耳の毛は、正面からはあまり気が付かず、よほど気をつけていないとはっきりと見えないものですが、意外と周りからは見えています。女性ではあまり聞いた事のない耳毛の悩みですが、それだけに周りに見えてしまうのはかなり恥ずかしいですよね…
耳の毛が生えているのはお年寄りだけのような気もしますが、耳毛は男性ホルモンの影響を受けているためひょんな事から生えてこないとも限りません。放っておくと身だしなみの面はもちろん、衛生的にもいい事がない耳の毛について正しい処理方法を知っておきましょう。
耳の毛とは
まずは、耳の毛について知っておきましょう。
役割
人間の毛は、外敵からの防御や摩擦の軽減、振動や刺激を感知するセンサーとしての役割を持っています。
他の動物と比較すると、足のうらや粘膜の部分など毛の生えていない部分が多いように見える人間ですが、よく見るとほぼ全身に毛がある事がわかるかと思います。特に穴が空いている器官は外部からの侵入を守る必要度が高いため、当たり前のように毛が生えているのです。
このうち、耳の中の毛の役割は、ゴミやほこりが耳の中に入るのを防いでいます。また、冬場の冷たい外気をシャットアウトする役目も持っています。
特徴
人の体毛は大きく無性毛と性毛に分かれています。髪の毛や眉毛などは無性毛に含まれ、ホルモンのバランスをあまり受けず濃さや太さの変化が少ない毛です。これに対して性毛は年齢により変化するものです。
性毛は思春期以降に生えて来る体毛の事を指しますが、これをもう少し分類すると、性別を問わず生えている両性毛と、男性ホルモンの影響により生える男性毛に分ける事ができます。脇毛などが両性毛、髭・胸毛などが男性毛です。
耳毛はこの男性毛に含まれるものです。そのため、特に男性の場合は年齢を重ねるにつれて変化します。男性毛といっても女性にない訳ではありませんが、一般的には女性の耳毛は産毛なのであまり目立ちません。
男性の場合も初めは女性と同様に産毛ですが、男性ホルモンの影響によって毛の生え変わりの周期が長くなり、毛が育ってしまうので太くなったり長くなったりしてしまいます。男性ホルモンの分泌量が多い人程耳の毛が伸びやすくなっており、女性でも男性ホルモンの分泌が多くなれば同じ用に耳の毛が伸びてきます。
耳毛で起こる問題とは
耳の毛が生えていると身だしなみとして格好が悪いのはもちろんですが、その他にも問題が起こります。
耳が聞こえづらくなる
耳毛があるから音が聞こえづらい、というのはにわかには信じられないような話ですが、音の通り道に障害物がある状態である事は確かです。
耳毛を処理した事で音が聞こえやすくなった気がするという意見もあり、耳の毛の処理によって得られるメリットの一つであると考えられます。
清潔
耳の入口に毛が生えているという事は外敵からの侵入という意味では優秀ですが、いざごみが入ってしまうとなかなか外に出なくなってしまうという側面を持っています。
耳掃除をした際に耳あかをかき出しにくく、風通しも悪いため環境が悪化している可能性があります。
イヤホン
意外な問題として、イヤホンのガサガサ音が気になるというものがあります。近頃よく見るようなカナル型イヤホンの場合は特に雑音が気になるものですが、耳の毛がイヤホンにあたるとガサガサと音がしてしまい非常に気になります。
耳毛の処理の方法
見つけたらすぐにでも引っこ抜きたくなってしまいますが、耳の皮膚は非常にデリケートです。そのため耳毛は正しく処理する必要があります。
ハサミでカットする
一番簡単なのは、普通にハサミでカットする方法です。ただし、耳の中は見えないので、奥まで切ろうとしないように気をつけて下さい。
また、皮膚を傷つける可能性があるので、先端が丸くなっているハサミを使用するのがおすすめです。
シェービング
穴刀と呼ばれる細長い刃物を使って耳の毛を剃る方法です。理容室によっては穴刀を使って耳毛の処理をしてくれる所があります。
老舗の理容室などでは現在も行われているメニューですが、事故の防止のため条例で禁止されている県もあります。(穴刀自体は普通に販売されていますが、正直素人の使いこなせるものには見えないので充分注意して下さい。)
耳の外の毛については、シェービングを行っているサロンでお手入れのメニューがある場合があります。
耳毛カッターを用いる方法
耳の中は見えづらいため、ハサミなどを使うのに抵抗がある方も多いと思います。そのような場合のため、耳の毛を切るために作られた耳毛カッターというものがあります。
使用の際にはあらかじめ耳の中を清潔に保ち、入口の毛だけを処理するように心がけて下さい。耳の中は大変デリケートで奥には鼓膜があるため、カッターを奥まで挿入すると危険な場合があります。
毛抜き
ハサミと同じく比較的簡単な方法です。耳に刃物を入れるのが怖いという場合も、毛抜きなら安全です。先が丸くなっており、見えない部分でも安心して使える耳専用の毛抜きも作られています。
あまりにも耳の毛が太くなってしまっている場合は、ハサミで切った断面がちくちくする可能性があるので毛抜きを使った方がよいでしょう。
レーザー脱毛
耳の毛は、レーザーによって脱毛する事ができます。この方法は、黒色に吸収されるレーザーの光をあてて毛を作る「毛母細胞」を破壊する方法です。毛の生え変わる周期に合わせて数ヶ月おきに5回程の施術が必要なのと、痛みを伴うという点がありますが効果はほとんど永久的で、麻酔の使用も可能です。また、耳の奥に光が届かないよう専用の耳栓をして行います。
ただし、耳の毛は特殊部位となっている事が多く、レーザー脱毛を取り扱っていても耳の毛には対応していない場合もあるため事前に確認しましょう。
光脱毛
光脱毛はレーザー脱毛と比べると弱い光を広範囲に照射する方法です。レーザー程協力な光ではないので、痛みが少なく価格も安くなっています。その替わりに完全に脱毛するまでの期間が長くなっています。
ワックス脱毛
脱毛の中では毛抜きと同じように原始的な方法で、毛を固めて引っこ抜くというのがワックス脱毛です。
毛抜きと違っていっぺんに毛を処理する事ができますが、当然それなりに痛みがあるのと、抜いているだけなのでまた生えて来るという欠点があります。また、耳の奥まで入ったら危ないので、専用のサロンでお願いした方がよいでしょう。
誤った処理の方法
前述の通り、耳の中は非常にデリケートな部分です。外に出ている部分のように皮膚が強いわけではなく、鼓膜がある事も考えると除毛クリームなどの薬剤を使用するのは大変危険です。
また、前述の通り刃物を使う時は耳の入口の毛だけを処理するようにすることと、耳掃除の時と同様、人の動きの激しい所で行わない、耳に器具を突っ込んだまま移動しないなどの注意点に気をつけましょう。
まとめ
耳の毛は年齢と共に濃くなったり増えたりする事があります。なんにせよ適切に処理しておくのが身だしなみとしても清潔さからもよいといえるでしょう。
耳の毛は基本的には他の部位の毛と同様に脱毛やハサミにより処理を行う事ができますが、奥に鼓膜がある事や皮膚がデリケートである事から、あまり強い薬などを使いすぎず、無理をして傷つける事のないよう気をつけましょう。脱毛サロンやクリニックでも処理が可能な場合があるので、自力でのケアが難しい場合はそちらを頼るのも一つの手です。ただし耳毛は特殊部位のため、きちんと調べてから選ぶようにして下さい。
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