結核に感染した時の症状とは?経路や予防方法を紹介!

結核は恐い病気です。しかし一般的には過去の病気と考えられがちです。「結核は撲滅されたはずでしょ」とか「体が弱ったお年寄りがかかる病気」といったイメージが強いと思います。

確かに結核が「国民病」と認識されていたのは、明治時代から昭和20年代ごろまでです。現代では、日本人が最も死ぬ病気ではありません。しかし最近では、厚生労働省が1999年に結核緊急事態宣言を出したほどです。つまり結核は、終わっていない病気なのです。

ここでは、結核の感染について解説するとともに、結核の基礎知識について紹介します。

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結核の感染の特徴

細菌

結核は感染症の仲間です。結核菌という菌に感染すると、病気になります。

排菌

結核患者が体の外に菌を出すことを排菌といいます。結核の排菌の特徴は、咳やくしゃみによって飛び散ることです。咳などによって感染することを、飛沫感染(ひまつ・かんせん)といいます。

空気感染

直接目の前で結核患者の咳やくしゃみを受けなくても感染することがあります。それは、結核菌が空気中に排菌されると、すぐには地面に落ちず空間を漂うからです。結核菌は数ミクロンしかないためです。

例えば、結核患者が出て行った直後の部屋に非感染者が入室した場合、感染する可能性があります。これを空気感染といいます。

性交渉

結核菌は肺に潜むことが多いので、性交渉それ自体では感染しません。ただキスをしたり濃厚接触が長時間に及べば、容易に感染してしまうでしょう。

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結核緊急事態宣言について

死

過去の病気と思われていた結核なのに、なぜ厚生労働省が結核緊急事態宣言を出したのでしょうか。この宣言が出された1999年に、何が起きたのでしょうか。

宣言の要約

結核緊急事態宣言ではまず、「結核は決して過去の病気ではない」と断言しています。国民の生活水準の向上や医学の進歩、結核対策への取り組みによって結核患者は激減したが、それをもってこの病気を恐れなくなったのは「錯覚」にすぎない、と戒めています。宣言では結核が過去の病気ではない証拠を挙げています。

  • 世界保健機関(WHO)が1993年、各国に結核対策の強化を求めた。
  • 1999年の日本国内の新規結核患者は約4万2千人。死亡者数は2700人に達する。
  • 同年の新規発生結核患者数は38年ぶり、結核罹患率は43年ぶりにそれぞれ増加に転じた。
  • この数字は結核が国内最大の感染症であることを意味する。
  • 近年の傾向は「多剤耐性結核」「学校や病院などでの集団感染」「高齢者の結核」「在日外国人の発症」となっている。

現在の日本の状況は、宣言が出された1999年よりは改善していますが、それでもなお年間2万人が新規に結核を発症し、2000人が結核によって亡くなっています。ちなみに多剤耐性結核とは、複数の薬が効かない結核という意味です。

取り組むべきこと

結核の感染を広げない方法についても、結核緊急事態宣言は具体的に述べています。まずは地域の保健所に対し、保健所管内の住民に健康診断を行うよう指示しています。医師会や医療機関団体には、医師や看護師たち医療関係者に、結核診療技術の向上と院内感染の予防、患者発生時の適切な対応を呼びかけています。

高齢者対策については、わざわざ項目をひとつ設けて注意喚起しています。高齢者施設内での感染拡大の対策と、健康診断が具体策になります。

それだけではありません。結核の研究者たちに「結核の診断と治療に関する研究を進めて」と呼びかけているのです。研究を依頼するということは、国として予算付けするという意味です。現在進行形の病気として考えてほしいという、厚生労働省の想いが伝わってきます。

そして最後に、国民に向けて「咳が続くような場合、風邪だと思わず医療機関を受診して」と呼びかけています。膨張を続ける医療費の削減が大きなテーマになっている中で、異例の受診の呼びかけです。政府の危機感の現れです。

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結核の症状

咳

それでは次に、結核の基礎知識を紹介します。病気の予防は、病気の正体を知ることなしに達成できません。

発症は2割

結核菌に感染したからといって、必ず結核を発症するわけではありません。感染者の発症率は2割といわれています。また、感染から発症までの期間は、2年以内が最も多いです。

結核菌の感染と結核の発症の因果関係については、実はまだよく分かっていません。ただ、高齢者や他の病気にかかっている人が発症しやすいことから、免疫力が落ちることによって結核菌の暴走が止められなくなり、結核を発症すると考えられています。

咳と痰

結核は肺に起きることが多いので、咳は最も多い結核の症状です。結核菌は、細胞をドロドロにする「おできのようなもの」と考えられています。肺に発症すると肺の細胞がドロドロになります。その状態になった細胞は、肺にとっては異物ですので排出しようとします。それが咳が起きるのです。そのドロドロは痰になります。

結核と診断する症状のひとつに2週間以上の咳があります。

肺に穴

結核を放置し続けると、肺はどんどん侵害されていきます。進行した結核患者の肺をレントゲンで見ると、ところどころ穴が開いたように見えます。その穴のような空間は、結核菌の巣になり増殖が加速します。

飛び火

肺の中の結核菌は、血液やリンパに乗って他の臓器に飛び火します。腎臓、骨、脳、肝臓などがやられてしまいます。結核の最終的な姿は、多臓器不全です。重要臓器が不全に陥れば、死を意味します。

咳と痰から始まる結核は、食欲の減退やそれに伴う体重減少をもたらします。だるさや吐血も結核の症状です。多臓器不全になる前に肺が完全に壊されると呼吸困難によって亡くなります。

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結核の治療

ツベルクリン

2週間以上の咳と痰、さらに微熱があれば、すぐに医療機関にかかってください。

検査

結核が疑われるとツベルクリン反応検査が行われます。ツベルクリンは液体で、これを注射器で患者に投与します。48時間後に注射した場所が赤くなれば、感染したことが濃厚になります。

結核の確定診断をするには、インターフェロンガンマ遊離試験という検査が必要になります。血液を採血し、結核菌の有無を確認します。ツベルクリン反応検査より短時間に結果がでます。

続いて、肺の状態を見る胸部X線検査や、CT検査が行われます。また痰を採取する検査が行われることがあります。

薬で治る

結核は薬で治します。そして薬で治る病気です。抗結核薬には5種類あって、①リファンピシン、②イソニアジド、③ストレプトマイシン、④エタンブトール、⑤ピラジナミドといいます。

まず①②③⑤か①②④⑤のいずれかの組み合わせで2カ月間投与して、その後①②を4カ月間投与します。これでほとんどの結核は治ります。

「半年もかかる」と思わないでください。かつては治療に2~3年を要していました。重症化した患者は、薬だけでは治らない場合があります。そのときは手術が行われることがあります。

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結核の予防

高齢者

結核は予防がとても有効な病気です。つまり結核は「治る病気」であるばかりか、「かからないで済む病気」でもあるのです。

BCG接種

結核の予防接種のことをBCG接種といいます。

毒の力を人工的に弱めた結核菌を、注射で体内に入れます。人の体には結核菌をやっつける力が備わっているのですが、その力は普段は休眠状態にあります。そこで毒を弱めた人工菌を投与することで、その力を目覚めさせるというわけです。結核菌をやっつける力を身に付けることを、「結核の免疫を獲得した」と表現します。

不思議なことに、結核菌の免疫を一度身に付けると、15年ぐらいはその力が維持されます。この15年という数字は覚えておいてください。BCG接種を子供のころに受けた人でも、成人になるころには免疫は再び休眠している可能性があります。なので大人の結核が増えているのです。詳しくは、BCG予防接種後の経過の状況は?注意点も紹介!を参考にして下さい!

潜在性結核感染症治療

長い名称ですね。潜在性結核感染症を治療する、という意味です。それではまず、潜在性結核感染症について解説します。

大人になってから結核を発症した人が、治療を受けて治ったはずなのに、2年以内に結核を再発する病気です。つまり、治ったと思ったものの、実は症状が消えただけで、結核菌は体内で生存していたのです。

この潜在性結核感染症を引き起こす人は、他の病気の治療で免疫抑制剤を飲み、免疫が落ちている人に多いのです。そこで、これから免疫抑制剤を使った治療を受ける人が、過去に結核を起こしていることが判明したら、結核菌を殺す薬を事前に飲んでもらうのです。これが潜在性結核感染症治療です。結核の予防法の1つに数えられます。

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まとめ

結核は治る病気ですし回避することができる病気です。しかし、根絶することができない病気でもあります。

つまり、人はすべて結核予備軍なのです。知識をもって結核予防に取り組みたいものです。

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