ナルコレプシーの症状をチェック!原因や治療法は何?

ナルコレプシーは突然眠ってしまう病気です。「突然」は「本当の突然」です。会社員が会議中に居眠りすることはよくあることでしょう。

それはナルコレプシーの症状とはまったく関係ありません。ナルコレプシーの患者は、患者自身が会議中にプレゼンをしているときに突然眠ってしまうのです。さっきまで熱弁をふるっていた人が、あたかもロボットの電源が切れたように眠りに落ちるのです。

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ナルコレプシーの症状

睡眠

ナルコレプシーの症状の特徴は2つあります。睡眠のタイミングがつかめないことと、睡眠を制御できないことです。眠気と葛藤しながら眠ってしまうのはナルコレプシーではありません。眠気を感じたときにはもう眠っているのがナルコレプシーです。

主な症状は「日中の強烈な眠気」「悪夢」「脱力」「麻痺」「幻覚」です。

ナルコレプシーの患者のうち、この5つがすべて発症する患者は10%にも達します。ひとつひとつ詳しく見てみましょう。

日中の強烈な眠気

繰り返しになりますが、ナルコレプシーの眠気は、通常の眠気とは比べ物にならないくらい強いものです。眠気に抗うことができる時間は数秒です。患者は「眠い」と思ったときには眠っています。

ナルコレプシーの症状は、読者やテレビを見ているときなど、単調な状況でよく起きます。しかし症状が悪化すると、運転中や誰かと会話をしているときや、パソコンで資料を作成しているときなど、作業に対する意欲があり集中力が高まっているときでも眠ってしまいます。

眠りに落ちている時間は、数分から数時間までさまざまです。また目覚めは爽快感が伴います。さらに、爽快に目覚めたのに数分後にまた眠ってしまうこともあります。頻度も、1日に数回も眠ってしまう日がある一方で、数週間にわたって1度も起きないこともあります。予測が付かないのが特徴です。

悪夢

ナルコレプシーの患者は、悪夢を見る傾向があります。夜間、眠れないことが多く、やっと眠ることができても恐ろしい夢を見るので、精神に不調をきたすことがあります。日中の集中力が低下したり、抑うつ傾向が出ます。

その結果、生産性の低下や人間関係の悪化を招くことがあります。運転中に発症すると交通事故の原因になります。

脱力

ナルコレプシーの症状には「眠らない」ものも含まれます。それが「脱力」です。つまり「眠り=意識を失う」症状を伴わないのです。脱力にはきっかけがあります。それは喜び、怒り、恐れ、驚きといった感情の激しい動きです。

釣りをしていて大きな引きがあったとき、驚きと喜びが一気に沸き起こり、ナルコレプシーの脱力症状が起きます。竿を落としたり、座っていた椅子から転げ落ちたりします。姿勢や体勢を維持できなくなってしまうのです。

テレビのお笑い番組を見ていて大爆笑したときに全身の力が抜けたり、誰かを叱り飛ばしているときに突然転倒したという報告もあります。脱力の発作はナルコレプシー患者の75%に起きます。

麻痺

ナルコレプシーによる麻痺は、夜、普通に眠れそうなときに突然体が動かなくなる症状をきたします。また逆に、朝、通常通り目覚めたと思ったら、手足を持ち上げることができなくなっています。

麻痺の発症率は、ナルコレプシー患者の25%程度です。特に子供が多く、成人の患者にはあまり見られません。

幻覚

「幻覚」は「悪夢」とは異なる症状です。悪夢は睡眠時にストーリーを創造する症状のことです。幻覚は、目覚めているときに、見えないはずのものや聞こえないはずの音が見えたり聞こえたりする症状です。幻覚も麻痺と同じように、夜、眠りに落ちる寸前や、朝、目覚めた直後に発症します。幻覚の発症率は3割程度です。

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ナルコレプシーの原因

遺伝

ナルコレプシーの原因は不明とされています。遺伝や脳との関連は疑われていますが、明確な証拠はまだ発見されていません。

遺伝

ナルコレプシーの親を持つ子供が発症するリスクは、この病気を持たない親の子供より40倍も高いという研究結果があります。このことから遺伝原因説は有力視されています。

しかしこれを否定する研究結果もあります。それは、双子のきょうだいの1人にナルコレプシーが発症したときに、もう1人が発症する率は25%しかないのです。統計学上、遺伝原因説を否定するに十分な数字なのだそうです。

環境

環境原因説を提起する研究者もいます。ナルコレプシーの患者の多くに、脳のある部分の破壊が見られることから、外部からのなんらかの衝撃により発症すると考えたのです。

環境原因説ですと、ナルコレプシーの発症に男女差がないことの説明がつきます。

ストレス

そのほかにも、ストレス原因説や睡眠不足が引き金になっているという説もあります。

ただこれらは、ナルコレプシーがそのほかの病気とまったく関係なく発症することから、ストレスや睡眠不足が疑われただけのようです。つまりはやはり、原因不明なのです。

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ナルコレプシーの治療

ct

原因は不明でも、ナルコレプシーの治療薬は存在します。

診断

医者にかかっても、「ナルコレプシーである」という確定診断はなかなか出ません。それは日中の突然の強烈な居眠りは、ほかの病気によっても生じるからです。「ほかの病気によって引き起こされていない」ということを証明することは大変な作業なのです。

例えば睡眠時無呼吸症候群の患者も、日中に突然睡魔に襲われます。ナルコレプシーとの区別がつきにくい病気のひとつです。そして睡眠時無呼吸症候群であるとの確定診断は、入院して大がかりな検査をしなければなりません。

このように疑われる病気をひとつひとつつぶしていかなければならないので、患者によっては初診から10年を経てようやくナルコレプシーの診断が下ることもあります。

検査

ナルコレプシーが疑われたときの検査は主に2つあります。「睡眠ポリグラフ」は眠っているときに体の反応を測定し、睡眠の質を見極めます。2つ目の検査は「睡眠潜時反復検査」といいます。「潜時」とは横になって目をつむって最初に睡眠に入るまでの時間のことです。

脳のCT検査は、脳に障害が発生していないかどうかを見るために行います。また、脳を取り囲む頭蓋骨内の「頭蓋内圧」が高まっていないかどうかも調べます。頭蓋内圧が高まっている状態は、脳を圧迫している状態でもあるからです。

血液検査や尿検査も行います。これらはナルコレプシーの原因を突き止めるために行う検査ではありません。過眠症状を引き起こす、ナルコレプシー以外の病気でないことを突き止める検査です。

つまり、甲状腺機能低下症や多発性硬化症状、高血糖、低血糖、肝機能低下、貧血、高カルシウム血症、尿毒症でも、日中の眠気を引き起こします。こうした病気がすべて否定されると、いよいよナルコレプシーの可能性が高くなるのです。

治療しない

ナルコレプシーであると診断されても、麻痺や幻覚が時折みられる程度であれば、積極的な治療は行わないことがあります。日常生活に支障をきたさないからです。ただ、日中の強烈な眠気といった、重症化した症状に移行する危険があるので、医師による経過観察は必要です。

医師による睡眠指導も効果が期待できます。具体的に指示される内容は、夜間の十分な睡眠と日中の30分程度の仮眠です。ナルコレプシーは夜間に十分な睡眠を取っていても発症します。しかし夜間睡眠や意図的な昼寝は、ナルコレプシーの症状の軽減が期待できるのです。

覚醒促進薬

症状が悪化すると薬物療法に移ります。医師が、中程度の症状の患者に処方するのは覚醒促進薬「モダフィニール」です。これは飲み薬で、家庭で使えます。毎朝100mg飲みますが、効果が薄いと400mgまで増量されます。また、薬の効果が夜まで続かない場合、朝に加えて正午ごろにも服用します。

副作用としては、夜の睡眠が難しくなることが挙げられています。

アンフェタミン誘導体

モダフィニールの効果が薄い患者には、アンフェタミン誘導体という薬を使います。商品名は「メチルフェニデート」といいます。これも飲み薬です。1日2~3回に分けて飲みます。モダフィニールと一緒に服用することもあります。

アンフェタミン誘導体には「デキストロアンフェタミン」という薬もあって、これもナルコレプシーの患者に処方されます。

ただアンフェタミン誘導体は、覚醒促進薬より副作用が多い薬です。より症状が重い患者に使われる薬は、より強い副作用が出るのです。頻脈や高血圧といった心臓や血管の病気も起きます。また興奮や情緒の変化、躁状態といった精神的な支障が出てきます。こうした精神的な症状は快感につながることから、薬の乱用の問題もあるそうです。

こうした副作用を避けるため、アンフェタミン誘導体ではない薬「ペモリン」が使われることがあるのですが、この薬は肝臓を傷める副作用があります。

抗うつ薬

抗うつ薬が使われるのは、脱力、麻痺、幻覚の症状が出ているナルコレプシー患者です。薬品名は「プロトリプチリン」「イミプラミン」「クロミプラミン」といいます。

これも飲み薬です。抗うつ薬は、落ち込んだ気分を上げる薬です。つまり飲む量を誤ると、今度は気分が異常に上がってしまうのです。夜間に興奮して眠れなくなり、ナルコレプシーの症状が悪化するリスクがあります。脱力には「Naオキシベータ」という薬もあります。

抗うつ薬も乱用の恐れがあります。

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まとめ

ナルコレプシーの治療には、医師にも患者にも根気が求められます。劇的に改善する病気ではありませんが、ゆっくり良くなっていくことは期待できます。あわてず急がず治療していきましょう。

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