ネット弁慶とは?12個の特徴と世間の反応を知っておこう!

いつもは大人しい性格なのに、インターネットの世界ではやたらと威勢のいい「ネット弁慶」。匿名性の高いサイトでは、本人を特定することは難しい為、誰もがインターネット上では強気な態度を取ってしまう可能性があります。

あなたのすぐ近くにネット弁慶がいるかもしれません。また、自分自身がいつの間にかなっている場合もあります。こちらの記事では、ネット弁慶の特徴について詳しくご紹介します。

ネット弁慶について

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携帯電話は普及され、PCも1人1台持つ時代となり、誰でもインターネットの世界に簡単に入ることが出来ます。ネット弁慶はネットの世界と現実世界で異なる態度の人のことを言います。

最近では、このネット弁慶と呼ばれるタイプが増えています。ここでは、ネット弁慶とは何か、またネット弁慶になる確率についてご紹介します。

ネット弁慶とは?

ネット弁慶とは、インターネット上の匿名掲示板、ブログ、チャット上などで威張った態度を見せるにも関わらず、現実世界では大人しく小心者である性格の人のことを意味しています。

この語源は「内弁慶」という、家では威張っているのに外では小心者である言葉をもじって生まれたインターネットのスラング用語です。実名を公開せず、本人を特定することが困難である匿名性の強さが、このようなネット弁慶を生まれやすくします。

ネットの中では強そうに振舞っているにも関わらず、オフ会などを開き街で実際に会うと同じ態度を取れないことが多いです。英語ではInternet Tough Guy(インターネット・タフ・ガイ)と呼ばれ、ITGと省略されることもあります。

このような態度は日本だけでなく世界的に共通することだと言えます。匿名だからといって強気な書き込みしてしまうと、心ない言葉で人を傷つけたり、後々自分も痛い目に遭うこともあるので注意が必要です。

「何者」、著者:朝井リョウ

第148回直木三十五賞を受賞した朝井リョウさんの小説は、まさにネット弁慶と呼ばれる人たちへの警告が含まれた内容になっています。この小説は2016年に佐藤健、有村架純などが出演で映画化されました。

内容は、就職活動対策の為に集まった5人の大学生が、就職活動を通じて自分が何者なのか模索していくものです。その中でそれぞれの思いや悩み、苛立ちや嫌悪感をSNSで発信していく人間の醜い部分が見えてきます。

この物語のように、就職活動中や会社内で上手くいかない事があると、ついつい会社の悪口を書いたり、言わなくていいことまでネットで言ってしまいがちです。しかし、このような書き込みをしていると、同僚や上司の人に見つけられてしまうケースは少なくありません。

匿名で投稿していても、いつか見破られてしまい、リアルの世界で居場所をなくしてしまう原因にもなります。自分の欠点を受け止め、後々後悔するような内容は投稿しないように気をつけましょう。

4割以上がSNS上で二重人格

20~30代のSNSユーザー男女300人を対象にしたアンケート調査では、リアル社会とSNSで人格を使い分けている人が4割以上いるという結果になりました。

4割以上の人がSNSと現実で二重人格。ネット=仮想世界と解釈し、何かが解き放たれてしまうのでしょう。

出典:トレンド総研のアンケート調査

これに対して周りの反応を見てみると、ほとんどの人が「ネットとリアルが変わってしまうのは普通のことだ」と回答しており、むしろ「その人の本心が知れていい」などの肯定的な意見も多く見受けられます。

ネット上で新しい自分を見せる分には受け入れられる可能性がありますが、一方で間逆な性格を見せたり、調子付いたようなコメントを掲載すると「怖い」や「気持ち悪い」などの反応を持たれてしまいます。

ネット弁慶の特徴について

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ネット弁慶は誰でもなる可能性があります。中には新しい自分発見などいい方向に向かう人もいれば、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)をして、サイトを荒らしてストレスを発散するタイプもいます。

どんな人がネット弁慶になりやすいのか、ここではネット弁慶の特徴についてご紹介します。自分がネット弁慶になっていないかチェックしましょう。

言葉遣いが汚い

ネット弁慶は、インターネット上で使う言葉遣いが汚いという特徴があります。普段職場や学校での話し方と掲示板やチャットで使う言葉が全く異なります。いつもは感情をあまりださないタイプの人が、ネット上で「どっか行け、クソババア」などの汚い言葉使ったら、ビックリすると思います。それと同じように、言葉遣いは人の印象を大きく変えてしまうのです。

ネットと現実世界で人格を使い分けている人は自分の印象や影響力をあえて変えていると言えます。「リアルで会ったら、お前なんかワンパンで終了」など暴力的な発言を使って相手を威圧しようとし、自分をより強く見せたり知的に見せたりします。

他にもhate speech(ヘイトスピーチ)と呼ばれる発言をする人もいます。このヘイトスピーチに定義はありませんが、人種や国籍、性別、障害、職業や顔など人が悩みを抱えそうな話題や欠点と思われる部分を誹謗中傷したり差別とも取れる発言をします。心無い言葉を浴びせ、他人を蔑み反対意見には耳を貸そうともしません。

ここ最近では、在日韓国人や朝鮮人に対してヘイトスピーチがあり「ゴキブリ」「朝鮮半島に帰れ」「韓国人を殺せ」というような大変残念な書き込みやデモが行われていました。

いかに自分が強いかを自慢する

書き込みの中では、自分がリアルの世界でいかに強いかを自慢するような発言をします。誰かと討論になった時に「俺は軍隊経験があるからお前なんか瞬殺できる」や武道をやっているなどと嘘の話をします。

他にも体の大きさや筋肉、自分の持つ知識の広さ、深さについて語り始めます。

リア友よりもネトモの数の方が多い

友達の数は影響力の強さを測ることもでき、魅力的な人の周りにはいつも人が集まります。その為、リアルな友達が少なくネット友達(ネトモ)の方が多い人は、現実世界よりもネット上での影響力が強いと言えます。

ネトモが多いということは、いつもネットに依存した生活を行っている証です。現実世界で上手くいっていない人が、そのストレスや憂うつな気持ちをネットの世界で発散させていると考えられます。

しかし、リアルな世界での問題を解決しない限り、ネットでオラオラな態度をとっても一時的な満足にしかなりません。このようなタイプの人は根本的な問題を解決しない限りは、最悪の場合強迫などで名誉毀損で逮捕されたり、動物虐待やロリコンなどに走る人もいます。

リア友とネトモの中に共通人物が少ない

リア友とネトモに共通人物が少ない人は、ネット弁慶の特徴でもあります。現実世界とネットの世界に共通の友達が多い場合は、現実社会と関係した活動をネットでも行っている可能性が高い為、性格や態度に大きな違いはないと言えます。

今まで知らなかった部分がネットを通じて見える事は誰にでもありますが、ネット弁慶の場合は匿名で発言して本人が特定できない場合が多いので、自分を偽りやすくネット弁慶になる可能性が高いです。

正義感が強く誤りを指摘したい

ネット弁慶は正義感が強く、誤りがあると指摘しないと気が済みません。このような正義感の強い人は現実世界では周りから信頼を寄せられたり、リーダーシップを発揮するタイプです。しかし、現実世界で見てみぬフリをするタイプの人はネット上でその正義感を発揮させやすいです。

「こんな発言をしたら、周りからどう思われるだろうか」などと現実世界では周りの目を気にしている為、思うような発言が出来ませんが、ネットでは周りの目を気にする事がないので自分の正義感を他人に押し付け、正義のヒーローになったような気分に浸ります。

人の役に立ちたいけど目立つのは嫌い

人の役に立ちたいという気持ちは誰でも少しは持っているものです。しかし、実際に行動にする時には勇気や努力も必要になります。例えば、お年寄りや妊婦さん、体の不自由な人に席を譲るなどの行為も、人によっては簡単な行為ではありますが、人見知りの性格な人やコミュニケーションを取るのが苦手な人にとっては声を発するのに勇気が必要です。

人の役に立ちたいという願望を強く持っているのにも関わらず、周りの人に注目されてしまうことや目立つことを嫌がります。その為、現実世界で実行することができずにネットの世界で欲望を満たす可能性が高いです。

ネットの世界では周りの目を気にせずに発言できる為、困っている人がいたら相談にのったり、知識を披露したりして自分の願望を満たす場所としてネット社会を使っている人もいます。

会社の待遇に満足していない

社会には理不尽な事が多く、必ずしも才能がある人に高い地位や収入が貰えるわけではありません。その為、自分には能力があるのに評価されていないと不満も持っている人もいます。

このようなタイプの人は、会社や上司の不満や愚痴をネットに書き込みやすい傾向があります。例えば、自分が携わっているプロジェクトに対して「このプロジェクトは自分が企画したものと大きく違ってきた」などとネットで発言するのにも関わらず、リアルを見てみると会社では全く発言していないという事があります。

インターネットの世界では、地位や名誉などは会社や上司が決めるのではなく、ネットユーザーから評価されるものです。その為、現実社会で評価されていない人の中には、ネットの中で多くのファンを獲得することもあり、ネットでの活動を本格化させます。

一人でいるのが好き

ネット弁慶は大勢でいるよりも一人でいるのを好みます。一人であれば自分のペースで物事を進めることができ、人の意見にも耳を傾ける必要はありません。ネット社会は周りのことを考えずに一方的に自分の意見を発することができたり、自分のペースで物事が進められる場所です。

たとえ周りから嫌われたとしても、また新しい名前を名乗ってチャレンジすることもでき、何度もやり直しがききます。ネット社会では新しい自分を発見するきっかけになったり、ネットの世界で社会貢献をしたりと今まで現実社会で埋もれていた才能を開花させる場合もあります。

ネット弁慶はネガティブにも捉えられがちですが、自分の才能を開花させるという面では極めてみるのも面白いかもしれません。

承認欲求が強い

ブログ、電子掲示板、チャットなどの社会的ネットワークを構築するもので、コミュニケーション機能がついているサイトをSNS(英語:social networking service)と呼びます。コミュニケーション機能は会員限定で使える事がほとんどで、有名なサイトではツイッター、Facebook、LINE、InstagramなどがSNSに当たります。

このようなサイトは他人から認められたいという承認欲求を満たすものだと言われています。しかし、欲求は叶えられても次から次へと生まれてくるもので、次第に欲求の強さも大きくなっていきます。

この欲求が捻じ曲がってしまうと「おでんツンツン男」のような人が出てきてしまいます。このような方たちの場合、現実世界でもある程度モンスターの素質はあったには違いありませんが、SNSという承認欲求の場所が更に彼らを刺激して行動に移させたと考えられます。

いざメディアに大きく取り上げられたり、刑事的処分の方向で話が進められていき、事が重大化していくにつれて、人が変わったようにしおらしくなり「申し訳ないと思っている」謝罪します。承認欲求が強い人はもともとある素質が刺激されてしまい、それが問題になるまで気づかないという場合もあります。

匿名を使う

ネット弁慶の中には匿名を使ってサイトのコメント欄を荒らしたり、ネットストーキングのような行為を行う人もいます。このような悪意のある行為をする場合は、自分が特定できないように、匿名やハンドルネームを使って投稿する人が多いですが、中には本名を設定して堂々と参加している人もいます。

被害者ぶるときがある

ネット弁慶の中には、自分で自分のサイトを荒らしたりして被害者ぶる人もいます。このように巧妙に仕立て上げ、周りに心配されることに安心感を覚えます。加害者と被害者の見分けは難しいですが、振り回されないように気をつけましょう。

知性が高いが精神面が幼稚

ネット弁慶は知性が高い人も多いですが、その反面精神的に幼稚です。ネット用語にモヒカン族というものがあり、技術的な知識に優れて常識やルールを守ることや間違った行動を指摘する人がいます。このタイプは、相手に対して、当たり障りのない言い回しをするのではなく、いい方が直接的で、1つ1つ確実に指摘していきます。

ネット弁慶はこのモヒカン族にも似た傾向がありますが、ネット弁慶はルールを無視する点が大きな違いです。両方とも似たような性質がある為ぶつかりやすく、この2種類のタイプがサイト上で対立しているのも見かけられます。

ネット弁慶に対する周りの反応

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ネット弁慶に対して、周りはどのような感情を抱いているのでしょうか。周りの反応を見てみると意外にも、ネット弁慶を受け止めたり肯定的な意見をする人の方が多いです。

ここでは、ネット弁慶に対する周りの反応についてご紹介します。

普通だと思う

ネット弁慶は誰もがなりやすいもの、もしくは既になっていると自覚しているからこそ、ネット弁慶になるのは普通だと思っている人が多くいます。

リアルでは周りや人間関係を気にして自分が思っている事を押し殺してしまうことも多い為、ネットでは気軽に発言して普段のストレス発散として使う人がいます。

本性が分からない

普段全く発言しないのにも関わらず、ネットでは長文をあげたり、頻繁にコメントしたりしていると、どっちが本性なのかが分からなくなります。中には、2重人格や多重人格を疑ってしまう人もいます。

本性を知ることができる

本性がわからないと回答する人がいる一方で、本性を知ることが出来ると答える人もいます。普段は、人間関係や周りを気にして発言を抑えていますが、理性が失われて何も気にせずに発言している内容こそが、その人の本性だと考えられています。

面白い・新しい魅力を感じる

いつもと違った面が見れるので面白いと答える人もいます。いつも完璧な人が冗談をいったり、シャイな人が、過激なコメントをしていたりすると新たな一面が発見できた感じがします。人はギャップに弱いので、いいギャップを感じれる人に対しては面白いと思ってもらえます。

気持ち悪い・怖い

ほとんどの人が肯定的な意見の中、気持ち悪いや怖いと回答している人もいます。ネットもリアルの間で受け入れられる程度の違いであれば問題ありませんが、本性がわからないタイプの人や嫌悪感を与える性格のギャップは、周りにいい印象を与えられません。このようなタイプの人は、リアルな世界で距離をとられる可能性はあります。

親近感が沸く

ネットの世界は、本性がさらけ出されやすい場所です。いつも真面目な人が感情を出すことで人間味が増して親近感が沸く人もいます。ネットの世界での性格を受け入れてもらえたら、そのような性格をリアルでも求められている場合があります。

ネットの世界で周りから認められた性格であれば、リアルでも同じように自分を変えていっても受け止めてくれるはずです。2つの異なる人格を使い分けていると、一体自分は何者なのか分からなくなっていきます。自分を偽らずにネットもリアルでも同じような自分が出せるようにしていきましょう。

おわりに

ネットとリアルの世界で性格や態度が変わってしまうことは誰でもあります。しかし、それが周りから見て「違う一面が見えていい」といい方向に捉えられる人の場合もあれば、ただ単に人を誹謗中傷してストレスを発散させている人もいます。

ネットの世界は顔が見えない存在だからこそ、何かを伝えるときの言葉選びはとても重要なものです。乱暴なだけであれば伝えたいことも伝わらないので、ネットの世界こそ言葉選びに慎重になるべきではないでしょうか。

  
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