表情筋とは?役割や鍛えることで得られる効果、トレーニング方法を紹介!

美容に興味や関心のある女性ならば、表情筋という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?鏡や窓ガラスなどに反映された自分の顔に、皮膚のたるみや口周りのほうれい線が現れていたら、その原因は表情筋の衰えかもしれません。

腕、足、お腹などの筋肉を使わなかったり、年齢を重ねることで、それらの筋肉が衰えていきます。同じように、顔面に存在する表情筋も使われなければ衰えますし、加齢や老化でも衰えます。

しかしながら、顔周りの表情筋を含めて筋肉は、ある程度の年齢であっても鍛えれば、それに応えて発達して筋線維の張りが戻るのです。その結果として、皮膚たるみやほうれい線が改善される効果が期待できるのです。

そこで今回は、表情筋に関する基礎的知識を確認するとともに、表情筋を鍛える方法や鍛えることで得られる効果について、ご紹介したいと思います。

表情筋に関する基礎的知識

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そもそも表情筋とは、どのような筋肉なのでしょうか?表情筋という言葉自体は耳にしたことがあっても、表情筋の詳細について知っている人は、案外多くはありません。

そこで、表情筋を鍛える方法や鍛えることで得られる効果を理解するためにも、まずは表情筋に関する基礎的知識を確認したいと思います。

表情筋とは?

表情筋は、主に顔面の皮下に存在する筋肉のことで、顔面筋とも呼ばれます。表情筋は、その名の通り、筋肉を収縮させることによって顔の表情を作り出します。

腕や足など身体の筋肉の多くは、筋肉の起点と終点が骨なのですが、表情筋は起点が骨で終点が皮膚とつながるという「皮筋」となっています。表情筋は、このように皮筋であることによって、目・まぶた・眉・鼻・口・唇・頬といった部位を動かし、表情を作り出すのです。

また、表情筋は、眼輪筋や口輪筋など20種類以上の皮筋の総称でもあり、全てが自分の意思通りに動かすことのできる随意筋でもあります。そして、表情筋は全てが顔面神経による支配を受けるため、表情筋に属する筋肉が相互に連携して動くことで、喜怒哀楽など様々な表情の動きを、きめ細やかに作り出すことができるのです。

表情筋が衰えると?

表情筋は加齢や老化によって衰えますし、感情を表に出さず無表情な人の表情筋も使われないので衰えやすいとされています。腕、足、お腹などの筋肉を使わなかったり、年齢を重ねることで、それらの筋肉が衰えていくように、顔面に存在する表情筋も衰えます。

そして、表情筋は起点が骨で終点が皮膚とつながる皮筋であることから、表情筋の筋力が緩むと、腕や足などの筋肉に比べて、より直接的に目に見える形で衰えが現れると言えるでしょう。

表情筋が衰えて筋力が緩むと、それまではハリを保っていた顔の肌・皮膚に、シワやたるみが生じます。たるみが生じる部分によっては、フェイスラインや輪郭にも影響を及ぼすでしょう。そして、顔のシワやたるみが積み重なることによって、いわゆる老け顔が形作られて、他人に与える印象も変化を余儀なくされるのです。

主な表情筋の種類

前述のように、表情筋は20種類以上の皮筋の総称です。そこで、表情筋を構成する主な筋肉について、ご紹介したいと思います。

眼輪筋(がんりんきん)

眼輪筋は、前頭骨鼻部や上顎骨などが起点となって、目の周りの皮膚が終点となる皮筋の総称で、端的に言うと目の周りの筋肉のことです。眼輪筋は、上下の瞼(まぶた)を動かすことで、目の開閉という役割を担っています。

眼輪筋の筋力が衰えると、上瞼のたるみ、下瞼のたるみ、目尻の皺(しわ)など目元の肌や皮膚のハリが失われます。そして、上瞼のたるみの影響で二重のまぶたが一重のように見えたり、下瞼や涙袋のたるみが陰影を作り出してクマのように見えたり、目尻の皺が老け顔に見せたりといった印象変化ももたらします。

前頭筋(ぜんとうきん)

前頭筋は、帽状腱膜と呼ばれる頭頂部と額の中間部あたりが起点となって、眉間(みけん)と左右の眉部が終点となる皮筋のことです。前頭筋は、収縮することによって眉(眉毛)を引き上げる作用を有していて、結果として額の皮膚がひだのように皺を形成します。

前頭筋の筋力が衰えると、おでこ・額の皮膚がたるみ、額の横皺が形成される原因となります。また、額から頭頂部にかけての頭皮の血流が低下することによって、頭皮の弾力性が失われて、男性のおでこ・額が後退する要因にもなると考えられています。

口輪筋(こうりんきん)

口輪筋は、上顎骨や下顎骨などが起点となって、口唇周りの皮膚が終点となる皮筋のことで、端的に言うと口の周りの筋肉のことです。口輪筋は、口の運動に関係する表情筋(口筋)の中でも、特に唇をすぼめて前方へと尖らせる作用を有しています。

口輪筋の筋力が衰えると、口周りのシワやたるみ、ほうれい線の出現など口元の肌や皮膚のハリが失われます。そして、口輪筋の衰えは皮膚たるみの他にも、口を無意識に開けていることにつながり、口呼吸に頼ることで口臭が酷くなったり、口元がだらしないという印象変化をもたらします。

頬筋・大頬骨筋・小頬骨筋・口角挙筋

頬筋(きょうきん)・大頬骨筋(だいきょうこつきん)・小頬骨筋(しょうきょうこつきん)・口角挙筋(こうかくきょきん)は、いずれも口の上部から頬に位置する表情筋です。これらの筋肉は、いずれも口の運動に関係する表情筋(口筋)に属し、口角を上げる働きを担っています。

これらの筋肉が衰えると、頬のたるみ、ほうれい線の出現など口の上部から頬にかけての肌・皮膚のハリが失われます。そして、口角を上げることは笑顔の重要要素なので、これらの筋肉が衰えると口角が上手く上がらず、笑顔がぎこちなくなる可能性があります。

オトガイ筋

オトガイとは、人間の下あごの先端を意味する言葉で、解剖学の用語としては下顎骨の先端部分を意味します。オトガイ筋は、唇の下(下顎側切歯歯槽隆起)を起点として、オトガイを終点とする筋肉のことです。オトガイ筋は、オトガイを上げたり、下唇を突き出す働きを有しています。

オトガイ筋の筋力が衰えると、顎の部分のフェイスライン・輪郭のたるみの原因となり、いわゆる二重あごを形成してしまいます。

表情筋を鍛えることで得られる効果

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それでは、表情筋を鍛えることによって得られる効果には、どのような効果があるのでしょうか?表情筋を鍛えることで、少しでも加齢や老化の影響を先送りにすることができるのであれば、是非とも実践してみたいと多くの人が思うでしょう。

そこで、表情筋に関する基礎的知識を踏まえて、表情筋を鍛えることで得られる効果について、ご紹介したいと思います。

日本人の表情筋の使用割合

そもそも日本人は、表情筋の使用割合が世界の国々の中でも低いことで知られています。もちろん、日本の中でも地域差や個人差はありますが、日本人の表情筋の平均的な使用割合は2~3割とされています。一方で、欧米の国々での表情筋の平均的な使用割合は6~8割とされています。

このように日本人は、表情筋が衰えやすい傾向があることを留意しておく必要があるでしょう。

表情筋を鍛えることで得られる効果

表情筋を鍛えることで得られる効果は、美容的な効果をはじめとして、いくつか挙げることができます。具体的には、次のような効果が期待できます。

  • 顔面部の脂肪の減少
  • 肌のハリ、リフトアップ
  • 表情が豊富になる
  • 頭部の血流改善

顔面部の脂肪の減少

体脂肪は、腕・足・お腹周りだけでなく、顔面部にも蓄積します。太った人のほとんどが丸顔のように見えるのは、骨格だけのせいではなく、顔面部に蓄積した皮下脂肪も大きな要因となっています。

もちろん、表情筋のトレーニングだけで顔面部に皮下脂肪が蓄積した状態から脱せるわけではなく、本当に痩せようと思えば、有酸素運動などのダイエットが必要になります。しかしながら、顔痩せという観点から見れば、表情筋を鍛えることも重要な要素なのです。

ですから、このような顔面部に蓄積した皮下脂肪は、表情筋を鍛えることによって、減少させることが期待できると言えるでしょう。

肌のハリ・リフトアップ

表情筋を鍛えることで得られる最も代表的な効果は、顔の肌のハリの復活やリフトアップ効果でしょう。

たしかに、表情筋は起点が骨で終点が皮膚とつながる皮筋であることから、表情筋の筋力が緩むと、シワやたるみといった目に見える形で衰えが現れます。たるみが生じる部分によっては、フェイスラインや輪郭にも影響を及ぼします。

しかしながら、表情筋が皮筋であることを逆から見ると、表情筋を鍛えることによって筋力が回復すれば、顔の肌や皮膚のハリが戻り、シワも目立たなくなります。また、表情筋を鍛えることで、皮膚のたるみ解消・たるみ改善につながり、結果としてリフトアップ効果や小顔効果が期待できるのです。

頭部の血流改善

身体を動かして運動をするときに、血流が改善して血行が良くなるように、表情筋を鍛えることは顔全体の血流改善、ひいては頭部の血流改善につながります。また、表情筋の筋肉が動くことにより、血流だけでなく、リンパ液の流れも改善されます。

このような血流改善とリンパ液の流れの改善によって、顔面部や頭部の老廃物回収が促進されるとともに、新たな栄養素が補給されて新陳代謝が活性化されるのです。

顔の肌の新陳代謝が高まれば、表情筋を鍛えたことでハリが生まれた肌に潤いが加わりますので、非常に高い美容効果が得られると言えるでしょう。

表情が豊富になる

身体を動かして運動をするときに、最初からスムーズな動きをすることができる人は、それほど多くありません。多くの人は、同じ動きを繰り返すといった反復練習をすることで、徐々にスムーズな動きを身につけていきます。

表情筋にも同じことが当てはまり、普段から感情を表に出さず無表情な人は、いざ喜怒哀楽を表現しようとしても、スムーズに表情筋が動かないので表情がぎこちなくなります。しかしながら、表情筋を鍛えていると、自分の意図通りに表情を変化させることができ、表情が豊かになります。

表情が豊富になれば、自ずと周囲の人に与える印象も良くなり、対人関係も好転する可能性が高くなると言えるでしょう。

表情筋を鍛える方法

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このように表情筋を鍛えることで、主に顔の美容効果を得ることができます。それでは、表情筋は、どのようにして鍛えれば良いのでしょうか?

そこで、特別な美顔ローラーと呼ばれるようなローラー型美容機器などを使わずに表情筋を鍛える方法について、ご紹介したいと思います。

準備体操・ウォーミングアップ

運動を開始する前には、怪我を予防するためにも準備体操やウォーミングアップを実施することが一般的です。表情筋のトレーニングでは怪我をするリスクは大きくありませんが、やはり準備体操・ウォーミングアップを実施すると良いでしょう。具体的には、次のような手順で顔のストレッチを行います。

  • 目は上を向き、縦に大きく口を開きます。顔を上下に伸ばすイメージです。
  • 次に、目を下に向け、口をすぼめます。顔を中心部に向けて凝縮するイメージです。
  • 目は左右に開き、口も横方向に大きく開きます。顔を左右に広げるイメージです。
  • 最後に、目を中心に寄せ、口をすぼめます。顔を左右から押しつぶすイメージです。

また、準備体操の一環として、手でフェイスマッサージをしても良いでしょう。いずれにしても、顔全体を動かすことで血流を促し、温めることが大切です。

ちなみに、このような顔の体操は変顔トレーニングと呼ばれたり、顔ヨガとも似ていますので、興味のある方は調べてみてくださいね。

眼輪筋のトレーニング方法

眼輪筋のトレーニング方法は、非常にシンプルです。具体的には、次のような手順で眼球を動かしたり、まぶたの開閉を行います。

  • 眼球を上下左右に動かし、上下左右を見ながら、まぶたを開閉(まばたき)します。
  • 眼球を8の字を描くように動かします。
  • 左右のまぶたを交互に3~5秒ずつ閉じ、長めのウインクを交互に行います。
  • 最後に、両目のまぶたを3~5秒強く閉じたり、見開いたりを繰り返します。

このような眼輪筋のトレーニングを実践することで、上下のまぶたのたるみ改善や目尻のシワの改善が期待できます。

また、パソコンモニターやスマホを見過ぎによる眼精疲労対策としても有効です。是非、日常生活の中に取り入れて、目の周りの筋肉を意識しながら実施してみてはいかがでしょうか。

前頭筋のトレーニング方法

前頭筋のトレーニング方法も、非常に簡単です。具体的には、次のような手順で眉部・眉毛を動かします。

  • 片方の手を、おでこ・額に押し当てます。
  • 手を額に押し当てた状態で、眉部・眉毛を持ち上げて3~5秒キープします。
  • この作業を何度か繰り返します。

ポイントは、おでこ・額に手を押し当てることで、おでこ・額にシワが寄らないようにすることにあります。特に力を入れる必要もなく、長時間実施する必要もありませんが、インナーマッスルを鍛えるように、低負荷で何度もこまめに動かすことが大切です。

このような前頭筋の顔トレを実践することで、おでこ・額のたるみやシワを改善することが期待できます。

口輪筋のトレーニング方法

口輪筋のトレーニング方法としては、2つほどご紹介したいと思います。一つは一般的に「あいうえお体操」と呼ばれる方法と、もう一つは舌回し運動あるいは舌回しトレーニングと呼ばれる方法です。

あいうえお体操とは?

あいうえお体操とは、「あ・い・う・え・お」と発声練習するものですが、発声する際に口周りの筋肉を大袈裟かなと思うくらい動かすというトレーニング方法です。正しい口の形での発声と口輪筋の動きを意識しながら実践することが大切です。

隣近所に対する音の問題が気になるようでしたら、声を出さないで口の形だけを意識するだけでも大丈夫です。それでも十分に、口輪筋を刺激して口元を引き締める効果が期待できるでしょう。

舌回し運動・舌回しトレーニングとは?

舌回し運動・舌回しトレーニングとは、口を閉じた上で、舌で歯と唇の間を上下の歯列をなぞるようにして1周させるトレーニング方法です。1回で、時計回りに10周、その後に反時計回りで10周程度を目安に実施します。慣れてきたら、周回数を増やしたり、1日に数回行ってみると良いでしょう。

舌を動かす舌筋と口輪筋をはじめとした表情筋は密接な関係にありますので、一見すると口輪筋と関係のなさそうな舌回しトレーニングも、口輪筋を刺激して口元を引き締めるのです。

ちなみに、舌回しトレーニングでは、唾液が分泌されますので口臭改善や、舌筋の運動により滑舌を良くする効果も期待できます。

頬筋・大頬骨筋・小頬骨筋・口角挙筋のトレーニング方法

頬筋・大頬骨筋・小頬骨筋・口角挙筋は、いずれも口の上部から頬に位置する表情筋で口角を上げる働きを担っています。

そのため、これらの筋肉のトレーニング方法は、鏡を見ながら意識的に口角をつり上げることに尽きます。つまり、意識的に口角を上げて、その位置を10秒程度キープするのです。このような口角トレーニングを何度も繰り返すことで、口元や頬の筋肉が引き締まり、たるみやシワの改善につながるとともに、ほうれい線対策としても効果が期待できます。

オトガイ筋のトレーニング方法

オトガイ筋のトレーニング方法は、とても簡単です。具体的には、次のような手順で行います。

  1. 首を後ろに傾けて、顔を天井方向の上向きにします。
  2. 上を向いた状態で、さらに舌を天井に向けて突き出して3~5秒キープします。
  3. この作業を何度か繰り返します。

このようなオトガイ筋のトレーニング方法を実践することで、下顎の筋肉が引き締まり、二重あごの改善につながるのです。

まとめ

いかがでしたか?表情筋に関する基礎的知識、表情筋を鍛える方法や鍛えることで得られる効果について、ご理解いただけたでしょうか?

たしかに、腕、足、お腹などの筋肉と同じように、顔面に存在する表情筋も使われなければ衰えますし、加齢や老化でも衰えます。

しかしながら、顔周りの表情筋を含めて筋肉は、ある程度の年齢であっても鍛えれば、それに応えて発達しますので、あきらめることはありません。あきらめずに表情筋のトレーニングをすれば、皮膚たるみやほうれい線は改善できるのです。このような表情筋のトレーニングに加えて、リンパマッサージやスキンケアを組み合わせると、より理想に近づけるのではないでしょうか。

是非、本記事を参考にして、表情筋のトレーニングやエクササイズを実践して、小顔美人を目指してみて下さいね。

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