心雑音の原因や種類を知ろう!無害の場合と有害の場合の違いは?

聴診器で心臓の音を聴いてみると心雑音がある…健康診断で医者にそう伝えられたとき、とても心配になりますよね。その名の通り、心臓から脈拍とは違った音が聞こえていて、何か病気の原因ではないかと心が落ち着かず、不安になるものです。子どもなんかは集団検診や予防接種をきっかけとして発見されることがあるようです。

心雑音には様々な種類があります。それは病的なものもありますが、一方で全く無害なものもあります。心雑音が無害なものであればいいのですが、注意が必要なケースもあります。では、そんな心雑音の原因・種類、そして治療法・対処法についてみていくことにしましょう。

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心雑音の原因

心雑音
心臓には4つの部屋があり、それぞれに血液の逆流を防ぐ弁がついています。右心房から右心室には三尖弁、右心室から肺動脈には肺動脈弁。左心房から左心室へは僧帽弁、左心室から大動脈には大動脈弁があります。

心雑音の原因はこれら弁に異常が起こっていることが考えられます。具体的には弁の働きが通常よりも悪かったり、加齢によって硬くなってしまうということが挙げられます。それに伴い血流が悪くなったり、聴診の際、雑音を発したりします。

心臓に穴が空いているケース

心雑音の原因としては弁の異常による血液の逆流のほか、心臓に穴が空いているケースもあります。

それは心室・心房に空いていてそれぞれ心室中隔欠損症・心房中隔欠損症と呼ばれる状態です。軽微な穴ですが、治療が必要なこともあります。

心膜炎

心臓にはそれを包む膜、心膜があります。この部分に炎症が起きることでも、心雑音が聞こえることがあります。

細菌に感染することで起こる感染症や薬剤等が原因となって起こります。そのほか、胸部に強い衝撃を受けるなどの外的な要因でも発症することがあります。

詳しくは、心膜炎の症状とは?原因や治療方法を理解しよう!を参考にしてください。

心雑音が見つかるのは…

心臓に雑音がある…そう医師から言われても、これといって自覚症状がないことがほとんどです。年齢によって心雑音の原因は異なりますが、往々にしてこれまで何の問題もなく日常生活を送れていることがほとんどです。

例えば子供であれば、健康診断をきっかけとして心雑音が発見されるケースがあります。その中には先天的な疾患を含んでいるケースもありますが、時期をみて治療をしていきます。

高齢者であれば、加齢に伴って弁の機能が低下していくことがあります。これも同様、健康診断で心雑音が見つかることがあります。必要であれば手術等の治療をします。

心音というのは普通自分で聞くことはありませんから、なかなかその異常に気づくことは難しいでしょう。ただ、健康診断で指摘されたときは、一応の注意を払う必要があります。

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無害な心雑音とは

無害な心雑音

心雑音には無害なものと有害なものがあります。前者のケースではそれほど心配する必要がありません。しかし、後者である場合は何かしらの治療を施す必要があります。

では、まずは無害性の心雑音についてみていくことにしましょう。

無害な心雑音の原因

無害な心雑音の発生源として、まず考えられるのが肺動脈弁です。心臓そのものに異常がなくとも、雑音が発せられることがあります。この場合、体の健康のことで心配する必要はありません。

弁の異常ではなくとも、身体的な変化があったときでも心雑音が聞こえることもあります。それは運動や発熱、貧血といったケースです。こういった場合は心雑音よりも、体調を回復するよう努めたほうがいいでしょう。

心雑音が聴こえるものの検査等で異常がなく、無害なものを機能性の心雑音といいます。手術などの治療の必要性もありません。子どもであれば、成長していく過程で消失していきますから安心してください。

甲状腺機能亢進症との関係

甲状腺機能の亢進によっても発症することがあります。甲状腺は甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンを分泌しています。これが過剰分泌されると、心拍や血圧に影響をあたえることがあります。

甲状腺機能亢進症を発症すると、長く続く動悸症状がしばし見られることがあります。これによって心臓に負担がかかり、心雑音として聞こえるのです。心雑音に関して過度な心配は必要はありませんが、病気そのものの治療は必要でしょう。

ストレスによる心雑音

過度なストレスがしばし心雑音を招くことがあります。病的な原因がある、というわけでもなく、検査でも異常がみられない。けど、心雑音が聞こえることがあります。その背景にはストレスが関係しています。

仕事やその職場での人間関係など、精神的に非常に重圧のかかる環境が続くと、体はストレスを受けます。つまり、体は常に緊張状態になっているのですね。そして、心臓は緊張状態では血圧を上げ、状況に対応しようとします。

緊張状態が長く続けば、心臓に負担がかかりますから、心雑音が一つの症状として現れるのですね。病的な原因はありませんが、時々強い動悸を感じることがあります。

日常の生活を見直してみる

健康診断で心雑音があると診断されたとき、一度立ち止まって生活を振り返ってみてください。生活の中でストレスや不規則な生活をしているのであれば、それが心雑音の原因になっているかもしれません。

もちろん、症状が続くようであれば病気の可能性もありますから、きちんとした検査をする必要があります。体にストレスや負担がかかっているとき、体は正直に異常を発します。そのサインを見逃さないようにしてください。

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注意が必要な心雑音

危険な心雑音

心雑音が聞こえたとき、注意が必要なケースもあります。それは心臓に何かしらの異常が起きていて、場合によっては手術を必要とする場合もあります。

こういった病気を器質性の心雑音と呼ぶこともあります。では、具体的にどのような病気が考えられるのでしょうか。

心臓弁膜症

先に述べたように心臓には4つの部屋があり、それぞれには血液の逆流を防ぐための弁がついています。その弁に何かしらの異常が起きている状態を心臓弁膜症といいます。弁膜症は具体的に以下が挙げられます。

大動脈弁狭窄症

その名の通り、大動脈弁が狭窄、つまり通り道が細くなる後天性の病気です。弁の開きが悪くなり、血液の流れが悪くなります。左心室から大動脈へ血液を送ることに障害が起こります。

動脈の弁狭窄の原因はリウマチ熱の後遺症が代表的でした。しかし、最近では病気そのものが減少していて、リウマチ性の大動脈弁狭窄の発病は伴って減っています。

代わって増えてきているのが高齢化に伴う変性です。弁そのものが加齢に伴って石灰化、硬化してしまうことで狭窄を起こします。手術が必要な狭窄症のうち、80%がこの大動脈弁硬化・石灰化が原因といわれています。

大動脈弁閉鎖不全症

大動脈弁の機能が低下し、うまく閉じなくなってしまっている状態です。このため、左心室に血液が逆流してしまうということが起こります。狭窄症と同様にリウマチ熱を原因として大動脈弁閉鎖不全を発症することがありますが、それ以外にも原因があります。

閉鎖不全症の原因として代表的なのが動脈硬化。高血圧や高血糖、高脂血症など生活習慣病をきっかけとして動脈硬化が進行すると、動脈硬化性変化により弁硬化が進行。弁の機能が低下することがあります。現代の生活習慣の変化に伴い、患者数が増えているとも言われています。

症状としては息切れや呼吸困難などの呼吸系の症状を発症します。また不整脈症状が見られ、脈が飛ぶような感覚を感じます。心機能が日に日に低下し、早急な治療が必要でしょう。

僧帽弁狭窄症

僧帽弁が狭窄し、血液の流れが悪くなる病気です。他の病気同様、リウマチ熱の後遺症が原因で発症します。罹患してから数年後に僧帽弁狭窄の症状が現れるという特徴があります。

初期症状としては息切れや呼吸困難などです。症状が進行すると肺のうっ血症状が起こります。そうすると、仰向け時に苦しくなる(起座呼吸)や夜中に突然呼吸困難を起こすなどの生活に支障をきたす症状が起こります。

合併症として心房細動があります。また、心房細動の合併症として、血栓ができることで起こる脳梗塞もあり、症状の放置がやがて重篤な病気を招くことがあるので注意が必要です。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁の機能が低下し、うまく閉じなくなってしまっている状態です。単に僧帽弁閉鎖不全ともいいます。聴診の際、特徴的な逆流性の雑音が聴こえます。他の病気同様、リウマチ熱を原因として起こることもありますが、近年では僧帽弁逸脱症、心膜炎、心筋症などがきっかけとなって起こることがあります。

僧帽弁逸脱は心臓の収縮期に僧帽弁が元の位置からずれて、左心房に逸脱してしまう病気です。収縮時に弁がきちんと収まらなくなってしまっているのですね。症状が進むと僧帽弁閉鎖不全症のほか、不整脈を招くこともあります。一方、弁そのものには異常がない、機能性僧帽弁閉鎖不全症という状態もあります。

閉鎖不全は自覚症状が現れないことが多いですが、症状が進行するにつれて息切れや呼吸困難などを発症します。また、心房細動や不整脈といった顕著な症状がみられることもあります。狭窄症同様、心房細動は脳梗塞の合併も起こるため、早めの処置が必要でしょう。心当たりがある人はエコーをはじめとする検査を受けることをおすすめします。

肺動脈弁狭窄症

右寝室から肺動脈へ送られる血液の逆流を防ぐのが肺動脈弁です。肺動脈弁狭窄はその弁が十分に開かず細くなっている状態です。他の弁膜症と同様に、倦怠感や呼吸困難、動悸、息切れといった症状を発症します。先天性の疾患で、先天性心疾患でも10%を占めるといわれています。

小児期や乳幼児期に症状を発症することは稀ですが、心雑音が聞こえているようであれば、状況に応じて治療をする必要があります。症状が出なければ経過観察としますが、症状が重かったりするようであれば、治療を受ける必要があるでしょう。しばし、乳幼児の突然死を招くこともあるので注意です。

一方、大人の肺動脈弁狭窄はしばし見過ごされがちです。というのも、加齢に伴う体力の衰えと自己判断してしまうことがあり、その状態が放置されてしまうことがあるからです。また、健康診断で異常があっても、その後の精密検査を受けないことも見過ごされてしまう原因の1つでしょう。

心臓の状態を知るために音波検査(エコー検査)やレントゲン検査などを行い、診断してきます。治療の方法はカテーテルという管を使った治療を行います。

肺動脈弁閉鎖不全

右心房から肺動脈へ流れる血液の逆流を防ぐ、肺動脈弁の機能が低下してしまう病気です。右心房へ血液が逆流してしまうことがあり、右心房へ負担をかけることがあります。病気の原因はリウマチ熱、心内膜炎、肺高血圧症が挙げられます。

自覚症状としては息切れや倦怠感などです。症状が進行すると、体のむくみを感じることがあります。ただ、どれも軽度な自覚症状なので自身で病気であると診断することは難しいでしょう。きちんとした検査を実施する必要があります。

心房中隔欠損症・心室中隔欠損症

冒頭でも述べたように心雑音の原因の1つとして、心臓に穴が空いているケースがあります。具体的には、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症の2つの種類があります。

心房中隔欠損症

左心房と右心房を隔てる心房中隔という筋肉に穴が空いている状態です。先天的な要因が多く、約1%の新生児にみられるといわれています。比較的多い先天性疾患の1つです。

成長する過程ではほとんどその症状を自覚することはありません。そのため、病気と診断されてもすぐに処置をしないこともあります。症状の程度が軽微であれば、経過観察とするケースが多いです。

詳しくは、心房中隔欠損症とは?原因・症状・心臓の病気を知ろう!治療法や手術にかかる費用はどれくらい?を読んでおきましょう。

心室中隔欠損症

左心室と左心房を隔てる心室中隔という筋肉に穴が空いている状態です。心房中隔欠損症と同様に約1%の新生児にみられるといわれています。穴は生後1年以内に閉鎖するのが一般的です。

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心雑音があると診断されたら…

診断

健康診断でも学校の集団検診でも、心雑音があると診断されるととても不安になるかもしれません。心臓に何かしらの異常があり、それが時として、命を脅かす病気に発展することがある。そういったことまで考えてしまうかもしれませんよね。

確かに心雑音にはご紹介したような原因があるかもしれません。心臓の弁や壁に異常があれば、なるべく早く治した方がいいでしょうし、症状が進行な状態で現れているのであれば、早急な治療が必要とされます。病気の治療はその症状によって行う必要があります。

一方で、心雑音が聞こえるものの、それほど心配しなくてもいいケースもあります。それは単なる不規則な生活をしていたり、ストレスが溜まっているようなケースです。この場合、心臓に病的な原因はないことが多いです。もちろん、生活習慣が不規則であればきちんと直す必要があります。

精神的なストレスは体に様々な影響をあたえます。心臓に限って言えば、心雑音のほか、不整脈、動悸などが挙げられるでしょう。日常のふとした瞬間にこういった症状がみられるとき、体そのものに負担がかかっていることが考えられます。

生活の中の原因を考える

心雑音と診断されたら、きちんと検査を受けることをおすすめします。例えそれが生活習慣の乱れや症状が軽度のものであっても、検査しなければわからないことがあるからです。病状が深刻であれば、それだけ治療は早急に行う必要があります。

一方で、病気を治すためには日々の生活習慣に目を向ける必要があります。もし体に負担がかかっているのであれば、その原因を取り除くよう行動しなければなりません。睡眠が足りてなければ睡眠をとり、休息が足りてなければよく休む必要があります。

病気は不規則な生活習慣やストレスによって発病します。心臓はストレスの影響を受けやすい臓器でもあり、負担がかかっているのであれば、それを取り除いてあげる必要があります。負担が蓄積すると、大きな病気を招くことがあるかもしれません。

心雑音は1つのきっかけに過ぎません。そこから生活習慣を改善しなければ、病気はより進行していくかもしれません。体の声に耳を傾け、疲れているのであればきちんと休むようにしましょう。

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まとめ

検診などで心雑音と診断された時、心持ちとしてはとても心配になることでしょう。心臓の異常は他の病気と比べて深刻であることが多いからです。ただ、こと心雑音に関しては心配しなくてもいいケースがあります。

先天性な病気であるケースにしても、きちんと治療を受けることで症状を改善することができます。また、無害な心雑音であっても、症状を改善することが期待できるでしょう。

もちろん、健康診断で心雑音がみつかったときは、きちんとした精密検査を病院で受けることをおすすめします。生活習慣病があったり高齢であるなど、健康状態に不安があるならば、注意した方がいいかもしれませんよ。

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