腸閉塞という病気を知っていらっしゃいますか?便秘がひどいという人はいませんか?特に女性は便秘に苦しむ人もいますよね。
この病気は突然腹痛に襲われる病気で、さらには死亡につながってしまうという可能性もあります。その死亡率こそ6、7%という低いですが、とても怖い病気ですので、治療法や予防法などについての知識を身につけておくとよいでしょう。これから腸閉塞について紹介していきます。
この記事の目次
腸閉塞とはどんな病気なのか
簡単に言うと、腸が閉じてふさがってしまうという病気です。閉塞するということは腸の中が詰まってしまうということですね。腸閉塞は、腸の道がふさがれてしまい便などの内容物が詰まってしまう病気なのです。
この病気になると、腸が詰まるために腸の中でガスや腸液が出てきたのにもかかわらず、それが外へ出すことが出来ずに腸の中で溜まってしまい腸が大きくなってしまうのです。そうすると、腸が大きくなってくると、腸管に穴が開いてしまったりもするので、とても激しい痛みがお腹に襲ってきます。
また、腸が張ってきてしまいますので、お腹が張って痛みを感じたり、肛門のほうへ行かなくなった腸の物が口の方向へと逆流してきて、吐き気や嘔吐が発生します。
吐き気やおう吐が発生する腹痛の病気の中で、最も有名な病気になります。
腸閉塞の原因はなんなのか
では、腸梗塞は何が原因で起きるのでしょうか。その原因を知っておきましょう。
腸の外側の原因とは
腸梗塞の原因は、腸の外側にある場合と、内側にある場合に分ける事ができます。外側に原因がある場合というのは、腸が外から圧迫されてしまったりねじれたりしてしまうことが原因になります。
開腹手術という手術を受けた人のなかでは、腸同士がくっついてしまいますが、その部分を中心に腸が折れたりねじれたりと、ほかの腸が圧迫されて腸が詰まるというのが、原因といえるでしょう。
内側にある原因
逆に内側に原因がある場合は、大腸がんによる閉塞が挙げられ、その中でもお年寄りの方で便秘の人では硬くなってしまったという便自体にも原因があるのです。
腸閉塞の種類とは
腸閉塞の種類には、大きく分けると機能的なものと機械性なものに分けられるのです。
機能的な腸閉塞について
まず、機能的の腸閉塞とは、お腹の手術によって腸が傷ついて治しているときに、腸がくっついてしまうということによって、この病気を起こしやすいものになります。
他にも、腹膜炎や低ナトリウム血症、鉛中毒などからも起きてしまうということもあるようです。
機械性の腸閉塞について
そして、機械性の腸閉塞は、閉塞性と絞扼性に分かれます。
閉塞性は、胆石や小腸に寄生する寄生虫でもある回虫などの腸内に変なモノが混ざって起こしてしまう場合や、胃潰瘍やクローン病などによって、腸管に傷つけたり炎症を起こしたりして起きることもあります。
また、絞扼性というのは、緊急性を伴います。腸間膜が締め付けられたり風邪を引いたりすることで、腸管の中の血行が悪化しまい発生します。症状としては他のものよりも悪化しやすいものになります。
よって、腸閉塞にはいろいろ種類があることが分かります。でも、腸の中が詰まっているという原因はどれでも同じである考えられます。
腸閉塞の症状はどんなものなのか
症状の始まりとしては、突然激しいお腹の痛みと吐き気や嘔吐が起こってきます。
お腹の張り
お腹の張りの症状の出方として、お腹が張ってくるので痩せている人の場合だと腸がむくむくと動いているのが、お腹の外から見えることもあるようです。
この痛みは、腸が詰まったとたんにいきなり痛みが現れます。また、この痛みはキリキリととても強い痛みに襲われます。しばらくするとその痛みは引いていき、それが何度も繰り返していきます。
この痛みは一般的には疝痛(せんつう)といわれています。
吐き気や嘔吐について
嘔吐の場合は、胃液や胆汁がはじめに現れますが、ひどくなってくると逆流してきた腸のなかのモノとなり、下痢のような色や臭いをもついてきます。
他にも自分で気付く症状としては、脈が細く早くなったり発熱を起こしたり、脱水症状なども起こす人もいるでしょう。これらの症状が出てきたら、必ず病院に行ってください。
腸閉塞になると、先ほども言いましたが腸が詰まっている状態なので、なにも食べられなくなりますし、栄養や水分もとれなくなってしまいます。そこから、この嘔吐につながっていきます。ときにはそのまま腸が壊れてしまい、腹膜炎を起こしてしまい、死につながってしまうこともあるのです。
腸閉塞の治療はどうやってするのか
腸閉塞になってしまったら、まず自然には治ることはありませんので、医師の処置が必要となっていきます。
ほとんどは手術以外の「保存的治療」という、食事や飲水を止めるという絶飲絶食が大前提です。そして、胃腸を休めて十分な補液をしていき、腸の減圧療法を行っていきます。
腸閉塞になってしまうと、腸内は詰まっているということになりますので、モノを食べたり飲んだりすることは一切してはいけないのですが、それも腸の中が開通できるまではのことになります。
治療の種類について
その種類としては2種類あります。
鼻からイレウス管という吸引チューブを胃や腸まで入れて、小腸の中にある嘔吐の元となるモノを体の外に出して、腫れが引いてくれるのを待ちます。おならや便が出るようになれば、一応治ったことにはなります。
しかし、腸が詰まった原因は治らないのです。よって、そのクセが残って再発してしまうというリスクというものは残ってしまいます。この方法で効果が出ない場合や緊急の場合は開腹手術という方法をしていかなくてはなりません。
手術の方法とは
手術での治療は、お腹の下腹部にあたるところの開腹手術となります。開腹ということはお腹をメスで開く手術です。
1度でもこの手術を受けたことがあれば、その部分ではないところからの手術をしていくことになっていいくため、クセも残ってしまうこともあり、また腸閉塞になりやすくなってしまいますので、軽度な症状の場合は避けましょう。
なぜなら、手術で開腹を何度か続けていると、開腹する部分がどんどんなくなってしまうからです。しかし、ひどいときは開腹手術の必要があるといえます。
治療の間の食事とは
病気が治るまでは絶飲絶食が絶対であって、そのあいだは点滴での生活となります。
食事が出来るようになるのは、その点滴生活が終わり次第になり、流動食から始まっていきます。普通の白いご飯が食べられるようになるまでは、多少となりとも時間はかかることでしょう。
入院中について
入院期間としては、イレウス管という吸引チューブでの治療か手術での治療かで変わっていきます。
イレウス管(吸引チューブ)での治療は、2週間くらいを目途としておりますので、治療の効果が順調に出ればそのくらいの期間で退院できるでしょう。これで効果が出ずに治らなければ、開腹手術という方法になっていきます。
もし、開腹手術のほかに大腸ガンや糖尿病などの病気を併発していたら、入院期間はさらに延びてしまうこともあります。
イレウス管での治療になると、それで体の外へ腸に溜まった異物などを出していくことになるのですが、イレウス管には小さな器械がくっついているので、トイレに行くときなどはこれを一緒に持ち歩かないといけません。
また、絶飲絶食で治るまでは点滴生活となっていきますので、点滴の器具も持ち歩かなくてはなりません。トイレが付いているお部屋であれば、そこまで面倒ではないのですが、お部屋を出て歩かなくてはならない場所にトイレがある場合は、少し面倒になっていくでしょう。
腸閉塞を予防するには
開腹手術をした人に限ってしまうのですが、腸閉塞の原因はクセとして残りやすいので、再発してしまいやすいということを覚えておいてください。
まず、暴飲暴食は止めてもらうこととなります。なぜなら、また再発してしまう可能性が食べすぎ飲みすぎをすることで十分にあるといえるからです。
お腹が張ったり、ガスが溜まってくることがありましたら、食事を少なめに摂取するようにしてください。それでも治らないようであれば、医師の診察を受けたほうが良いので病院へ行ってください。
まとめ
腸閉塞という病気は恥ずかしいと思ってはいけません。
お腹が張ったり、便秘が異常なほど続いて、腸閉塞かなと疑いが出てきたら、必ず病院の外科へ行き、医師の診察を受けなくてはなりません。
診断によって、腸閉塞だったという人は治療して治していかなくてはなりませんが、もし腸閉塞ではなかった場合は、また安心して生活できることになるでしょう。
関連記事として、
これらの記事も合わせてお読みください!