わらず、肌の表面(皮膚)と接触すると、拒絶反応を起こしてしまうのです。そのため拒絶している成分を含んだ金属(今回の場合では、ピアス等)を何回も身に着けると、溶けだした金属のイオンが身体の中に入り込んでしまうのです。

すると、自分の身体を守ってくれている免疫が働いて、身体の中に入り込んだ金属のイオンを「異物が侵入してきた」と判別して、記憶されてしまいます。結果的に、同じ成分のアクセサリーを身に着けると「異物が侵入してきた」と反応起こすのですが、この反応が「アレルギー反応」ということになります。

このようなアレルギーを起こす原因物質によって、アレルギーの呼び方が少しづつ異なっているのですね。

詳しくは、金属アレルギーとは?症状・原因・治療法・予防法を紹介!を参考にしてください!

まとめ

では、今日のまとめです。

  • ビダール苔癬(たいせん)は、神経皮膚炎でもある
  • 40代以上の女性に多く東洋人に多いが、若い人や男性にもみられる
  • ビダール苔癬(たいせん)は、赤く盛り上がって集まる慢性の湿疹
  • 首の横~後ろ側に現れやすい強い痒みが特徴
  • 原因は分からないことが多いが、アクセサリー等の肌への直接刺激を避けることが重要
  • ストレスや、生活習慣病が原因となっていることもあるので予防が大切

皮膚病ひとつを取り上げてみても、こんなにたくさんの原因となる物質や生活習慣病があるのですね。

普段からの生活を見直すきっかけとして、アレルギーのある人もない人も、少しでも過ごしやすいように工夫してみてください。

  
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