首の後ろのしこりの原因は?押すと痛いのは病気?

何気なく首を触って、突然首の後ろにしこりができていることに気づいたら、さぞかし驚くことでしょう。しかし、実際にそういうことが起こり得るのです。

首は、身体の中でも大変繊細な場所であり、無防備な場所でもあります。左右前後に首を回せるよう、筋肉が薄く、骨も細い…にも関わらず、皮膚のすぐ下に頚動脈があり、数多くの神経が集まる脊髄が通っています。

そんな重要な場所だけに、安易に放置しておくと、あとで大変なことになる場合があります。ここでは、首の後ろにできるしこりの原因と治療法についてご紹介します!

スポンサーリンク

首の後ろのしこりの原因

neck-1211231_960_720

首の後ろのしこりにも、痛みを伴うものから、痛くないものまで、いろいろと種類があり、原因となる病気も異なります。では早速、どのような原因があるのか、見ていきましょう。

脂肪腫

これは、名前の通り脂肪細胞の塊が瘤(こぶ)のようになって皮下組織に現れます。首に限らず、身体のどこにでも発症しますが、背中や首、肩まわり、お尻のまわりにできることが多く、腫瘍組織から、染色体の異常が見つかっているものの、正確な原因は不明のままです。

脂肪腫は、幼少期に発生すると考えられており、少しずつ肥大化するので、40~50代以降になって、しこりとして現れることが多いようです。しこり自体は、固くなく、柔らかい感触です。

また、皮膚と筋肉の間に発生した場合、痛みはないのですが、筋肉と筋肉の間、あるいは骨の中など身体の深い部分にも発生することがあり、ごくまれに、痛みや運動障害の原因になることがあります。

しこりが急激に大きくなるものは、悪性腫瘍の「脂肪肉腫」の可能性もあるので、病院で検査しなければなりません。

粉瘤(アテローム)

皮膚下の袋状の組織に老廃物(角質)が溜まってできたしこりを粉瘤(アテローム)と言います。これは、一見ニキビのようにも見えますが、真ん中に黒い点状陥没があるのが特徴です。

そして、しこりを押すと、中からドロっとした臭い液体が出てくるのです。しこりは固く、徐々に大きくなって痛みを伴うことがあります。外傷によって皮膚の表面が内部に押しやられると、そこに定着して発生する傾向があります。

発生する場所は、全身どこにでもできる可能性はありますが、首から上の、顔や頭部などに多く見られ、大きさも、数mmくらいの小さなものから、大豆ほどのものと様々です。

このしこりとなっている袋が、皮膚内部で破れると、袋の中身が皮膚下で周囲に漏れて、激しい炎症を起こし、急に赤く腫れあがることもあるので、注意が必要です。

リンパの腫れ

首の後ろのしこりで、最も多いと思われる原因はこれです。体内には、血液の不要物や水分などを運ぶリンパ液が流れており、そのリンパ液が流れている、リンパ管という管には「リンパ節」と呼ばれる、豆のような形をした器官があります。

リンパ節は、リンパ液に流れている細菌などから防衛する働きをしており、風邪や歯周病などで、リンパ液にウイルスや細菌が流れると、リンパ節がそれらを処理しなければならないため、一時的に腫れることがあります。

この腫れが、首の後ろのしこりとして現れるのです。痛みや発熱を伴うといった点も特徴です。この場合、しこりが現れる前に、風邪や歯周病といった先立つ症状があるので、原因を発見するのは比較的容易ですが、外から見ても腫れがわかるときは、リンパ節の膿瘍化も疑われますので、早めに医師による診察を受けましょう。

甲状腺腫瘤

甲状腺とは、喉ぼとけの下にある、蝶のような形をしたホルモンをつくる臓器です。甲状腺ホルモンは、身体の新陳代謝を活発にする元気の素とも言われているホルモンです。

具体的には、脳の活性化や、体温の調節、心臓や胃腸の活性化、新陳代謝の促進などの働きをしています。首の後ろにしこりができた場合、この甲状腺が腫れる「甲状腺腫瘤」の可能性があります。比較的女性に多く見られるのも特徴です。

甲状腺腫瘤には、悪性の腫瘍(=がん)と、良性の腫瘤があり、悪性の場合、8割以上が乳頭がんと言われています。症状としては、首のしこりの他に、喉に違和感がある、声がかれる、首そのものが腫れるなどがありますが、自覚症状がない場合もあります。また、はっきりとした原因がわかっていないのが現状です。

悪性リンパ腫

リンパ組織が、がん化する「悪性リンパ腫」の場合も、腫れやしこりが症状として現れます。これは、白血病や骨髄腫と同じ血液のがんです。

どの臓器にもリンパ組織があるため、甲状腺や、肺、胃腸、脳脊髄など、リンパ節以外の臓器にも発生するのが特徴です。原因は不明ですが、一部では、ウイルスやピロリ菌などが関与することがわかっています。

主な症状は、腫れ・しこりや圧迫感で、通常は進行性なので痛みがありません。原因不明の体重減少や、37℃前後の微熱が何日も続く、激しい寝汗、意識障害などの症状が現れる場合は、直ちに医師の診察を受けましょう。

悪性リンパ腫になる可能性は低いですが、これは極めて危険な病気ですので、気をつけるに越したことはありません。

詳しくは、悪性リンパ腫の生存率って?種類や症状、再発の可能性についてを参考にしてください。

スポンサーリンク

何科の病院へ行けばいいのか?~それぞれの治療法~

hospital-721239_960_720

首の後ろのしこりの原因となる様々な病気。同じ首の後ろの症状でも、それぞれ専門となる病院が異なります。適切な治療を受けるために、何科の病院へ行けばよいのか、そして、一般的にはどのような治療が行われるのかをご紹介します。

脂肪腫の場合

脂肪腫の疑いがある場合は、まず、整形外科に相談してみましょう。必要があれば、X線やMRIなどの検査をします。治療の方法としては、比較的小さく、痛みがないときは、大半が経過を見るだけで良いとされます。

しかし、身体の目立つ部分や、運動障害の原因となる場合には、手術をして取り除きます。小さなしこりであれば、日帰りで手術をすることも可能です。

しかし、5cm以上ある大きなしこりや、急激に腫れるしこりの場合は、悪性腫瘍の肉腫と見分ける検査をするため、組織を採取する手術を行います。

粉瘤(アテローム)の場合

粉瘤の疑いがある場合は、皮膚科で診察を受けましょう。通常は見た目だけで判断できます。治療の方法としては、切開で中身だけ取り除いても、必ず再発するので、手術をして袋ごと取り除きます。

しかし、炎症がひどい場合は、袋を摘出することが困難なので、切開のみになることがあります。この場合は、炎症が落ち着いた頃、手術をする必要があります。特に、首にできた場合は、傷跡も目立ちますので、できるだけ小さいうちに手術を受けるのがベターです。

リンパの腫れの場合

リンパが腫れている疑いがある場合、ほとんどがウイルスや細菌の感染が原因となりますが、原因となる感染症によって、受ける専門医が異なります。

悪性腫瘍などの、危険な病気ではないことを確かめるためには、まずは内科を受けるのが安心かもしれません。また、歯周病からの感染が考えられる場合は口腔外科、中耳炎や咽頭炎からの感染は耳鼻咽喉科で相談するのが良いでしょう。

多くの場合、原因となっている感染症が良くなれば、腫れは引いていきますが、なかなか腫れが引かない場合は、注意が必要です。こうなると、自己判断で悪性か良性かを見分けることが困難なので、異変に気がついたら、すぐに病院へ行くことをおすすめします。

治療法も、原因となる感染症によって異なりますが、細菌性の炎症の場合は抗生剤の投与が必要になります。

甲状腺腫瘤の場合

甲状腺腫瘤の場合は、内科あるいは内分泌科、甲状腺科へ受診に行きましょう。主な治療として、良性の場合は、経過観察をする場合が多いようです。大きなしこりの場合は、中の液体を注射器で抜いたり、手術をする、エタノールを注入して腫瘍を小さくするといった方法も見られます。

次に、悪性の場合ですが、ほとんどの場合、手術で治療することができるので、適切な治療を行えば、命に関わることは、ほぼありません。手術の他にも、大量のアイソトープ投与や、放射線によって、腫瘍を破壊する方法もあります。

悪性リンパ腫の場合

悪性リンパ腫の疑いがある場合は、血液内科で診察を受けますが、自己判断でわからない場合は、大きな総合病院へ行くことをおすすめします。

病院では、診断のため、リンパ節やしこりになっている一部分を切除するし、検査します。さらに、腫瘍の広がりを見るため、CT検査や骨髄検査なども必要です。そして、その広がりの程度によって、4段階の病期に分けられます。

治療法としては代表的なもので、化学療法があげられますが、腫瘍が首など限られた場所の場合は、放射線療法だけを行うこともあります。他の治療法では、抗体療法や、造血幹細胞移植があり、病気の進行状況を見ながら、これらを組み合わせて治療することが多いようです。

また、悪性リンパ腫になってしまった場合は、感染症に掛かりやすくなるので、注意しなければなりません。しかし、早い段階で発見し、身体が元気なうちに治療を始めることができれば、治すことも可能な病気です。

おかしいと思ったら、すぐに病院で受診するようにしましょう。

スポンサーリンク

まとめ

いかがでしたでしょうか。いずれにせよ、首のしこりを発見した場合は、とにかく早めに病院へ行くほうが良さそうです。どんなに遅くても、2週間経って症状が変わらない場合は受診してください。

医療が進んだ現代、早期に発見することで、治療の選択肢も大幅に広がりますし、快復までの時間も、悪化してから治療を始めるより、短くて済む可能性もあります。

また、そのような病気にならないためにも、ウイルス・細菌感染を予防する手洗いうがいを習慣づけたり、抵抗力を落とすストレスと上手く付き合うなど、日頃からできる予防法もあります。

健康の基本である、バランスの良い食事、質の良い睡眠、適度な運動を心がけて、万が一、病気になってしまったときも、早く回復できる体力づくりを心がけたいものです。

関連記事として、

首の後ろが痛い原因は?病気や炎症、対処方法について!

首の付け根が痛い原因は?予防法や病気について

首こりの頭痛の解消方法は?原因や対策を紹介!

これらの記事も合わせてお読みください!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする