乳首がかゆくて耐えられない! でも、なんとなく恥ずかしくて解決策を他人に聞けず、そのまま放置している……という方も多いのではないでしょうか。実はそのかゆみ、多くは乾燥が原因だと知っていましたか?
女性であれば、何歳になっても自信が持てる胸元を維持したいと願うものです。原因と対処法をしっかりと学んで、1日も早くトラブルを解消しましょう。
乳首が乾燥する原因
顔や手足が乾燥すると同様に、乳首まで乾燥するとは想定外だったのではないでしょうか。でも、普段下着で守られている乳首がなぜ乾燥するのでしょう?原因を見ていきましょう。
新陳代謝の低下
疲労や心的ストレス、冬の時期の寒さなどによる新陳代謝の低下が、乳首の乾燥につながる場合があります。
新陳代謝が低下すると血行不良を起こし、肌のトラブルが起きやすくなります。そうすると、皮膚の水分を保つバリア機能が衰退し、水分が蒸発することから、乾燥してしまうのです。新陳代謝は寒い季節は低くなりやすい上、冬は空気中も乾燥しているのでさらに乾燥が深刻です。
ホルモンバランスの乱れ
生理前や妊娠中、授乳期の女性は、ホルモンのバランスが乱れます。
女性ホルモンは、プロゲステロンとエストロゲンの2種類があり、生理や妊娠によってこれらの分泌量が変わるため体に様々な不調を起こします。その一種の症状として肌の乾燥があり、乳首がかゆくなる原因となるのです。
下着の素材が合わない
下着は毎日着用するもので、直接乳首に触れるものです。当然、体質に合った素材でなければ肌トラブルを起こし、乾燥やかゆみの原因にもなるでしょう。
さらに、下着のサイズが合っているかどうかも重要です。下着のサイズが大きく、下着と乳首の間で摩擦が起こると、たとえ低刺激だとしても時間をかけてゆっくりと乾燥が進んでいきます。
刺激が強いソープの使用
大半の方は、市販の固形石鹸やボディソープで体を洗うと思います。しかし、女性器をはじめデリケートゾーンには、これらのソープでは刺激が強いのです。もちろん、乳頭も同じです。
また、刺激の強いボディタオルでゴシゴシ洗うのも良くありません。皮膚が薄く、色素沈着や乾燥しやすい乳頭には、摩擦は大敵なのです。
赤ちゃんへの授乳
生まれたての赤ちゃんは一度に多くの母乳を飲むことができないため、数時間ごとに何度も授乳する必要があります。毎日絶え間なく授乳することで乳首への負担が重なり、トラブルの原因となります。
ふやけた乳頭をそのまま放置すると、乾燥が一気に進むので注意が必要です。
乳首の乾燥を放置してはいけない理由
乾燥の原因は理解したけれど、そのままにすると一体どんなことが起こるのでしょうか?放置した末の、恐ろしい現実に迫ります。
黒ずむ
妊娠や授乳、または加齢などにより少しずつ黒ずんでしまうのは自然の原理です。しかし、防げるのにケアを怠ったことで黒ずんでしまうのは、女性なら誰しも避けたい結果でしょう。
摩擦や外的刺激よる乾燥やかゆみをそのまま放置すると、色素沈着を起こして黒ずんでいきます。特に、乳首や乳輪といったデリケートな部分ほど守ろうという力が加わるため、より色素沈着しやすくなるのです。
ハリを失う
顔が乾燥した状態を長く放置した場合、ハリを失い、シワが増えますよね?乳頭は顔以上に皮膚が薄く、非常にデリケートです。顔のハリが失われる何十倍もの速さでシワが出来て、元に戻すのはなかなか難しいでしょう。
特に、放射状にシワが広がってしまった場合は危険です。乾燥していると感じたときにすぐにケアをしないと、プリッとした乳頭を取り戻すことができなくなる可能性があるので注意しましょう。
少しの刺激でも傷だらけ
乾燥で乳頭の弾力を失い、少し刺激を与えただけで出血してしまう程の傷がつくなど、乳頭そのものが弱くなってしまいます。
こうなってしまうと、傷がやがてかさぶたになる頃、再びかゆみを伴い、無意識で掻いてしまったときにまた出血する程の傷がついてしまう……。こうした悪循環を招くことになります。
授乳ができなくなる
授乳期は人生で一番乳頭に刺激を与える期間です。特に乳頭が固く、伸びが悪い初産のお母さんは、トラブルが多いと言われています。左側、右側と交互にあげるなど、負担を分散させるための工夫をしていても、保湿などのケアを怠れば乳首から出血するほどの傷が出来てしまいます。
そうなれば、衛生的にも授乳することは難しく、母乳で育てたいと願うお母さんにとっては、辛い結果となってしまうでしょう。
洗えなくなる
乾燥→かゆみ→炎症と症状が進むことで、患部を洗えなくなってしまいます。例え、低刺激のデリケートゾーン用ソープを使用したとしても、水が触れるだけで痛いといった状態であれば洗うのは困難です。
こういう状態になると、血やかさぶたなどポロポロになった皮がブラジャーに付くこともあるでしょう。満足に洗えないことで衛生的にも悪く、患部の治りも遅くなります。
乳首の乾燥を防ぐ方法
乾燥を放置した末の恐ろしい現実を知ったら、次は改善方法をしっかり学びましょう。原因をしっかり理解した上で、ケアを怠らないことと、回避策を見つけて実践することが重要なのです。
素材とサイズが合った下着を選ぶ
色味や気に入ったデザインで選ぶのもいいけど、一番重要なのは素材とサイズが自分の体に合うかどうかです。今一度、普段身に着けているブラジャーを思い返してみましょう。
まず、素材はナイロンやレーヨンなどの化学繊維は避け、綿100%など天然繊維で作られた下着がオススメです。寝るときに下着を付けずに寝る方もいると思いますが、その場合はシルクなどのパジャマを着用するといいでしょう。綿がオススメな理由は、通気性と吸湿性に優れていて、汗による汗疹などの肌トラブルを回避できるからです。さらに、敏感肌の人にも優しい天然素材だから、直接肌に触れても摩擦で乾燥することもなく、長時間付けていても安心です。
また、下着のサイズ感は、必ずお店でサイズを測ってから購入しましょう。太ったり痩せたり歳を重ねることで、ブラジャーのサイズは度々変わるものです。アンダー、トップともに、自分の体にあったサイズを必ず選びましょう。
低刺激のソープを使う
乳頭などのデリケートゾーンを、ボディソープなどアルカリ性の石鹸でゴシゴシと洗っている場合は今すぐ止めましょう。
細菌というと悪いイメージですが、皮膚には「表皮ブドウ球菌」という、皮膚を弱酸性の状態に保つ働きをする良い細菌が存在します。この良質な細菌は、アルカリ性の石鹸で洗うことによって抹消され、皮膚にとって良い効果がもたらされる貴重な細菌にも関わらず、失われてしまうのです。
乳首を洗うときは、いらない菌を洗い流しつつも、乾燥を防ぎ、良質な細菌を保護するソープで優しく洗うことが大切です。弱酸性のデリケートゾーン専用のソープか、天然由来の固形石鹸を選びましょう。
ここでひとつ、意外と注意しなければいけないのは、シャンプーやリンスなどの成分が付着し、十分に洗い流せていないというパターンです。泡風呂などに浸かった後、すすぎが足りないという場合も多くあります。お風呂から出る際には、十分に体を洗い流してから出るように心がけましょう。
病院に行く
乳首は女性の体の中でとても繊細な部分で、自己判断で改善を試みるよりも、病院で診てもらったほうが早く改善する場合も多いでしょう。病院で診察を受けた場合、多くは炎症を抑えるステロイド外用剤を処方されますが、症状の程度によっては飲み薬を処方されることもあります。
受診する際は、皮膚科、婦人科、乳腺外科などに行くといいでしょう。女医を希望する場合は、婦人科か乳腺外科がおすすめです。
専用クリームで保湿
乾燥には保湿することが大切です。
ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分で膜を作ることでバリア機能が高まり、乾燥や摩擦による刺激から肌を守るため、かゆみなどの肌トラブルが起こりにくくなります。ただ、体内で作られる保湿成分は歳を重ねるたびに減少するため、年々バストの乾燥は進み、弾力とハリは失われます。そのため、乳首の保湿ケアとしてスキンケアを行うことが重要となってくるのです。
乳首の保湿ケアをする際には、顔と同様のスキンケア用品では刺激が強いでしょう。現在では、乳首の美白化粧水や黒ずみ解消クリームなど専用のケア用品が多数あるので、正しい方法でケアをして、毎日持続することが大切です。また、授乳後の乳首もケアが必要です。
油分を失った乳頭をそのまま放置すると、裂けて出血したり、傷がなかなか治らないというトラブルが起きます。そうなる前に、授乳の後も専用のクリームで保湿をするよう心がけましょう。
保湿ケアの正しい方法
乳首の乾燥を防ぐため、保湿をすることの大切さは分かりましたが、一体どのようにケアするのが一番いいのでしょうか?
実は、保湿ケアは洗う時から行うのが最も効果的と考えられているのです。まず、体を洗うときはボディタオルなどは使わずに、よく泡立てたデリケートゾーン専用ソープを乳首にたっぷりとのせ、手で優しく洗いましょう。入浴後水気を拭き取るときは、軽く布をあてて吸い取る程度で十分です。
入浴後は、熱の蒸発により乾燥が進むので、できるだけ早く保湿することが大切です。低刺激で、浸透力と保湿力に優れた専用クリームを、用法・用量を守って使用しましょう。乾燥がひどいときは、普段よりも少し多めにクリームを塗って、しっかり浸透したのを確認してから衣服を着るといいでしょう。
乳首は、乳腺があるなど非常にデリケートなゾーンなので、力が加わって乳頭に刺激が伝わらないよう十分に注意をしながらケアをする必要があります。
まとめ
乳頭の乾燥、痒みを放置した末の結末は、女性にとって取返しのつかない問題に発展することが分かりましたね。
誰にも相談できないから……、病院に行くのは恥ずかしいから……と思わずに、乳首に何らかのトラブルを感じたときは、一刻も早く対処することを心がけましょう。また、乾燥しないためのケアを、日頃から行っておくことが何よりも大切ですね。