気付いたら、ポカンと口を開けていたり、朝起きたら口の中が乾燥する、イビキがひどい、…ということはありませんか?それらは口呼吸をしているサインです!口呼吸は、健康を妨げる様々な要因になるだけでなく、顔のたるみ等、美容を妨げる要因にもなります。
口呼吸を治すには、なぜ、自分は口呼吸になっているのかという原因をしっかりと見極め、それにあった治し方を実践・継続することが、口呼吸から鼻呼吸へシフトチェンジするポイントです!
こんなに体に悪いの?!<口呼吸のデメリット>
人間の身体の各器官は、それぞれ「役割」を持ち、その役割を全うするためにふさわしい機能を持っています。例えば、胃は「食べたものを消化する」という役割を果たすために胃液が分泌され、鼻は空気を「キレイな空気を体内に送り込む」という役割に必要な、鼻腔粘膜や鼻毛が備わっています。ん?空気を体内に送る…?
そう、口は、必要な栄養素を体内にいれるために呼吸をコントロールする機能もありますが、メイン機能は、話したり、食べるということなのです。
口臭や、虫歯、歯石、味覚障害の要因になる
口呼吸により、口の中が乾燥し、抗菌作用のある唾液の分泌量が減るので、細菌が増えやすくなります。細菌が増えると、口臭を招いたり虫歯になるだけでなく、歯石がつきやすくなるのです。また、口の中の水分低下は、味覚障害になる要因の一つでもあります。
免疫力が低下し、病気になりやすくなる
本来、鼻呼吸によって吸い込まれた空気は、鼻腔や咽頭を通過して体内に送り込まれます。このとき、もし病原菌が入ってきたら、リンパ節に免疫物質を増やすよう脳に指令を出し、体が病原菌と戦う準備をしてくれるのですが、
口から直接入った空気は、そのまま喉の粘膜を通り、体内に送られます。つまり、身体が戦う準備をしていない状態に病原菌が入り込むということです。これでは、病原菌に負けてしまっても仕方ありません。
いびきや、顔のたるみ、二重顎の要因になる
口呼吸は、口周りの筋肉が緩んだ状態にあります。すると、仰向けになった時、舌が喉の奥へ落ち込み、気道を狭くするため、いびきをかきやすくなります。これらの症状がひどくなると、無呼吸症候群にもなりかねません。
また、口周りの筋肉には、美容・アンチエイジングには欠かせない「口輪筋」も含まれています。この筋肉は表情筋にもつながっているため、口周りの筋肉の緩みは、たるみや二重顎を、いとも簡単に招いてしまうのです。
自分はどのタイプ?口呼吸になる原因
さて、デメリットばかりの口呼吸。ぜひ、改善したいものです。的確な治し方をするためには、その原因をしっかりと見極めることが大切です。
<タイプ1:鼻に問題を抱えている>
鼻炎や花粉症など、鼻本来の機能を果たせない状態にある場合は、まずはその根本から改善することが必要です。
<タイプ2:肥満>
必要以上に太っていると、見た目だけでなく、特に睡眠時、首周りの脂肪によって気道が狭まりやすくなります。先に述べたように、これらは、いびきの原因でもあります。
<タイプ3:口周りの筋肉が衰えている>
年齢に限らず、無表情でいたり、誰とも話さずに過ごす時間が長いほど、顔の筋肉は使われることがありません。口周りや、顔の筋肉のみの話ではなく、全身の様々な筋肉と同様、ほどよく動かしてあげなければ、筋肉は衰える一方です。また、歯並びが悪く、口を閉じるのが難しいという場合も、これと同様です。
<タイプ4:睡眠時の姿勢>
気道を狭めやすい姿勢で眠っていませんか?筋肉の衰えや肥満だけが原因ではなく、気道が狭まり、口呼吸をせざるを得なくなるような姿勢での睡眠においても、口呼吸の原因も一つとしてあげられます。
<タイプ5:習慣>
上記の4タイプにどれも当てはまらない人は、小さな頃から、なんとなく口呼吸をしている…という人も少なくありません。
わかりやすいタイプ別で見ていこう!<口呼吸の治し方>
原因を見極めたところで、それぞれのタイプ別に、口呼吸の治し方を見ていきましょう!
<タイプ1:鼻に問題を抱えている場合>
鼻炎や花粉症など、鼻が詰まるなどの症状がある人は、病院で根本から治療することが一番手っ取り早く、効果的と言えるでしょう。他にも、ドラックストアで手軽に手に入る「鼻腔を拡げるグッズ」、「鼻通りをよくする市販薬」などもありますので、自分の症状がどの程度かを見ながら、選択するのもいいかもしれません。
また、アレルギーによるものでしたら、腸内の善玉菌を増やすことがアレルギー症状ほ改善にもなるので、ヨーグルトや発酵食品を試してみるのも、方法の一つです。
ナチュラル志向の方には、副鼻腔炎などを和らげてくれるユーカリや、鼻づまり改善の効果が期待できるペパーミントなどのできるだけ純度の高い、オーガニックのアロマオイルを使用するなどの方法があります。
<タイプ2:肥満の場合>
これは、改善方法は明確ですね。ズバリ、無駄なぜい肉を落としましょう。ダイエットは、現在では「減量」というイメージが強くありますが、本来は、『日常の食事・生活様式』といった意味があります。「痩せなきゃ!」と捉えるよりも、日常生活の中での食べ方や、生活習慣を見直し、「健康に生きるために体の様々な器官が元気に働いてくれる状態へ戻す」と認識すると、あまり気負いせず始められるのではないでしょうか?
「食べないダイエット」ではなく、体が喜ぶものを食べるよう心がけたり、せっかく備わってくれている身体の筋肉たちを動かし、働かせてあげる、というイメージです。
また、見た目だけの変化にフォーカスするのではなく、ダイエットをしながら「いつもより力が湧いてくる感じ」や「身体を動かして気持ち良いと感じること」、「なんとなく気持ちが明るい」など、「体外」ではなく、「体内」の変化にも注目し、健やかになっていく自分の身体を褒めながら進めていくと、ダイエットが、より楽しいものへ変化するかもしれません。
<タイプ3:口周りの筋肉が衰えている場合>
定番とも言える「あいうえお体操」の実践や、ドラッグストア等で販売している小顔グッズも顔周りを鍛えるのには効果的です。他にも、口を閉じた状態で、舌を、唇と歯茎の間を、歯に沿って円を描くように、右回り、左回りに回す体操もオススメです。ほうれい線の予防や、唾液の分泌も促してくれるので、アンチエイジング効果も期待できます!
これらの体操をする際に、猫背で行うよりも、良い姿勢で実践すると、さらに効果的です。
まずは、尾てい骨から、背骨がまっすぐ伸びているイメージで、背骨を一つ一つゆっくりと積み上げる感じで背筋を伸ばします。次に、鎖骨の中央にあるくぼみを開き、肩を左右から引っ張られているようなイメージで、胸を開きます。この時、胸を張りすぎて、腰を必要以上に反らさないよう注意しましょう。最後に、首をすっと長く空へ向かって伸ばし、肩の上に耳がくる位置に頭を置き、顎を少し引けば、良い姿勢の完成です!
<タイプ4:睡眠時の姿勢の場合>
口呼吸になる睡眠姿勢をとっている場合、枕の高さが合っていないことが非常に多いようです。
最近では、自分にピッタリの高さの枕をオーダーメイドできるお店もありますので、プロにお願いしてみてもよいでしょう。しかし、「枕にそこまでお金をかけられない」という人も、諦めるのはまだ早いです。タオルなどで自分にあった枕の代用を作ることができます。
人間の背骨は、S字にカーブしているということは、多くの方がご存知のことと思います。そのカーブに無理をさせない高さを探すのです。
まず、枕をはずして、仰向けになると、腰のあたりに隙間ができます。これが背骨のカーブの一つです。さらに、首の後ろにも腰部分と同じような隙間ができるはず。このカーブに沿って隙間がピタッと埋まるような枕が、自分にとって理想的な高さの枕と言えます。ようは、私たちの本来の骨格を大切にしてあげる、ということですね。
<タイプ5:習慣の場合>
これは、根気よく「口を閉じる」という習慣をつけていきましょう!例えば、口を閉じて、軽く広角を上げてみてください。ちょうど、にっこりと微笑んでいるような感じです。広角を上げると、自然に口も閉じますし、周りから見た印象もグッと良くなります。
何よりも、自分の気持ちが少し明るくなるような気がしませんか?明るい気持ちでいられると、自然と表情も豊かになるものです。表情が豊かになると、さらに顔全体の筋肉を鍛えてあげられることにもなり、一石二鳥です。
その他にも、例えば、食事の際に、「丁寧に」あるいは「お上品に」食べるということを心がけるのも良いでしょう。箸で適量のお料理を口に運び、くちゃくちゃ…ではなく、「モグモグ」と口を閉じて、よく噛んで食べるなど。よく噛むと唾液の分泌もよくなるので、消化を助けてくれます。
まとめ
口呼吸は、健康にも美容にも、良くないことばかりです。「治し方」というと、とっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、ここは、捉え方ひとつです!「健康で、美しくなる」、「自分の体が持つ本来の機能が十分に発揮できるように、自分をいたわってあげる」と捉えると、改善へ向けた前向きな気持ちが生まれてくるかもしれません。口呼吸から脱するためにも、まずは、続けることが大切です。「あれも、これも」と張り切りすぎてしまうと、すぐに疲れてしまいがちです。
【これなら、続けられる!】と思えるものを選んで、それを空いた時間などに適度にやる、という感じで、「小さな習慣」にしていくことが、続けるコツです。
快適な睡眠、自分の身体が健やかになる体重、艶やかでハリのあるお肌、虫歯のないキレイな歯など…鼻呼吸へと改善することで、さらに魅力的になってみませんか?
たかが口呼吸、されど口呼吸。よろしければ、ぜひ、実践してみてください。
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