鼻がかゆい原因とは!?アレルギーや炎症に要注意!

「鼻のかゆみ」といっても、原因はさまざまです。アレルギー体質の場合もありますし、カビが引き起こすこともあります。この治療では、患者自身が症状を詳しく説明できることがカギになります。

鼻のかゆみの原因は複数考えられるので、市販薬を買うにしても、医師にかかるにしても「こういうときに、こうなる」という情報が重要なのです。かゆみを、「鼻の外のかゆみ」と、「鼻の中のかゆみ」に分けて詳しく解説していきます。

鼻の外のかゆみ:カビによる炎症

ピエロ

鼻の外がかゆいとき、カビが原因になっている場合があります。「カビ!」と驚かないでください。カビにはさまざまな種類がありますが、鼻の外のかゆみの原因と考えられる「そのカビ」は、恐いものではないのです。

脂漏性皮膚炎によるもの

鼻の外のかゆみは、「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という病気の可能性があります。「脂(あぶら)」が過剰に「漏」れ出てきて、「皮膚」が「炎症するのです。なぜ脂が炎症を引き起こすのかというと、理由は2つあります。

・皮膚を守る皮脂

人間の脂(あぶら)は、それ自体は人体に悪影響を及ぼしません。悪影響どころか、とても大切な成分です。皮膚は、人間の体の内部を守る「防護壁」の役割をしていますが、人間の脂である「皮脂(ひし)」は、その皮膚を守ります。

自動車で例えると、内臓と骨格は「エンジンと車体」、皮膚は「塗装」、皮脂は「コーティング剤」です。塗装は車体を守るために塗るのですが、長年、風雨や紫外線にさらされると、剥がれ落ちてしまいます。そこで、コーティング剤を塗装の上から塗り、塗装を保護するのです。

では、コーティング剤の「皮脂」が、どうして「かゆみ」を引き起こすのでしょうか。

・酸化して劣化

それは皮脂が、酸化してしまうからです。酸化とは、劣化を意味します。物質は、酸素に触れると劣化するのです。食用のサラダ油は、封を切って長時間放置すると劣化して味が落ちますが、これは酸化したためです。

皮脂は皮膚の中から体の表面に出てきます。表面に出てきてすぐはコーティング剤として活躍しますが、空気中の酸素にしばらく触れていると、劣化します。つまり長い時間、体を洗わないと、皮膚は劣化した皮脂にさらされ続けるのです。それでかゆみが生じます。

ではなぜ、かゆみが鼻の外に生じるかというと、鼻の外は、皮脂がたくさん出てくる場所だからです。サラリーパーソンが、夕方になると鼻がテカテカする現象を思い出していただければ理解しやすいと思います。

マラセチア菌によるもの

カビ

人の体にはカビが付着していて、まったく害を加えないカビもあります。そのひとつが「マラセチア菌」という名前のカビです。これは「常在菌」といい、誰でも持っています。「常」に体に「在(あ)」る「菌」です。

体の働きが正常だと、このカビは悪さはしません。しかし体調が崩れ、皮脂が大量に皮膚に出てくると、カビは皮脂を分解して「遊離脂肪酸」を作ってしまうのです。この遊離脂肪酸が、肌に悪影響を及ぼすのです。

マラセチア菌は、ニキビの原因にもなります。ニキビというと、思春期世代の現象と思われがちですが、成人以降の中高年にも、背中や胸などにできることがあります。それも、鼻の外のかゆみと同じ原因かもしれないのです。

・症状

マラセチア菌というカビが原因で鼻の外がかゆくなるときは、表面が赤くなったり、皮膚が荒れたりします。

皮膚が細かく砕けて、むけることがあります。そうです、フケのような症状です。これらは、マラセチア菌による脂漏性皮膚炎の症状の特徴です。

カビが原因のときの治療法

皮膚科にかかって「脂漏性皮膚炎」と診断されると、カビを殺す薬「抗真菌薬」が処方されます。「真菌」は「カビ」のことです。つまり「真菌」に「抗(あらが)」う「薬」です。

しかし、抗真菌薬は、効き目がマイルドで、効果が出るまでに時間がかかります。そこで、即効性があるステロイド薬が処方されることがあります。

医師によっては、レーザーを使うこともあるそうです。レーザーの熱でカビを殺すのです。

脂を過剰に出さないようにする

脂漏性皮膚炎は、通常は体を守る皮脂が、過剰に出たことにより、かえって体を傷つけてしまう病気ですから、治療では、皮脂の量を正常に戻すことも考えなければなりません。ビタミンB群が、皮脂の量の調整に関与していることが分かっています。なので、医師の処方では、ビタミンB2やB6といった錠剤が出されることがあります。

また、女性は化粧品にも気を付けてください。油分を含まないものか、油分が少ないものを選んでください。紫外線対策も重要です。

また、皮膚を悪化させるのは「刺激」です。食事では、唐辛子や強い香辛料などは避けた方がよいでしょう。

鼻の外のかゆみ:アレルギーかも

鼻水

「鼻のかゆみ」といえばアレルギーをすぐに想像するかもしれません。アレルギーは、鼻の外も中も、かゆくするのですが、ここではまず、「鼻の外をかゆくさせるアレルギー」をみてみましょう。

花粉、ホコリ、ダニ…

アレルギーを引き起こす「モノ」を、アレルゲンといいます。アレルゲンは、アレルギーを引き起こす人によって異なります。

代表的なアレルゲンは、花粉、ホコリ、ダニ、ペットの毛ですが、これらにまったく反応しない人もいます。ですので、アレルギー反応によって、鼻の外がかゆくなる人は、まずは「何によって引き起こされているか」を特定する必要があります。この特定は、医療機関でないと、正確に行えません。

そのほか、小麦粉やコメなどの食べ物や、紫外線、洗剤などの化学物質もアレルゲンになり得ます。

アレルギーによる症状の出方

先ほど説明した脂漏性皮膚炎は、皮脂という脂が空気に触れて酸化して、劣化したために起こります。または、カビが皮脂を分解したために起こります。ですので、アレルギーによるかゆみと比べると、原因が発生してから、かゆみが生じるまでに時間がかかると言えます。

一方で、アレルギーによる鼻の外のかゆみは、アレルゲンに触れるとすぐに症状が出てくる特徴があります。直後から数時間以内に発症します。そして、アレルゲンがなくなると、症状がなくなります。

かゆみ以外の症状では、赤み、腫れ、痛みが出ることがあります。

「素人診断」は禁物ですが、これらの症状を知っておけば、原因の見当がつきます。原因の見当がつけば、皮脂またはアレルゲンを除去することは、日常生活の中でできることがあるので、すぐに対策が取れるわけです。

アレルギーの薬

薬

鼻の外のかゆみが、アレルギーによるものであると判明すると、医師は、ステロイドを処方するでしょう。そのほか、免疫を抑制する薬や、抗ヒスタミン薬という薬が出されます。

アレルギーは、体を守ろうとする免疫の働きが強すぎる状態ですので、症状を緩和するには、免疫を抑える必要があるのです。

スキンケアで予防

アレルギーを起こした皮膚は、敏感になっています。少しの刺激でも、症状が悪化しかねません。

そこで丁寧なスキンケアが必要になります。鼻や顔を洗うときは、石鹸を直接つけるのではなく、まずは両手で泡をたくさん作ってから、その泡を鼻や顔につけるのです。「ゴシゴシ」やるのは禁物ですが、「確実に」やる必要があります。この洗い方は、女性では一般的になっていますが、男性も真似してくださいね。

次に保湿です。肌が乾燥した状態は肌のバリアが薄い状態です。バリアが薄いと、小さな刺激でも影響が大きくなります。保湿によって肌が潤っている状態は、バリアがしっかり張られている状態と考えましょう。

鼻の中の痛み:副鼻腔炎かも

洞窟

「かゆみの話」からはちょっと離れるのですが、「鼻の中の深刻な病気」のひとつとして、副鼻腔炎(ふくびくうえん)を紹介します。

副鼻腔炎について

鏡で「鼻の穴」を除くと、見えるのは、せいぜい3~4センチぐらいです。それ以上の「奥」は、暗闇で見えません。実はその「奥」には広い空間があり、その空間が「副鼻腔」なのです。例えるなら、入口の狭い洞窟に入ってみたら、中は意外に広かった――といった感じです。

風邪やインフルエンザなどにかかると、この空間「副鼻腔」が炎症を起こします。これが副鼻腔炎です。症状は痛みと鼻水です。でも、かぜの症状でも、鼻が痛くなったり、鼻水が出たりしますよね。ですので、初期症状だけで「副鼻腔炎かも」と気付くことは難しいかもしれません。

ところが風邪やインフルエンザの症状が治まっても、鼻の痛みが続き、鼻の奥で悪臭が発生します。これは、副鼻腔の炎症が悪化して、膿ができたためです。

もしこのような症状が出たら、すぐに耳鼻科にかかってください。炎症が、脳や目に進行する可能性があるからです。そうなると、頭痛や視力の低下、意識が朦朧とするなどの症状が出てきます。

検査は難しくありません。通常のレントゲン撮影で診断できます。ただ、脳への進行が疑われると、CT検査を行います。副鼻腔炎が確定すると、炎症を抑える「消炎鎮痛薬」などが処方されます。

副鼻腔炎は、風邪をひいたときなど、体の抵抗力が落ちているときにかかりやすいといわれています。予防としては、風邪にならない、抵抗力のある体づくりが勧められています。

鼻の中のかゆみ:鼻炎かも

鼻の中のかゆみの大半は、鼻炎が原因と考えられます。

鼻炎とは?

「鼻炎」といえば、くしゃみや鼻水といった症状がよく知られていますが、鼻の中のかゆみも特徴のひとつです。実に日本人の5人に1人が、鼻炎にかかっているという調査結果もあるくらいですから、国民病のひとつといえるでしょう。

鼻炎は、アレルギー反応のひとつです。鼻炎が生じるメカニズムは、「鼻の外のかゆみ:アレルギーかも」と同じです。そこでここでは、なぜアレルギーが起きるのか、についてみてみたいと思います。

アレルギー反応と抗体の働きについて

アレルギー反応のメカニズムは、「1回目」と「2回目以降」で異なります。「アレルギー反応が1回起きると、それがスイッチとなって、2回目以降のアレルギー反応が起きる」といったイメージです。

体内に、花粉が入ると、体内の「抗体」と呼ばれる物質が「こいつはヤバイ奴だ」と反応します。しかしこの反応ではまだ、不快な症状は出ません。ではどのような反応かというと、抗体が、体内の細胞に対して「次にまた花粉が入ってきたら戦おうぜ」と指示を出したのです。

そして次に花粉が体内に入ってくると、細胞は、抗体の指示通り戦います。戦うときに、細胞は「ヒスタミン」という化学物質を出します。これが、かゆみや鼻水などの不快な症状を引き起こすのです。

つまり「1回目」の反応がないと、「2回目以降」の反応は生じないのです。そのため、まったく同じ花粉にさらされても、アレルギー反応を起こす人と起こさない人がいるのです。

鼻の中のかゆみ:ドライノーズかも

乾燥

これまで一度もアレルギー反応を起こしたことがない大人が、ある日突然、鼻の中がかゆくなったとします。このときに考えられるのは、「アレルギー体質になってしまった」か「アレルギー反応以外の原因が起きたのか」の2つです。

ドライノーズとは?

そして、「アレルギー反応以外の原因」で考えられるのが、鼻の中の乾燥、いわゆる「ドライノーズ」です。夏は冷房、冬は暖房と、私たちは、1年の半分を人工的な空調の中で過ごしています。現代社会は乾燥社会といえるのです。

ドライアレルギーによる「鼻の中のかゆみ」の特徴は、鼻水が出ないことです。小さな痛みが生じることもあります。乾燥が続くと、鼻の中の粘膜が切れて鼻血が出ることもあります。

鼻の中が湿った状態になっているのは、細菌などをキャッチするためです。それがドライノーズになっているとできなくなるので、感染リスクが高まるといえます。

まとめ

「鼻のかゆみ」の薬は、たくさん出ています。市販薬でも選択肢が多いです。その中から効果が出る薬を手に入れるには、詳しい症状を薬剤師に伝えることです。

また、早めに耳鼻科にかかることもお勧めします。アレルギーが原因の場合、アレルゲンを特定しないと治療に取りかかれないからです。「鼻のかゆみくらい、我慢しなきゃ」と思わないでください。

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