最近、一年中マスク着用の「伊達マスク」の人をよく目にします。冬場になると、マスクしていない人を探すほうが難しいくらいになっています。
外出時にマスクをすると、風邪を予防する効果にとどまらず、小顔効果や化粧をしなくて済むというメリットもあるようです。
では、マスクをして寝るのはいいことなのでしょうか?ここでは、マスクをして寝るメリット・デメリットなどをご紹介します。
◆マスクをして寝るメリットとは
まず、マスクをして寝るメリットについて紹介します。
風邪の予防になる
これは耳にしたことのある人も多いと思いますが、マスクをつけて寝ると、風邪予防の効果が期待できます。
もっとも、風邪のウイルスは顕微鏡で見なければわからないほど小さいものなので、高密度素材でできたマスクといえども、ウイルスの侵入を完全に防ぐことは不可能です。
また、私達が普段使っているマスクは、鼻の横や顎に隙間ができるため、そこから外気が入り込んでしまいます。
ですが、マスクをすることによって、自分の温かく湿った呼気をマスク内に保持することになり、冷たく乾燥した空気が大好きなウイルスの繁殖を防ぐことができます。
このマスクの保湿効果によって、乾燥を好むウイルスの繁殖を防ぐことができるわけです。これによって、喉の炎症が進むスピードが遅くなり、痛みを和らげることができます。
寝る時に喉の乾燥が気になる方は、マスクをつけて寝てみてはいかがでしょうか?
口臭予防ができる
口臭とは口の中にいる細菌が活動する際に発生するガス(気体)のニオイです。
この口内の細菌の繁殖を抑え、清潔に保つ力があるのが唾液であり、ガスも唾液の中にある程度溶け込んでいるのですが、睡眠中に口内が乾くと、この唾液の分泌量が少なくなってしまいます。
すると、唾液が乾燥してしまい、溶けていた口臭のガスが気体となって出てきます。また、唾液の、口の中を清潔にする自浄作用や、抗菌作用が働かなくなり、口の中の細菌の活動を活発化させてガスの発生を促してしまうのです。
唾液を乾燥させる大きな原因が口呼吸で、普段はきちんと鼻呼吸をしている人でも、睡眠中には口呼吸になっている、という人は少なくありません。特に、「朝起きるとなんだか喉が痛いな」という人は、睡眠中に口呼吸になっている可能性があります。
睡眠中に口呼吸になると、ただでさえ唾液の分泌が少ない、睡眠中に口が乾燥してしまうことにより、口の中は細菌で一杯になり、どんどん口臭を発生させてしまいます。
この口の乾燥を少しでも抑え、朝の口臭を改善するのに、マスクをして寝るのがオススメなのです。
口元の美容効果がある
マスクの中では、自分の呼気に含まれる水蒸気で、一種のスチーム効果が生まれ、効率よく保湿することができるので、朝起きた時には口元の肌がしっとりモチモチになるという美容効果があるようです。
また、唇も自然のスチーム効果によって、ぷりぷりになれるという効果が期待できます。特に、リップクリームや唇専用の美容液をしっかりと塗ってからマスクをして寝ると、さらに効果的です。
そもそも、マスクをして寝ると、睡眠中に口呼吸になりがちな人も鼻呼吸になりやすいので、体内の水分を逃しにくくなり、体全体の美肌効果が上がるわけです。
さらに、交通量の多い地域では車の排気ガスなどで外気は汚れていたり、冬の冷たく乾燥した空気によって肌トラブルが引き起こるのですが、それを防ぐ効果もあります。
◆マスクをして寝るデメリットとは
マスクをつけて寝ることにはメリットもありますが、逆にデメリットもありますので、功罪両面を知っておくことが大切です。
そこで、ここからは、マスクをつけて寝るデメリットも合わせて紹介します。
肌へのダメージあり!
睡眠中には、じっとしている人は少なく、多くの人は途中で何度も寝返りを打ったり、うつ伏せや横向きになって寝ると思います。
この時に、寝返りによってマスクと自分の肌が擦れて肌が傷んでしまうのです。
マスクはその構造上、必ず肌に当たるようにできているので、あたった部分が肌荒れを起こしてしまいます。また、ゴムひも部分が擦れるという場合も多く、特に、顔に合っていないマスクをしている時にはマスクの輪郭部分が頬や口周りに当たってしまいます。
使い捨てマスクとしてコンビニやドラッグストアなどで市販されているマスクの素材は、不織布のマスクであることがほとんどです。
不織布のマスクは、フィルター機能は優れているのですが、繊維がからみ合って出来ているため、肌荒れを起こしやすいのです。
どんなに枕カバーや布団が清潔で肌にやさしい素材でも、これでは意味がありませんよね?
保湿効果は肌に悪影響も
マスクをして寝ると、確かに保湿効果が得られるのですが、ここには大きな落とし穴があります。その高い湿度はウイルスの繁殖を防ぐ一方、ニキビやカビの原因となる細菌の繁殖を活性化してしまうことがあるのです。
すでにニキビのある方には、マスクをして寝ると長時間の着用となるため、オススメできません。
つまり、確かに保湿は美容に効果的ですが、何事にも限度があるのです。
更には、マスクに含まれる抗菌剤の影響で、アレルギーやぜんそくを引き起こす恐れもあるため、違和感を感じたら、別のマスクにしたほうが無難です。
使用方法を間違えると、口臭が倍増!?
マスクをして寝る時に、気を付けなければいけないのは、鼻をふさがないようにマスクを着用することです。
睡眠中、無意識に口呼吸をする人が多いので、口の渇きを抑えて口臭を防ぐためにマスクをするのですが、鼻まで覆っている事で、知らず知らずのうちに口呼吸になってしまいます。
マスクをして寝ている時に、口の中がネバついていると感じた事はありませんか?そういう時は口呼吸になっている可能性が高いといえます。
睡眠中、息苦しさから口呼吸になると、口の中の呼気がマスクに当たって湿らせ、唾液が付着します。
唾液の中には口臭を発生させる細菌がいるため、マスクの中は細菌の宝庫となって臭いの成分を作り始め、時間が経つと、ニオイがどんどんきつくなっていってしまうのです。
◆マスクをして寝る保湿効果を別の方法で
ここまで見てきたように、マスクをつけて寝ると、確かにメリットがありますが、デメリットも多いことが分かりました。
そこでここからは、マスクをつけて寝る以外の方法で、同様の保湿効果が得られる方法を紹介します。
加湿器で乾燥を防ぐ
部屋を加湿することで乾燥を防ぎ、ウイルスの繁殖を防ぐことができます。ポピュラーな方法としては、加湿器の使用が挙げられるでしょう。
一般的に、肌に良いとされる最適な湿度は60~65%と言われます。
寝室に植物を置く
観葉植物などを寝室に置いておくと、根から吸収した水分を、葉から放出させるため、自然の加湿器となって働いてくれます。
洗濯物を室内に干す
部屋干しをすると、洗濯物から水分が出て室内の湿度が上がります。花粉もつかないので、花粉症の人は一石二鳥ですね。生乾きのニオイが発生しないよう、部屋干し専用の洗剤を使うことを忘れずに!
フローリングの水拭き
フローリングにたまったホコリは、空気中の水分を吸ってしまうため、乾燥がひどくなります。細菌も繁殖するので、こまめに水拭きしておきましょう。
お風呂の蓋とドアを開ける
ワンルームマンションなら、これで十分蒸気が部屋中に行き渡ります。風呂場を乾燥させてカビ防止にもなるのでいいですね!
霧吹きを空気中に吹く
100円ショップに売っているので手軽に対策できます。消臭、芳香剤も入れると、香りも楽しめるので心地よいです。
◆マスクをして寝る口臭防止効果を別の方法で
同じように、マスクをして寝ることで得られる口臭防止効果を、別の方法で得られるとよいですね。幾つかまとめました。
マウスウォッシュを使用する
市販のマウスウォッシュ液を使用すれば、口の中を洗浄できるため、口の中のニオイのもとを吸着して除去することができます。大事な人に会う直前に使用すると効果的でしょう。
ただし、殺菌よりも洗浄に重点が置かれているものもあるため、一時的な効果だと考えたほうがよいですね。
ガムを噛む
日常的にできる口臭防止の方法としては、ガムを噛むことが挙げられます。これによって、唾液の分泌量が多くなり、細菌の増殖を防ぐことができます。
舌を掃除する
口臭の原因となる物質は、特に、舌の上で多く作られます。そこで、1日に1回は舌ブラシで舌の掃除をするようにしましょう。
この時、歯ブラシで磨く人も見受けられますが、これでは舌の表面にある舌乳頭という器官が傷んで、出血してしまいます。口臭の原因となる細菌は、この血液に含まれるタンパク質が大好物のため、余計に口臭の原因となってしまうので注意が必要です。
歯間ブラシなどで歯の間を磨く
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは十分に取り除くことができません。そこで、1日1回、歯ブラシと合わせて、歯間ブラシなどで歯と歯の間の汚れを掃除しましょう。
固いものを食べる
柔らかいものばかりを食べていると、あまり噛まなくなるため、唾液の分泌量が少なくなってしまいます。一口30回を目安に、よく噛んで食べるようにしましょう。
まとめ
今回は、マスクをして寝ることのメリットとデメリットを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
「美容効果が得られる」「口臭の防止になる」などの効果が謳われている反面、最近の繁殖を招くなど、困った点も多いことがおわかりいただけたかと思います。
どんなことでもそうですが、物事には必ず功罪の両面があり、一概にメリットばかりとはいえません。
手軽に試せる「マスクをして寝る」という方法ですが、メリットとデメリットの両方を踏まえながら使用するようにしましょう。
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