ニコチンがもたらす6つの害とは?作用や体への影響を紹介!

タバコをやめたいのに、やめられない原因は、ニコチンにあります。なんと、青酸に匹敵するほどの有害毒物であるニコチンは、精神的・肉体的にも依存を引き起こす物質です。

また、何となく身体に悪いとはわかっているけれど、具体的にどのような害があるのかというのは、タールの害に比べると、あまり知られていないのが現状です。

禁煙を考えている人はもちろん、今のところ禁煙するつもりがないという喫煙者も、ニコチンの害について理解しておく必要があるのではないでしょうか?そこで、ここでは、タバコに含まれるニコチンとは何なのか、どのような害があるのかをご紹介します。

具体的に見ていくと、目を疑うような毒性に、驚くかもしれません。

タバコに含まれる三大有害物質

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タバコには「三大有害物質」という、なんともおどろおどろしい名前のついた物質が含まれています。3つの物質それぞれが異なる性質を持ち、それらが一緒になることで、人体への悪影響をさらに増大させています。

なかでも、ニコチンが他の2つに加わることで、タバコをやめられなくさせているのです。さて、その3つがどのような物質なのか、早速見ていきましょう。

ニコチン

ニコチンは、タバコの煙に含まれており、かつてゴキブリ駆除やねずみを駆除するための薬として使われていました。その毒性は、青酸に匹敵するほど強力です。禁煙補助パッチを付けたままタバコを吸うと、気持ち悪くなるのは、ニコチン濃度が高くなって引き起こされる急性中毒症状によるものです。

また、ニコチンによる害で最も深刻なのが、脳に影響しているということです。タバコを吸うと、ニコチンは数秒で全身にまわり、脳内にある快楽を感じる場所へ作用します。これが何度も繰り返されると、本来ニコチンが無くても、普通に過ごせるはずなのに、ニコチン専用の脳になるのです。

そして、血中のニコチン濃度が減ると、激しい離脱症状が起こり(=肉体的依存)、脳が私たちをイライラさせ、ニコチンを摂るように命令を出します。このようにしてニコチンに、作り替えられてしまった脳は、ニコチンが切れて集中できなくなっても、タバコを吸えば活性化する脳になっているのです。

タール

植物(木)を燃やすとパチパチと音を立てて、嫌な臭いのする煙が出てくるのを見たことがないでしょうか?あれが、植物樹脂(ヤニ)で、タールなのです。

タールは、タバコの煙とともに出てきて、そのまま肺や喉、皮膚にこびりつきます。閉め切った喫煙室を見ると、壁がまっ黄色くなって、ベタベタするところが見られることもあるのですが、タールはちょっとやそっとでは取れません。

このような物質を体内に取り込んでいるわけです。すると、タールに含まれる何十種類もの発がん性物質が肺胞や喉に細胞レベルで食い込み、肺がんや咽頭がんを引き起こすのです。

ちなみに、タバコの煙には、発がん性物質だけで約60種類以上、有害物質全体にすると、約200種類以上の有害物質が含まれています。

では、タールとニコチンはどちらが有害かという疑問を抱く人もいるかもしれません。簡潔に言うと、「どちら」ではなく、この2つが一緒になることが何よりも有害なのです。タールがニコチンの煙を吸い込んだ粘膜の刺激を緩和し、タバコを吸いやすくするので、ニコチンの依存性を増幅させてしまうのです。

一酸化炭素

一酸化炭素は、無色、無臭、無刺激のため、その存在に気が付きませんが、タバコの葉が不完全燃焼を起こすことで生じます。一酸化炭素が体内に取り込まれると、なんと酸素の200倍以上と言われる力でヘモグロビンと結合します。

結果、通常ならば、酸素を全身に運ぶヘモグロビンが一酸化炭素と結合してしまうので、全身が酸欠状態になるのです。実際にタバコを吸う人はよくわかると思いますが、運動能力が低下し、持続的な運動ができなくなるのは、このためです。

タバコを吸いすぎると気持ち悪くなったり、吐き気がするのは、一酸化炭素濃度が高まることが原因の一つと言われています。

一酸化炭素中毒という症状について聞いたことがありますでしょうか?タバコから摂取する一酸化炭素の濃度では中毒症状にまでになることはありませんが、風邪に似た症状を発症したり、運動機能の著しい低下とともに昏睡状態に陥り、一酸化炭素を更に吸い込んでしまい死に至ります。

低い確率で生き延びたとしても脳に障害が残り、後遺症となることが多いでしょう。濃度が高くなるとそれくらい有害な物質でもあります。

ニコチンは具体的にどんな害があるのか?

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私たちの脳さえ操ってしまうニコチン。自分の意思で吸っていると思っていたら、自分の無意識のうちに、脳が指令を出していたと考えると、自分自身をコントロールできていないようにも感じ、怖くなります。

しかし、恐ろしいのはここからです。とくに厄介な「依存性」については上で述べましたので、その他に、身体にどのような害があるのか、具体的に見ていきましょう。

心臓や血管への悪影響

喫煙者には、冷え性の人が多いような気がしませんか?それはあながち間違ってはいないようです。ニコチンは血管を収縮させ、血行を阻害します。さらに、末梢血管の血流の減少により、血圧が高くなり、心臓や血管にもダメージを与えていまします。

これらを総合した結果、体温が下がり、全身の新陳代謝までもが阻害されてしまうのです。

生理不順・肌荒れ

どちらも女性には、辛すぎる症状です。ニコチンは、女性ホルモンの分泌を低下させます。ご存知のとおり、これは生理と深く関係するホルモンですので、分泌量が低下すると、生理不順、あるいは月経前症候群(PMS)、さらには不妊の原因にもなるのです。

また、ニコチンによって、血行が阻害され、新陳代謝が低下することで、栄養や酸素が送られなくなると、肌のターンオーバーにも異常が起こります。

それに重なるように、一酸化炭素が、血中のヘモグロビンと重なっていることで酸欠状態になるので、荒れた肌を修復する機能をも衰えさせてしまうのです。

妊娠、出産、赤ちゃんへの悪影響

これはもう、「言わずもがな」といったところかもしれませんが、より詳しく説明しましょう。ニコチンは、水溶性のため、血液を通して、赤ちゃんにも届くのです。これまで見てきたニコチンの毒性や害を見ただけでも、赤ちゃんにニコチンが良くないということは、容易にわかると思います。

さらに、ニコチンではありませんが、タバコの煙に含まれるヒドラジンやベンゾピレンなどには、染色体を切断したり、染色体分離を損なう性質があるのです。この染色体異常は、自然流産の主な原因とも言われています。妊娠時の喫煙は、「絶対に」避けましょう。

また、出産後は、ニコチンを体内に取り込むと、母乳にもニコチンが含まれることになります。体内にニコチンを多く含んでいる女性から生まれた赤ちゃんは、成長が遅いと言われています。

動脈硬化を引き起こす

ニコチンは、血液中のコレステロールを酸化させ、善玉コレステロールを悪玉コレステロールに変えてしまいます。さらに、副腎を刺激し、カイコールアミンというホルモンの分泌を促すため、血液凝固を起こしやすくさせるのです。

その結果、動脈の血管壁が厚くなり、血液が通りにくく(あるいは、全く通らなく)なることで、酸素や栄養素が細胞に行き届かなくなり、まわりの組織が壊死して、動脈硬化を引き起こします。

また、ある研究では、喫煙者が動脈硬化に陥る危険性は、非喫煙者の約5倍以上とも言われています。

腎臓病を引き起こす

ニコチンは、毒です。毒が体内に取り込まれると、身体は、一刻もそれを無害化し、体外へ排出しようと努めます。そのときに負担がかかるのが、体内の解毒を担当する腎臓です。

しかし、ニコチンの毒は瞬時に全身にまわります。そのため、腎臓も、ニコチンをより毒性の低い「コチニン」に変えようと瞬時に働き始めます。しかし、腎臓がどれだけ全力で頑張っても、ニコチンをコチニンに変えられるのは、約8割程度と言われています。

すなわち、2割以上が身体にたまり続けるということです。禁煙しようと頑張っても、ニコチンが体内から抜けるのに数週間かかるのは、このためです。

このようにニコチンが体内に入ることによって、凄まじい負担がかかるため、腎臓病を引き起こす原因となるのです。腎臓病を悪化させると、腎不全にもつながります。

自分以外の人へも害を及ぼす副流煙

これは、最大の課題とも言えるのではないでしょうか。自分でタバコを吸い始め、自分に害が及ぶだけなら、百歩譲って、まだマシかもしれませんが、タバコを吸うことによって、タバコを吸わない自分の周りの人へも悪影響を及ぼしてしまうのは、考えものです。

そして、副流煙には、自分が吸い込む煙よりもずっと多くの有害物質が含まれているのです。ニコチンでは2.8倍、タールでは3.4倍、一酸化炭素では4.7倍も多いと言われています。

さらに、イギリスの学者であるリチャード・ドル博士は、「非喫煙者が喫煙者と同室で1日1時間過ごすことは、アスベストを含有する建物で20年暮らすより、肺がんを発症する確率が100倍近く高い」とも述べています。

他にも、夫が1日20本以上タバコを吸う家庭では、その妻が肺がんになるリスクが2倍増えるということが判明したと、国立がんセンター長の平山雄氏が発表しているほか、空気清浄機でさえも、タバコの有害物質は3.3%しかフィルターに引っかからないと言われているのです。

これらの数々の発表を、どう捉えるでしょうか。大切な人を、苦しい目に合わせてしまう可能性を大いに含んでいるということになるのです。

電子タバコは大丈夫?

電子タバコ 害

アイコスなどに代表され最近注目を集めている電子タバコ。タバコよりも有害性が少なかったり副流煙の心配がないからということで喫煙所以外の場所でも吸っている人をちらほら見かけます。

電子タバコの有害性や、どういった仕組みでタバコの代用品として作られているのかについて紹介します。

電子タバコの仕組みについて

電子タバコのメカニズムはリキッド状の成分発熱して気化させて、そこにフレーバーなどを含ませ煙のような水蒸気も発生させてタバコを吸っている気分にさせてくれるものになります。

バッテリー、アトマイザー、カートリッジの三層構造で、アトマイザーと呼ばれる電気が流れている部分にリキッドが流れ込んでそれが高温で熱されて水蒸気になるというシンプルな作りとなっています。

安全性については未だ発展段階で、たしかに有害性については紙タバコよりも影響は少ないことは報告されていますが、まだまだデータが無いことや、粗悪品が多く出回っているので未だ研究段階である部分も多いでしょう。

電子タバコにもニコチンが含まれている!?

電子タバコには一酸化炭素やタールなどの成分は含まれていませんが、ニコチンについては含まれているタイプのものと、含まれていないものの2種類があります。

依存性薬物であるニコチンをどうして入れているかについては依存性を高めるためなどの見方もありますが、実際のところは不明です。しかし入っている量については紙タバコに比べて100分の1という圧倒的に少ない量ですし、日本ではニコチン入りの電子タバコの販売は禁止されています。

これは日本での法律の問題で、JTで委託販売しないと薬事法違反の問題に引っかかってしまうので、販売はできないことになっています。日本ではニコチンが含まれているかどうかでタバコかどうか線引をしているので、これに関しては海外からの輸入などで手に入れた場合にはニコチンが含まれている可能性が高いということになるでしょう。

発がん性物質について

電子タバコにはタバコ以上の発がん性物質を含んでいるとのニュースや報道がなされていることをご存知でしょうか?

電子タバコが販売されて間もないので、長期的な変動を観察するデータが取れていないことで実際にどれくらいの影響があるのかはわかりませんが、中には10倍もの発がん性物質を含んでいる!などの過激な文章も見受けられます。

しかしこれについては未だ詳しい結果は出ていません。

噂では、タバコの様に電子タバコにも税金を欠けるための布石であるという見方や、タバコ業界からの印象操作で売れないように仕向けているなどの意見が工作しており、記事などの情報内容に関しても信憑性に欠けるとの意見が一般的な印象のようです。

電子タバコに含まれている発がん性物質についても普通の紙タバコの4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、更にそのうち70種類が動物にがんを発生させる発がん性物質というこの数字を上回るのでしょうか?

これからの研究やデータでの観察で明らかになってくるでしょう。

受動喫煙の影響がない!?

煙ではなく水蒸気であることで、電子タバコであれば受動喫煙の被害はまったくないと言う情報などを見かけますが。ある健康サイトからの報告では、例え水蒸気であってもタバコと同じように受動喫煙の影響はある。と言います。

そりゃあ水蒸気の中に有害物質が含まれているのですから、それを吸い込んで全く影響がないわけではありません。しかしそれをいってしまうと、この地球上の空気にすら有害物質は存在しているのだから神経質になりすぎ!と言われてしまうかもしれません。

しかし、だからといって電子タバコであればどこでも喫煙できるという考えには賛同できません。もし神経質という人がいるのであればうんこの匂いをその人の家の中や密室の中で撒き散らしてやりたくなります。

普通のタバコよりもヘルシーな害の少ない水蒸気とされていますが、全く影響が無いわけではないので、吸うのであれば喫煙所というマナーが求められるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ニコチンは、依存性だけでなく、実際に身体に様々な悪影響を及ぼします。これらの害から実を守るためには、やはり、禁煙しか方法はないでしょう。

実は、私も禁煙に挑戦しているところですが、このような事実をご紹介しているにも関わらず、吸いたい気持ちになってしまうのです。それだけ、ニコチンが脳を「ニコチン専用」に作り替えてしまっているのでしょう。

しかし、禁煙し、ニコチンを体内から抜けば、また、「自分の脳」に戻ります。ニコチンに操られることなく、自分で選択し、全てを自分の意思で決められるのです。タバコを吸うことに費やしてきた時間もなくなるので、もっと時間の使い方が上手になるかもしれません。

今、タバコに火をつけようとしている人、その前に、ひと呼吸置いて、もう一度この記事を読み返してみませんか?健康は、自分で守るしかないのです。

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