禁煙の効果とは?メリットや方法、離脱症状を紹介!脳や肌にどんな変化がある?

喫煙者の人で禁煙が成功できない人は多いのではないでしょうか?禁煙や減煙を試みてもストレスが溜まり、なかなか上手くいかないという人は多いです。禁煙外来に通っても、再び吸い始めてしまう人もいます。

そういった人も、喫煙に対する身体への悪い影響や、禁煙をすることでどういった変化が身体に現れるのかを知ると、禁煙を試みる気持ちになれるでしょう。では、どのように変化するのか、喫煙の影響も踏まえて説明をしていきます。

ニコチン依存症について

ニコチン タバコ

タバコをやめることができない人の多くは、ニコチン依存症である可能性があります。

これには、身体的・心理的依存の2種類があります。それぞれについて簡単に説明します。

身体的な依存

タバコに含まれるニコチンは脳へ運ばれ、神経伝達物質である脳内ホルモンの代わりに刺激を与えます。これによって、快感やリラックス感など、精神を安定させる作用が働きます。

このニコチンが身体に不足すると、離脱症状が出現します。タバコへの中毒性・依存性が強くなり、身体がタバコを求めるようになります。これを、身体的依存と言います。

心理的な依存

タバコを吸い始める時は、何らかの理由があって始めます。

その時に、タバコを吸って良かったという思いがあったり、日常生活の中で癖のように吸う状態であったり、喫煙習慣が身についている場合があります。これを、心理的依存と言います。

禁煙による離脱症状

イライラ

特にニコチン依存が強い人は、禁煙をすることで出現する離脱症状があります。離脱症状は一時的に続き、これは卒煙をできなくする原因ともなります。

では、どういった離脱症状が、どれぐらいの期間続くのかについて説明をします。

主な離脱症状

離脱症状として、とても煙草が吸いたいという喫煙欲求、気分が落ち込むといった抑うつ感、イライラし、易怒的になったり、不安感や落ち着かないといった焦燥感、集中力の低下や、ストレスが溜まるといった症状が起きる可能性があります。

その他、食欲が亢進したり、体重の増加や便秘、寝つきが悪くなって不眠に陥る場合もあります。また、知名度が低いものでは、口内炎や咳の増加、痺れや振戦(しんせん)といった症状も挙げられます。

離脱症状の消失期間

離脱症状の出現も、消失までの期間も個人差があります。あらゆる記事では、多くの離脱症状は、禁煙開始から4週間以内に消失するとされています。食欲の亢進や便秘に関しては、約2ヶ月間続く場合があります。

禁煙外来でも処方されるような禁煙補助剤を利用すると離脱症状が抑えられます。副作用を伴うため、これを利用するかはよく検討しましょう。

喫煙者必見!禁煙のメリットを知ろう!

健康

卒煙を成功させることで様々なメリットが得られる可能性があります。

禁煙をすることでどういったメリットが得られるか、喫煙することでどういったデメリットが身体に生じるかも加えて紹介をしていきます。

禁煙することで現れる体調変化

禁煙することで、様々な体調変化が現れます。長期的に見てどのように変化をしていくのかを見ていきましょう。

経過の流れはその人の全身状態によって個人差があるため、これはあくまで参考としましょう。

・禁煙直後

周囲の人の受動喫煙を防ぐことができます。喫煙者のいない環境にいるのであれば、自身も副流煙を吸う心配がないです。

・⒛分後

血圧や脈拍が正常値になる。身体の血行が良くなってきて手足の温度が上がってきます。

・8時間後

血中の一酸化炭素濃度が薄くなります。血中の酸素濃度が上がります。

・24時間後

心臓発作のリスクが低減します。

・数日後

味覚や嗅覚、視覚といった感覚が回復してきます。歩行も楽に行えるようになってきます。

・2週間~3ヶ月後

心臓や血管系といった循環器系の機能が改善してきます。

・1ヶ月~9ヶ月後

咳、喘鳴等の呼吸器症状が改善し、体力が回復してきます。気道の自浄作用も改善され、免疫力が回復し、感染症などの病気にかかりにくくなります。

・1年後

肺機能が改善してきます。これは、軽度~中等度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患っている人の場合です。

・2~4年後

虚血性心疾患を患うリスクが、喫煙し続けた場合と比較して約35%低減します。脳梗塞などの脳血管障害のリスクも大きく低減します。

・5~9年後

喫煙をし続けた場合と比較すると、肺がんを患うリスクが顕著に低減します。

・10~15年後

様々な病気を患うリスクが、非喫煙者と同レベルにまで近くなる。

体臭の改善

タバコに含まれるニコチンは、体温調節に機能する神経を刺激し、発汗を促します。汗をかきやすくなることで体が臭くなります。

また、タバコの煙に含まれているタールは、皮膚に沈着し、衣類にも付着します。タールは一般にヤニと言われており、自分やその周りの物がヤニ臭くなります。これは、喫煙者特有の臭いです。

禁煙すると、このニコチンやタールを取り込むことがなくなるため、臭い体臭を改善することができる可能性があります。

冷え症の改善

ニコチンは、血管の収縮を促します。喫煙者の手などの血管が怒脹して浮き出るのは、このためです。この作用によって、血流を悪くし、手足などの特に、身体の抹消部の体温低下による低体温症や冷え症を起こします。

タバコを1本吸ってから、血流をたどってニコチンが身体全身に作用するには、約2時間を要すると言われています。つまり、頻回に喫煙する人はその間常に身体を冷やすことになります。

禁煙をしてニコチンの摂取を止め、免疫機能の活動によって体外に排出されれば、低体温症や冷え症から免れ、機能の改善を図ることができます。

免疫機能の改善

喫煙をすることで様々な有害物質を体内に取り込むことになります。よって、身体は、有害物質を排除するために常に免疫機能を稼働させなければならなくなります。また、冷え症になった場合は、これにより更に免疫機能を低下させます。

免疫機能が過剰に反応し続けると、免疫機能に関与する白血球が異常となり、白血病を発症する可能性があります。その他にも、様々な病気を患う場合があります。免疫機能の低下によって引き起こされる病気の中でも最も重篤なものでは、癌(がん)が挙げられます。

禁煙することで、免疫機能を正常に戻すだけではなく、様々な病気を引き起こすリスクを低減させることができるというメリットがあります。

肌が中からきれいになる

喫煙によって、活性酸素が発生します。これを除去するために、大量のビタミンCが使われます。ビタミンCには抗酸化作用があるためです。この反応によって肌がビタミン不足になります。また、ニコチンの作用によっても肌は栄養不足になります。慢性的に続くと、シワ・たるみ・クマ・シミの原因となります。これは、スモーカーフェイスとも呼ばれますが、顔の肌だけではなく、全身的に現れます。

皮膚が新しいものに替わるターンオーバーは約1カ月間です。禁煙を行うと、約1カ月後に肌が元の綺麗な状態に変わってくるとされています。

抜け毛・白髪の改善

ニコチンによる血管の収縮や、喫煙による活性酸素などの有害物質を分解し、排除しようとして利用されるビタミンCや亜鉛が不足し、それが長期的に続くと、髪の毛にも影響を与えます。

亜鉛に関しては、タンパク質をケラチンへ変化させる作用があります。ケラチンは、髪の毛や爪の主成分となります。つまり、喫煙によって特に、亜鉛が不足することで、抜け毛や白髪が増える可能性が高くなります。それだけではなく、毛が抜けた後、毛を再生する機能も低下してしまう危険性があります。

禁煙をすると、亜鉛不足を予防し、抜け毛や白髪、薄毛になるリスクを改善できる可能性があります。

生殖機能の改善

脳内ホルモンには、テストステロンという性衝動に関与するホルモンが分泌されています。

喫煙によって、テストステロンの分泌が抑制され、勃起不全や生理不順、生理がこない、不妊症になるといった危険性が生じます。これは、ニコチンによって性器内の血管が収縮し、筋肉も緊張状態にさせ、血流・血行を悪くするためです。これは、冷え症や低体温症とも関連があります。

こられの作用によって、発達障害児や身体的な障害をもった赤ちゃんが生まれやすくなります。

禁煙を行うと、これらの作用が改善され、元の状態に戻すことができる可能性があります。がんになる等、状態によっては完全に回復させることは難しい可能性があります。

女性ホルモンの分泌量の改善

ニコチンは、エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌を抑制する働きもあります。男女共に、男性ホルモンと女性ホルモンを保有しているため、男性にも女性にも何らかの反応が起きることがあります。

女性ホルモンの分泌が抑制されることで、女性の場合、生理不順、生理来ない、不妊症となる危険性があるほか、男性化が引き起こされる可能性もあります。

男性の場合は、女性ホルモンが低下することで、薄毛や抜け毛の原因となることがあります。その他に、情緒が不安定になるといった精神に対する影響も出てきます。

禁煙をすることで、女性ホルモンの分泌の正常化を図る事ができれば、これらの症状が出現することを免れることができるかもしれません。

味覚機能の改善

禁煙を行うことで最も早期に、明確に実感される効果が、味覚の改善です。

タバコの主成分として、タールとニコチンがあります。タールは、煙と共に口の中や舌の表面に付着し、蓄積します。ニコチンは、舌の表面の味蕾(みらい)を麻痺させ、味の感知機能を低下させます。これらの作用によって味覚障害が生じます。

その他にも、タバコに含まれる数千種類の有害物質に対して、体内の亜鉛が分解をしていきます。亜鉛は、味覚を正常に保持する栄養素ですが、有害物質の分解に活用され過ぎて不足すると、味を感知することが難しくなります。喫煙者が、味の濃い食事を好むのはこのためです。味の濃い物を食べ続けると、生活習慣病などの病気にかかる危険性が高まります。

禁煙をするとこういったこともなくなり、喫煙する習慣があった期間よりも健康に気遣える食事を行い、味も美味しく感じる人が多いです。喫煙時よりも過食をして体重が増加する人もいます。これは、味覚機能が回復していることを示します。

視覚機能の改善

喫煙は、視力の低下や加齢性黄斑変性症を引き起こすリスクを高めます。

原因は明確化されていませんが、ニコチンによって網膜の血管を収縮させ、血流を悪くさせるためと言われています。その他に、網膜内にある液体にタバコの有害物質が蓄積されることも原因の一つとされています。喫煙時には、タバコの火元から出た煙が目に直接入ることが多いため、内部からも外部からも害を受けます。

禁煙をすることで、有害物質にさらされることもなくなり、ニコチンが体内に入ることもないため、視力が回復する可能性があります。症状によっては回復が困難な場合もあります。

骨質の改善

骨の中の軟骨の主成分はビタミンCが必要ですが、喫煙によってその栄養素が奪われるため、骨質が薄くなります。これによって骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります。

禁煙をすれば、栄養素が奪われることがなくなり、骨を健康にすることができます。

睡眠リズムの改善

ニコチンの類似したもので、脳内物質の一つにアセチルコリンがあります。これは睡眠リズムに関与します。脳はアセチルコリンと間違えてニコチンを利用する場合があります。これによって、睡眠リズムが左右されます。

禁煙をするということは、ニコチンを認知されなくなるので、正しく脳内物質を出して生活リズムを整えることができます。

様々な疾患のリスク低減

ニコチン依存は、精神疾患のリスクを高めます。特に、うつ病の発症率は高くなります。その他にも、周りの人へも影響を与えます。受動喫煙時の副流煙によって、周囲の人が喘息などの呼吸器疾患やあらゆる病気を発症するリスクが高くなります。

喫煙者自身も、肺などの呼吸器が侵されて、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患、胃酸の分泌が増加して胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった消化器疾患を、タバコに含まれる発がん性物質によってあらゆる癌を発症する、中毒性の強い一酸化炭素によって動脈硬化などの脳血管障害を、血管を収縮させるニコチンによって心疾患を発症しやすくします。

禁煙をすると、これら多くの病気にかかるリスクを低減させることができます。

喫煙ロスタイムの削減

喫煙をする場合、喫煙場所を探す時間、タバコを購入する時間、タバコを吸う時間をもうける必要があります。

吸っていなければ、本来はそのタバコを吸う時間を他に当てることができます。禁煙をすればそういった喫煙ロスタイムを抱えず、時間を有効に使うことができます。

節約できる

タバコは1箱当たり400円前後します。コンスタントに吸う場合を想定すると、年間数万円~数十万円かかります。また、健康保険や生命保険など、自身が契約する会社のプラン内容によっては、喫煙・非喫煙で保険料が左右されます。

タバコを吸わないということは、タバコ代が浮くだけでなく、保険料も安くすませることができます。

タバコを徹底してやめるには

タバコ 依存

なかなかやめられず欲求に負けてタバコに手をつけてしまうことがあります。

こういった時、どのように対処していくと良いのか、その方法について紹介をします。参考にしてみましょう。

タバコ関係の物を捨てる

中途半端に関連する物を自分のテリトリーに保管していると手をつけてしまう可能性があります。

卒煙を成功させるためにも、タバコ、ライター、灰皿(自宅用も携帯用も)は全て処分しましょう。

周囲の環境を変える

タバコ関係の物を捨てても、行動する範囲も変える必要があります。特に喫煙者の多いパチンコ店や居酒屋などの店は極力避け、友人と喫煙場所に同行するといった行動も避けましょう。

卒煙が成功していない内は、どれだけ耐えてもつい貰いタバコをしてしまう可能性があります。また、それがなくとも、受動喫煙で副流煙を吸ってしまい、体内に有害物質を取り込んでしまいます。

軽いタバコに変えることは無意味

「タールの低いタバコを吸う」、「本数を減らす」方法をとると身体への害が少なくすむと思い込む人がいます。軽いと思うと吸う際に更に深くタバコを吸います。これによって一酸化炭素を多く取り入れ、動脈硬化を発病する危険性が高まります。

禁煙に関する研究からも、一気に止める方が地道に止めるよりも効果が2~3倍あると報告されています。最初は苦しくとも、思い切って一気に止めることをオススメします。

タバコの代用は無意味

電子タバコやパイポ等のタバコの代用品がありますが、これは無意味です。口に咥える習慣が抜けず、代用品では物足りなくなってタバコに戻す人が多くいます。

タバコと同様に発がん性物質が含まれる物もあります。また、代用品は禁煙補助療法には含まれません。禁煙するには向かない方法と言えるでしょう。

喫煙の代わりに行う行動

禁煙には、喫煙の代わりとなる行動をすると良いです。長い喫煙生活を送っている人ほど、生活習慣は乱れ、運動をしない、濃い味の物を食べる、偏食をする、寝不足といった行動をとっています。まずは、これらを見直して生活リズムを整えます。

代わりの行動は、深呼吸をする、歯磨きをする、水・氷・カロリーオフの飲料水を飲む、運動をする、糖分の低い食べ物を食べる、音楽を聴く、漫画を読んだりゲームをするなど気分転換になる趣味をする、等です。

深呼吸は、気持ちを落ち着かせ、歯磨きは口の中を綺麗にすることで喫煙欲を抑えます。冷たい飲料水は、脳へ刺激を与えて気持ちを紛らわします。運動は、離脱症状を軽減し、新陳代謝も良くなるので生活習慣病などの病気の予防を図ります。手頃で直ぐにできる運動は筋トレです。部屋の中でも行えます。

糖分が多い物を食べると病気になる可能性があります。趣味に時間を当てることは、リラックス効果やストレス発散効果があます。

まとめ

禁煙 タバコ

喫煙が如何に身体に悪いか、禁煙するとどれだけのメリットが得られるかがわかります。

タバコは非常に依存性が強く、なかなか止めることは難しいですが、身体の健康を考えてなるべく控えるようにしましょう。上記の事を参考にして一度チャレンジしてみましょう。

関連記事として、

タバコが肺に与える影響とは?有害物質や引き起こされる病気を知ろう!

電子タバコに害はある?種類や危険な点を知っておこう!

ニコチンの害とは?作用や体への影響を紹介!

これらの記事を読んでおきましょう。

  
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