声が低すぎると、高い歌がカラオケ等で歌えなくて残念ですよね。ずっと裏声で歌う訳にもいかないし、中々に高音を出すのは難しいです。
小学校や中学校であった合唱コンクールで、本当は高音で歌いたいのに声が低いからと低い音でずっと歌われたり、女性であれば電話口で男性に間違われたり、そんなつもりはないのに、トーンが低いからと威圧的であるように感じられたりして、最早低い声がコンプレックスになってしまっているもいるのではないでしょうか。低音ボイスにも魅力がありますが、コンプレックスになってしまったらどうしようもありません。
実は、そんなコンプレックスを払拭できる、高い声を出す為のトレーニングがあるという事はご存知でしょうか?今回、低い声がコンプレックスな方へ向けて、声を高くする方法や、声を出す原理と共にお伝えします!
声ってどうやって出ているの?
そもそも声ってどうやって出ているのでしょうか。考えた事がある方は少ないかもしれませんね。声楽部等の音楽に関わっている人でなければ、知ろうとも思わないかもしれませんね、発声しようと思えばそのまま普通に声が出るため、あまり意識したことはないのではないでしょうか。高い声を出す為には、ボイストレーニングが不可欠です。
しかし、声を出す原理を知ってからのトレーニングと、知らないままでのトレーニングであれば前者の方がより効果的なトレーニングになります。そのため、トレーニング方法をお伝えする前にまずは声を出す原理についてご説明します。
声を出すのにはどんな器官を使うの?
声を出すためには、欠かせない器官があります。声帯という、のどの奥、喉頭(こうとう)に存在する器官です。喉には、口の中に食べ物を入れた時に食道へ向かう通路と、鼻腔から気管に向かうための空気の通路の2種類があります。
喉頭は、この2つの通路が交差しており、その中でも上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分類されます。上咽頭は口蓋の後端よりも上の部分にあり、口蓋と喉頭蓋(こうとうがい)の間には中咽頭があります。そしてそれより下にある、食道までの部分に下咽頭が存在します。
声を出すメカニズムはどういうものなの?
下咽頭の前にあるのが喉頭で、この喉頭には左右の内壁から突き出ている一対のヒダがあります。このヒダが声を出すために欠かせない、声帯です。このヒダは密着しているわけではなく隙間があります。この隙間の事は、声門裂と呼びます。
この声帯は呼吸をするときには開いており、空気をスムーズに通します。一方、声を出す際には声帯が閉じます。声門裂を空気が通る際に、声帯が震える事により音が出ます。
また、この声門裂は幅を変える事が出来ます。学校の正門を開け閉めする際に、隙間の大きさが変わるものを想像すると分かりやすいかもしれません。
この声門裂の幅の違いにより、ヒダである正門の震え方が変わります。声帯の震え方が振動数を意味しているため、振動数の変化によって異なる高さの音を出すことが出来ます。
しかし、声帯で作られただけの音は声にはなりません。音を発声するには、口腔内で音を共鳴させ、舌、唇、歯、鼻を使い単語を作り、声としてようやく発声されます。舌の中央部を下げて声を出す事によって低い声が発声され、舌の中央部をあげる事によって高い声が発声されます。
声には高さによって分類がある?
さて、声を出すメカニズムがお分かりいただけたかと思います。先述で説明したような過程を経て声の発声に繋がります。ではその発声された声には4つの分類があるという事はご存知でしょうか?
実は、声はそれぞれ、4つの区分に分類する事が出来ます。それぞれ、極高音区、裏声区、地声区、極低音区という分類です。今回は、カラオケへ行ったり普段の生活で使える「裏声区」「地声区」についてご説明いたします。
裏声区
高い声を出そうとして、声が裏返る経験をしたことはあるでしょうか?実は声が裏返るという事は、地声区から裏声区に切り替わったという事になります。この裏声区は、高音を出すためにはとても大切な区分となります。
裏声区は特殊である事から、声の出し方によって様々な呼び方があります。具体例として3つ出すと、「ファルセット」「ヘッドボイス」「ミドルボイス」という呼び名が存在します。ファルセットは息が漏れたような、弱弱しい裏声の事をいい、輪状甲状筋を鍛えるにはこのファルセットを出す事が出来るようになる事が求められます。
ヘッドボイスは、息漏れのしない、柔らかく膨らみのある裏声の事をいいます。ミドルボイスはファルセットと正反対で、とても力強く、地声を延長したかのような、地声と裏声が混ざったかのような裏声です。ミドルボイスはこの地声と裏声がミックスしているような特徴から、別称ではミックスボイスとも呼ばれています。
地声区
普段、会話をする際に最も多く使用する声の区分です。太く安定感のある厚みのある声が特徴的ですね。
この区分で出す声の事を「チェストボイス」「胸声」「地声」と呼びます。高音開発をする前に、この地声をしっかりと発声する事が出来るように鍛えなければいけません。理由としては、歌う際にも普段使いする際にも、最も多用する声である事が挙げられます。
声を高くする方法は?
ここまで声について様々な内容をご説明しましたね。ではいよいよ本題の「声を高くする方法」です。分類で言えば、2つのみとなります。
「ボイストレーニング」と「声帯手術」の2つが、声を高くする方法としては知られています。ボイストレーニングについては、非常に多くの方法がある為一部のみのご説明になります。
ボイストレーニングで声を高くする方法
ボイストレーニングという名前は先述でも少し出していました。ボイストレーニングってなんなのでしょうか。なんとなく、「声を出すトレーニングなのかな?」位に思っている方が多いかもしれませんね。ボイストレーニングは確かに声の声量や音程を伸ばす事も行います。
しかし、他にもボイストレーニングには効果があるってご存知でしたか?ボイストレーニングを行う事によって、正しい発声法を学ぶ事が出来ます。これによって、のどがすぐに掠れる事を防ぎ、太く力強い声を発声する事が出来ます。
また、リズムや音程のとり方が分かるようになる事から音程やリズムの乱れがなくなります。他にも、抑揚、メリハリ、安定感のある歌声を手に入れる事が出来ます。
これらの効果がみられるボイストレーニング、教室等に通えば正確な効果は出るでしょう。しかし、家でもボイストレーニングが出来ない訳ではありません。正しい声の出し方、声を出す際の姿勢等、普段から気を付けられる点はたくさんあります。
是非、これを読んで家でも出来るボイストレーニングについて学びましょう!
腹式呼吸をマスターしよう!
腹式呼吸は高い声を出す方法の中で最も基本的な方法とされているものです。この腹式呼吸の特徴は、口呼吸と異なり肺の内部に多くの空気を取り入れる呼吸であるという事です。
主に横隔膜、腹筋、背筋を使い息を取り込むため、高い声を出すことと多くの声量をだす際には有効な呼吸法として知られています。
腹式呼吸のやりかたとして基本的なやり方をご紹介します。
まず前かがみになり、両手で腹部を抑えます。押さえながら、少しずつ口から息を吐き出します。その後に身体を少しずつ起こしていき、ゆっくりと息を吐いていきます。
この際のポイントとして、一度息を吐き出した後には、さらにもっと吐き出すようなイメージで行うとよいでしょう。
喉を開くという事を意識する
カラオケで採点を行うとビブラートやロングトーンといった言葉が現れますよね。あれを意識してコントロールする事が出来るようになると、サビで非常に盛り上がります。そのビブラートやロングトーンを出す為にも、高音を円滑に出せるようになりたいものです。
そのためにも「喉を開いて歌う」という事を身につけましょう。喉を開くという感覚がよくわからないかもしれません。喉を開くとは、口の奥の天井部である軟口蓋を引き上げ喉仏を引き下げる事によって起こります。
これは、あくびをすると喉が開くためわからない際にはあくびをして確かめてみるとよいでしょう。
実際には、あくびで喉が開いた状態を把握してから、口を盾に開き、喉をひらいてみましょう。この時に喉が開いていたら、舌根が下がって喉の奥が見えるようになっています。この感覚をつかんだら、自分の出しやすい音域のスローテンポな曲を歌ってみましょう。喉が開いていない事が原因で、声のトーンが低くなり、通りずらい声になってしまっている可能性もあります。
目標として、その曲を喉が開いた状態で1曲歌いきる事を頑張ってみましょう。
喉仏をあげないようにしよう
喉仏をあげないようにする、と言われてもいまいち難しいかもしれませんね。腹式呼吸をマスターし、喉を開くという基礎を出来るようにしてから挑戦した方がよいでしょう。
喉仏は高音を出そうとすると必ず働く筋肉があります。声帯の近くにある甲状軟骨と輪状軟骨を結ぶ筋肉で、輪状甲状筋とよばれます。
これが収縮する事により、二つの軟骨が引き合い、声帯が伸ばされ声が高くなります。
しかし、この輪状甲状筋と同時に動く甲状舌骨金というものがあります。甲状軟骨と舌骨を結んでおり、声が高くなるにつれてこの筋肉は収縮し喉仏が上がります。
喉仏が上がる事により、声の共鳴が起きる共鳴腔を潰してしまうという事が挙げられます。これにより、声が十分に膨らまなくなってしまい、声に表情がなくなってしまいます。この状態の声は平たくなってしまい、苦しそうに聞こえてしまい耳障りとしてはよくありません。
どうしても喉仏が上がってしまう事は自然な事ですので、喉仏を下げようとする事は任意になります。喉仏が上がってしまった時の声を自分できき、選んでみればよいでしょう。
男女別カラオケの高い曲を歌ってみよう
歌手の音程によっては、男女それぞれで高い声の曲もたくさんあります。先述にある、腹式呼吸や、喉を開く事を覚え、喉仏をあげないという感覚を理解できたらカラオケで練習をしてみる事をお勧めします。普段使いの声を高くしたいだけであっても、ボイストレーニングだけで長時間、普段使いの声を高く保つという行為が難しいです。カラオケで一曲丸ごと歌える位になるまで、慣れてからようやく保つ事が出来るようになります。
高い声を出したい男性にお勧めの曲は?
高い声を出したい男性にお勧めの曲を2つ紹介します。
1曲目はスピッツの「ロビンソン」という曲です。この曲は音程としてはとても高めではありますが、綺麗に流れるような雰囲気で、ゆっくり歌える曲である事から、高音を試したいという人にお勧めの曲です。
2曲目として、梶原敬之の「どんなときも。」という曲をおすすめします。この曲は綺麗で優しい印象を持つ曲で、男性であっても高い声で歌える曲ですので是非おすすめです。
高い声を出したい女性にお勧めの曲は?
女性編も、お勧めの曲を2曲ご紹介します。
1曲目はWhiteberryの「夏祭り」という曲です。様々なアーティストがカバーしている事もあり、リズムを把握している方も多いのではないでしょうか。アップテンポである事もあり、大人数でカラオケに行った際にも歌いやすいのではないでしょうか。
2曲目はJUDY AND MARYの「そばかす」です。この曲はずっと高音が続き、低い部分がないため、歌いやすいです。また、徐々にキーが上がっていくため、苦しくなくサビの部分へ入れるため高い声を出したい時にはお勧めの曲です。
声帯手術によって声を高くする方法
声帯手術を行う事によって声を高くする方法も存在します。これはもともと、性同一性障害、セクシャルマイノリティの方向けに行われている手術です。性同一性障害の方は外見上の問題もありますが、自分の低い声を聴く事、男性に間違われる事を苦痛に感じるという悩みを持つ方も少なくありません。そんな方向けに作られた手術です。
これは喉に局所麻酔をうつ「甲状軟骨形成術」と呼ばれています。あおむけで横になり、喉仏の部分に存在する甲状軟骨と輪状軟骨を糸でむすび近づける事によって声を高くします。ⅠからⅣまでの術式があり、ⅢやⅣの術式が主に性同一性障害の方向けのものとなっています。
これだけ聞くと、良い事ばかりであると思うかもしれません。ただ、リスクも当然存在します。声帯とその周辺はデリケートな場所である事から、腕の確かな外科医、設備、術後のフォローなどの問題や、手術自体が成功しても満足いく結果が得られるかは別、という体験談もあります。この手術をうけようと思う際には、よく考えて行うべきですね。
声が高くなる、或いは声が高いと起きるメリットとは?
さて、ここまで声を高くする方法についてご説明してきましたね。では、声が高い事によって起きるメリットにはどんなものがあるのでしょうか?これを知れば、尚更高い声を出せるようになりたくなるかもしれませんね。
是非、声を高くするモチベーションを高めるためにも知っておいて欲しい所です。
そこで、声が高い事による、或いは高くなった事によるメリットもご紹介します!
自分の魅力をもっとアピール出来るようになる!
低い声がコンプレックスだった時、自分の話す言葉に対して自信をもって話す事ができていましたか?或いは今、出来ているでしょうか。コンプレックスであると感じてしまっていたら、自信を持つ事は難しいのではないかと推測します。
ですがトレーニング等を行う事によって、高い声を出せるようになると、コンプレックスが解決しますね。また、姿勢をよくする事もボイストレーニングの1つとに入ります。これらにより、自分に自信を持つ事が出来るようになり、ハキハキとしゃべれる姿勢のよい人になる事が出来るようになったという人が非常に多いです。自分に対して自信なさげな人よりは、自信に満ち溢れた話し方をする人の方がよいですよね。
低い声の時に出し切れなかった自分の魅力を、高音の声が出せるようになった事により、出せるようになる事は声が高くなった事によるメリットとして挙げられます。
恋愛面でモテるようになる事もある!
先述では「自分の魅力をもっとアピールできる」という事をメリットとして扱いました。姿勢のよい、ハキハキと喋る事により自分の魅力をアピールする事が出来るからですね。
実は、女子に限ってではありますが周波数の高い声は男性から好印象にとらえられる事が非常に多いって知っていましたか?女性は年齢を重ねるにつれて、声が低くなる傾向があります。このため、女性の高い声は若さをアピールする効果があります。
一方、男性は声変わり後には声の高さが自然に変化する事がありません。この事から、少年期の若い女性の事を連想する傾向にあり、それを魅力的に思い惹かれるという傾向があります。つまり、高い声を出せるようになれば、モテる自分へ一歩近づく事に繋がります。
ただ、高すぎる声はキーキーとして耳障りになってしまうため、ちょうどいい音程を見つけて発声し、大人の女性としての話し方を心掛けましょう。
仕事にも良い影響が出る事もある!
今でも声が通るかもしれませんが、高い声を出すことが出来るという事は、その間のミドルボイスも出せるようになっている事を示します。出せなくても、それに近い声が出せるようにはなっているのではないでしょうか。
声についてのアンケートでは、「声がいい人は仕事が出来そうな印象に感じる」と答えた人
が7割を超えたという結果があります。仕事に役立つ声としては、男女を問わずに「通る声」が一番に選ばれる結果になっています。
ボイストレーニングを行った声は以前の無意識に発していた声よりは圧倒的に響きのある、より通る声になっている人が多いです。通る声を手に入れた事で「仕事が出来そうな人だな」という印象をもってもらえれば、第一印象をつかむ事が出来ます。
自分の勤務先内だけではなく、外部の人と接触する機会のある人であれば、尚更これは魅力になりますね。
まとめ
さて今回「声を高くする方法」についてご説明しました。非常に多くの内容をお伝えしたため、頭の中でこんがらがってしまっている方もいるかもしれませんね。今回の記事をまとめてみましょう。
まず声はどうやって出ているかという話です。声がヒダ状の声帯の隙間が震え、幅を変える事により音をだし、それが口腔内等で共鳴して言葉を作り、声として発声されます。
声の高さには分類があり、普通であれば「裏声区」と「地声区」の2つを行き来する事が多いです。裏声区の声の呼び名は非常に多く、ファルセット、ミドルボイス等が存在します。
ボイストレーニングは方法が多いため、腹式呼吸と喉を開く事、そして喉仏をあげないようにするという基礎的な内容をお伝えしました。
ボイストレーニング以外の方法として、声帯手術があります。これは性同一性障害の方向けのものとして開発されました。これを行いたいと考える際には、リスク面も考えておきましょう。
声が高い事によって、様々なメリットを生じる事もあります。メリットとして、自分に自信が持てる事から自分の魅力をアピール出来るようになる事。女性であれば恋愛面でモテるようになる事もあり、仕事をこなす上でもよい影響に繋がる事があります。
いかがでしたでしょうか。声を高くしたい方にとって大切な情報をお伝えしました。是非、本稿に乗せたボイストレーニング方法を活用して、素敵な高い声を手に入れましょう!
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